岸本佐知子のレビュー一覧

  • 気になる部分

    Posted by ブクログ

     スティーブン・ミルハウザーやニコルソン・ベイカーの翻訳で知られる岸本佐知子女史のエッセイ集。
     1993年から1999年にかけて、色々な雑誌に掲載されたものを集めたとのこと。
     テンポがよく、押しつけがましいところがなく、とにかく面白い。
     ちょっと話を盛っているなと思えるもの、虚実が入り混じっているもの、それどころか虚しかないもの、と内容は色々だが、どれをとっても面白い。
     この方の好きな作家や好きな作品などが、僕の嗜好と重なることが多く、まるで昔から知っているちょっと変わり者の女友達と会話しているような気分にさえなった。
     この方の他のエッセイもぜひ読んでみたいと思う。

    0
    2018年01月04日
  • エドウィン・マルハウス

    Posted by ブクログ

    この本が響いたのか?響かなかったのか?
    まだ分からない。
    なので感想書くところまで消化できない。
    消化するためのなにかが足りない(己に)。

    0
    2017年10月26日
  • エドウィン・マルハウス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初めは読みづらかったけど、後半になるにつれ止まらなくなった。
    自分の子どもの頃の、湿った手のひらに匂い玉がくっつくことや額に張り付く髪の毛や、セーターが首にチクチク当たることや鼻水が出てくるのにティッシュもハンカチも持ってないと気付いたときのことや、そういった些細な、ネガティヴな記憶が蘇った。

    終始熱に浮かされてるような感じ。訳者あとがきにもあるように、「天才作家」と呼びながらも実はこれっぽっちもそんな事思ってない主人公の自我が滲み出る仕組みになっている。
    渦中ののシーンは、冗談で終わらせようとしてたのはエドウィンの方で、それを許さず天才作家の人生を完成させたかったのはジェフリーなのかなとか

    0
    2017年10月14日
  • いちばんここに似合う人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かったです。人生に行き詰っている人が主人公。
    性的描写が多かったですね。エロティックではなく
    他にどうしようもなくそこに行きついてしまったような
    エンディングのお話たちでした。

    0
    2017年06月18日
  • 気になる部分

    Posted by ブクログ

    p34
    「私には、ロールシャッハ・テストの絵がどれも「骨盤」に見えるのだが、異常だろうか。」

    珍しくエッセイを読んでみた。
    「考えてしまう」「ひとりあそび」「軽い妄想癖」「翻訳家の生活と意見」の4パートに分かれていて、それぞれ子供の頃の思い出やめくるめく妄想ワールドやら、毛色の違うエッセイ。
    ぐうたらでデタラメと見せかけて、語彙センスと表現力が豊富で、しかも翻訳家の生活を垣間見られたのが良かった。
    最後二、三文のオチが素敵なのです。

    0
    2016年11月08日
  • いちばんここに似合う人

    Posted by ブクログ

    ちょっと奇妙な日常を舞台にした16編の短編集。
    人はあまりに長く孤独でいるとおかしなことをしてしまう。トンチンカンな挙動をしたり、そうでなければ思いに捕らわれて固まってしまったり。そんな日々の些細なことを連ねて物語の骨格ができている。個々の出来事はたいしたことではないけれど、反応としての行動から、本人にも無自覚に心の動きが語られていく。どんなふうに物語をまとめ上げているのか不思議に思える作家の技。ああ、あるあるこういうこと……と共感するところ大なのだけれど、いかに孤独すぎる人の挙動を熟知しているかがバレるので、人に読んだ読んだと言うのは恥ずかしかったりする。
    しかし、孤独な人は絶望の淵に沈んで

    0
    2016年08月17日
  • 気になる部分

    Posted by ブクログ

    「穂村弘が好きなら岸本佐知子はいかがですか」、とすすめられた一冊。
    読んでて言葉のチョイスがうまいなあと思いました。
    そしたらなんと彼女、穂村弘と同じ上智大学文学部英文科。
    よくよく考えたらわたしたちのゼミの先生も上智英文科だった。
    上智英文科、強者ばかりじゃないか。
    できるならわたしも行きたいぞ。

    0
    2015年12月13日
  • いちばんここに似合う人

    Posted by ブクログ

     設定や状況がへんてこで奇妙な短編集。人の嫌なところが辛辣に書かれていたりしてぞくっとすることもあったけど、作品全体に漂うどうしようもない孤独感に、とても切なくなった。だけど切ないだけではなく、文章に滑稽さやユーモアがあったので楽しく読める。この作品が作者の初めての小説集らしいのだけど、次作以降も読みたい。特に印象に残ったのは、「何も必要としない何か」「妹」。

    0
    2015年12月02日
  • ほとんど記憶のない女

    Posted by ブクログ

     数行のお話から数十ページのお話まであり、内容も寓話あり紀行文あり何でもありの、とても幅広い一冊。主観的な描写があまりないうえに世界観も抽象的で、どう感想を言えばいいのか分からないほどの掴み所のなさだけど、それだけに引き込まれた。

    0
    2015年11月29日
  • 気になる部分

    Posted by ブクログ

    通勤電車で読むのは危険だと知りつつ、読んでしまった。
    案の定、吹き出すのを我慢したエピソード、クスッと笑ってしまったエピソードが多々あり楽しませてもらった。
    岸本さんのエッセイを読むと、妙に共感をおぼえて自己肯定感が増す。

    0
    2014年11月12日
  • ほとんど記憶のない女

    Posted by ブクログ

    こんな人がいたらこわい…
    でも、いそうだし、私にもその片鱗があるかも…

    するすると情景の浮かぶ、読んでいてたっぷりその世界にいける本。

    0
    2014年08月21日
  • 気になる部分

    Posted by ブクログ

    ある日の午後,車でFMラジオをつけると,作家と翻訳家の会話が流れてきて,翻訳の苦労話などとてもおもしろくて聴き入ってしまった.あとで番組表を調べて見ると,作家は西加奈子さん,翻訳家は岸本佐知子さんだった.

