岸本佐知子のレビュー一覧

  • ひみつのしつもん

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    やっぱ好きだな、作者のエッセイ集。クスッとした笑いがふんだんに散りばめられていて、イラストの妙と合わせ、ほっこりした時間を味わえる。個人的出色は、私は覚えていない、だな。思い出しただけで二ヤついてしまう。

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    2023年12月27日
  • ひみつのしつもん

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    するする読めるエッセイ。本書を読んで感性って大事だな、と改めて感じた。想像と創作と深くものを観察することとか。日頃の何気なくやり過ごしているのがもったいなく感じた。

    文庫で新刊だったので本屋で山積みになっており、たまたま手にとったもの。こういう出会いを大切にしたいですね。

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    2023年12月27日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    ごく個人的な、自分のためだけに書いた小説という雰囲気がある。それがとてもよい。そして、いい夢かな?と思ってたら悪夢だし、悪夢はやっぱり悪夢のまま。そして、悪夢なのにゲラゲラ声をあげて笑ってしまって、その自分の声に驚いて目覚めるみたいな感じ。あぁ夢でよかった、みたいな悪夢感。
    訳者のインタビューを聞いて購入後、何度も開いて、読み始めてみるけど、全然頭に入ってこない。合わないのかな?と思ったけど、ひとつひとつは短いので、順不同に何度も読み返すうちに、物語というか、作者のことが好きになってきて、好きな人の話しは、聞こうとするというか、貴方を知りたい。という気持ちに変わった。そしたら、映像になって、夢

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    2023年12月23日
  • 分解する

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    ネタバレ

    生活の断片を覗き込んでいるような細かな描写が魅力的だった。知らない人物だけれど、その不安や恐れなどを直に知ることで身近に感じるというか。文章でなければ得られない楽しさがあった。
    特に後半に好きな話が多く「昔、とても愚かな男が」「メイド」「コテージ」「年寄り女の着るもの」が良かった。言葉の流れも美しく、繰り返して目で追いたくなる。泣き喚いたり必死に訴えかけてきたりしない、静かな絶望を一人で受け止めているような描写が好みだった。また他の作品も読みたい。

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    2023年12月04日
  • 『罪と罰』を読まない

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    声を出して笑いました。ドストとかラスコとか 、そもそも読んでいないのに読書会って?! 4人の推理や想像力が楽しかったです。漫画でザックリと済ませていましたが 自分でも突っ込みながら読んでみたくなりました。

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    2023年11月27日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    すごい、すごいと聞いてはいたけど、やっぱりすごかった。歯切れのいいテンポと強烈な映像喚起力。短編それぞれがまるで映画を一本見たように世界にどっぷり浸り切ったような読後感を残す。最初数編読んで、すごいけど長編が無いのが残念だなと思ったけど、全て読み終えるとまるでルシア・ベルリンその人を主人公とした長編を読んだような気分になった。

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    2023年10月23日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    短くて恐ろしくて、滑稽で物悲しい。
    国のあり方はファンタジー、登場人物の外見は不思議。でも、内側を突き詰めれば私達と同じに思えるのが空恐ろしく。
    面白いけれど笑って済ませられない、人間とモンスターの物語でした。

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    2023年09月29日
  • 話の終わり

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    序盤は慣れない言葉のリズム感を楽しみ、〜中盤までは慣れなさによる酔いと停滞感で気怠く読み進めていたが
    中腹辺りの展開から急に、血肉を持ったような生々しい不規則さで飲み込まれ、そこからは一気に読み上げた。

    視点としては全く変わらない軸があって、章を跨がない限りはシチュエーションが大きく移らないのに
    徹底したディティールの描写によってこんなにも得られる没入感が変わるものかと驚いた。

    その一貫性に嫌悪感を抱く場合もありそうだが、何故そう過ぎるのか理由を探すと
    自分の感覚を、自分のフィルターだけを通して発しているようなその浮世離れ感で。
    それはわがままでも物知らずな訳でもなくて、ただ「ひとりが暮ら

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    2023年09月21日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    異なる話が収められた短編集かと思ったら、先に読んだ話が主人公を変えてまた現れる。それによって1つの話の背景が次々と明らかになるのが面白かった。根底には、米国のおそらく多数を占めるいろいろな意味で精一杯の暮らしをせざるを得ない人たちのありよう。再読したくなる。

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    2023年09月03日
  • ねにもつタイプ

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    面白かったー。
    こんなこと考えちゃう人いるの?って話が次から次へと出てくる。

    「あしたのジョー」のじょーが、りきいしにパンチを食らった時、口から出てくる白っぽいソラマメみたいな形をしたものを、腎臓だと思ってたって話がお気に入り。ついでにその時期の母親が自分の質問にすべて「うん」で答えていて、「これってじんぞう?」と私が訊く。「うん」と母が答える。ってとこまでセットで笑える。

    イラストも素敵だし、もっと読みたくなる。

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    2023年08月27日
  • なんらかの事情

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    ドスト本を読んで、久しぶりに著者のエッセイ集が読んでみたくなったもの。相変わらずの突拍子もなさで、いと面白き。

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    2023年07月21日
  • 『罪と罰』を読まない

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    タイトルからして面白そうだけど、実際面白いのが凄い。クラフトエヴィングさんの著作は未体験だけど、いかにも面白そうなメンツだもんな。何よりも、エッセイが最高な岸本さんが、本座談会でも本領を遺憾なく発揮してるのも良い。物書きを仕事にしているとはいえ、殆ど情報ゼロの状態から、わずかな手掛かりを元に、よくぞここまで想像を広げられるものだな、と。そして、”カラマーゾフ”を読んだとき、名前の長さや難しさ、その圧倒的なボリューム感にかなりの根気を要したから、ドストの他の著作にはなかなか手が出せないと思ってたけど、本書を読んで、またちょっと読みたくなりました。

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    2023年07月18日
  • 最初の悪い男

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    ネタバレ

    すごストーリーだ…

    いろんな人間のいろんな面に笑わないで向き合うことが得意なのか…?

