岸本佐知子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
先日読んだ吉田篤弘さんの『おかしな本棚』に登場した1冊。
翻訳家でありエッセイストということでありますが、面白すぎて声出して笑ってしまいました。中でも岸本さんが洋酒メーカーでPR誌の仕事をしていた時のライターさんの事をかいた『ヨコスカさんのこと』と『「国際きのこ会館」の思い出』は爆笑でした。これを読んだら国際きのこ会館に宿泊してみたい!と思って検索したら今はもう閉館しているようでショック(TT)
このエッセイの中にも気になる作家さんと小説が紹介されていました。吉田知子さんの短編集『箱の夫』。そして村田喜代子、奥泉光さんなど私の存じ上げない作家さんもいつか読んでみたいです。
岸本さん -
Posted by ブクログ
〈読まずに読む〉とは
「文字を読む」と「先を読む」の組み合わせ。
この興味深い読書会を覗き見できるのが本書であり、笑いたい時にぴったりな本だと私は思っています。
登場人物に勝手にニックネームを付けちゃったり、各々が持ち合わせた情報から推理しつつ皆さん好き放題言ってて(特に三浦しをんさん)、電車では読めないレベルで笑えます。
読後の読書会の模様も描かれているので「罪と罰」のネタバレありですが、読んだことのない「罪と罰」を読んでみたくなります。
「本は読まなくても読める」
「読む前から“読む”は始まっている」
「小説は、『読み終わったら終わり』ではない」
という言葉が素敵だなと思いました。 -
Posted by ブクログ
独裁者が誕生する様子や、同調圧力に流される集団心理などが、ブラックユーモアで語られる寓意に満ちたディストピア小説。
国民が、一度に一人しか住めない極小国と、その周囲を取り囲む大国の物語。ある日、大国の国境警備員が巡回中に、小国からの侵犯を発見。騒動を大国の論理を押し付けて収めたのは、たまたま近くのカフェにいた中年男のフィル。この男、脳がはずれて地面に転がるたびに熱狂的な演説を繰り返し、次第に民衆を魅了していきます。対して、この男が独善的な要求を小国に突き付けるたびに、小国は疲弊していき……という話。
脳がはずれると書くと、面喰らいますが、そもそも登場人物たちが荒唐無稽・奇妙奇天烈な容姿なた -
Posted by ブクログ
おそろしいことに気がついた。岸本佐知子さんのエッセイ集で未読のがなくなってしまった。これから何を楽しみに生きていけばいいのでしょう。…あ、『わからない』って新刊が出てるみたい。
■簡単なメモ
【意識的にオフにする】耳と脳をつなぐ回線を意識的にオフにする。おお、それはやったことがなかった。いろんなものをオフにして楽しんできたけど。今度試してみよう。戻れなくなったらどうしよう。
【一週間】一週間の歌はたぶんみんなへんやと思ってると思う。
【ガミネタ】「ガミネタ」って何?
【気になる部分】そこだけが気になり全体が見えなくなるというのはけっこうあったりします。「それ」が本体のように思えてきます。
-
Posted by ブクログ
翻訳者でありオモシロ幻視者でもある岸本佐知子のエッセイ集。
先月小川洋子の『原稿零枚日記』みたいなのが読みたいと思ったとき、なんで岸本さんのエッセイじゃなくてリディア・デイヴィスを選んだんだっけ。『サミュエル・ジョンソンが怒っている』も面白かったので全然いいのだが、謎の遠回りをした気もする。
「ねにもつタイプ」のシリーズに表れでる妄想癖は、思いっきりパラノイアックに描けばサイコホラーにもなると思う。そういう日常が歪みだす異次元に繋がる穴を、ドロップを舐めながら木の棒でツンツン突いて遊び続けてるのが岸本さんって感じがする。老いを感じるエピソードも多いのに、全部がボンヤリと"そういう -
Posted by ブクログ
このところ忙しくて、隙間時間にさっと読めるものを……と選んだエッセイ集、面白かったです
連載エッセイの文庫第三弾、ということですが、私はこの本が初めまして
サラッと淡々とした語り口なんですけど、連続で読むと想像以上にどっしりと重いというか、脳を使うような濃厚さがあります
本当に数話読んでちょうどいいような読後感
でも、一話一話を読んだ限りではそんな風には感じないんですよね
なんでしょうこの感覚、不思議です
自身をぐうたらのダメ人間として描いてらっしゃるのですけど、それが営業的なビジネスぐうたらでなくて、本当に自然なノリのナチュラルぐうたらとして描かれているので、嫌悪感なく親近感と共に読 -
Posted by ブクログ
序盤は慣れない言葉のリズム感を楽しみ、〜中盤までは慣れなさによる酔いと停滞感で気怠く読み進めていたが
中腹辺りの展開から急に、血肉を持ったような生々しい不規則さで飲み込まれ、そこからは一気に読み上げた。
視点としては全く変わらない軸があって、章を跨がない限りはシチュエーションが大きく移らないのに
徹底したディティールの描写によってこんなにも得られる没入感が変わるものかと驚いた。
その一貫性に嫌悪感を抱く場合もありそうだが、何故そう過ぎるのか理由を探すと
自分の感覚を、自分のフィルターだけを通して発しているようなその浮世離れ感で。
それはわがままでも物知らずな訳でもなくて、ただ「ひとりが暮ら -
Posted by ブクログ
タイトルからして面白そうだけど、実際面白いのが凄い。クラフトエヴィングさんの著作は未体験だけど、いかにも面白そうなメンツだもんな。何よりも、エッセイが最高な岸本さんが、本座談会でも本領を遺憾なく発揮してるのも良い。物書きを仕事にしているとはいえ、殆ど情報ゼロの状態から、わずかな手掛かりを元に、よくぞここまで想像を広げられるものだな、と。そして、”カラマーゾフ”を読んだとき、名前の長さや難しさ、その圧倒的なボリューム感にかなりの根気を要したから、ドストの他の著作にはなかなか手が出せないと思ってたけど、本書を読んで、またちょっと読みたくなりました。
-
Posted by ブクログ
エッセイであろう、ということ以外、前情報が全くない状態で読み始めてしまったら・・・見事にツボッた。
これは1人で電車などでは読んではいけないヤツです。どうしても笑ってしまう。
出だしは何てことはない、些細な話なのに、徐々にスピードを上げて壮大なスケールの妄想の世界へ放り込まれて、気がついたら、その渦の中でグルングルンに翻弄されている感じ。そして突然ポイッと現実世界に引き戻されているのだ。
本当に体感したのか、夢の世界での話なのか、思い出が膨らみすぎたのか、物事を掘り下げすぎて深みにはまってしまったのか、はたまた妄想なのか、境界線の曖昧さが不思議な世界観を醸し出していると思う。
肩を震わせて笑い