中野京子のレビュー一覧

  • 中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク

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    本のカバーに「19世紀末のウィーンは黄昏時の美しさに輝いていた。ハプスブルク大王朝崩壊の予兆に怯えながら、誰も彼もそれに目を背けてワルツに興じていた。」と書かれてあり、惹かれて買った。
    読んでみて、19世紀末ヨーロッパ(特にハプスブルク)は、特異的な時代だったように感じられた。華やかながらも、不安定さが漂っているような感じが、何とも言えず興味深い。
    ゾフィー、フランツ・ヨーゼフ一世、エリザベート、フランツ・フェルディナントなどの、ハプスブルク帝国末期の人物についても、程よく解説してくれていた。
    絵画の解説が、もう少し多めでも良いかもとは思った。

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    2024年08月12日
  • 異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む

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    ネタバレ

    いわゆるモンスター、章立てしてある蛇、悪魔と天使、キメラに続いて風景・廃墟にも一章割いてあるのが良かった。『悪しき母たち』の最後の一文にはそりゃそうだろなと。

    人間を模した異形たち、老婆の顔をモチーフとして描いても乳房だけは若々しいものを描きたいものなのだなとある意味感心した。

    最後に記してあった、収録作品に女性画家のものがひとつしかないという点について。「異形」という自分の理解し得ないものへの恐怖、関心、それを描くことによって理解を深める或いはただ好きなだけ等々あるだろうが、主に女性が蹂躙されたりあるいは悪の権化として妖艶に魅力的に描かれている作品の数々を眺めていると、女性画家にとって自

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    2024年08月06日
  • 中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク

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    何年か前に展覧会観に行ったことを思い出しながら読みました。クリムトは大好きです。美しい。『ヌーダ・ヴェリタス』(の絵葉書)部屋に飾ってます。中野京子さんの解説や時代考証と共に見るとまた一味違う。そしてフロイトと同時代と知るとまた深みが増しました。

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    2024年07月25日
  • 新 怖い絵

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    怖い絵というタイトルに疑問を感じるくらいどのエピソードも怖くない。暗い絵、という感じ。

    でも絵の背景を面白く解説してくれるので、絵の鑑賞の仕方を学ぶのにとても良い本。

    絵画の中に書き込まれている何気ないモチーフ(背景の壁に描かれた絵画など)が、その作品が何を表しているかの手がかりだというのが興味深かった。
    画家は適切なモチーフを考えたり、古典を引用したり頭を使って作品を作ってるんだなぁ。

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    2024年07月16日
  • 中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク

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    グスタフ・クリムトを主軸にして、オーストリア帝国フランツ・ヨーゼフ皇帝の人柄や家族関係を絡めて、わかりやすく書かれています。

    中野京子さんのクリムト絵画の解説はもちろん魅力的で、絵画が作られた経緯やモデル、エゴン・シーレとの関係など読みやすくなってました。

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    2024年07月09日
  • 中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク

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    超新星爆発。星は寿命を終える直前に最もエキサイティングなイベントを起こす。第一次大戦後に消滅したハプスブルク家。19世紀末のウィーンは、黄昏時の美しさに輝いていた。…次々と後継者を亡くし在位が68年に及んだフランツ・ヨーゼフ。嫁ぐはずの姉に付いてきて自らが皇后になっってしまったエリザベート。ウィーン大学の天井画で物議を醸したクリムト。過激な表現で24日間拘留されたシーレ。カフェのコーヒーは包囲したトルコの置き土産。華やかさは運命の儚さを彩るためにあるのか。…カラーの単行本。絵が見開きでも十分見やすい。

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    2024年07月07日
  • 危険な世界史 血族結婚篇

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    テンポがいいのでサクサク読めて良かった。
    日本史選択だったので世界史にあまり魅力を感じてなかったが、この本で面白さが少しわかった。

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    2024年07月07日
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ

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    再読。印象派の生まれた背景や、画家の社会的背景を紐解きながら、印象派の絵画を楽しむ。従来の古典派から抜け出し、絵画を見るがままに楽しませてくれる姿勢は、素晴らしい。でも、その時代の社会的背景をそのまま切り取って描かれているものと知ると、絵によっては、退いてしまう。それでも中野さんが指摘するように、「にもかかわらず」-それこそが芸術の毒であり魅力、なのだと感じる。

