森まゆみのレビュー一覧

  • 谷根千、ずーっとある店

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    谷根千というエリアを生み出した著者の地域史。
    昔からあるお店に着目し、いつからどのように歴史を紡いできたのかをまとめ上げている。
    当たり前だが、どのお店にも歴史がある。また、未来志向の店もあれば、日々を乗り越えているお店もあり、生活の歴史みたいなものが見えて、とても面白い。また、顔が見えるようになると途端に地域が立体的に見える。
    コミュニティペーパーは沢山あれど、うまく活用出来てないものが多い中、非常に興味深い成功例だと思う。

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    2025年07月15日
  • 夜更けのおつまみ

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    31人の人気作家さんたちがそれぞれの夜更けのおつまみ語るというなんとも豪華でお腹が空きまくるエッセイアンソロジー。
    私はお酒は飲めないけど酒の肴と呼ばれるものが何より大好き。
    それぞれの作家さんの私だけのおつまみが沢山詰まっていて最高だったー✨
    共感できるおつまみもあれば初めて知るおつまみやお酒もあって面白い。
    この本を片手に晩酌するのも最高のおつまみになりそう

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    2025年02月24日
  • 森まゆみと読む 林芙美子「放浪記」

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    青空文庫で放浪記を読んだけれど、いまいち作者の人間関係が分からず楽しめなかった。そんな時に見つけたのが本書。解説がついているので、ああなるほどと納得して読めた。

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    2023年11月03日
  • 聖子――新宿の文壇BAR「風紋」の女主人

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     人の歴史が、いっぱい積み重なっている。
     真実を探り当てたというような本ではない。
     しかし、聖子さんの周りに登場する人々の多彩さにはずっと驚かされた。
     

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    2023年01月19日
  • 夜更けのおつまみ

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    少しずつそれぞれの作家さんのお話がいただける、まさに「おつまみ」な本。
    読み進めていると、缶ビールが2本、空の状態で目の前にありました。

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    2022年07月24日
  • しごと放浪記 自分の仕事を見つけたい人のために(インターナショナル新書)

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    味わいのある紀行文の担い手として知られる
    著作多いので、今回もその類と思い読みまし
    たが、これは著者本人の自伝的内容です。

    編集や地域雑誌の創刊、出版など、数多くの
    仕事を手がけた経歴を持っています。

    いずれも「上に上に」ではなく、しなやかな
    横のつながりによる水平的な広がりが素晴ら
    しいです。

    今の「谷根千」という言葉も著者が出版した
    地域雑誌が最初らしいです。

    今や「この道ひと筋」では危なくて生きてい
    けない時代と言います。

    〇〇ができる〇〇、のようにパラレルで生き
    る大切さを知る一冊です。

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    2022年05月31日
  • 千駄木の漱石

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    千駄木時代の漱石とその周りの人々、そしてその地域、その時代にまつわる諸々の逸話ともりだくさんで興味深く、至福の読書だった。家族に対する暴君ぶりと打って変わって、弟子たちに対する細やかな優しさが印象的。千駄木を離れて作家一本でやっていくようになってからは執筆活動に追われ、弟子への手紙も業務連絡的なものが多くなったというので、漱石にとって千駄木時代は色々不平不満はあるものの人と交わりを楽しめる良い時代だったのだろう。

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    2021年06月22日
  • 夜更けのおつまみ

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    このサイトで著者を見ると勘違いする人もいると思うが、これは、おつまみについていろんな作家さんが書いたアンソロジーである。
    どれも私にぴったりで、最後まで楽しく読めたし、つまみの参考にもなった。
    あまり手の込んだものつまみは出てこず、なかにはコンビニつまみランキングなるものもあり、かなり参考になった。また、各作家さんの酒との距離感、そして、つまみのポジションが明確で、スッキリ読める。
    人それぞれ、酒とつまみの位置付けは様々だが、押し付けがましくなく、自分の日常を赤裸々(?)に語っているのが最高。
    さらに、一編ずつが短いのもポイント。
    ネックは、つまみを食べたくなり、酒を飲みたくなることだけです〰

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    2020年07月14日
  • 子規の音(新潮文庫)

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    谷根千、上野あたりにゆかりの文学者について書いてきた森まゆみ氏だが、最後に子規を書きたい、一番、親愛と共感が深いからとのこと。
    私事だが、夏井いつき著の「子規365日」を読んで、子規その人に興味を持ち、子規本人の「仰臥漫録」を通り、最後にこの本に辿り着いた。

    正岡子規は幕末に松山の貧乏士族の家に生まれ、大志を抱いて上京、最後に根岸に10年間住んでそこで死去した、その一生が書かれている。思い残すことはないというほどに。

    子規といえば「病気なのに大食漢」「病気なのにネアカ」
    生涯の親友、夏目漱石の「神経衰弱で胃弱」と、良く対比される。
    性格の違いだろう。
    生涯、バイタリティーにあふれ、何にでも

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    2020年06月24日
  • 東京老舗ごはん

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    森まゆみ『東京老舗ごはん』ポプラ文庫。

    先に第2弾の『東京老舗ごはん 大正味めぐり』を読んだので、第1弾も読まねばと思っていたところ、最近やっと本屋で見付けた。

    この第1弾では明治時代に創業した東京の魅力ある老舗名店27店が素晴らしいエッセイにより紹介されている。森まゆみさんの食のエッセイは趣があり、時代や文化を伝えつつ、食の魅力をストレートに伝えてくれるのが嬉しい。

    訪ねたことのある老舗は1つも無いが、神谷バー、かんだやぶそば、たいめいけん、銀座天國本店、ビヤホールライオン銀座七丁目店、中村屋、資生堂パーラー銀座本店、みますやは他のエッセイやテレビなどで知っている。

