中野京子のレビュー一覧
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オーストリア・ウィーン、ハプスブルク王朝の熱狂と終焉を予感させるような黄金を散りばめたクリムトと、その時代背景と空気感をふんだんに語る中野京子さんの解説に、手に汗握る臨場感。
『旧ブルグ劇場の観客席』華やかさとざわめきの中観客の表情一人一人を眺める。実在の有名人を描いたらしいが150名以上の中からは探しきれない。
『シェイクスピア劇場』の自画像も、じっくり鑑賞。
家の経済状況を考え、職人養成機関といわれた博物館付属工芸美術学校にて奨学金を得、学生時代の17歳で弟と友人とで仕事を請け負うのちの「芸術家カンパニー」を立ち上げたプロ意識。
ウィーンのカフェ文化、社交クラブ的コーヒー文化にため息がでる -
Posted by ブクログ
ネタバレ中野京子先生の語り口はやっぱりユニークで読みやすく印象に残る。
今回も楽しい読書だった。
職業ごとに名画を複数紹介・解説した一冊。
絵画の登場する職業なので、宮廷音楽家や船頭、異端審問官など現在ではあまりお目にかからない職業の話も登場して興味深かった。
警官や政治家など、現代でも通じる職業であっても、描かれた時代当時の事情などから現代とは違う面が見えたのもよかった。
驚いたのは働く者として、子どもや天使も話のターゲットにしていた件。
その視点はなかった。
特に働く天使の話としてガブリエルが取り上げられていて、そのあまりの働きっぷりに本当に驚かされた次第。
ロレンツォ・ロットの絵に登場したガ -
Posted by ブクログ
マリア・シビラ・メーリアン。
ダブリン大学の蔵書に関する勉強中、不意に出会った女性。
ドイツではお札の顔にまでなっているとのことだが、日本ではこの手の分野は、ファーブルおじさん一択である。
ボタニカルアートが好きで、魅入られるまま関連書物を検索すると、なんと中野京子大先生の著作。読むしかなかった。
人生というものは、”そうなるようになっている“というのが私の持論である。マリア・シビラの人生も、幸、不幸を問わず、すべてのことが、少女を“虫を描く女”へと変容させていく。偶然に見せかけた神のお導きであろう。
マリア・シビラの人物像は、地味でひたむき。自分が信じたものに言葉少なく、それでも恐ろしい -