岸本佐知子のレビュー一覧

  • なんらかの事情

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    岸本佐知子ワールド全開!な一冊だった〜!
    ある事柄に対して、なめらかに想像の世界に入っていき
    クスッと笑えるお話がたっぷり入っていて
    ほっこりしたい時におすすめしたい一冊

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    2026年10月15日
  • エドウィン・マルハウス

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    町の見知らぬ地区に行く感じ、天候が変わったときの海辺の表情の変化、夜の街の徘徊など・・・主人公達はあまり子供っぽくないけど、こどもの頃の心象が鮮やか。

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    2026年10月10日
  • あれは何だったんだろう

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    ちょっとしたことから広がるあれやこれや。著者の想像、連想は果てしない。エッセイが物語になり、時にクスリとさせられる。
    突然出てくる江戸の人、海パンの今後に笑った。

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    2026年10月10日
  • はいつくばって

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    ミランダ・ジュライの新刊が出ている!と思って本屋で手に取った。家にはまだ読み終わっていない『いちばんここに似合う人』があるのに本書を買ってしまったのは、書き出しに心を掴まれたからだ。こんな魅力的なはじまり方があるだろうか。
    あと、過去の作品を読んでから最新作を読むという読み方もあると思うが、何となくではあるが、ミランダ・ジュライは新作があれば新作から読んだ方が面白いような気がした。とにかく今を生きているイメージがあるので、最新を知りたくさせられるのかもしれない。この人は今どんなことをしているのだろう。作品よりもこの人が気になってしまう。

    もの凄く面白かったのだが感想が難しい。男の自分が読んでどこまで共感できているだろうと考えてしまう。男性は楽しめない作品では全然ないので、とにかく多くの人に読んでみてほしい。見方によって感想は様々ありそう。

    女性の更年期がテーマではあるが、性別や年齢を越えて、人生の曲がり角に光を当てる素晴らしい小説だった。 45歳の家庭もある女性アーティストが魂の赴くままに突き進んでいく。あまりにも奔放すぎる主人公の言動に笑いを堪えることができないくらいだが、小説とはいえ女性がここまで赤裸々に心情を曝け出すことに、現代の作家としての覚悟を感じる。
    自分に正直であるが故に、どこかで今の生活が壊れることを望んでいたりするのだろうか。ふとしたことから一人旅を思い立ったことで、築き上げてきたものが壮大に崩れていく。
    ひりひりとした痛みを伴いながら、こちらのちっぽけな倫理をどこまでも飛び越えていく。何故そんなイバラの道を?と思いながらも、いいぞ、もっとやれ!と、いつの間にか応援してしまう。

    歳を重ねると落ち着いてくるなんて嘘なんだろうなと思う。オードリーの若林さんが言っていたが、大人は元気が無くなるから落ち着いて見えるだけらしい。クロマニヨンズの甲本ヒロトさんは、若い人に向けて「歳をとってもイライラするよ」と笑っていた。それが悪いことかどうかは時と場合によるのだろうけど、良い歳した大人だって盛大に転んだりしたいよなぁと思う。
    どうしようもない人間の「どうしようもなさ」が、とても面白い。

    不安定な精神の波に溺れそうになりながらも、何とか自分らしい生き方を探す。歳をとる事は悪いことばかりではないのだ。何もうまくいかなくても、過去に引き摺られながらも、それでも自分の人生を生きていく。強いメッセージを感じて胸が熱くなる。
    そんな切実とした瞬間の連続にも関わらず、全体に張り巡らされたミランダ・ジュライのすっとぼけたユーモアに笑いを堪えられない。どんな感情で読めばいいのか謎のパワーに満ちた奇妙な小説でもある。これは自身の人生も多分に投影されているらしいので、当時の複雑な感情がそのまま入り乱れているからではないか。

    複雑なことは複雑なまま、答えのないそのままの人生が詰まっていて、正解はないのだからもっと正直に生きていいのではないかという作者からの問いかけを感じた。
    この本を読んで救われる人は沢山いるだろうなぁ。大きなテーマでありながら、元気の出る楽しい小説でした!

