聖子――新宿の文壇BAR「風紋」の女主人

聖子――新宿の文壇BAR「風紋」の女主人

1,980円 (税込)

9pt

4.0

太宰治「メリイクリスマス」のモデルとなる凛とした少女は、生涯かけて人びとに、居心地のよいサロン、帰る場所をひらいた――

文学者、思想家、映画人、出版人たち……どんな人をも受け入れる酒場は、戦後文学史を確かに支えた。林聖子の九三年と「風紋」の六〇年を聞く。



アナキストの画家の娘として生まれ、宮嶋資夫、辻潤らを間近に育ち、戦後、太宰治の「メリイクリスマス」のモデルとなり、生き抜くためにバーを切り盛りする。

そのバー「風紋」は多くの文化人、文学者、映画人、出版人を惹きつけた。

誰も特別扱いしない無欲で無私な人柄から生まれたアジール。
檀一雄、竹内好、古田晁、浦山桐郎、粕谷一希、勅使河原宏……綺羅星のごとく集う人々との交友録であり、力強く生きたひとりの女性の人生の記録。



《「風紋」に集った人々》
檀一雄・古田晁・唐木順三・井伏鱒二・吉村昭・木山捷平・竹内好・橋川文三・色川武大・埴谷雄高・中村稔・安田武・北原武夫・辻まこと・鴨居羊子・松山俊太郎・種村季弘・高田宏・粕谷一希・田村隆一・中上健次・洲之内徹・浦山桐郎・大島渚・吉田喜重・勅使河原宏……



【もくじ】
第Ⅰ部 戦前篇
1……林倭衛、画家を目指す
2……出獄の日のO氏
3……林倭衛、クライスト号でフランスへ
4……大杉栄、パリに現れる
5……セザンヌのアトリエ、エクス・アン・プロヴァンス
6……秋田富子と結婚、聖子が生まれる
7……伊豆静浦から小石川小日向水道町へ
8……もう一人の画家・硲伊之助のこと
9……宮嶋資夫と度重なる引っ越し
10……母はサナトリウムへ
11……父の死

第Ⅱ部 戦後篇
12……太宰治との出会い
13……玉川心中
14……出英利のこと
15……「世代」と出英利のあの頃
16……舞台芸術学院と青俳、「宏くん」のこと
17……新宿でバーを開く
18……ダン街道――檀一雄と第三風紋まで
19……カウンターの中の女性たち
20……竹内好墜落事件と火曜会
21……風紋課外部――スキーにゴルフに温泉に
22……最終回――嵐のあとに

■あとがき
■林倭衛・林聖子のまわりの人々
■林聖子関連年表
■参考文献

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聖子――新宿の文壇BAR「風紋」の女主人 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年01月19日

     人の歴史が、いっぱい積み重なっている。
     真実を探り当てたというような本ではない。
     しかし、聖子さんの周りに登場する人々の多彩さにはずっと驚かされた。
     

    0

    Posted by ブクログ 2022年03月22日

    画家だった父親林倭衛の人生やその周りのアナキストや画家たちのことを追った前半が特に面白い。林聖子さんから見た辻潤やその息子まこと氏の人生などわずかでもこうやって記録が残るのはありがたい。太宰の死の捜索に聖子さんが深くかかわっていたこと、山崎富栄について冷ややかに見ていることも興味深かった。
    二十歳そ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年05月28日

    登場人物が華々しい。そして、そのみんなから慕われていた様子が感じられて、きっとカッコいい人だったんだろうなぁ。いや、どちらかと言うと、カッコいいというよりは可愛い人だったのかも。そういう人に私もなりたい、と思った。

    0

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