岸本佐知子のレビュー一覧

  • なんらかの事情

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    身近な出来事が多い、勘違い、行き違い、誤解、早合点、何もかも思い当たる、エッセイにするとこうなるのか。
    講談社のエッセイ賞を受賞した岸本さんに、今更だけれど。
    読んで暫くして、不意にぽかっと浮かんでくる、ほんと不思議だなぁと言う感じが好きだ。
    これからも何か見るたびに、あれ、これ何所かで読んだ感じだと思う。そんな身近な話題に思わずクスッと笑ってしまう話題が満載。



    * 物言う物 トイレが喋った「自動水洗です」。だからどうだって言うのだ。
    車が喋った「ガソリンがなくなりそうです」メーターを見れば分かる、それになぜみんな女なのか。
    状況次第で切羽詰まっていたり懇願するようだったり厳しくトガメダ

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    2026年02月10日
  • いちばんここに似合う人

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    面白かったです。
    ミランダ・ジュライは初めて読みました。岸本佐知子さんの訳も読んでみたかったです。
    人々の関わりが濃く描かれていますが、ひどく孤独を感じました。濃密であればあるほど、独りで立っていました。
    この感覚は親しく思います。楽しく会話してても、ひとり、ということをまざまざと突き付けられることはよくあります。
    「何も必要としない何か」がすごく好きでした。
    これからも読んでいきたい作家さんです。
    岸本さんはエッセイを面白く読んでいたばかりでしたが、訳書も文章が生き生きとしていて好きです。

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    2019年10月25日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    「恋愛」ではなく「変愛」…変わった形の愛が描かれたアンソロジーです。
    面白かったです。
    ディストピア文学が大好きなので、「形見」が好きでした。工場で作られる動物由来の子ども、も気になりますが、主人公の子どもがもう50人くらいいるのも気になりました。色々と考えてしまいます。
    「藁の夫」「逆毛のトメ」「クエルボ」も良かったです。藁の夫を燃やす妄想をしたり。クエルボはラストは本当に名の通りにカラスになったのだろうか。。
    多和田葉子、村田沙耶香、吉田篤弘は再読でしたがやっぱり良いです。
    岸本佐知子さんのセンス好きです。単行本から、木下古栗さんの作品だけ再録されなかったようですが。
    表紙の感じに既視感が

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    2019年08月30日
  • 最初の悪い男

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    ある種妄想の世界に生きる43歳の女シェリルと、その前に現れる最強最悪の「現実」クリー。よくある女性2人の分かり合いの物語ではなくて、変化、変化、変化。2人の関係はひたすらに変化し続ける。避ける、闘う、愛し合う、あらゆる剥き出しの感情の表出だ。そして見えていないものが見える。職場の人物。セラピスト。恋愛。あまりにも入り組んでいて話の流れとして読みやすいとはいえないけれど、最初に感じたあまりの嘘くささ(現実との乖離)から、最後には滅茶苦茶な現実が輝く。エピローグの輝かしさ。
    主人公にどことなく共感してしまう。ぜんぜん違う性格だし考え方も違うけれど、その人生回避の姿勢に。しかし彼女はぐちゃぐちゃでは

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    2019年06月14日
  • 最初の悪い男

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    ネタバレ

    netflixのドラマのようにゴクゴクと読んでいけちゃう喉ごしでありながら、しっかりと人間のアブない深淵を覗かせてもくれる一冊。笑い、泣き、慄きました。

    個人的に一番キてるな〜と思ったのは、シェリルが玄関でカタツムリ百匹ぶちまけながら自慰にふけってしまうシーン。その後人間同士の関係は驚くべき変化を遂げていくのに、カタツムリは後半に至ってもまだ屋内を這っていたりする。また、クリーが去った後もしばらく彼女の搾乳したミルクがジャックに与えられ続ける描写などもあって、一瞬で変化する物事とマイペースに連続性を保った物事との対比が面白く、もの悲しい。

