中野京子のレビュー一覧

  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ

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    再読。印象派の生まれた背景や、画家の社会的背景を紐解きながら、印象派の絵画を楽しむ。従来の古典派から抜け出し、絵画を見るがままに楽しませてくれる姿勢は、素晴らしい。でも、その時代の社会的背景をそのまま切り取って描かれているものと知ると、絵によっては、退いてしまう。それでも中野さんが指摘するように、「にもかかわらず」-それこそが芸術の毒であり魅力、なのだと感じる。

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    2024年07月01日
  • 画家とモデル―宿命の出会い―(新潮文庫)

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     展覧会場などで肖像画を見て、一体何を思うだろう。
     画家の画法や技量の巧拙はもちろん考えるとして、モデルの表情、姿勢、着衣などから、この人物は一体誰なのだろう、画家とはどういった関係にあるのだろうといったことを推し量ろうとするだろうか。

     本書は、『怖い絵』で有名な著者が、画家とモデルの関係を巡るエピソード18編の文章をまとめたものである。
     ゴヤ、ベラスケス、レンブラントといった大画家から、モデルと言えばすぐ連想されるシャガール、モディリアーニも紹介されているが、あまり観ることのない画家たちも取り上げられている。一編一編のエピソードを通して、この絵にはそういう背景があったのか、モデルとは

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    2024年07月01日
  • 新版 中野京子の西洋奇譚

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    目次
    第一話   ハーメルンの笛吹き男
    第二話   マンドラゴラ
    第三話   ジェヴォーダンの獣
    第四話   幽霊城
    第五話   さまよえるオランダ人
    第六話   ドッペルゲンガー
    第七話   ゴーレム
    第八話   ブロッケン山の魔女集会
    第九話   蛙の雨
    第十話   ドラキュラ
    第十一話  犬の自殺
    第十二話  ホワイトハウスの幽霊
    第十三話  エクソシスト
    第十四話  貴種流離譚
    第十五話  デンマークの白婦人
    第十六話  大海難事故
    第十七話  コティングリー事件
    第十八話  十字路
    第十九話  斬られた首
    第二十話  ファウスト伝説
    第二十一話 ディアトロフ事件
    余話    「怖い」

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    2024年06月28日
  • 怖い絵

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    西洋美術について興味はあるものの知識は殆どないので、良い刺激になった。踊り子などは私でも知っている超有名な絵だが、この画面は劇場のどの座席からみたステージか、後ろの黒いスーツの男は何者か?などの推察が面白かった。
    中にはこじつけというか、人の嫌な面を見ようとすれば誰でもそう思うだろうという、その絵としての説明から離れすぎた部分も感じられた。
    しかし、紹介される絵の数も多く、超有名どころだけではないところに好感が持て、総じて絵画への興味が増した。

    “怖い絵“というタイトルは本当は恐ろしいグリム童話のような印象だったが、本書はもっと現実的な人間の嫌な面を取り上げている。
    怖い絵というからには、も

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    2024年07月01日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    中野京子さんの本はわりと好きで時々読んでますが、これはハプスブルク家の関係者12名を肖像画などで紹介していこうというもの。もちろん12人程度で話の終わるハプスブルク家ではないのでいいとこ取りですが、どの方もキャラが立っているというかアクが強いというか……。こういう人物に対すると中野さんの筆がさえますな。
    とはいえ、やはり12人ではハプスブルク家を語るには足りないので、スペインとオーストリアを分けて24人くらい紹介してほしいなぁと(要するに続刊希望です)

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    2024年05月27日
  • 新版 中野京子の西洋奇譚

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    「ディアトロフ事件」が気になって、ネットで広告避けながら読むより紙媒体で読みたくて調べたら中野京子さんの著作を発見。読み読み。
    名画シリーズはかなり読んでたつもりだけど、切り口を変えても変わらぬ面白さ。
    「ブロッケン山の魔女集会」では「魔女狩りの実相を知れば知るほど人間であることが嫌になってくる……。」「もうすぐフランス革命という時期まで魔女狩りがあったことに、暗澹たる思いを抱かぬ者はいないだろう。魔女と認定されて殺された者の総数は、正確にはわかっていない。研究者によって4万、数十万、数百万と、大きな開きがある。いずれにせよ、拷問中に死んだものはカウントされていない。」など、ただ残忍な奇譚を書

