中野京子のレビュー一覧

  • 美貌のひと 歴史に名を刻んだ顔
    「意味や物語を理解することーもともと意味や物語のある絵画作品は、その意味や
    物語を知った上で鑑賞するのが作品や画家に対するリクペストではないか」作者のこの思想にはすごく共感、自分の感性だけに頼っても、その絵の面白さを堪能することはできない。だからこの著者の絵画解説書が私は好きだし、他の人にも人気なん...続きを読む
  • 異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む
    ウルトラマンシリーズにライダーシリーズ。敵役の怪獣・怪人に夢中になるのは男の子。本書に女性画家が1人しか登場しないのも肯ける?いえいえ、本書の著者が女性では?幼きころを懐かしみながら、異形の姿に赴きを感ずる一時。興味を持つのは子供だけではない。だから、こうして様々な作品が描かれてきた。動植物と身体を...続きを読む
  • そして、すべては迷宮へ
    「怖い絵」で大ブレイクした著書の初のエッセー集。エッセー集と名乗ってはいるのだが、こう言ってはなんだがエッセーというよりは……雑文集? エッセイもあるが、展覧会の紹介文やら書評やらもありで、いろんなところにいろいろ書いたのをとにかくガサーッと集めました、という趣。
    しかしだからといって面白くないとい...続きを読む
  • 残酷な王と悲しみの王妃2
    近親婚、政略婚、とにかく溜息の連続。1巻でも感じたが、もう少し図版が大きいといいのにな、というものが何点か。ゴヤの絵を見に行きたくなる。
  • 名画に見る男のファッション
    山岳ばかりで寒冷なスイスは極貧に喘ぎ、14~18世紀には男たちは傭兵として出稼ぎをするしかなかった。それにしても、スイスの傭兵のファッションの奇抜さは群を抜いている。体半分で模様が違う服を着ているし、動きやすいように腕のスラッシュ(切れ込み)を入れたのも彼らが最初らしい。「俺らは命を懸けてんだぜ、ど...続きを読む
  • 大人のための「怖いクラシック」 オペラ篇
    シンデレラことチェネレントラに魔法使いは助けにこない。それでもヒロインの夢は叶う。姫と呼ばれる娼婦は女性の視点で描かれる。子を思う父の気持ちに負けて恋人をあきらめる。結核に倒れ死の床に。哀れを感じる。誇り高きマルガレーテ。ファウストと過ごしてしまった一晩。その後の悲劇、そしてハッピーエンドであるはず...続きを読む
  • 異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む
    天使や悪魔、蛇に妖精、魑魅魍魎。
    中にはそんな具体的なものは描かれていなくても「空間」「建物」に異形性を感じるものも。
    そんな「怪」を感じる絵を集めて解説した一冊。
    中野先生の著作を読んでいるとお馴染みの作品も多く(「怖い絵展」で見かけた作品も多数)完全なる新鮮味は少ないかもしれないが、ジャンル分け...続きを読む
  • 怖い絵
    最初は、自分には少し難しい文体かもしれない…失敗した…と思ったが、読み進めるうちに慣れ、どんどんどんどん引き込まれていった。一見怖そうに見えない絵から、明らかに恐ろしい絵まで盛り沢山。人気の秘密がわかった。シリーズをくまなく読んでいこうと決めた。
  • 運命の絵
    知的好奇心をくすぐられる本て大好き。
    この本も最初から最後まで「へえ〜、へえ〜」と言いながら読みました。

    美術館行きたくてもいけないので、この本で「中野京子美術館」に行った気になりました。
  • 運命の絵
    今まで読んだ筆者の本では一二を争う面白さだった。
    絵から読み解ける背景と隠されたストーリー。時代は変われど流派は違えど心を持つ人間が生きた人間を描いているのが改めて実感させられる。
  • 名画で読み解く プロイセン王家 12の物語
    ベルリンで、プロイセン王国の歴史を知ろうと色々な本を読み、歴代王・皇帝の名前を覚えたが、まさにそのプロイセン王フリードリッヒ1世以降の王・皇帝それぞれの物語だった。それほど目新しい内容はなかったが、肖像画などを使ってその人物の見た目も紹介していて、一層各人の個性が引き立てられたように感じた。
    素直に...続きを読む
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語
    世界史で勉強したハプスブルク家、こうやって読むといろんなことに繋がっていたんだなぁ。ナポレオンやサラエボ事件も関係あるんだ。
  • 欲望の名画
    数時間あればサクサクと読める。
    怖い絵シリーズに出てきた絵画も数点あったが、新しい絵画と出会う事ができた。
    内容もそこまで難しくなく、他の作品同様面白い。
  • 異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む
    中野さんの執筆は、外れ無し。ダントツに面白い。
    今回の作品は「知識」は主で従に美術。
    美術ファンからしたら、この意見違和感ありと反論起きそうだけれど、行間迄余すところなく(むろん絵へのコメント迄も)「知らない事」が多いせいもあり、終わるまで、もうお腹いっぱい・・いい意味で。

    美術作品をアトリヴュー...続きを読む
  • 中野京子の西洋奇譚
    「ハーメルンの笛吹き男」や「エクソシスト」、「ディアトロフ遭難事件」など、ネットや書籍で散々触れているオカルティックなテーマが盛りだくさんだったので、私自身も「中野先生の文章で復習すっか!」みたいな軽い気持ちで読みましたが、モチーフとして描かれた絵画による彩り、同じ内容でも語り手が違うだけで初めて知...続きを読む
  • 欲望の名画
    年に何冊出すんだろうねこの人は。基になる知識がしっかりしているためか、いずれも面白いのは流石だなぁ。
    今作は雑誌の連載をまとめたものということだけど、かなりの加筆をしているようで割と別物なんじゃなかろうか。某クイズ番組のようなチラ見せも、たまには良き。
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語
    ミュージカル〝エリザベート 〟が大好きで、関連書籍を何冊か読んだ。絵画という切り口も面白そうと思い手に取った一冊。

    ハプスブルクが生まれてから終焉まで、代表する絵画とそれに纏わるエピソードが書かれており、周辺国の情勢や裏話等飽きずに楽しく読めた。
    どうしても印象的な話や悪い噂ばかりが独り歩きしてし...続きを読む
  • 名画で読み解く プロイセン王家 12の物語
    安定の面白さ。ホーエンツォレルン家なんて、人生で初めて聞いた気がするのに、面白く読めた。(日本史だもの、ってことにしよう。)
    印象に残ったのは、ビスマルクのおそるべき有能さ。
    しかしこの本らしく絵画で言うなら、一番驚いたのは第6章の扉絵『シャルロッテンブルク宮殿庭園のフリードリヒ・ヴィルヘルム三世と...続きを読む
  • そして、すべては迷宮へ
    『怖い絵』シリーズなど、美術関連の著作では現在最も勢いのある中野京子さんのエッセイ集。
    専門の美術の話だけでなく、日常の話も軽妙洒脱で読みやすい。そう、読みやすい。
    本の最後にご自身の「始まりの一冊」に関して述べられているが、なるほど、『怖い絵』は売れるように意識して書いていたのかと納得しきり。だっ...続きを読む
  • 大人のための「怖いクラシック」 オペラ篇
    「怖い」と銘打たれているが、コンピアルバムとの連動企画でこういうタイトルになっているようで、特に「怖い」に重点を置いた話ではなかった。
    本書冒頭にもあったが「これまで多少オペラに興味あっても触れる機会のなかった人」「オペラって敷居が高すぎと思っている人」に向けての初心者向け解説本という感じだった。
    ...続きを読む