中野京子の作品一覧
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Posted by ブクログ
かのルーベンスが描いた神々しい存在感放つ絵が、ただ絵を見た時には感嘆するばかりだったのに、いざ解説を読むと急に人間らしい愚かしさが前面に出てきて、この絵から感じてた威厳もただ大仰なだけに見えてくる。
時代の途中から始まる貴族による享楽の時代の話などは、具体的な当時の状況や詳しい解説を読んでいると心底あきれかえると同時に同じ人間として思わず己も省みてしまう。
途中挿しこまれるフラゴナールの「ぶらんこ」がすごい良い味だしてる。
また、そんな享楽の果て国庫が火の車と化しても尚変わらない宮廷生活について説明している著者の言葉が痛烈で好き。
それ以外にもブルボン王朝についてを表した「自滅の様相を呈しての終演」「世界に対するフランス文化の優位性」といった一連の言葉と文章があまりに的確でうならされた。
あとタイトルにもある通り、全12章から構成された本書の最後12章のタイトル絵がドラクロワ「民衆を導く女神」なのが、なんだかすごいドラマチックで、絵とタイトルを見た瞬間しびれた。
今まで知らなかった作品で、ユベール・ロベールによる「ルーヴルのグランド・ギャラリー改革案」と「廃墟となったルーヴルのグランド・ギャラリー想像図」の2作が特に感銘を受けた。こんなにも希望と零落の滋味を味わえる作品があったのかと衝撃。
あと当時の美術館の感じも伺えるのが嬉しい。
Posted by ブクログ
主に著者の有名西洋絵画の考察で、約20作品が載っている本。
怖い絵シリーズは、数年ほど前に上野の美術館で期間限定で展示されていたけど、とんでもなく人気で混んでいた為、諦めてこの本を購入した。
簡単に言うと、とても買って良かった!
世界史のテスト40点以上取ったことない私でも、とてもわかりやすい文章でした。
華やかな雰囲気の絵画が描かれた背景にはこんなにも残酷なことがあるとは...と言うギャップを感じたり、怖いもの見たさを満たして(?)くれる作品でした。
他にも、怖いだけではなくエロティックな表現も多く、それが現代ではしょうもない下ネタとして捉えられる事もこの時代ではとても偉大であるようなもの(?)みたいになってるのがウケました。語彙力が欠如し過ぎですが、中世の人々の価値観や思想から学べることがありました。
Posted by ブクログ
家族に対しても国民に対しても容赦無さすぎて怖い。
また権力争いの苛烈さも極まっていて、血生臭さと過酷さの絶えない渦中にいるからこそ皇帝も女帝も苛烈な人が多かったんだなとよく分かる。
ユロージヴィや農奴、船曳きといった存在について初めてちゃんと知って、当時の国としての邪悪さが身に沁みるようだった。読んでいてなんとも暗鬱とした気持ちになってくる。
この時代におけるロシアと日本の関わりもすごく興味深かった。
当時日本人の、それも女性のイコン作家がいたなんて、驚きと同時になんだか胸があつくなる。
教会の鐘が有罪判決を受けた末に激しい拷問と厳しい処罰を受けた話で、
「ものに魂が宿る」という考えは理解できるし、その後の人々の行動を見ても、この話は非道なものであるのはよく分かるけど、
それはそれとしてやっぱりちょっと変に感じるし、エピソードとしてちょっと面白い。