    奇妙な筋立てにリアリティーを与える細かな描写もいち

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    2019年05月28日
  • 最初の悪い男

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    43歳独身妄想女シェリルの家に、上司の娘クリーが転がりこんできたことで起きた人生の奇跡。
    精神的に余裕がないと辛い。人間ってどうしてこうも残酷で単純な生き物で、また美しいのだろう。
    シェリルの妄想はリアルだ。欲求や理想をこれでもかと見せつけ、私の脳内にまで踏み込んでくる。
    サプライズでシェリルと読者を困惑させる。守るべきもののおかげで、なんとか前へ進むのだが。

    幸福とは変化なのか?理想の追求なのか?
    この結末は正しい。そう納得するしかないのは私の器の問題。

    タイトルの意味を理解した時、やはり正しいと再認識するだろう。

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    2019年05月04日
  • 最初の悪い男

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    ミランダ・ジュライは、「人生はビギナーズ」の監督マイクイルズの妻。彼女の初長編であるこの作品は、中年女性シェリルの元に飛び込んできた、上司の娘、20歳のクリーとの物語。傍若無人なクリーとの関係は、二転三転して予測がつかない。かなりファンキーな展開かつ、シェリルの空想話が混ざってくるので、かなり独特な読後感。何が言いたいんだか、よくわからないが、気の利いたエピローグでなんとなくすっきりする。

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    2019年03月16日
  • 最初の悪い男

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    人生とは肉弾戦だったと、こんなにはっきり突きつけられて清々しい。
    意表を突くタイトルも巧妙な角度から作品を浮き上がらせる象徴性で、手練れの技につくづく感じ入った。この言葉だけで、血気溢れるこの物語のことを、私たちはすぐに思い出せるだろう。

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    2019年02月24日
  • 最初の悪い男

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    面白かった。平日にひと晩で読んでしまい、明日は寝不足だ。実はこの人の書く人物のみじめっぷりがあまりに身につまされるので好きではない。しかし、面白くて止まらなかった。

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    2019年01月18日
  • いちばんここに似合う人

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    登場人物たちの孤独に揉まれて飲み込まれて息苦しいのに不快じゃない不思議な感覚。特に「モン・プレジール」と「あざ」が印象に残った。

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    2018年11月25日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    いくつか読んだことがある作品も収録されていましたが、今までの愛に対する見方を思いっきり揺さぶられる一冊であることは間違いなし。
    どれもこれもお勧め?
    「韋駄天どこまでも」は漢字遊びの要素なので、編者も書いているように翻訳は超絶技巧が必要だなぁ。
    単行本にしか収録されていない作品があるそうなので、単行本も読まねば。

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    2018年07月21日
  • いちばんここに似合う人

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    ずっとじわじわと感じていたのは恐怖だった。
    今わたしは主人公たちの孤独を想像出来ないほど子供でもなく、人生楽しいから大丈夫!と笑い飛ばせるほど「将来」の近くにもいない。
    大人になっていくということが、今の孤独をより深めていくことだとしたら?
    そんな恐怖で、読むペースはいつもより遅かったように思う(純粋に表現が好きで読み込んでいたこともある)。


    読み終わった今、どんな話か一言で、と言われたら
    「泣き疲れて眠るような」と答えたい。
    救いはないとしても、明日が来て何が変わる訳でもないとしても、今夜はとりあえず、おやすみ。
    そんな小説だと思った。

    朝寝坊して、致命的ではないけど初歩的で鈍臭いミ

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    2023年04月18日
  • 気になる部分

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     スティーブン・ミルハウザーやニコルソン・ベイカーの翻訳で知られる岸本佐知子女史のエッセイ集。
     1993年から1999年にかけて、色々な雑誌に掲載されたものを集めたとのこと。
     テンポがよく、押しつけがましいところがなく、とにかく面白い。
     ちょっと話を盛っているなと思えるもの、虚実が入り混じっているもの、それどころか虚しかないもの、と内容は色々だが、どれをとっても面白い。
     この方の好きな作家や好きな作品などが、僕の嗜好と重なることが多く、まるで昔から知っているちょっと変わり者の女友達と会話しているような気分にさえなった。
     この方の他のエッセイもぜひ読んでみたいと思う。

