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フランスの栄華をきわめたヴェルサイユの歴史。なかでも最も魅惑的な人物として語り継がれる悲劇のヒロイン、マリー・アントワネット─その三十八年の生涯を、「ヴェルサイユ宮殿《監修》マリー・アントワネット展」の出展作品を題材にしながら紡いでいく。王妃の運命を決めた〈偶然・暗転・想定外〉(コラム)を収載。(本書はカラー写真を含みます)
[内容]
第1章 ハプスブルク家のプリンセス
第2章 変わりはじめた国際地図
第3章 嫁ぎ先ブルボン家
第4章 王太子妃としての生活
第5章 神に選ばれた王妃
第6章 ロココの薔薇
第7章 忍び寄る革命
第8章 「パリへ!」
第9章 逃亡失敗とフェルゼン
第10章 引き裂かれた家族
第11章 忘れ得ぬ王妃
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Posted by ブクログ
カメラのない時代、記念写真代わりになるのは「絵」だが、誰でも描かれるものじゃない。相当な財力と描かれるのにふさわしい家柄が必要だ。
そんな条件を満たしていたのが、マリー・アントワネット。父親は神聖ローマ皇帝フランツ1世、夫はフランス国王ルイ16世。文句なしの家柄と財力を背景に、幼少から死の直前までのアントワネットには多くの絵画が残されている。
本書はアントワネットが描かれた絵画を歴史順に並べ、彼女の生涯を追いかける。彼女の偉人伝だ。ヴェルサイユ宮殿での絶頂期からフランス革命を支持する大衆による監禁、そしてギロチン処刑と、空前絶後な波乱の一生を送ったアントワネットだが、その行動は常に受け身だ。姉の急死によりフランス王妃となり、ルイ16世の優柔不断と親国王派の人材が次々と亡くなったことが彼女を追い詰める。自らの意思なく、運命に弄ばれた不幸な一生だった。それゆえにフランス革命を象徴するアイコンにふさわしい。
夫ルイ16世が処刑され、次の処刑に自分が選ばれることは間違いのない状況で、喪服を着た彼女の肖像画が一番印象的だ。まだ30代なのに、苦労と恐怖で白髪になったマリー・アントワネットにかつての威厳も気品もない。そんな自信のない表情こそが本当の彼女だったのだろう。
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