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    2024年07月01日
  • 画家とモデル―宿命の出会い―(新潮文庫)

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     展覧会場などで肖像画を見て、一体何を思うだろう。
     画家の画法や技量の巧拙はもちろん考えるとして、モデルの表情、姿勢、着衣などから、この人物は一体誰なのだろう、画家とはどういった関係にあるのだろうといったことを推し量ろうとするだろうか。

     本書は、『怖い絵』で有名な著者が、画家とモデルの関係を巡るエピソード18編の文章をまとめたものである。
     ゴヤ、ベラスケス、レンブラントといった大画家から、モデルと言えばすぐ連想されるシャガール、モディリアーニも紹介されているが、あまり観ることのない画家たちも取り上げられている。一編一編のエピソードを通して、この絵にはそういう背景があったのか、モデルとは

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    2024年07月01日
  • 新版 中野京子の西洋奇譚

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    目次
    第一話   ハーメルンの笛吹き男
    第二話   マンドラゴラ
    第三話   ジェヴォーダンの獣
    第四話   幽霊城
    第五話   さまよえるオランダ人
    第六話   ドッペルゲンガー
    第七話   ゴーレム
    第八話   ブロッケン山の魔女集会
    第九話   蛙の雨
    第十話   ドラキュラ
    第十一話  犬の自殺
    第十二話  ホワイトハウスの幽霊
    第十三話  エクソシスト
    第十四話  貴種流離譚
    第十五話  デンマークの白婦人
    第十六話  大海難事故
    第十七話  コティングリー事件
    第十八話  十字路
    第十九話  斬られた首
    第二十話  ファウスト伝説
    第二十一話 ディアトロフ事件
    余話    「怖い」

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    2024年06月28日
  • 怖い絵

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    西洋美術について興味はあるものの知識は殆どないので、良い刺激になった。踊り子などは私でも知っている超有名な絵だが、この画面は劇場のどの座席からみたステージか、後ろの黒いスーツの男は何者か?などの推察が面白かった。
    中にはこじつけというか、人の嫌な面を見ようとすれば誰でもそう思うだろうという、その絵としての説明から離れすぎた部分も感じられた。
    しかし、紹介される絵の数も多く、超有名どころだけではないところに好感が持て、総じて絵画への興味が増した。

    “怖い絵“というタイトルは本当は恐ろしいグリム童話のような印象だったが、本書はもっと現実的な人間の嫌な面を取り上げている。
    怖い絵というからには、も

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    2024年07月01日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    中野京子さんの本はわりと好きで時々読んでますが、これはハプスブルク家の関係者12名を肖像画などで紹介していこうというもの。もちろん12人程度で話の終わるハプスブルク家ではないのでいいとこ取りですが、どの方もキャラが立っているというかアクが強いというか……。こういう人物に対すると中野さんの筆がさえますな。
    とはいえ、やはり12人ではハプスブルク家を語るには足りないので、スペインとオーストリアを分けて24人くらい紹介してほしいなぁと(要するに続刊希望です)

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    2024年05月27日
  • 新版 中野京子の西洋奇譚

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    「ディアトロフ事件」が気になって、ネットで広告避けながら読むより紙媒体で読みたくて調べたら中野京子さんの著作を発見。読み読み。
    名画シリーズはかなり読んでたつもりだけど、切り口を変えても変わらぬ面白さ。
    「ブロッケン山の魔女集会」では「魔女狩りの実相を知れば知るほど人間であることが嫌になってくる……。」「もうすぐフランス革命という時期まで魔女狩りがあったことに、暗澹たる思いを抱かぬ者はいないだろう。魔女と認定されて殺された者の総数は、正確にはわかっていない。研究者によって4万、数十万、数百万と、大きな開きがある。いずれにせよ、拷問中に死んだものはカウントされていない。」など、ただ残忍な奇譚を書

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    2024年05月30日
  • 愛の絵

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    ネタバレ

    やっぱり中野先生の絵画解説は面白い。
    今回のテーマは「愛」
    恋という甘酸っぱいものから、嫉妬に狂う愛、子供を想う親の愛、その他異類婚やアイドル的憧れに至るまで様々な愛の物語。
    個人的には『デカメロン』から派生した『イザベラとバジルの鉢』そして『タレット階段の逢瀬』が印象的だった。
    どっちも悲恋ですけども。
    あと表紙絵も。
    あの詩の内容からこんなに慈愛に満ちた絵を生み出すとは……画家の優しさがたまらない……!