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    2024年05月30日
  • 愛の絵

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    ネタバレ

    やっぱり中野先生の絵画解説は面白い。
    今回のテーマは「愛」
    恋という甘酸っぱいものから、嫉妬に狂う愛、子供を想う親の愛、その他異類婚やアイドル的憧れに至るまで様々な愛の物語。
    個人的には『デカメロン』から派生した『イザベラとバジルの鉢』そして『タレット階段の逢瀬』が印象的だった。
    どっちも悲恋ですけども。
    あと表紙絵も。
    あの詩の内容からこんなに慈愛に満ちた絵を生み出すとは……画家の優しさがたまらない……!

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    2024年05月20日
  • 大人のための「怖いクラシック」 オペラ篇

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    知識ゼロから少しずつオペラを知っていける構成となっていて、会話文のような形で説明されます。最近クラシックにハマり、歌劇、楽劇とつく曲が多いので手に取った本。なかなかの収穫がありました。

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    2024年05月10日
  • 名画で読み解く イギリス王家12の物語

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    イギリス王家12の物語。
    イギリス王家と聞いて思い浮かぶのは、エリザベス1世とメアリ・スチュワート、アン・ブーリン、ヴィクトリア女王でしょうか。見事に女性ばかり、悲劇と繁栄の女性たちですね。

    12の物語も、国家としての栄光の下の光と影を色濃く描き出しているものばかりに思います。それを繰り返しながら、現在でも王室が続いているのが素晴らしいというか、恐ろしいというか、歴史の面妖さなんでしょうか。
    紹介されている絵画は、テューダー朝から始まりスチュワート朝、ハノーヴァー朝、そして現在のウィンザー朝へと続く12枚。それぞれ王朝の血脈が絶え、他の血脈に変わるというわけでなく、かすかに繋いでいるというの

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    2024年05月09日
  • 愛の絵

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    様々な「愛」の形を描いた絵画を基にその時代背景や画家などを徹底解説している。サクッと楽しく読めて見知らぬ名画に触れられる。
    西洋画が主だが、日本の話も色々と語られており勉強になった。それにしても流行病に振り回されたり、貧困によって犯罪が多発したり、いつの時代も結局、人は人なのだ。

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    2024年05月01日
  • 異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む

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    昔から妖怪とか怪獣とかが好きだったので、結構楽しめた。怪物は、人間の部位(目、手足等)を増やしたり、減らしたり、別の動物をくっつけたり、してるものが多い。怪物で表現したいことによって、女性的か男性的かは変わってくる。
    ヒエロニムス・ボスの絵はごちゃごちゃしてて、色々なクリーチャーが描かれていて、観るのが楽しくなってくる。
    蛇は実在する動物だけど、苦手な人も多いイメージがある。子供の頃に木から蛇が落ちてきたときは、すごいビックリしたなぁというのを思い出した。

    アルチンボルドとハンマースホイが気になる。

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    2024年04月27日
  • 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

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    ロマノフ家12の物語。
    ロマノフと聞いて思い出すのは、大津事件とラスプーチン、そしてアナスタシア。ただ、「ゴールデンカムイ」の存在でアレクサンドル2世暗殺事件の印象も強い。
    エリザヴェータとエカテリーナ女帝のふくよかな肖像画。この2人の女傑があるから、ソフィアはああいった女丈夫になったんじゃなかろうか。

    個人的なことですが、第10章の山下りんにものすごく琴線を震わされました。彼女の存在を知っていたわけではないのですが、たまたま最近本屋さんで見かけて買ったのが、彼女を書いた小説「白光」でした。この本を読む前だったし、山下りんという人を知っていたわけでないのに、面白そうと思って買った本が予想外に

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    2024年04月16日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    ブルボン王朝に続いてハプスブルク家12の物語。
    ハプスブルクといえば、マリア・テレジアとマリー・アントワネット。マリア・テレジアは「少女時代のマリア・テレジアの肖像画」がすぐに思い浮かびます。美人さんだという印象。今回肖像画のタイトル改めて調べて「少女時代」ということに驚く。でも、マリア・テレジアの肖像画の中で一番綺麗だな、と思うのです。でも少女時代ということだとロリコンみたいなことになりそうだ。
    違いますよ。

