中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
貧困のために自分または子供の臓器を売り渡すという悲惨な事件。次々と肝臓を取られた子供の死体が見つかる。今回は相棒の明日香も大活躍。北京に留学していた経験を活かし、中国へ出張。若いが故に犯人への怒りが大きい。これに娘が腎障害の犬養刑事が我が事のようにエキサイトして行く。実行犯を脅しながら逮捕に持って行くが、最後の黒幕に辿り着いたと思ったら衝撃の告白。
犬養刑事の娘の事もあり、何かスッキリしない。
『カインの末裔』という最終章だが、聖書の世界では弟を殺したカインは人類の半分がその末裔であり、みんな原罪を抱えているらしい。他人の臓器を必要とする人が、金に困っている人から買う事で両方がウィンウィンの -
Posted by ブクログ
ネタバレ長編だと思ってたら短編集だった笑
話も分かりやすくてテンポ良く進むからサクサク読めた。
毒島刑事は毒舌というか、確かに歯に衣着せぬズケズケした厳しい物言いだけど(まぁそれを毒舌と言うんだけど)アタオカな容疑者達にああもはっきり言ってくれるとこはちょっと気持ちがいい。
出版業界周辺の専門的な内部事情ネタを知れるのが興味深かった!
作家志望者や新人作家達の見当違いな自信過剰や現実見えてない脳内お花畑に対して
『一般的な企業で大して何も出来ない新卒が「自分の個性を大事にしろ」とか「自分が昇進出来るように懇切丁寧に面倒見ろ」とか言われたら殴りたくなるでしょ』
『誰でもなれるわけじゃないから勘違いしや -
Posted by ブクログ
近々会う予定の友人がAudibleで中山七里先生を聞いてると伺い、『作家刑事毒島』の続きを選択。毒島が作家になる前の事件群で、犬飼が新人刑事のころのお話。
刑事時代の毒島も、弁舌はねちっこく、精神的に追い詰めていく取り調べは痛快そのものだ。既にその人となりは完成させれている。そしてものすごく物語のテンポが良くてばーっと一息に読み終えてしまった。
各事件の裏に潜む「教授」の存在。「自分では一切手を汚さずに悪さをする人間」を一番嫌いと言い、「僕自身がそういうタイプ」と犯罪者との相似性を自覚する。一種の円環のような所在地と、それを取り巻く立場と正義と、の結果としてあのラストだったのかもしれない。少し -
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オーディブルで聴きました。
中山氏のよくあるエンタメミステリーではなく、取材やら準備やら大変だったろうなと思う力作でした。
リアルタイムで311の震災が再現されていて、震災経験者は、トラウマがフラッシュバックしてしまうのではないかと思うほどリアルでした。気をつけたほうがいいと思います。
実際に震災で近い人を亡くしたことのある人たちへは、お気の毒という感情はあっても、やはり現実には他人事でしかなかったけれど、これを読んで、少しだけでも彼らの気持ちに触れられた気がしました。
そして大切な人と悪い関係のままで別れると、後味が悪いというか、取り返しがつかなくなるかもしれないから、これが最後になるか -
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毒島が作家になる前の話で、警察を辞めるきっかけとなった事件。
単純におもしろく、すぐに読み終わってしまった。
短編集なのに、ラスボス登場で一本の繋がりが生まれ、よりワクワク感を高めてくれた。
毒島が容疑者を追い込んでいくのが巧みで、私も麻生と一緒に取り調べ室を覗いている気分だった。
柔らかい話し方に安心していると、いきなり手の平を返したように、一番触れてほしくないところを、最大の武器である毒舌で斬り込んでくる。
これは痛いわ、正論なだけにたまったものじゃない。
覗き見していたはずが、犯人と一緒に抉られたような気分になる。
痛快のはずなのに、やっぱしんどい。
ラストは「あれっ?大丈夫?」と思 -
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森鴎外の「高瀬舟」を初めて読んだのは中学生ぐらいだったでしょうか
貧しくても支え合いながら生きてきた兄弟
病気に苦しむ弟が自殺を図る
死にきれなかった弟の最期を兄が手を貸した形となり罪に問われる
初めて安楽死について考えた小説でした
1916年の作品、100年以上経ても日本では安楽死に対する議論が始まっていないようです
そこで「ドクターデスの遺産」
苦しむ末期患者の安楽死を20万円で請け負うドクターデス
5つの安楽死の状況を描いて
日本での生きる権利と死ぬ権利を考えさせる
安楽死を請け負う条件
安楽死を請け負い始めたきっかけ
ともよく考えられていて
安楽死について 再び考える時間を持ちました -
購入済み
読みやすかった!
非常にサクサクと読み進められて、一気読みしてしまいました。矢口さん推しです♪「どんでん返しがすごい」と聞いて手に取ったのですが、途中から予想できちゃいました…それでもとても面白かったです。中山七里さんの他の作品も読んでみたくなりました!
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Posted by ブクログ
ネタバレとても良かった…
出版社で働く主人公が
普段、特ダネを求めて走り回る人が
息子の事件をきっかけにまさか、追われる側に
なろうとは…なかなか考えつかない設定で
面白いのに、さらに被害者 被疑者の会で
息子が殺した犯人の娘と鉢合わせ。
展開的には、これ以上の不幸がありますか?
ってくらい志賀さんの元に次から次に…
刑事さん達も、味方かな?敵かな?と
思わせておいて最後に、お前たち…最高。と
思ってしまう展開。そして本当の犯人が
まさか…私は意外すぎて真面目な学生だと
思っていた私の心を切り裂いた。笑
なにより、私はこの物語終わり方が
ハッピーエンドで好き。
志賀さんと息子さんの話に加えて
菜