中野京子の西洋奇譚

中野京子の西洋奇譚

小説・文芸
1,870円 (税込)

9pt

箒にまたがり飛翔する魔女、笛吹き男に連れられ姿を消したハーメルンの子供たち、暗殺された二人の米大統領の驚愕すべき共通点、悪魔に憑かれたルーダンの修道女、冷戦下のソ連で学生達を襲った凄惨な未解決事件、蛙の雨、ドッペルゲンガー、犬の自殺橋etc.

稀代の語り手中野京子が贈る、21の「怖い話」。

目次
ハーメルンの笛吹き男/マンドラゴラ/ジェヴォーダンの獣/幽霊城/さまよえるオランダ人/ドッペルゲンガー/ゴーレム/ブロッケン山の魔女集会/蛙の雨/ドラキュラ/犬の自殺/ホワイトハウスの幽霊/エクソシスト/貴種流離譚/デンマークの白婦人/大海難事故/コティングリー事件/十字路/斬られた首/ファウスト伝説/ディアトロフ事件

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中野京子の西洋奇譚 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    名探偵ホームズの産みの親が信じた妖精の写真。半世紀後の種明かし。わかってみれば他愛のない悪戯。飛び降り自殺中の偶発的射殺。事実こそ奇なり。故意と偶然が織りなす奇妙な出来事。奇譚として後世の人々を好奇心を掻き立てる。ハーメルンで消えた130人の子供たち。監獄で息を引き取った仮面の男。裁判で処刑とされた数知れぬ”魔女”たち。悪魔と関わったとされ火刑にされた神父。悲劇は謎になり、謎は悲劇を生む。森加計桜、そしてJAL123便事故。奇譚で終わらせてはいけない。

    1
    2020年11月10日

    Posted by ブクログ

    世界に不思議な話。不思議な出来事は多い、嘘だ、ほらだ、幻だ、錯覚だ、気の迷いだという当時のおかしな出来事が今に伝わったもの。歴史的現象奇譚が伝わったもの。それはなぜ?中野さんは説く。
    1ハーメルンの笛吹き男
     グリムではハーメルンにやってきた男が報酬をもらう約束で鼠を川に沈めたが、
     報酬をもらえなかったので130人の子供を連れ去った。
     古文書に記され、今も研究中でさまざまな論考がある。
     面白いのは舞踏病に集団感染して踊りながら町を出て行った、などこれはマユツバ。
     子供たちは十字軍に 入ったのかとも。笛吹き男は徴兵係だったw  

    2マンドラゴラ  
     物語に登場する(ハリーポッターなど)、聖書にも記載がある植物。春咲きが雄、秋咲
     きが雌といわれ、引き抜くとき抵抗して嫌な音を出す。薬にもなるが快楽効果があり
     麻薬のように怪しげな使い方をされてきた。  
      
    3ジェヴォーダンの獣
     取り残されたようなジェヴォーダン村の狼のような獣。スティーブンスンが旅の途中で
     立ち寄ったが怯えている村人に冷たくされ、憤慨して狼寄りの記録を残したとか。
     剥製がイギリスにあったが今は行方不明。

    4幽霊城 
     イギリス人は幽霊が好き城も多いし。

    5さまよえるオランダ人
     オランダ船が嵐に会い怒った船長が南十字星に向かって発砲して呪われ、それからは
     未来永劫海を漂うことになった。
     ワーグナーは借金を逃れるのに妻と舟に乗って嵐に会い、オペラ「さまよえるオランダ人」
     を書いた。

    6ドッペルゲンガー
     もう一人の自分に出会ったらそれは。ドッペルゲンガーがらみの話は多くて興味深い。
     数々のドッペルゲンガー譚。しかし実際には、幽霊譚と比べてはるかにその数はすくない。
     なぜだろう?
     自分が自分を見る――その衝撃は幽霊を見るのと比べ物にならぬほど大きいからで
     はないか。幽霊などよりずっとずっと怖いからではないか……。(by中野)

