あらすじ
中世テーマパークで働く若者、愛する娘のために賞金で奇妙な庭の装飾を買う父親、薬物実験の人間モルモット……。ダメ人間たちの愛情や優しさや尊厳を独特の奇想で描きだす全米ベストセラー短篇集。
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Posted by ブクログ
決して自分の望んだ環境ではない中で生きる主人公たちが、自分のコントロールの外にある大きなうねりに翻弄されながらも不器用に生きてゆく。人生のやるせなさに打ちひしがれながらも懸命にユーモアにあろうとする姿に心打たれるであろう。
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「訳者あとがき」で岸本佐知子さんが、「描かれるのはたいてい八方ふさがりの現実で、その現実をなんとかしようとあがく人物たちのドタバタがどうしようもない悲哀と笑いを誘い、最後には彼らへのいとおしさに、不思議としんみりさせられる」とあるが、まさにその通りの読後感の話が多い。様々な奇想も面白い。
バッドエンド寄りの話も多く(てかほぼそう)、それもいいんだけど、ハッピー寄りの結末を迎えた話にはすごくグッときてしまった。
「もしも誰かが最後の最後に壊れてしまって、ひどいことを言ったりやったり、他人の世話に、それもすごいレベルで世話にならなきゃならなくなったとして、それがなんだ?なんぼのものだ?」「そこには同時にたくさんのーたくさんの良いことのしずく、そうおれには思えたー何滴もの幸せな、良い絆のしずくがきっとこの先にはあって、そしてその絆のしずくはー今までも、これからもーおれが勝手に距離できるものじゃないんだ。拒否。」って、老いや病に対抗する、本当に力強い人間讃歌。
特に好きなのは、『訓告』『センプリカ・ガール日記』『十二月の十日』。
Posted by ブクログ
どの短編も、なんだか妄想の世界を彷徨っているようななんともいえない展開、結末
なかでも「センブリカ•ガール日記」はなかなか
感動あり、教訓ありでふむふむよんでいたが
途中から
なんてこと!とぞわぞわした
そんなこととは知らずに『SG』ってなに?
と、何度も検索してしまった
世の中の不条理と、人間の強さ、愛情の深さ
読み始めは、少し重苦しさを感じていたが読み進めるほどに虜になっていく自分が怖い
Posted by ブクログ
ダメ人間が、色々な事に巻き込まれて巻き込まれて巻き込まれて、何も解決できず、特に成長もしない、大好物な物語が多く編んでありました。
サイコーです!
Posted by ブクログ
どの短編も、登場人物が(設定も)常軌を逸しています。心情的に寄り添うのがとても難しくて、戸惑いながら読み続けました。が、最後まで読んで、なぜか晴れやかな気持ちになっています。私みたいなポンコツも、生きてていいんだ…的な。まだ頑張れそうです、私。
Posted by ブクログ
不思議な魅力たっぷりの短編集。
報われない人々の様々な日常がそこにはありました。もちろんフィクションなんだけど、ここに書かれている主人公たちの心情、それが今の世の中だよなぁなんて妙に納得させられます。
いい本に出会えたな、と感じる短編集でした。
Posted by ブクログ
不思議な読み応えの作品ばかりでした。
特に印象的だったのは、著者の決して親切とは言えない文章でも、読んでいくと意味が繋がって感じられるところです。