【感想・ネタバレ】「怖い絵」で人間を読むのレビュー

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ネタバレ

捉え方を変えるとただ「怖い」と思って見てきた絵にも物語がついて、ちゃんとその「怖い」と感じる所以を理解できた。美術を理解するのにもこうした歴史を知らないといけないと改めて思った。

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2015年11月10日

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怖い絵、といってもオカルトや呪いの類ではない。絵が描かれた時代背景や、当時の鑑賞者の背景を学ぶことで絵が映し出す生の人間の凄み、怖さを知ろうという本である。

読みやすい文体で、ほぼ事前知識がなくても描かれた当時の風俗事情を知ることができ、歴史読み物としてだけでも面白い。

ハプスブルク家など、当時の貴族事情や、宗教画の裏にある当時の信仰についてなど興味深い内容が多かった。

そういった絵画のナラティブをすると、実際に美術館で見てみたくなるな。これから機会を探っていこう。

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2023年01月09日

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「怖い絵」シリーズのうち、私のデフォルト。周辺から絵に矢印で解説がつくのが、別出版社版との違いか。解説は、この生活人新書のものが一番好き。
元々このテーマを扱ったNHKの番組で、ベックリンの「死の島」をバージョンごとに比較していたのを見て興味を持ち買ったものだけど、この生活人新書版には5バージョンがすべて掲載されている。(戦災で失われたもの含めて)
角川文庫の「泣く女篇」でも、ベックリンの「死の島」は取り上げられているけど、バーゼル美術館所蔵のものだけだった。

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2023年01月29日

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予備知識なしに何かを体験することが苦手です。
絵画でもお芝居でも音楽でも。
解説としてとても役に立つし、さらに掘り下げて知りたくなるので怖い絵シリーズは好きだなと思います。
これはキリスト教と西洋史に特化した本ですが、日本史や仏教に関した美術書も読んでみたいです。

長いことピアノを習っていましたが、背景についてもっと知識があればもう少し楽しめたかな?

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2019年07月04日

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 ベラスケスの『王子』に散見される“死”の予兆とは?
 ヴィンターハルターの美しすぎる『皇后』の、その顔をよくよく見ると?
 グリューネヴァルトの『祭壇画』の、痛々しい描写がもたらす“救い”とは?

 肖像画に風景画に宗教画。絵画には色々な種類があります。画のタッチや使用した画材など、“美術の眼”で観るのも一つの見方ですが、“時代の眼”で絵画を観ると、見えてくるのは生々しくも悍ましい“現実”……?

 運命、狂気、救済など8つのテーマごとに、『怖い絵』シリーズでは取り上げられなかった作品も含めて33点の絵画を解説した絵画ガイドブック。
 予備知識無しで絵画鑑賞をして、見当違いの感動を抱くか。予備知識有りで絵画鑑賞をして、正しく恐怖と感動を得るか。あなたはどちらを選びますか?

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2015年03月22日

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同じ著者の「怖い絵」三部作を読んだ後、まだちょっと物足りない気がしたのでこちらを読んでみました。三部作と重複する部分もありますが、図版はこちらの方がわかりやすいです。矢印つきで様々な要素の説明が記載されているので。また、ベックリンの「死の島」が全バージョン載っていた点も良かったと思います。

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2012年07月29日

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この本を読み終えた後に観た番組が「グレーテルのかまど」で、美の妖精が愛したザッハ・トルテの話でした。美しい肖像画の裏に隠され続けていた恐ろしいものを知りたい方は是非。

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2012年03月10日

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ネタバレ

2019年の読み初め。
「怖い絵」シリーズはこれまでに何冊か読んでいたけど、この本はカラーなのでとても分かりやすかった。
他の怖い絵シリーズで取り上げられていたのと同じ絵画も何点かあったけど、「運命」とか「憤怒」とか、テーマにそった解説だったので、これはこれで繋がりが見えてよかった。
なかでも一番怖い!と思ったのは、ハプスブルク家の系譜だったかな。王族を描いた肖像画なのに、死相しか見えないんだものな。
西洋絵画の解説書ばかり読んでいたから、そういう学者さんだとばかり思っていたけど、著者の中野京子さんって作家で独文学者だったのね。
他の著書で、「中世ヨーロッパは識字率が低かったので、聖書の内容を教えるために、教会に宗教画を飾った」って解説してあって、目から鱗が落ちる思いだった。
カタカナの名前が苦手で、世界史を真面目に勉強してこなかったんだけど、「イワン雷帝は織田信長と同時代の人物」って補足なしに読めるように読めるようにならないとね。

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2019年01月04日

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ハプスブルグの血統第一主義、青い静脈を残す。近親結婚による劣性遺伝。怖いという本当の意味を知らせてくれる良書。中野さんは決して興味本位ではない。