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    2026年10月08日
  • はいつくばって

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    ・あらすじから想定されるちょっとコミカルな筋。その先からはちょっと予想外の展開をして、最終的には静かな感動(達成感?)に辿り着く。小説を旅になぞらえる比喩があったりするけれど、まぁまぁ長いこの小説を読み終えたその読後感はまさにそれだなぁ、と思った。
    ・自分は男なので、この女性の更年期問題(それだけじゃないけど)に感情移入を完全に出来たかは、あやしい。ただ、「老い」の問題、それに伴う生物的、社会的、経済的な変化という点として見るならば、完璧でないながらも、重なる所は多い。
    ・その上でのある種エキセントリックな、そして滑稽な主人公の行動、その果てにあったちょびっとの癒しにはグッときてしまった。
    ・旅のたとえをしてしまったけど、あと読みながら、特に後半部分は、最近読んだ東畑さんのカウンセリングの本、まさにカウンセリングの道程の様な話だな、と思ったりした。

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    2026年10月05日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    変と恋愛を混ぜると不気味という感覚が残るんだなあと思いました。どこか歪んでるのにその愛というものがあったことをみんな信じている。こんなにも不確かなものはないのにこれだけは言える、みたいな感じで。
    変。変わる。
    人と交わるとどうしても変わっていってしまう。想像のつく未来なんてひとつもない。

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    2026年09月27日
  • あれは何だったんだろう

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    思わず引き込まれて、一気読み。エッセイなのか、創作なのか?そんな思いも、関係なく、単純に面白い作品です。

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    2026年09月26日
  • すべての月、すべての年 ――ルシア・ベルリン作品集

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    以前、『掃除婦のための手引書』を読んだ時に、いずれはこちらも、と思っていた。どちらの短編集も著者自身の人生経験の豊かさが、題材と詩情の豊穣さに結実している。
    主人公はしばしば学生、看護師、電話交換手、子育てに忙殺される主婦である。それら全てが彼女の人生の諸相だ。ところが小説家だけは登場しない。そこは客体化したことがないのだろう。それとも私が知らない作品にあるのだろうか。

    いずれにせよ登場人物たちの日常が生き生きとして楽しげであることに読者は安心する。それほど彼女の分身たちは我々に愛されているのだ。本書の最後ではついに全てから解放された70歳の老女役で登場する。トレーラーハウスの屋内で、病気のために酸素ボンベを持って移動するという、彼女の終末の姿そのものだ。しかし難病にもめげない朗らかさにホッとさせられた。

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    2026年09月24日
  • はいつくばって

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    ネタバレ

    人生をローラーコースターに例えるのは安直だが、じゃあ登り切った頂点は、あなたにとって、いつなのか?
    そして、そこからの落下は、恐怖?それともスリルに満ちた体験?

    やっかいなことに、このメタファーは、滑り落ちた先で、これにてお終い!さようなら、ともいかないのだ。
    完全停止して下車するその日まで、僕らに待っているのは再び車両を自力で押し上げていく作業だ。もう以前ほど楽々と高くへ昇ることはできなかったとしても。

    ミランダ・ジュライの、“はいつくばって”は、彼女の、彼女たちの二周目のローラーコースターだ。
    もちろん同じ敷かれた軌道には戻らない。
    コースアウトした先にレールがあるかも分からない。


    ふと気づけば無頓着だった若さ/性的な魅力は失われる手前。若い恋人に焦って執着してもモノにできない。幸せな家庭生活は、妻と母を無条件に請け負うことの言い換えだとも気づいている。

    それってミッドライフ・クライシスでしょ、通り過ぎ去れば笑い話だよ、なんて世間の知恵みたいなことを彼女は当然言わない。
    これって何?わたしは何処へ向かえばいいの?
    まっしぐらに全力で落下した後に、冒険と探究が再び始まる。

    つまり本当の問題は、更年期の乗り切り方のハウトゥーなんかじゃないのだ。
    “わたし”がハッキリと気づいてしまったこと。
    それは、ホルモンにコントロールされた身体と欲望が求めるままに人生を生きることではない。
    かといって、旧式であれ進歩的であれ、頭と理性で考えた人生を生きることでもない。