    7ゴーレム
     人の形をした泥の塊。時間の経過とともに巨大化して暴れだす。
     ラビが作って魂を入れたらしい。
     人造人間の元祖。

    8ブロッケン山の魔女集会
     山の上に日の出頃に立つと、影に太陽の光輪がかさなって霧に写る。ブロッケンの怪。
     この頂で魔女が4月30日から翌日まで集会を開く「魔女の夜」もある。
     あまり高くない山だが 奇譚がおおい。

    9蛙の雨
     空から蛙の雨が降った。降るはずのないものが降る「ファロッキーズ現象」
     石川県ではおたまじゃくしが降ったことがあるそうだ。
     ほかには魚,亀や小型のワニ、植物,硬貨、血。
     初期の目撃はローマ時代。
     江戸時代に綿糸のような物が落ちてきたという。蛙の例が多いが謎は解けていない。

    10ドラキュラ
     ルーマニアはドラキュラを観光資源にしているとか。トランシルバニア地方には ドラキュラの
     ブラン城があるものね
     ウラド3世の「串刺しの刑」は「八つ裂きの刑」と肩を並べて物語に出てくる。
     刑罰はどんなものでもイタイ、コワイ。でも耐え忍んで助かった人もいるそうだが。
     ブラムストーカーの夜に甦るニンニクが嫌いな「吸血鬼」にもなって。
     映画ではドラキュラは闇のスーパースターだ。
     なるほど(by中野w)

    11犬の自殺
     犬が飛び降りる橋がスコットランドのオーバートンにあるそうだ。

    12ホワイトハウスの幽霊
     リンカーンとケネディの悲劇はたまたまいろんな点で奇妙に一致するところが
     あるそうで、100後という所でぴったり重なるとか。
     また歴代大統領は夜歩いているとか。

    13エクソシスト
     初めてホラー映画を見た時「エクソシスト」は「オーメン」よりキングのいろいろより
     怖かった。
     それでも最近「実話」というのを見た「エミリー・ローズ」は怖くてもう二度と見たくない。

    14貴種流離譚
     折口信夫が命名した「貴種流離譚」とは「高貴な血脈に生まれながら自国を遠く離れてさすら   い数かずの試練を経て神や尊い存在になる」という説話の一型を指す。
     ああ、デュマの「鉄仮面」はそれだ。前に読んだロシアの偽世継ぎ現る事件。ドミトリ-、
     タカラーノヴァ、びっくりニュースのアナスターシア。やっぱり嘘をついてまで権力と金      は魅力的ということ。
     カスパー・ハウザーは王子か、ということで大騒ぎだったが襲撃されて死亡、未解決。

    15デンマークの白婦人
     この幽霊に会うと死ぬという。勝手に恨んで出てきては呪い殺したらしい。

    16大海難事故
     勿論タイタニック号だ。そのほか幽霊船になって霧の中から現れる帆船も絵になるが
     不気味。

    17コティングリー事件
     コナンドイルの妖精写真は有名、周りも本物だと信じた事件。

    18十字路
     十字路には悪霊が住む。信号をよく見て一気に駆け抜けよう!!

    19斬られた首
     宗教の対立で首を斬られる。得の高い牧師は首を持って歩いたが首は説教を続けていたそうだ。

    20ファウスト伝説
     ゲーテのファウストは「時よ止まれ」といったが天才ファウスト博士は実在した。
     ギリシャ神話の抗議など学生に訊かせたので処分されたが、各地を巡って占いや話で
     豪勢な生活を送ったソウダ。

    21ディアトロフ事件
     ウラル工科大学の学生が遭難した、隊長ディアトロフ以下10名が消息を絶った。
     調査では低体温症による死だとされたが、暴力的外傷が多くみられ放射能が
     検出された。
     事件の謎は解明されていない。