    というわけで岸本さんのエッセイを読んでみた.本を読んでこんなに笑ったのは久しぶり.この方の周りでは常に何か変なことが起こっているような錯覚を引き起こす.ほとんど自虐ネタで,妄想の虜になって,一般世間とずれが生じるというパターン.それと言葉の音に対する感覚が独特で,これまた妄想のネタになる.私はこれを電車の中で読み始めてしまい笑いをかみ殺すあやしいおじさんになってしまった.こういうハチャメチ

    0
    2014年02月11日
  • 気になる部分

    Posted by ブクログ

    とにかく、読みながら吹き出していた。笑っていた。
    いやなことも忘れるくらい、岸本ワールドに
    ひきこまれてしまった。

    とにかく面白いと、あちこちでレビューを目にし、
    友だちも「きっと好きだよ」と勧めてくれて、
    ずっと気になっていたエッセイ。

    楽しい読書時間だった。

    0
    2014年02月10日
  • ほとんど記憶のない女

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ち、ちょっと手に余るって言うか…手に負えません。
    リディア・デイヴィスの頭の中を覗き見ようと、気合いを入れようと、逆に流して読んでみようと、やっぱり理解できないんだから。いや、理解しようなんて考えるほうが間違いだったのかも!センス・オブ・ワンダーの範疇なのかも、ちょっと分からない。でも、分かりづらい世界があるのも、楽しいことなのかも?って思える不思議な短編集でした。

    0
    2013年09月25日
  • いちばんここに似合う人

    Posted by ブクログ

    こんなに笑えて、こんなに寂しく苦しい物語は初めて
    ミランダ・ジュライの短篇は、出来る事なら気づかないふりをしていたいような、心の奥底の孤独感や悲しさを、笑いながら軽やかに、残酷なくらい鋭く、容赦なく掘り出していく。
    とぼけているような、ユーモアたっぷりの軽やかな語り。でも絶望的に悲しいのだ。

    独り言のような面白い独特の文章なので、原文が気になってそちらも読んでみた。ストレートで乱暴な性描写や表現も、よりサラッと乾いた印象。語りも、よりクールでシュールな肌触りがする。全編を通して、訳文のほうが女性的な感じかな。どちらもいいので、どちらもお勧め。

    0
    2015年08月07日
  • ほとんど記憶のない女

    Posted by ブクログ

    いろいろな感情や状況や設定を煮詰めて書いている作品。
    とても短い話(三行のものもある)ばかりだけれど、おもしろい。短い言葉だけれど、的確に伝えてきてくる。

    0
    2011年09月17日
  • いちばんここに似合う人

    Posted by ブクログ

    ここに出てくる人はみんなどうしょうもなく変な人。
    でもね、不器用でも変人でもみんな生きているのよ。
    確実に、圧倒的にここに出てくる人は
    あなたであり私である。
    くそったれの人生だけど駆け抜けてみようよ。
    もう一度ゆっくり読みたい一冊。

    0
    2015年05月26日
  • ほとんど記憶のない女

    Posted by ブクログ

    確かに禅問答のような、詩のような。不思議な感覚になる。
    今のところ中でも、「大学教師」という話は意外に!うなずけた。

    女がカウボーイと結婚したいと思い込む。ほぼ話はカウボーイと結婚したらという妄想で続く。カウボーイと結婚して暮らしたらきっと馬具に油を塗ったり、素朴な料理を作るのだろう・・・・と。でも女は思う。もしカウボーイと結婚することになったら夫も連れて行こうと。
    たぶんこれが夫婦なんだと思う。お互いが一部になって自分でもあり伴侶でもあり一対にいつしかなっているんだと思う。
    村上春樹的にいえば「100%の女の子に出会う」というのに近いのではないかと強く思った話。

    0
    2011年06月11日
  • 気になる部分

    Posted by ブクログ

    寝るためのひとり尻取りから脳内論争が勃発。
    ゴキブリが怖いのはその見た目、感触、そして味。
    人々の願い事を覗き見る七夕観測が好き。
    人々が殺到する福袋は兵器になるのでは。
    コピーの一文字埋めクイズで間違えるマイナーな人々。
    夜中の3時に訪れた小さな客人。
    食べながらスキップするとおいしくなる説。
    翻訳中のニコルソン・ベイカーの作品の機微。
    ちょっと変わった翻訳家の妄想エッセイです。
    ブックデザイン:田中一光/片山真佐志
    カバーイラスト:土谷尚武

    薬関係のコマーシャルで悪い部分をちょっと残す、
    私も気になってたんです!歯磨き粉のCMとか。
    あと絶対全員正解するだろう、っていうクイズに
    間違えち

    0
    2019年01月16日
  • ひみつのしつもん

    Posted by ブクログ

    エッセイが好きで評価も高いので読んでみたいなぁと思っていた作品。岸本佐知子さんの本は初めて読んだが、3章くらい読んでやめてしまった。

    とても読みやすいけど、著者の独特な空想ワールドになかなかついていけなかった。

    0
    2025年12月14日