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    2024年05月20日
  • 大人のための「怖いクラシック」 オペラ篇

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    知識ゼロから少しずつオペラを知っていける構成となっていて、会話文のような形で説明されます。最近クラシックにハマり、歌劇、楽劇とつく曲が多いので手に取った本。なかなかの収穫がありました。

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    2024年05月10日
  • 名画で読み解く イギリス王家12の物語

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    イギリス王家12の物語。
    イギリス王家と聞いて思い浮かぶのは、エリザベス1世とメアリ・スチュワート、アン・ブーリン、ヴィクトリア女王でしょうか。見事に女性ばかり、悲劇と繁栄の女性たちですね。

    12の物語も、国家としての栄光の下の光と影を色濃く描き出しているものばかりに思います。それを繰り返しながら、現在でも王室が続いているのが素晴らしいというか、恐ろしいというか、歴史の面妖さなんでしょうか。
    紹介されている絵画は、テューダー朝から始まりスチュワート朝、ハノーヴァー朝、そして現在のウィンザー朝へと続く12枚。それぞれ王朝の血脈が絶え、他の血脈に変わるというわけでなく、かすかに繋いでいるというの

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    2024年05月09日
  • 愛の絵

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    様々な「愛」の形を描いた絵画を基にその時代背景や画家などを徹底解説している。サクッと楽しく読めて見知らぬ名画に触れられる。
    西洋画が主だが、日本の話も色々と語られており勉強になった。それにしても流行病に振り回されたり、貧困によって犯罪が多発したり、いつの時代も結局、人は人なのだ。

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    2024年05月01日
  • 異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む

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    昔から妖怪とか怪獣とかが好きだったので、結構楽しめた。怪物は、人間の部位(目、手足等)を増やしたり、減らしたり、別の動物をくっつけたり、してるものが多い。怪物で表現したいことによって、女性的か男性的かは変わってくる。
    ヒエロニムス・ボスの絵はごちゃごちゃしてて、色々なクリーチャーが描かれていて、観るのが楽しくなってくる。
    蛇は実在する動物だけど、苦手な人も多いイメージがある。子供の頃に木から蛇が落ちてきたときは、すごいビックリしたなぁというのを思い出した。

    アルチンボルドとハンマースホイが気になる。

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    2024年04月27日
  • 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

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    ロマノフ家12の物語。
    ロマノフと聞いて思い出すのは、大津事件とラスプーチン、そしてアナスタシア。ただ、「ゴールデンカムイ」の存在でアレクサンドル2世暗殺事件の印象も強い。
    エリザヴェータとエカテリーナ女帝のふくよかな肖像画。この2人の女傑があるから、ソフィアはああいった女丈夫になったんじゃなかろうか。

    個人的なことですが、第10章の山下りんにものすごく琴線を震わされました。彼女の存在を知っていたわけではないのですが、たまたま最近本屋さんで見かけて買ったのが、彼女を書いた小説「白光」でした。この本を読む前だったし、山下りんという人を知っていたわけでないのに、面白そうと思って買った本が予想外に

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    2024年04月16日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    ブルボン王朝に続いてハプスブルク家12の物語。
    ハプスブルクといえば、マリア・テレジアとマリー・アントワネット。マリア・テレジアは「少女時代のマリア・テレジアの肖像画」がすぐに思い浮かびます。美人さんだという印象。今回肖像画のタイトル改めて調べて「少女時代」ということに驚く。でも、マリア・テレジアの肖像画の中で一番綺麗だな、と思うのです。でも少女時代ということだとロリコンみたいなことになりそうだ。
    違いますよ。

    ブルボン王朝で書いた婚姻関係の複雑さの原因は、ほとんどハプスブルクにあるのではないでしょうか。それがあってこその650年という王朝の長さになったとはいえ。
    ただ、ルイ14世のような世

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    2024年04月12日