    ブルボン王朝で書いた婚姻関係の複雑さの原因は、ほとんどハプスブルクにあるのではないでしょうか。それがあってこその650年という王朝の長さになったとはいえ。
    ただ、ルイ14世のような世

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    2024年04月12日
  • 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語

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    12枚の絵画を通してフランス・ブルボン王朝の歴史を紐解く1冊。
    ちょこちょこ小説で読んでいる人物が絡んでくると、急に解像度増す気がするから歩楽しい。
    こういう自分の中にある知識の点と点が、読書中に線になって繋がってゆく瞬間がたまらなく気持ちいい。おそらくこの瞬間の気持ちよさのために読書をし続けているのだな、と思います。
    その瞬間は、読書中だけではなく、ゲームでも映画でもたわいのない会話中でも同じ。

    ふとした瞬間に、繋がる気持ちよさ。知識が繋がるのはとてもいいです。

    絵画は12枚だけでなく、各章ごとに補足するためにいくつか追加で紹介されています。知っていたのは「ガブリエル・デストロとその妹」

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    2024年04月11日
  • 名画と建造物

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    やっぱりすごい…と引き込まれる解説に何度も絵を見返す。
    名画と呼ばれるもののなかでも、建築物や構造物にスポットライトを当てた本。
    表装のバベルの塔は空想想像を超えて本当はあるんじゃないかとさえ思えてしまう不思議。

    たくさん紹介されているけど、モネのサンラザール駅の骨組みは素敵だなあ。好きだなぁ。
    中野さんの解説でより深く深く好きになって行く。

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    2024年03月14日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    ハプスブルク家の長い歴史を学ぶ最初の書物として推薦したい。王家の皆様にあまり魅力を感じなかったが、純潔を守ろうとして結局途絶えたのは皮肉だと感じる。残念ながらオーストリア、ウィーンにある絵画の紹介は少ないが、エリザベス皇后の肖像画は、ぜひ実物をみたい。

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    2024年03月14日
  • 愛の絵

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     『星たちを引き連れた夜』、幼子の死というどうしようもなく残酷なテーマを扱いながら、これほど愛とやさしさに満ちた作品があるのか。


     何もしなければ死は単なる現象に過ぎない。ともすれば忌避すべきものですらある。しかしその死に真っ向から取り組み、価値ある作品に昇華したとしたら、それは芸術の本懐だと思った。

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    2024年02月27日
  • 愛の絵

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    いつもながら、中野京子さんの解説は本当に面白い。感情の表現。様々な愛のかたち。ドラマチックです。
    ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス『毒をまくキルケー』、ジョン・ホワイト・アレクサンダー『イザベラとバジルの鉢』
    『タレット階段の逢瀬』抑えた思いが切ない。
    そして表紙にもなっているエドワード・ロバート・ヒューズ『星たちを引き連れた夜』これは元々好きで部屋にカードを飾ってある。

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    2024年02月23日
  • 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

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    ロマノフ王朝時代のロシアは-今も同じかもしれないが-怖いと感じる。正直、絵画よりも怖い。掲載されている絵画のうち惹きつけられるものはおおくなかった。むしろロマノフ王朝時代の世界観、暗殺、虚偽の公式発表など、内にいる限り、暮らしていくのも一苦労だ。
    ✔︎皇女タラカーノヴァ
    ✔︎ヴォルガの舟曳き
    本作には掲載されていないが、
    ⚫︎イワン雷帝とその息子(怖い絵に収録)

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    2024年02月11日
  • 名画で読み解く プロイセン王家 12の物語

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    シリーズだと知らずに買ったので、他の五冊もあわせて読みたいと思います。
    ヨーロッパの本を読むのは二回目です。(前回はレミゼラブル。感動したのを覚えています)
    カラーで、絵画も多くて楽しめました。

    本には教科書に載っていないエピソードが沢山あります。
    印象と違った一面を覗かせることもあり、人物への考え方も変わりました。
    もっと勉強してから読むと面白さが増すと思います。

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    2024年02月05日