森まゆみのレビュー一覧
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与謝野晶子のことは学校の教科書レベル、宮本百合子は映画「百合子ダスヴィダーニャ」。
林芙美子は従軍作家だったことと放浪記。
その少ない情報で自分の中で持ってたイメージがすでに先入観となっていたみたいで、「意外〜!!」っていうことが何度かあった。
与謝野晶子はほんと率直なひとだったんだなー。
産んだ子どもを母親がかわいくないって思う事も、子が母親を食らって産まれてくることとかそんなこと言うひと最近いないよね。
まー晶子が多産だったこともあるにせよ。
百合子と芳子の関係も興味深く。
お嬢さんな彼女たちと芙美子の視点の圧倒的な違いも。
そしてやっぱりロシア!!!
ほんとプーチンとか怖い国だ -
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ネタバレかつてイタリアを訪れる際、『即興詩人』をポケットに忍ばせようと想いながら、近くの書店を何軒かあたっても見つからず、仕方なく、ゲーテの『イタリア紀行』だけをトランクに入れて旅立ったことがある。「あとがきに代えて」の中で、著者はアンデルセンの作品の中で、さほど有名でもないこの作品に鴎外はなぜ九年間も費やして訳し終えたのかという疑問を提出しているが、そう言われてみて、はじめて、「即興詩人」が、世界名作級の作品でないことに気がついた。鴎外の流麗な訳業あってはじめて、我々は、この作品の名を記憶しているのである。
著者は地域雑誌「谷中・根津・千駄木」通称「谷根千」の名物編集者。安野光雅が鴎外の『即興詩人 -
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気楽に読めるかと思ったが、誤算だった。
一週間かかってしまった。
与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子のシベリア鉄道の旅を追体験する森まゆみの旅の記録。
読み始めるまでは、それぞれの旅が個別に辿られているのかと思っていた。
ところが、四人の女のユーラシアの旅が、渾然一体となっている。
一人についてだけ知りたい読者には、ややまどるっこしいかも。
ただ、逆に三人に通り一遍の興味しかなかったわたしには、森がガイドとなってくれたようにも思う。
晶子にしても、百合子にしても、偉大ではあるが、自分にとっては遠々しい存在だ。
芙美子は親しみやすいけれど、やはり時代の違いからか、十分理解できているとは思えない -
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ずっと、どうも近代日本文学とか苦手だーと思っていたんだけど、この作品や「女三人のシベリア鉄道」を読んで、少し身近に感じられてきたような。たとえば、林芙美子。今までいろいろな評伝など読んでもいまひとつぴんとこなくて、森光子の舞台の印象ばかり強くて、女給とかしててひたすら貧乏で庶民的だった人(失礼)とか思ってたんだけど、いや、実際は、流行作家でガンガン書いて稼いで海外旅行もして洋服も着てる、と思ったら、なんとなく林真理子みたい?(失礼?適当に言ってますが)なんて思って身近に感じたりとか。
もともとが婦人公論での連載で、「婦人公論にみる昭和文芸史」なので、文学的な面だけでなくて社会的、女性史的な切 -
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「女三人シベリア鉄道」を読み終わったらなんだか寂しくて、もっと森まゆみさんの作品を読みたいなと思い、エッセイを。以前に「寺暮らし」を読んでいるけれど、あまり覚えてない……。
この「貧楽暮らし」も日常のいろいろなことがさらさらーと書かれていて、読みやすいしおもしろいけれど、あくまでさらさらーと。読んだら忘れてる(失礼)感じだけど、読んでいるときにここちよいのでいいのです……。
森さんと言えば「谷根千」の地域誌をつくり、地域的、社会的な活動をしている、という印象なんだけど、もっと評伝の仕事について詳しく知りたい、と思った。なぜ評伝を書くようになったかとか、どんなふうに調査してるかとか普段どんな本を -
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与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子についてたいして知らなくて、中国やロシアの歴史にもとんとうとく、旅行も別に好きじゃないわたしなのに、すごくおもしろく読めた。この「女三人」のシベリア鉄道での旅を追った著者森まゆみさんの旅行記のあいまに、この「女三人」についての説明や作品からの抜粋などがうまい分量ではさみこまれている感じで、まったく飽きずに読めた。なんだか、森さんの訪ねた場所に今も三人がいるんじゃないかっていう気がするような。
