岸本佐知子のレビュー一覧

  • 楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集

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    ポットキャスト<翻訳文学試食会>で取り上げられたので。

    評判通りすごい作家だなあ。色や光が感じられる。
    作者は自分の経験を元にして、編集し、拡大したり縮小したりして、物語にしている。
    解説や小説からは、精神的に幼いまま世界に出て、自由奔放、といえば聞こえは良いが無茶苦茶とか自堕落と言われるような生活で人生を渡ったみたい。
    でも小説からは恨みも強がりも感じない。ただ、生きている。
    長男によるあとがき「母の思い出」も小説のようで、ルシア・ベルリンが飲んで歌って踊っている姿が目に浮かんだ。

    『オルゴールつき化粧ボックス』
    五歳のルーチャ(ルシアのあだ名)とホープは、不良ティーンエイジャーたちの「

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    2025年08月23日
  • わからない

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    400ページ弱にエッセイ、書評、日記を収める。初出の年代はさまざま。
    筒井康隆作品の「日本家屋もの」or「お座敷宇宙」についてのエッセイが秀逸。
    三浦しをんのことも書いてある。「もしかしたら前世は武士だったのかもしれません。そういえば一度、最深度まで酔っぱらって、一人称が突然『拙者』になった三浦さんを見たことがあります。語尾は『ござる』でした。たぶん鎌倉時代の。まちがいありません。」てへっ。

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    2025年08月19日
  • わからない

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    『死ぬまでに行きたい海』で岸本さんのファンになったので読んだ。内容(登場するエピソード)は被っているものも少なくないが、友人と話している時の「それ以前にも聞いたことあるけどやっぱおもろい」話感があって嬉しかったです。
    前述のエッセイよりもボリュームがあり、短編集ということで章が短く、読みやすかった。
    日常のことをこんなに面白く、読者の共感や笑いや時に恐怖心(?)を誘う文章力が非常に羨ましかった。
    最後の方に日記が掲載されているが、自分が知っている「日記」とは様子が異なり、こういったのもOKなんだな?! いや日記だからこそこんなに率直でいいんだ……!! という発見と驚きがありました。
    手元に置い

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    2025年08月09日
  • なんらかの事情

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    笑える
    というよりまるで自分のことを書かれているような気分になるエッセイ
    岸本さんの頭の中の発想が
    たぶんみんなそうだったよな
    と、思えるはなしばかり
    それらを文章にできてしまえるのは
    さすが!
    ほとんどはその場限りで忘れてしまう
    ほっこりとまったりと
    たまにはこんな本を読んでみたくなる
    いや、いつでもかも‥

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    2025年08月08日
  • ひみつのしつもん

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    月刊『ちくま』の連載コラム「ネにもつタイプ」、第3輯目。そろそろネタ切れになるかと思いきや、まえにもましてノリに乗り、切れ味も鋭くなっている。
    多くは身近な話題で始まるが、そこから先は驚きの展開。まさかそんな世界が開けているとは! 粒ぞろいの52篇。

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    2025年07月16日
  • ひみつのしつもん

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    独特の世界観とテンポでサクサクと読めてしまうエッセイ集。 表す言葉がない感覚など、私も同じように感じることある!と思うことを的確に書いてあり、すごく身近に感じながら読める。 普通の日常の中に突如として食い込んでくる非日常的発想で思わずクスリ。

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    2025年07月08日
  • ねにもつタイプ

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    1話が2〜5ページほどの短編集で、表現が平易で読みやすい。
    書籍紹介にある通り、特に教養が身につくわけではないが、思わず声を出して笑ってしまう場面が多々あった。
    比喩の対象になっているものについては、読んで内容は理解できたものの、それまであまり意識して考えたことはなかった。
    でも、この本を読んでいる間だけは、それらについて一緒に考える時間が持てたように感じる。