    誰も所有せず/誰にも所有されない、“遍歴する魂”の赴くままに、生きること。
    例え大切な人を傷つけ、損なってしまうことが見えていても、自分の心を誤魔化さずに生きること。

    それは自由であること。

    これは高らかな宣言ではない。
    本作中で示された家族の形のように、紆余曲折の末にパートナーもまた新しいガールフレンドを見つけて、対等な関係性が築かれるといった、物語的エンディングが待っていると期待するのは難しい。
    それでも、墜落の痛みに怯えずに飛ぶのだ。
    ゴミ袋に身を包んで窓枠を乗り越えるのか? No!


    赤裸々で、生身で、弱さをあらわにしながら這いつくばって崖っぷちを前進する彼女は、タフだ。
    “いちばんここに似合う人”の、世界に対して私をハグしてと、泣きべそと共に訴えていた彼女たちはもういない。
    作中で語られる通り、四つん這いの体勢は、“ちょっとやそっとじゃ倒せない”。

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    2026年09月26日
  • 『罪と罰』を読まない

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    好きな作家さんたちが、読まない読書会をするという絶対に面白いだろう!と思い、読んでみました!
    私も罪と罰は読んだことがないです。英訳された本が苦手ということ、文化の違いに戸惑って進まないなど海外文学に対して苦手意識があるのですが、そのおかしいだろうを読んだ4人が共有する場面から興味が湧きました。(4人が読んだということはネタバレになるのでしょうか…)
    何かの折に、挑戦してみたいです。

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    2026年09月20日
  • 最初の悪い男

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    読んでる途中は、なんだこの話?って思いながら読んでたけど、読み終わってしばらく経ったいま、あれ?もしかしてあの本気めっちゃおもしろかったかも!ってじわじわくる。
    そしてさすがの岸本佐知子さん訳!

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    2026年09月16日
  • はいつくばって

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    45歳の(わたし)は大陸横断中断を端に人生、家庭、更年期の危機に面してしまう。その間いろんな事件が続くが、アメリカ人の多様な性表現、友人とのオープンな意見交換、芯の強さ、迅速果敢な行動など感心することばかり。抜群におもしろい物語でした。

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    2026年09月13日
  • ねにもつタイプ

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    「名文」「面白い」「他にはない」

    これまで、この子がいろんな帯をまいて店頭に並んでいるのを見て来たけれど、なんとなく読まずにここまで来てしまった。

    ようし・・・!
    今疲れてるし、なんか元気出て頭使わないもの!

    そう思って手を伸ばしたけれど、
    読み始めてすぐに戸惑う。

    これは・・・どこまでがホントでどこからが独り言で、どこからが妄想なの???笑

    だれだって、顔には出さないけど、頭の中で自分と会話してること、結構あると思う。

    自分との会話だから、とても雑。
    順番なんて気にしないし。
    結論なんてなくてもいいし。
    脱線なんて当たり前だし。

    外側で起こってる「今」とは全然関係ないことを、あっちへふらふらこっちへにょろにょろ考えたりする。

    なんていうか、

    それがそのままエッセイになってる!!!笑

    人の頭の中の、しかもどうでもいい部分を、そっと覗き見させてもらってる気持ち。


    これまで、いろんな方の面白いと言われるエッセイを読んできたし、笑い転げたり思い出し笑いするような思いもして来た。
    でも、これはそういうのじゃなくて。


    わたしが帯を描くならどうするだろう。

    笑い転げる要素はないです。
    共感・・・というのもちょっと微妙かな。
    でも、これは確かに抜群に面白いです。

    こんな感じ。

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    2026年09月01日
  • ねにもつタイプ

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    実際のエピソードだと思ったらすぐ妄想になるw
    頭の中で考えてることを文章に面白く書けるっていいなぁと思う。
    G出過ぎー!

