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Posted by ブクログ
文字どおりに、西洋絵画において働く人々を紹介・解説しています。
現存する職業(たとえば警官)から現存しない職業(たとえば異端尋問官)まで、そして存在しない職業(たとえば天使)などもカテゴリー化して、多様性を意識して書かれています。
手法としては、ひとつの職業を紹介するのに複数枚(2~3枚)の絵画に言及して、それらでどのように労働が描かれているかを歴史的背景などを考慮しながら読み説いています。類例としては、一つの主題や傾向を述べるのに複数の文学作品に言及しながらエッセイを展開する、柴田元幸さんの手法に近いでしょうか。
読みながら絵画を楽しむことができ、その画家や背景についても知ることができます。タイトルにもあるように――そしておそらく中野さんの多くの著作にも言えるように――「学ぶ」ことが主眼とされています。
したがって、たとえばYouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」で紹介・解説される感じ――「学ぶ」というより「遊ぶ」という感じ――ではないです。とはいっても、どちらの感じも楽しむことが真の正解でしょう(じじつ上記のチャンネルに中野さんは何度かゲスト出演したことがあります)。
最後に、世界史に詳しくない者からすると、言及された絵画や画家について文脈的に理解できる年表などを巻末に付してもらえると助かります。
Posted by ブクログ
中野京子先生の語り口はやっぱりユニークで読みやすく印象に残る。
今回も楽しい読書だった。
職業ごとに名画を複数紹介・解説した一冊。
絵画の登場する職業なので、宮廷音楽家や船頭、異端審問官など現在ではあまりお目にかからない職業の話も登場して興味深かった。
警官や政治家など、現代でも通じる職業であっても、描かれた時代当時の事情などから現代とは違う面が見えたのもよかった。
驚いたのは働く者として、子どもや天使も話のターゲットにしていた件。
その視点はなかった。
特に働く天使の話としてガブリエルが取り上げられていて、そのあまりの働きっぷりに本当に驚かされた次第。
ロレンツォ・ロットの絵に登場したガブリエルの描写に対して先生が書かれた解説にもう笑うしかなかったという。
受胎告知の際にドスン、いやガツンと大きな音を立てて着地してくるガブリエル……めっちゃ笑ったけど、実際は嫌だなあ、そんな登場。
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