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    2025年05月18日
  • なんらかの事情

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    月刊『ちくま』の連載コラム「ネにもつタイプ」、第2輯。
    どのエッセイがどう面白いかは、ネタバレになるので書けない。各エッセイのタイトルをちょっと曖昧にしてあるのも、おそらくそういう理由からだ。一例だけ挙げると、「ダース考」というエッセイ。わたしは10ではなく12でまとめる話かと思って読み始めたが、気がつくとダース・ベイダーになってものごとを考えていた。なるほどね、彼も結構つらいのだ。
    粒ぞろいの53篇。適当に開けたページから読み出せる。

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    2025年05月06日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    いままで読んだことのないタイプの小説群だ。荒っぽく、むきだしで、パンク。しかも状況の把握がすぐにはできない。何度も行きつ戻りつして、読み進む。最後は、人生の理不尽さが出てくるものの、言いようのないふしぎな感動に襲われる。
    鉱山技師の子としてアラスカに生まれ、子どもの頃はアメリカ各地やチリを転々とする。その後3度の結婚、4人の子ども。教師、掃除婦、電話交換手、看護助手、大学教員、そしてアルコール依存と慢性の肺疾患……作品の底流にあるのはこうしたキャリアと体験だ。
    この本のラストの作品は「巣に帰る」。冒頭にカラス、終わりもカラスが登場。描かれているのは、人生と反実仮想。ルシア・ベルリンその人が少し

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    2025年05月04日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    ネタバレ

    目次
    ・エンジェル・コインランドリー店
    ・ドクターH.A.モイニハン
    ・星と聖人
    ・掃除婦のための手引き書
    ・私の騎手(ジョッキ―)
    ・最初のデトックス
    ・ファントム・ペイン
    ・今を楽しめ(カルぺ・ディエム)
    ・いいと悪い
    ・どうにもならない
    ・エルパソの電気自動車
    ・セックス・アピール
    ・ティーンエイジ・パンク
    ・ステップ
    ・バラ色の人生(ラ・ヴィ・アン・ローズ)
    ・マカダム
    ・喪の仕事
    ・苦しみ(ドロレス)の殿堂
    ・ソー・ロング
    ・ママ
    ・沈黙
    ・さあ土曜日だ
    ・あとちょっとだけ
    ・巣に帰る

    ・物語(ストーリー)こそがすべて リディア・デイヴィス

    初読みの作家でしたが、思った以上に楽し

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    2025年05月02日
  • わからない

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    初めての岸本佐知子さん。面白すぎた。
    翻訳家で文筆家だから優等生的聡明な才女かと勝手に思っていたら、毒とユーモアに満ち溢れていた。そしてやはり表現の豊かさとビシッと決める言い回しのセンスというか技術というか、素晴らしくて虜になった。
    日記は吹き出して笑った。

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    2025年04月26日
  • 『罪と罰』を読まない

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    めちゃくちゃ面白かった。著名な本の関係者の罪と罰の感想、解釈が聞けるラスト100ページくらいは著者たちと読書会を開いているような気分になれた。罪と罰のおかしな点、面白い点を余す事なく文章化してくれていて読んでて楽しかった。299ページで三浦しをんさんが罪と罰を「愛すべきダメ人間の話だ」と言っていたがその通りだと思った。読書会参加したいな。読書仲間欲しいな。

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    2025年03月08日
  • わからない

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    翻訳家、岸本佐知子のエッセイ、本の書評、実録日記。




    この方を存じ上げないまま、タイトルと表紙の絵が気になり、パラパラと流し読みして面白そうだと思い読みました。

    どこでとははっきり分からないけれど、読んでいるうちにだんだんと、この人って魚座っぽいな〜と思っていたら魚座だというフレーズがあり、やはりと思いました。
    取り上げる題材、書き方、時折り挟まれる夢の話や荒唐無稽な話、それに対する著者の感じ方とその描き方などから、畏れ多いながらシンパシーを感じました(私と同じ!というわけでは決してなく、捉え方に親近感がわくところに)。
    実際はきっともっときちんとされている方なのでしょうが、いい加減さ