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    2026年08月28日
  • あれは何だったんだろう

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    「ハローワーク」の項を読みながら、ダーウィンが来た!を観ていたらスカシカシパンが出てきた。
    そんな偶然や興味、思考の一致でとても気になる岸本さん。
    いつか会えるのでは、若しかしたらもう会っているのかもと錯覚。
    「角栓除去動画」の愛好家とは、しかもピンセット派!耳垢の大物除去もオススメしたいな。
    オリンピック、私も見ません。
    恵方巻き、食べた事ありません。
    キノコ、猫大好きです。
    ただ、ウミウシも大好きですがイモムシとは違います。

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    2026年08月23日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    今までにあんまり経験したことないような文体で新鮮だった。
    短編集だけど、まったくのバラバラな話の集まりという訳ではなく、作者の実体験に基づく話が時系列等はバラバラに載っている。
    かなり波瀾万丈な人生を送った人のようで、途中まで同じ人の人生とは気づかなかったくらい。
    あんまり綺麗じゃない描写も多いんだけど、その場面の情景や登場人物の感情が突き刺さるみたいに鋭く伝わってくる。あとユーモラスですごく面白い。
    ハッピーな話の方が少ないから虚しさとか切なさを感じる読後感だけど、だからといって絶望的な雰囲気ということではなく、どこかさっぱりした終わり方な気がする。特に家族についての話でそう感じた。
    お気に入りの話は『エンジェル・コインランドリー店』、『掃除婦のための手引き書』、『ファントム・ペイン』、『いいと悪い』、『苦しみの殿堂』、『ママ』、『さあ土曜日だ』、『巣に帰る』。

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    2026年08月21日
  • ひみつのしつもん

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    回数を重ねても損なわれない岸本さんの妄想の素晴らしさ!単純に面白いだけでなく、うっすら怖いような寂しいような余韻が残るものもあり、もはやエッセイというジャンルなのか?と思うような話もある。
    脳内のボブサム
    尻でカチンコを鳴らす小さな黒澤明
    物干し竿から流れるどろりとした液体
    パンを落とした小さなお婆さん
    ウォーミングアップする洋子が心に残った。

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    2026年08月13日
  • ねにもつタイプ

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    岸本佐知子さんの言葉はユニークで好きだ。
    さらに岸本さんの日常と妄想まで堪能できるこの一冊は、なんとも贅沢な一冊だ。

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    2026年08月12日
  • ねにもつタイプ

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    こんな不思議な文章は初めて読んだ。
    現実と空想と妄想とがぐるぐると入り混じったような読書時間は、風邪の時に熱に魘されてみる夢の感覚に近い。

    三浦しをん氏がご自身のエッセイで絶賛されていたので、興味を持って手に取った。
    岸本氏の感性に底はかとない恐れを感じたり、害虫との戦記に深く共感したり。
    これは本当にエッセイ?と首を傾げつつも、不思議と夢中になってあっという間に読み終えてしまう中毒性がある。

    作品に没頭することは多々あれど、脳内が異空間にトリップしているような文章には初めて出会った。
    この感覚は癖になる。著者の他のエッセイにも挑戦してみたい。

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    2026年08月05日
  • 五月 その他の短篇

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    面白い短編集だった。ただどこがどう良いかと説明するのが難しくて好みは分かれそうな作品だなあと思いながら読んでいた。特に良かったと思ったのは表題作の「五月」。他は「普遍的な物語」「スコットランドのラブソング」「物語の温度」も良かった。好みで言うと「物語の温度」みたいなのはすごく好き。全編通して急に場面が変わったり、あなたとわたしが変わったり、今の話かと思ったら前の話だったり。その自由さ?みたいなものが物語の拡がりを作っているように思う。

    「侵食」という短編では、ある日全てのものに対して愛が溢れ(アリやアブラムシでさえも)世界が輝いてるのに、その後突然アリやアブラムシを潰していくという意味のわからないお話なのだけど、よくよく考えてみれば、自分もすべてのものを肯定し、包み込むような聖人モードの日(あるいは数時間)もあれば、次の日(場合によって数時間後)人が変わったように不機嫌な日もあるなあとふと思い出して、こんなことも短編として描かれるんだ!面白い!となった。いや、そういう解釈であっているかは分かりませんけどね…。

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    2026年08月03日