    また長くなったが、中野さんは絵画も添え現実の研究結果も書いている。
    知っているつもりの話もこういう所から始まってきていたのか。
    また読みたい本が増えた。

    0
    2026年03月09日

    Posted by ブクログ

    海外の絵画の背景を歴史とともに説明してくれる中野京子氏の最近の本。解説がないと意味が分からない絵はたくさんあるが、なんとも奇妙な裏話があったりする。
    本書は絵画だけでなく、写真や未解決事件なども取り上げていて、なかなか面白かった。軽く読める小話集という感じである。
    ロシアの集団遭難事件は聞いたことがあったが、本書でも直近の考察が示されていて興味深かった。私の推理は少し違うのだけれど。
    空前の妖精ブームについては初めて知った。写真に写りこむ妖精の正体は?
    美術系の雑学を仕入れるのにぴったりだ。

    0
    2025年01月11日

    Posted by ブクログ

    「怖い絵」で有名な中野京子さんが西洋の伝承・伝説を解説する本。

    雑誌の連載をまとめたものらしく、一つ一つのトピックは短く読みやすい。最初の「ハーメルンの笛吹き男」がかなり詳細に語られていて感心したが、トピック毎の文量が結構違って読み進めるともう少し深く掘り下げて欲しいな…というようなものもあった。

    創作のネタになりそうなものを手軽にたくさん知れたのは大きかった。

    0
    2023年08月31日

    Posted by ブクログ

    文も読みやすく、歴史にも上手く搦めての語り口で大変読みやすい。
    色々な『どこかで聞いたかも』という話が、丁寧に扱われているのがとても良かった。こういう怖い話、不思議な話というものは、何度読んでも面白いなあ…なんて思った。

    0
    2023年08月25日

    Posted by ブクログ

    「ハーメルンの笛吹き男」や「エクソシスト」、「ディアトロフ遭難事件」など、ネットや書籍で散々触れているオカルティックなテーマが盛りだくさんだったので、私自身も「中野先生の文章で復習すっか!」みたいな軽い気持ちで読みましたが、モチーフとして描かれた絵画による彩り、同じ内容でも語り手が違うだけで初めて知る話のように興味深く感じられました。なかには今まで知らなかった情報も含まれていたりと、復習どころか、新鮮な気持ちでわくわくして読むことが出来ました

    0
    2021年06月15日

    Posted by ブクログ

     あまり西洋の歴史に詳しくない自分にとって、伝説?虚構?悪魔?と思われる様な現象や伝承は、ある意味人の残酷さの真実に通じているような話であった。
     そんな自分でもドッペルゲンガーや、ハーメルンの笛吹きなどは勿論聞いたことがあるが、今に至るまで言い伝えられるのには、誰しも似た様な経験なりがあり、誰しもをそれなりに頷かせるものがあるからであろう。
     本の内容としては、広く浅く色々なところを引っ張っているので、興味があるところは調べてみてもいい。

    0
    2023年02月28日

    Posted by ブクログ

    各章に関連する絵画が載っているのかと思っていたので、絵が載っていない章はちょっと残念。「カエルの雨」の章での「変なものが降ってくる」はジョジョ第6部でカタツムリが降ってくるのに通じているのかな。

    0
    2021年06月20日

    Posted by ブクログ

    勝手に絵画の本と思ってたが、タイトル通り奇譚だった。ちょっと興味がある奇譚ばかりだったので面白かった。

    0
    2021年06月02日

    Posted by ブクログ

    「怖い絵」!
    の中野京子さんですよね、
    と何度もつぶやいてしまった

    あのシリーズが
    あまりにも面白かったので
    それはそれは夢中になって
    読み進めていたころが
    遥か昔のように
    思ってしまう

    一枚の絵に
    隠されている謎
    託されている怨念
    匠な比喩
    歴史に精通しているからこその
    裏まで見通す語り

    それらが
    残念なくらいに
    薄まってしまっている

    そんな印象を持ちました

    0
    2021年04月09日

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