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    2025年01月22日
  • ひみつのしつもん

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    日常から作者の妄想世界の真っただ中へいつの間にか入ってしまう。なんだか、そこが心地よく、ときどきくすっと笑ってしまう作品の数々は、日々の雑事を忘れさせてくれ、力の入っていた肩もいつしか、リラックスさせてくれている。今回も、期待を裏切らない出来でした。次が待たれます。。。

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    2025年01月19日
  • すべての月、すべての年 ――ルシア・ベルリン作品集

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    異次元。本質の描きかた、その鮮やかさ。
    描かれている現実は、あんなに苦いのに。
    なのに重苦しくなく軽やかで、
    すこしだけ救いも感じられるのはなぜだろう。
    エル・ティムは特に胸を抉られる一編だった。
    打ちのめされるくらい見事な小説。

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    2025年01月13日
  • ねにもつタイプ

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    抱腹絶倒!とにかく面白い。
    この方の頭の中はどうなっているのだろう。
    この一冊を読んでから、「気になる部分」
    「なんらかの事情」など岸本佐知子さんの
    作品を読まずにはいられない(笑)

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    2024年12月25日
  • 楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集

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    ネタバレ

    ルシア・ベルリンの短編集、三冊目(これで最後かな)。やはりすごく良い。相変わらず酩酊とドラッグとセックスと死にまみれていて、それでいて繊細な描写でむせかえるようなにおい、音、色彩に包まれる感じにぐっと引き込まれ、読みだすと止まらなくなってしまう。

    悲惨な境遇も破滅的な出来事もあっさりと、からからしたユーモアとともに書かれていてそこには同情や好奇の視線を寄せ付けない強さがある。彼女の小説をどう表現すればいいか難しいのだが、起こるできごとも町のたたずまいも感情も一人一人の生も全部まるごと、むきだしになっているのだ。読むとあまりにリアルに目の前に迫ってくるから、その存在感にはいつも圧倒させられてし

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    2024年12月16日
  • サミュエル・ジョンソンが怒っている

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    ネタバレ

    たった一行にも満たないものから数十ページになるもの、物語というよりは断片としか形容できないものや、特殊な形式のものまで、作者が『短編小説である』と断ずるこの作品集には一見どうやって読めばいいのか戸惑ってしまうような短編が多数収録されている。
    正直自分の知識と感性の未熟さで楽しみきれなかったものもあるけれど、全体としてすごくスリリングで、こちらが読もうとすればするほど冷静で淡々とした文章の奥から物語がとめどなく溢れてくるすごい本だった。
    比較的長めの作品なら、執拗なまでに細かい描写と事実を淡々と書き連ねた文章を追う内に胸が痛くなるほどの激しい感情が湧き上がってくるし、極端に短い作品ならば、そのた

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    2024年12月14日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    はじめは、フーンこれがなんか色んな人が大絶賛の本か。なるほどなかなか読ませますなという感じで読んでいたのに、一編読み終えるごとに夢中になっていった。
    あれ?あの話の彼女はこの人?この体験はあの体験のこと?というか、これ全部繋がってる……?
    短編集というよりは自由な章立ての長編のような……作家自身の体験と深く結びついた物語が、ひとつ、またひとつ自分の中で繋がるほどに引き込まれていく。印象的なメロディーを繰り返しながら盛り上がっていく音楽みたいに。

    読み終えた時には、一人の女性の人生――痛みと喜び、幸と不幸、激しさと静けさ、深い傷と赦し――が、確かな色と、音と、匂いを持って立ち上がってきた。

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    2024年12月13日
  • 十二月の十日

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    最初はん?という感じでしたが世界観が掴めてくるとグイグイ引き込まれました。小説のちから。最後電車の中で泣いてしまった。出会えてよかった本。

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    2024年11月09日