中野京子のレビュー一覧
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件の「怖い絵」展は実際に観に行ったし、あの重くて分厚い図録も買って帰った組だが、新たな発見も多い一冊だった。
こうして改めて展覧会後の反応等を交えて絵を振り返る、この楽しさと興奮よ。
当時本物の絵を間近にした時の感動を追体験しつつ、更なる解説に興奮しっぱなしという。
(図録の解説は中野先生ばかりではなかったこともあって)
先生がTwitterの反応をかなり気にしておられたのと、その反応を受けての解説文にもなっていたのが、特に面白かった。
まさに新感覚の、今の時代の展示だと思ったので。
巻末には「怖い絵」展の裏側を知れるエッセイも。
別のところでも読んだが、改めて数々の縁と奇跡でもって開催され -
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とにかく分かりやすくて面白い。テューダー朝、スチュアート朝、ハノーバ朝と変遷したイギリス王室の歴史がよく分かる。現在のウィンザー家はハノーバ家がドイツ系であるために第一次世界大戦後、邸宅があるウィンザー城にちなんで家名変更したなど知らないことばかり。イギリスとドイツの関係の深さには驚くばかりだった。要はヨーロッパの王侯は結局は、政略結婚、非常事態に対する備え(子孫が途絶えたときに海外の子孫を確保できるように)として血脈関係を張り巡らせていたようなのでみな親戚関係となっていたようである。それでもその親戚同士で戦争をするのだから人間は本当に分からない。先に同じシリーズの「プロイセン王家」を読んでい
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中野京子さんの本は、膨大な歴史と芸術に関する知識をテーマ縛りで解説してくれるので大変わかりやすく面白い。
この本も、王と女王の関係をテーマにオムニバス形式でまとめられている。
プリンセスと聞いてディズニー映画を想像したらとんでもない。
ハプスブルク家の血縁結婚、幽閉される王女、イワン大帝の顔の見えない妻達など
どれもこれも女性の視点から見ると、今の感覚では到底許されない人権侵害が必須条件としてまかり通っている世界。ホラーです。
同時にそうまでして血を繋がなければならなかった王の側の苦しみもあったんだろうなと。
当時のヨーロッパ王族が血縁を駆使して国の存続や領土拡大という国家事業をやっ -
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キリスト教について浅い知識しかないけれど、なぜだか興味はひかれる私のような人に向けて書かれた一冊。
著者の方はあとがきで「自分はキリスト教徒ではない」と書かれていて、それがこの本の良さを生んでいると思う。もし敬虔なクリスチャンの方が同じテーマで本を書いたら、神の子ではなく人間としてのイエスにここまで焦点を当てられたかどうか。
私が思いつく宗教画といえば、エル・グレコが描いた「受胎告知」。岡山県倉敷市にある大原美術館に収蔵されていて、絵画鑑賞の後は隣接する喫茶店、その名もエル・グレコで一服するところまでがワンセット。
また行きたいなぁ。
(同じくエル・グレコ作の「神殿を潔める」はこの本にも収 -
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ハプスブルク家について知りたいとずっと思っていたが、約650年続いたハプスブルク家の本を読むのは大変そうだ……となかなか手をつけられずにいた。
そんな中、歴史がざっくりと知れるものがいいと思い選んだ本。
知識のない私でも大変読みやすく、分かりやすかった。
オーストリア・ハプスブルク家、スペイン・ハプスブルク家の印象的な名画とともに歴史と人物を追っていく。
紹介されていた絵画はどれも素晴らしく、理解の助けになった。
中でも私は、エル・グレコの『オルガス伯の埋葬』が好きだった。
ハプスブルク家の歴史の中で衝撃的だったのは、なんといっても近親婚だ。
おじと姪の結婚など、近すぎる血族同士の結婚が繰 -
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世界史の学校教育が中学校で終わっている自分でも知っている人名やエピソードがてんこ盛りのハプスブルク家。読み進んでいくとあまりに長く広い範囲にわたっているので、それもあれもハプスブルク関係なのね、という展開だが、ヨーロッパ史に馴染みがない人でも順を追って人間関係を都度おさらいしつつ進めるように章立てや記述に気配りがされていて、絵からフォーカスをそらすことなく楽しめる良書である。おそらくこの一冊が好評だったため、この後、ブルボン王朝、ロマノフ家、イギリス王家、とシリーズが続いたわけだが、ヨーロッパ史を身近に感じる入り口として要望があったのだろうかと想像できるクオリティであった。逆に、ヨーロッパ史に
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いやあ面白かったなあ。中野京子さんの本は期待を裏切らない。名画に描かれた美貌の人々のドラマチックな人生がバラエティーに富んでいて、ページを繰る手が止まらない。とにかくみんな美しい!
・裸で馬に乗り町を練り歩いたレディ・ゴダイヴァ。チョコのゴディバのマークはここから来ている。
・形の良い乳房を宮殿の中で見せびらかしたというアニエス・ソレル。彼女をモデルにした「ムーランの聖母子」は妖しい魅力に満ちている。公式寵姫の第一号。
・画家のウォルター・シッカートは切り裂きジャックではないかと言われた。
・マリー・アントワネットのお抱え画家だったヴィジェ・ルブランの自画像は可愛い。逞しく生き抜いた人。
・椿 -
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絵画とともに歴史を辿っていく本。
フルカラーなのがとても嬉しい。
歴代プロイセン王の名は、九代全てが「フリードリヒ」と「ヴィルヘルム」の組み合わせからできていて大変覚えづらく、歴史書を読むときも大変苦労する。
(あなたさっきも出てきませんでした?と何度もなる)
〜プロイセン王〜
初代 フリードリヒ一世(猫背のフリッツ)
二代 フリードリヒ・ヴィルヘルム一世(兵隊王)
三代 フリードリヒ二世(大王)
四代 フリードリヒ・ヴィルヘルム二世(デブの女たらし)
五代 フリードリヒ・ヴィルヘルム三世(不定詞王)
六代 フリードリヒ・ヴィルヘルム四世(ひらめ)
七代 ヴィルヘルム一世(白髭王)
八代 -
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ロシアの遍歴、ロマノフ家の苦悩
ヨーロッパには◯◯家という政治と財力に物言わせ国の行く末さえ変えてしまう歴史に名を刻む家が多い。
ロシアもそんなヨーロッパの家と関わり交わりながら
戦い現在に近いものになって行く。
名家との婚姻は日本人が考えるより遥かに大変なものだっただろう。
歴史の背景には革命や伝染病もあり、ロマノフ家も翻弄されて行く。
特に目を引くのは、ロシアと言う極寒の地にありながらナポレオンとの度重なる戦い。
アレクサンドルはロシアを救うために自尊心を捨てたとあり涙腺が緩んでしまった。
ロシアでは最高権力者が突然失脚し、夜明けに乱暴にドアを叩く音に怯えたという。
罷免や財産没収に -
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今は歴史にしか残らないプロイセンという名の国
ドイツの前身とも言える国がどのように出来て行き、近隣諸国との関わり変化の経緯がとても分かり易い書き方で記されている。
中野京子さんの本は怖い絵でもあるように、自然と興味を持つような言葉で惹きつける。
絵画から紐解いていく当たり、ただの文章で史実を述べられているのとは違う納得感がある。
たくさんの邦国からなる国が、プロイセンとなり、ドイツ連邦となり、戦争へと突入し敗戦し、また敗戦していく。
そんな成り行きの元となるものが垣間見れる良書である。
手にしやすい分量であり大変お勧め!歴史が好きな人には是非読んで欲しい。