森さんの旅行記部分の、トルストイとかゴーリキーとかの記念館みたいなゆかりの地を訪ねるところも興味深かったし。
もっと共産主義とか、日本の社会主義運動について知っていたらもっ -
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遺賢―世に忘れられた優れた人物が、日本各地に存在する。ある者たちは先祖伝来の神楽を舞い、ある者たちは戦時中に全国から孤児を受け入れて原野を拓いていった。これら歴史には残らない名もなき者たちの物語は、よりパーソナルな事情に迫るので心を打つ。
現代社会では科学技術によって漂白されていってしまった、民俗的な知恵や風習は数百数千年の伝統を持っており、そこには日本の厳しい気候風土を耐え忍ぶヒントがある。八百万のような多神教は集団生活での責任の分散を志向しており、四季の恵みを皆で平等に分け与え、また子育てや老介護の負荷を集落で手分けするといった形での共同生活を支えてきた。
個人的にも縁のある地域がたく -
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彰義隊について、その関わった人やテーマごとにエッセイ風にまとめた一冊。彰義隊は幕末期に上野で戦いをしたという知識はあったものの、それ以上のことは全く知らなかったため読んでみた。
著者は丹念に取材をされているようで、いろいろな側面からこの上野戦争を見ることができた。
彰義隊について記された書物は多くはないようだが、これは彰義隊を知る上で欠かすことができない一冊となるのではないかと思うし、それに留まらず江戸末期の暮らしなどについても理解が深まるような気がする。
先ほども書いたが、著者の取材料金が素晴らしく、いろいろな方にお話しを伺いながらまとめている点は本当に感銘を受けた。
この本を手に彰義隊の関 -
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ネタバレひとりごと
漱石が好きな友人に、お茶の水近辺にある、漱石が食べた牡蠣定食屋さんの店に連れて行ってもらって食べたことがある。
まだ10代の私は、幻想文学にどっぷりはまっており、夏目漱石にはあまり興味がなかった。
けれどあの友人にはかなり刺激を受けたのを、この中の牡蠣の話で思い出した。
音楽もそうだが、本もとても個人的な想いと重なるものだが、ぼんやりと、何でも揃っているような大きな書店で、棚を隅から隅へと渡り歩き、そして、かなり前に出た(私からすると「最近」の感覚)この本を見つけ、表紙が漱石の絵で、時間潰しにはもってこいと思ったのに、こんなに素晴らしい本を手にできたと思えたのは久しぶり。
ネット -
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森まゆみの食べ歩き?ってことで手にした新書です。彼女らしいエリアの彼女らしいお店選びが想像通りの心地よさ。でも味のレポートというよりお店の歴史とお店を守り継いでいる人の物語をインタビューであります。コロナ前の訪問に追加で最近の訪問を重ねていることが、やはりお店にとっては後継者の問題であり、家族の問題でもあることを感じさせます。この本が都心版の絶メシ・リストになる可能性もあるのかな?そういうこと起こらないためには、東京という都市の時の地層をもっと価値化しなくちゃならないのかも…ということで行った事のある店にはもう一度、行った事の無い店には早くいかなくちゃ、な気分になる本でした。
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●は引用、その他は感想
●「九州人は原という字が下に来る地名をすべて『ばる』という。島原も『シマバル』だ。風俗の淫靡なことは有名なものだ。良家の処女といえども他国から来た旅客が所望すれば欣々として枕席に侍する、両親が進んでこれを奨励する。他国人と一度関係を結ばぬ女は縁附きが遅いというほどだ」。通婚を繰り返すことによって村の血が濃くなることを避けるため、旅人を「まれうど」として接待する。「御胤頂戴」のことと思われる。明治の若い旅人たちも、実行はいざ知らず、こうした願望を含んだ記載になったものであろう。
平戸、佐世保、長崎、島原、天草へ行ってみたくなってきた。 -
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