岸本佐知子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ドストエフスキー「罪と罰」を読まずに4人の作家が読書会を開き内容を推測し合う話
4人の作家たちがヒントを手掛かりに自由に推測、思ったままを言い合うのがこの本の面白さ
ほんの少しの話の断片のヒントから作家流に「わたしならこういう筋書き、こういう流れにする」とか想像力が半端なく広がる
いったいどんな物語なのか
期待に胸を膨らませ、夢中になって「ああでもない、こうでもない」と語り合う
そして読んだあとにまた集まって
読後座談会
私は読んだあとにこの本を手にしたが、作家たちの当たらずとも遠くなく、話が横道にそれることもしばしばあるにもかかわらず、ちょっとのヒントで軌道修正してくる様子に感嘆し -
Posted by ブクログ
「訳者あとがき」で岸本佐知子さんが、「描かれるのはたいてい八方ふさがりの現実で、その現実をなんとかしようとあがく人物たちのドタバタがどうしようもない悲哀と笑いを誘い、最後には彼らへのいとおしさに、不思議としんみりさせられる」とあるが、まさにその通りの読後感の話が多い。様々な奇想も面白い。
バッドエンド寄りの話も多く(てかほぼそう)、それもいいんだけど、ハッピー寄りの結末を迎えた話にはすごくグッときてしまった。
「もしも誰かが最後の最後に壊れてしまって、ひどいことを言ったりやったり、他人の世話に、それもすごいレベルで世話にならなきゃならなくなったとして、それがなんだ?なんぼのものだ?」「そこに -
Posted by ブクログ
翻訳家でエッセイストでもある著者の読書感想文 + 翻訳小説食わず嫌いへの読書案内(初心者向け、上級者向け)+ 業界日記&メモ。視点や発想が日本人としてはユニークなので、分厚い本でも飽きずに読めた。
谷川俊太郎の『ことばあそびうた』に関する部分で、「言葉を発するということは、それ自体が音楽を奏でるようなもので、意味なんかなくたって、ただもう楽しいということだってある」とあり、著者の訳書もきっとリズム感にあふれているに違いないと確信した。
AIアシスタントに著者の翻訳本を何から読めばよいか尋ねると、ルシア・ベルリン作品集かミランダ・ジュライ作品集のどちらかの短編集から入るのがよいとのこと。それ -
Posted by ブクログ
普通にエッセイという心構えで読んでいくと、不思議な常識を知らないうちに飲み込まされていて、話を読み終わった後で、それがおかしかったことに気付かされるおそろしい文章群だった。
夢十夜に近いと思う。
作者岸本さんは、女性で現在64歳らしいのだが、本全体を通して、年齢や性別を特段感じなかった。
たしかに老いに関するエピソードや、話にあげられる俳優などには年齢が反映されているとは思う。しかし出来事に対して過去の体験や事件をあまりもちださずに、空想の論理をコロコロと転がしていく話の展開がとても柔軟だからだろうか。
小さなお婆さんの話が一番好きかも