岸本佐知子のレビュー一覧
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これもまた奇書。
前半は空回りが激しいイタイ中年女性のひとりコメディ。
しかし、中盤以降物語の性質が一気にかわる。
本当に同じ主人公なんだろうか、同じ物語なんだろうかと不思議な感覚になる。
中学生が一気に大人になる様を見ているようだ。
孤独、親、妊娠と出産、子育て、そして死の物語なんだろうとは思う。
しかしこの物語に重みはなく、どこか軽薄なところが好みが分かれるところなんだろうか。
中盤、物語の転換場面で思わず、えっ、と声が出てしまったけれど、その他の部分で面白みはあまりないかもしれない。
その他、胡散臭いセラピーやら主人公が勤務する存在意義不明の財団(税金控除対策なんだろうけど -
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翻訳家である岸本佐知子の主に90年代のエッセイ。
岸本佐知子という翻訳家の名を初めて認識したのは恐らく高校時代のこと、それは例の『中二階』という奇妙な小説の存在を知ったのと同時であったと思う。しかしそのときは、『中二階』も彼女の他の翻訳も手に取ることはなかった。その後、大学生となった2000年代初め、朝日新聞の「ベストセラー快読」という書評コーナーで初めて彼女の文章を読むようになった。それ以外にも、確か白水社だったか筑摩書房だったかが出していた出版情報誌に連載されていたエッセイなどにも目を通していた。
当時と云えば、小泉政権下、人の生を「勝ち/負け」という思慮の陰翳を欠いた暴力的な記号で序 -
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11歳で夭折した天才作家エドウィン・マルハウス。
その伝記を親友であるジェフリーが記した。
という設定の物語。
主人公が少年で、わたしが女性であるからエドウィンやジェフリーの気持ちがよくわからないのかもしれない。
エドウィンが魅力を感じた物事に、記憶に残る少女だったわたしは特に興味も無かったように思う。
ジェフリーはエドウィンを天才と言うが、エドウィンが感性豊かな少年だとは思うものの、だから天才というのとも違うように思う。
こういうところがわたしの平凡さなのかもしれない。
エドウィンが気に入った子の影響を受けすぎるところも自分に重ねられない。
好きになったローズやアーノルドに影響されるエ -
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とある子どもの伝記作家がとある子どもの作家の人生を書いた物語。エドウィンの一生が生れた際から順を追って書かれているのかと思いきや、序盤のほうでは急に成長しているエドウィンとジェフリーが出てくる場面があって、少し混乱してしまう。でも、読み続けているうちに、「ああ、これはこういう意味のある場面だったのか!」と納得できるし、最初を読んでしまえば、あとは基本的には時間軸通りに物語が進んでいるので、読みやすくなる。
エドウィンは普通の子どもだと思う。ジェフリーはエドウィンを天才であるかのように扱っているけれど、どちらかというと天才というか非凡なのはジェフリーだと思う。でも、彼はあえてエドウィンの影に潜み -