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2014年08月14日

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絵が怖いというか、中世の貴族のなんと恐ろしいことか。絵が現しているその時代の背景が正直怖かった。
そして15世紀から支配してきた様々な王家の抱えていた問題。
それらを絵が的確にもの語っている。
特にハプスブルグ家の話はなんとも言えず。。。
単なる絵画を学ぶだけでは足りず、やはり歴史そのものであると再認識した次第。

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2013年11月07日

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ネタバレ

見た目では決して怖い絵には見えないような王侯貴族の肖像画や神話に取材した絵から、その裏にあるとんでもなく怖い物語を紡ぎだす美術評論。
一番怖いのはやはり人間だな。

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2012年05月19日

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ネタバレ

怖い絵シリーズの著者が書いた一冊。

肖像画の類は、絵としての美しさもあるけれども、その裏にある時代背景、人間関係などを知っていると浮かび上がってくるものがあるので、それを含めて鑑賞すると妄想が膨らんで面白い。

・運命
・呪縛
・憎悪
・狂気
・喪失
・憤怒
・凌辱
・救済

の章から構成されていて、それぞれで何枚か絵をとりあげつつ解説している。

歴史の流れをおいながら説明して行くので、好きな人にはたまらない本だけれども、登場人物の感情描写は、どうしても作者の主観的部分がたぶんに含まれざるを得ないので、そういうのが苦手な人は要注意。
個人的には、いい具合に話を盛り上げてくれる良いスパイスだった。

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2012年03月24日

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出来れば各章の最初か最後に図版をまとめて欲しかった(文を読んでいるとき、単語の途中で頁をめくってすぐに次の文字が目に入ってこないとダメな質なので)。他書の内容とかぶる部分も多いが今作も興味深く読んだ。

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2021年04月29日

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「怖い絵」シリーズで有名になった中野京子先生の本を初読。
面白い!ただ名画を見て「きれいだな。すごいな」と読むのとはわけが違う!奥に秘められた物語を知っているのと知らないのでは、こんなに違うのか!そりゃ東京の「怖い絵展」に行列が出来るわけだわ。
これから「怖い絵」シリーズに手を出していこうっと。

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2019年04月22日

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世界史もろくに勉強したことがなかったけれど、わかりやすく背景となる歴史について書かれてあり、興味深かった。

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2018年07月15日

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絵画と併せて歴史や画家の背景にも触れた解説で、とても分かりやすく読みやすかった。
世界史に興味出ますね。

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2015年02月14日

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ネタバレ

人間の持つ様々な感情や、歴史に翻弄される人生、宮廷生活をテーマに、絵画の紹介をする。
スペイン・ハプスブルク家の凋落の歴史を語るベラスケスの『フェリペ・プロスペロ王子』。
オーストリア・ハプスブルク家の皇妃エリザベート。
マリア・テレジアとマリー・アントワネット。
『我が子を喰らうサトゥルヌス』をはじめとする『聾者の家』の連作『黒い絵』のゴヤ。
ロシアを代表するレーピン、ドラクロア。
キリストの磔刑を描いたルーベンスと『イーゼンハイムの祭壇画』。
背景を知った上で眺めると、絵に込められた深いメッセージを読み取ることができる。

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2015年02月01日

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中野京子さんの著書は、以前に二冊読んでいたので、同じ作品についての解説も多かったのですが、こちらではより詳しいポイントを示してくれていたので、初心者向けのわかりやすい本となっていたと思います。

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2014年01月05日

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「怖い絵」シリーズは読んでいたけど、こちらはNHK教育(Eテレ?)で放送したものをまとめたものとのこと。
いままで取り上げられてきた絵画を、テーマ(運命・呪縛・憎悪・狂気・喪失・憤怒・凌辱・救済)でまとめてより細かく解説されていて、大変おもしろかった。
あとがきに、ロケ地である「大塚国際美術館」の紹介がされていた。
知らなかった!是非行ってみたいと思うけど、鳴門か・・・
ちょっとやそっとでは、行けない場所だ~
でもでも、いつか行ってみたい♪

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2013年06月30日

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「怖い絵」シリーズの一環ですが,カラー図版が豊富で,絵の中から「人の心の動き」を鑑賞することができるようになっていて面白いです。

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2013年01月30日

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著者の本は他のシリーズもとても面白い。2匹目の泥鰌を狙った似たようなタイトルの本が沢山出ているが、余り面白くないのは、文章力の差か?