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    2018年01月04日
  • エドウィン・マルハウス

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    この本が響いたのか?響かなかったのか?
    まだ分からない。
    なので感想書くところまで消化できない。
    消化するためのなにかが足りない(己に)。

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    2017年10月26日
  • エドウィン・マルハウス

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    ネタバレ

    初めは読みづらかったけど、後半になるにつれ止まらなくなった。
    自分の子どもの頃の、湿った手のひらに匂い玉がくっつくことや額に張り付く髪の毛や、セーターが首にチクチク当たることや鼻水が出てくるのにティッシュもハンカチも持ってないと気付いたときのことや、そういった些細な、ネガティヴな記憶が蘇った。

    終始熱に浮かされてるような感じ。訳者あとがきにもあるように、「天才作家」と呼びながらも実はこれっぽっちもそんな事思ってない主人公の自我が滲み出る仕組みになっている。
    渦中ののシーンは、冗談で終わらせようとしてたのはエドウィンの方で、それを許さず天才作家の人生を完成させたかったのはジェフリーなのかなとか

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    2017年10月14日
  • いちばんここに似合う人

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    ネタバレ

    面白かったです。人生に行き詰っている人が主人公。
    性的描写が多かったですね。エロティックではなく
    他にどうしようもなくそこに行きついてしまったような
    エンディングのお話たちでした。

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    2017年06月18日
  • 気になる部分

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    p34
    「私には、ロールシャッハ・テストの絵がどれも「骨盤」に見えるのだが、異常だろうか。」

    珍しくエッセイを読んでみた。
    「考えてしまう」「ひとりあそび」「軽い妄想癖」「翻訳家の生活と意見」の4パートに分かれていて、それぞれ子供の頃の思い出やめくるめく妄想ワールドやら、毛色の違うエッセイ。
    ぐうたらでデタラメと見せかけて、語彙センスと表現力が豊富で、しかも翻訳家の生活を垣間見られたのが良かった。
    最後二、三文のオチが素敵なのです。

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    2016年11月08日
  • いちばんここに似合う人

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    ちょっと奇妙な日常を舞台にした16編の短編集。
    人はあまりに長く孤独でいるとおかしなことをしてしまう。トンチンカンな挙動をしたり、そうでなければ思いに捕らわれて固まってしまったり。そんな日々の些細なことを連ねて物語の骨格ができている。個々の出来事はたいしたことではないけれど、反応としての行動から、本人にも無自覚に心の動きが語られていく。どんなふうに物語をまとめ上げているのか不思議に思える作家の技。ああ、あるあるこういうこと……と共感するところ大なのだけれど、いかに孤独すぎる人の挙動を熟知しているかがバレるので、人に読んだ読んだと言うのは恥ずかしかったりする。
    しかし、孤独な人は絶望の淵に沈んで

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    2016年08月17日
  • 気になる部分

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    「穂村弘が好きなら岸本佐知子はいかがですか」、とすすめられた一冊。
    読んでて言葉のチョイスがうまいなあと思いました。
    そしたらなんと彼女、穂村弘と同じ上智大学文学部英文科。
    よくよく考えたらわたしたちのゼミの先生も上智英文科だった。
    上智英文科、強者ばかりじゃないか。
    できるならわたしも行きたいぞ。

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    2015年12月13日
  • いちばんここに似合う人

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     設定や状況がへんてこで奇妙な短編集。人の嫌なところが辛辣に書かれていたりしてぞくっとすることもあったけど、作品全体に漂うどうしようもない孤独感に、とても切なくなった。だけど切ないだけではなく、文章に滑稽さやユーモアがあったので楽しく読める。この作品が作者の初めての小説集らしいのだけど、次作以降も読みたい。特に印象に残ったのは、「何も必要としない何か」「妹」。

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    2015年12月02日