    本体価格620円

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    2019年10月31日
  • 東京老舗ごはん 大正味めぐり

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    森まゆみ『東京老舗ごはん 大正味めぐり』ポプラ文庫。

    初読みの作家。食のエッセイと言えば、最近では平松洋子が好みなのだが、森まゆみのエッセイも綺麗な落ち着きのある文章で素晴らしいと思った。

    鰻にとんかつ、蕎麦に寿司、定食にカレー、果ては居酒屋まで大正時代に創業し、今も人気を誇る東京の名店を紹介したエッセイ集。味のある文章が老舗の魅力と土地の文化や歴史まで伝えてくれる。

    明治時代の老舗を紹介した第1弾も読んでみたいものだ。

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    2018年07月11日
  • 千駄木の漱石

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    ネタバレ

    国費での英国留学から帰った漱石は、一旦、妻の実家に身を寄せた後、千駄木の借家に移る。
    そこは、十年ほど前には森鴎外も住んだことのある家だった。
    その、「千駄木の家」で、『吾輩は猫である』『坊ちゃん』が執筆され、漱石は人気作家となった。

    少し前に、『硝子戸の中』を読んだ。
    漱石の最後のエッセイだが、自身の内面と人生を振り返ったものが多く、千駄木時代のことも多く書かれている。
    この作品は、それを外から裏付けているような面もあり、漱石が立体的に浮かび上がってきた。

    家族から見たらとても怖い人だった、というのを以前に読んだが、それは漱石の本来の人間性ではなく、どうも「神経衰弱」の発作のためだったら

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    2020年06月24日
  • 明治東京畸人傳

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    千年以上の歴史を誇る京都とは違い、東京は江戸幕府以降に都市となった土地だ。
    でも、明治維新で大変化を遂げ、元大名屋敷だった建物は残り、持ち主が変わった。
    その後、関東大震災で壊滅の危機に瀕し、さらに東京大空襲で焼土と化す。
    何度にも及ぶ破壊を生き抜いてきたのが、今残る、昔ながらの土地建物なのだろう。
    この本の主役はもちろん、東京という土地を通り過ぎていった人々であるが、歴史を生き抜いてきた土地や建物も、人を動とするなら、静の主役であると思う。
    土地が変わっていくのは仕方がないけれど、残せるものは残して欲しい、と思うのだ。

    最後の、渡辺一族の話は、印象に残る。
    短期間に財をなし、昭和二年の買い

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    2014年05月01日
  • 女三人のシベリア鉄道

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    “シベリア鉄道”というタイトルにロマンを感じて買いました。
    加えて、女三人!
    勝手に想像した騒々しいおしゃべり旅ではなく、文学と社会主義を感じる紀行文でした。
    与謝野晶子については、以前も読んだことあり、この本で注目したのは、宮本百合子。
    いずれにしてもこの時代に、言葉もよくわからない異国に旅した女性たちの度胸に脱帽する。
    私はロシア人の名前が覚えられず、ロシア文学はほとんど読んでいませんでした。
    これからも、ロシア“文学”は読めないかもしれないけれど、この期に興味を持った、シベリア鉄道についての旅行記は、読みあさってみたいと思います。

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    2014年02月02日
  • 震災日録 記憶を記録する

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    震災後のあれこれを少所低所から書き綴った記録。ボランティアで行った現地の声、地元コミュニティの活動で感じたことが淡々と語られる。こういう視点こそ重要だと思う。

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    2013年03月10日
  • その日暮らし

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     2008年118冊目。もうすぐ廃刊になる地域雑誌「谷根千」の主宰者のエッセイ。この町(台東区谷中・文京区根津・千駄木)で働いたことがある自分には、読みやすかったです。

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    2009年10月04日
  • 『五足の靴』をゆく 明治の修学旅行

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    森まゆみは、森鷗外関係で親しみのある作家。
    特に谷根千関係は好きな分野。
    与謝野鉄幹ら五人は鷗外との関係性もあり旅路にも鷗外の縁の作品が登場してくるところは新しい発見(著者の知見によるところ)。

    あまり強調されていないのだが、当時の自由主義的な考え方、欧米文化への憧れと当地のキリスト教との関係性がこの旅路のメインテーマではないかと推察する。

    何れにしても、九州の旅、同じような旅路を訪ねてみたいと思う。

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    2025年07月05日
  • 夜更けのおつまみ

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    久々にアンソロジーを読んだ。お酒が好きな人も下戸の人にもおすすめ。居酒屋のおつまみや家飲みのおつまみが好きなので参考になるメニューがあった。自分で作るだけでなく、コンビニのおすすめおつまみなどで書いてる人もいて、それも面白かった。

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    2025年06月21日
  • 京都不案内

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    少し興奮して饒舌に過ぎるような気もするがそれも森さんの特徴であるし、京都のあっちへ行きこっちへ行き、あの人に会い、この人に会いでいろいろ読めるのはよいとおもった。

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    2025年02月16日
  • 彰義隊遺聞

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    西の新撰組・東の彰義隊として、佐幕の忠義に殉じた武士たちの残光は、新撰組が多くの注目を集める一方で、彰義隊はわずか半日で壊滅した烏合の衆という評価になってしまっている。しかし旗本・御家人といった幕臣身分が中心の彰義隊は、人物としての魅力に溢れた隊士がたくさん存在しており、その足跡を辿ると数奇な運命を辿っていることに行き着く。

    新一万円札の顔となった渋沢栄一は、欧州視察に行っていなければ彰義隊に参加していた可能性が高く、賊軍の汚名を着せられたならばここまでの栄達はなかったのではないか。実際に彰義隊のリーダーとして従兄の渋沢成一郎がおり、また義弟の渋沢平九郎はこの戦争で亡くなっている。それ以外に

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    2024年08月13日