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2012年11月07日

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名画の裏に隠された貴族の家系図や時代背景を読み解いた一冊。宗教画の意味や解釈にあまり詳しくなかったので、とても興味深かったです。

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2012年03月31日

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中野京子さんによる「怖い絵」シリーズの姉妹本とも言える。
神話・王家の人物たちの狂気を、
沢山の名画を折り交えながら読み解く。

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2012年03月31日

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ネタバレ

名画の解説書、と書いてしまうと良くある本かもしれないが。絵の背景の説明に、絵に関わる作者含む当時の「人々の心」に焦点を当てて解説をしている点がユニーク。その解説を読んでから再び絵を見るとなんとも人間の怖さが本当に透けて見えてくるのが面白い。前書きに筆者が書いているように、絵画は(勿論例外はあるだろうが)予備知識や先入観無しでばかり鑑賞するばかりではつまらないなと考えさせられた。

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2012年03月18日

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 怖い絵シリーズで人気の中野京子さんの著作の中でも最初期の本。 
帯の絵はハプスブルク家が繰り返していた近親婚の影響で病弱な王子の肖像。ただのかわいい子どもの絵ではない。悪魔が幼い王子の命を奪わないように(王子だとわからないように)女の子の服を着せられている。要するにそれだけ、幼くして死んでしまう男系の皇位継承者が多かったということ。日本でも明治時代の女の子にクマとかシカとか名前を付けていたのも魔除けだし、昔は死んでしまう子どもが多かったんだろうね。一昔前にワイドショーで、子どもに悪魔と付けた裁判が話題になったことがあるけど、呪術という面では理解できなくもない。社会性に問題はあるけど。

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2024年04月30日

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アントワーヌ・ヴィールツがとても気になるんだけど、個人画集は刊行されていないのか見つけられなくて残念の極み。

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2017年08月07日

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有名なボッティチェリからエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ、あとおれは知らなかったけどドラクロワ、レービン、エゴン・シーレといった画家25人の33作品が、それぞれ「運命」、「呪縛」、「憎悪」、「救済」といた8つの章に分けて解説されている。カラーで見ることができるが、細かい部分はちょっと見にくい。それぞれ作中の人物(神話上の架空のものも含めて)、風景がなぜそのように描かれているのか、画家は何を思って書いたのか、主に歴史的な背景について説明されており、もともとはNHKの教養番組のテキストだったものを再編集したもの。
 読む前から怖い絵として出てくるだろうと思ってたのはゴヤの「黒い絵」シリーズ、『我が子を喰らうサトゥルヌス』で、あらためて見てもやっぱり怖い。ただ怖い絵としてしか認識していなかったが、実は「人間をやめてしまったにもかかわらず、まだ人間的弱さの残滓だけはあるという、引き裂かれた自己の苦悶」(p.115)をあの目は物語っているということだった。「つまりこの絵の本当の怖さは、我が子を喰っているところにあるわけではない。」(同)らしい。同じようにイリヤ・レービンという人の『イワン雷帝とその息子』という作品もとても印象的で、このイワン雷帝の目も「狂気から醒め、自分のしたことを突きつけられ」(p.171)た時の恐怖を描いているらしい。神話についてもおれは全く知らないけれど、そのサトゥルヌスが父親ウラノスを殺して、海に投げ込んで血まみれになった海水から泡が出てきて、ヴィーナスが誕生、というのも、すごい話だと思った。「ヴィーナスのギリシャ名はアプロディテで、アプロ(泡)が語源」(p.127)だそうだ。あと意外だったのは、風景画についての話で、「当時の教会は、自然を、やがては消滅する物質と見做し、永遠不滅の神に対置させます。そのため人々は、風景を愛でることと肉の快楽に耽ることを似た行為のように思い、罪悪感すら持たされていました。」(p.138)というのが納得。確かにヨーロッパの美術館に行っても古い作品はだいたい宗教画か歴史的な人物の絵のような気がして、風景画はあんまり見たことないなあと思った。エル・グレコは独特の色遣いが面白いと思っていたけど、この『トレド眺望』という作品の不気味さにも見入ってしまう。
 という感じで、怖いといってもお化けとか幽霊とかそういう怖さというよりは、作中の人物を待ち受ける悲惨な宿命とか、人間のどうしようもない性とか、そういう種類の怖さを描いている。ハプスブルク家といった西洋史、神話の話が難しくて、おれにとっては誰が何したのかだんだん分からなくなってきたが、絵のだいたいの雰囲気や背景を知るだけでも印象深いものが多い。(16/09/04)

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2016年09月05日

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ただ感性だけで絵をみるだけじゃ味わえない絵の魅力が満載。また絵の解説とともに、特に中世ヨーロッパの歴史も詳しく面白く語ってくれていて、勉強になる。

個人的にはファン・カレーニョ・デ・ミランダの『カルロス二世』がもっとも怖い。

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2016年06月19日

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「怖い絵」そのものよりも、その時代背景や人物相関が面白い。知っている話、知らなかった話を含め、絵画の楽しみ方の一つとして参考になる。それぞれの逸話についても、調べればもっとさまざまな逸話や人間関係がありそうで、知的好奇心が湧く。西洋画だと範囲が広くなってしまうが、その背景を知る入門書の一つとして有効。世界史年表を横に置きながら読めば良かったと思った。

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2013年12月14日

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絵画を通して人間の「怖い」本性を暴くという趣旨の本書。どちらかといえば絵画はただの方便で,ただの歴史列伝に近い本だが,扱っている人物自体のエピソードの豊富さもあって,それなりに読み応えがある.

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2012年10月14日

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