    フィクションだからアレなんだけど、みんな外面普通でも案外己の「システム」を大事にしながらズレながらヒステリー球かかえて生きてるんだろうな~というちょっとした救いみたいなものをかんじたり

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    2023年07月13日
  • 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

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    原文はわからないけど、端的でわかりやすい文章なのに、時折びっくりするようなスラング的な表現や思いつかないような(でもなんとなくわかるような)比喩が入って、読むのが面白い。
    ストーリーは、ほとんどがアルコール中毒の話(笑)
    作者自身も苦しんだらしいが、それ以上に波乱万丈な人生から、その描写は辛辣ながら優しさがある。
    スヌーピーに気高いながらホコリを引き寄せてしまうビッグ・ベンというキャラクターがいるけど、一言でいうとそういう印象の作品。
    人生の美しさも底辺も見たいなら、ぜひ。

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    2023年06月12日
  • 気になる部分

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    翻訳家の岸本佐知子さんによる、エッセイ集。90年代に書かれたもの。
    著者はクセが強く変わり者という印象だが、普遍的にみんなが感じているだろうこともたくさん言葉にしており、共感できる部分もある。翻訳の苦労話のようなものはほとんど書いていない。子ども時代に不思議に思っていたことや、会社勤めをしていたころの話などが中心である。
    かなりたくさんの本を訳しているようだが、彼女の翻訳書は読んだことがない。売れているのだろうか。

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    2023年05月12日
  • 『罪と罰』を読まない

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    因業ばばあ? 急に宝塚? そうなの? まじか!…
    ああだこうだと一般読者と変わらぬざっくばらんな話っぷり。
    漠然とした極少ない知識と、ところどころで提示されるわずかなヒントを手がかりに推理する。
    なんと面白い企画なんだか。
    小難しそうで、ただただ敷居が高いだけだった「罪と罰」をぐっと身近に引き寄せてもらったような気がする。
    読まずに読む座談会、またぜひ開催してもらいたい。

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    2023年04月26日
  • なんらかの事情

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    エッセイであろう、ということ以外、前情報が全くない状態で読み始めてしまったら・・・見事にツボッた。
    これは1人で電車などでは読んではいけないヤツです。どうしても笑ってしまう。
    出だしは何てことはない、些細な話なのに、徐々にスピードを上げて壮大なスケールの妄想の世界へ放り込まれて、気がついたら、その渦の中でグルングルンに翻弄されている感じ。そして突然ポイッと現実世界に引き戻されているのだ。
    本当に体感したのか、夢の世界での話なのか、思い出が膨らみすぎたのか、物事を掘り下げすぎて深みにはまってしまったのか、はたまた妄想なのか、境界線の曖昧さが不思議な世界観を醸し出していると思う。
    肩を震わせて笑い

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    2023年04月23日
  • エドウィン・マルハウス

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    ネタバレ

    子どもが子どもの伝記を書く。生まれた時から観察される者であるエドウィンと6カ月年長の観察する者であるジェフリー。純粋な子どもらしい興味や不思議や無邪気な残酷さに満ちた幼年期、悪魔に魅入られたような恋や友情の壮年期、そして作家としての苦悩と言っても9才から10才の事象だ。次第に伝記作家としてのジェフリーの存在が不気味に全体を侵食してくるかのようで怖かった。
    リアリティーのある描写が目に見えるようでした。

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    2023年04月14日
  • 話の終わり

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    別れた12歳年下の彼から手紙が届き、返事をどうすればよいか考えあぐねてると、小説にしようと思い立った。記憶があいまいで思い出すのも順不同なのように、お話はとりとめもなく順不同に流れていく。

    何も起こらないしどうなってるかよく分からない。でも、わからなくていいんだと思う小説だった。読んでいるうちに私自身も小説の中の彼を求める「私」になった気分だった。彼に会いたいのに、パーティに来て欲しいのに彼の言葉を聞くとめちゃくちゃ怒るという、なんと矛盾した行動とる私。彼の働くガソリンスタンドまで行っちゃう私。当初はお金を返さないダメ男の彼かと思ったけど、そうでもなさそうだと思った。

    はっきり言ってこの小

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    2023年04月04日
  • いちばんここに似合う人

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    孤独は孤独なりに繋がろうと、不器用に生きる人たち。この本が人気ってことは不器用に生きていて慰めを必要としている人が多いってことだ。この事実が、私をまた慰めてくれる。私はこの辺のバランスをうまくとれる方だと思うし慣れてしまったからさほどこの本を必要としていない。でも、この本を読むべき人はもっと多くいるはずだ。諦めたからこその光。

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    2023年03月19日