中野京子のレビュー一覧
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急にロマノフ朝に興味を持ち手に取った。
正直、この本は面白い。というよりロマノフ朝が面白いのだろう。
12の物語と題し、12枚の絵画から、ロマノフ朝の12人の主要人物を語る。
12の物語のうち圧巻は、やはりエカテリーナ2世だろう。この人、実はドイツ人。ドイツから嫁いできて皇帝になってしまった。こんなのあり?
更に驚くべきは、愛人が21人もいたという。さすがロシア、異次元の世界だ。
だが、政治家としては優れた人物なのだろう。在位は34年と長期にわたり、トルコ戦に勝利し領土も拡大。大女帝として存在感は破格のものであったのだろう。
この本を読んで最初に、よくもまあこんな(失礼)王朝が300年も -
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人の美しさとは、もちろん顔の造形だけではない。仕草や表情、行動や言葉など様々な要素から美しさは作られる。
ただ、顔を見ただけで目を奪われる、ただただ見つめていたい美貌というものは、大半の人にとっては手に入らないもので、その貴重性は時代を超えて人を惹きつける。
様々な美貌の人を見てきたが、やはり最後の「忘れえぬ女」が心に残っている。
冷たそうでいて、どこか哀しげにも見える、なんとも言えない表情の、まさに忘れえぬ女だ。
最後に心に残った言葉、
「美貌は確かにチャンスを引き寄せるが、それを活かせるかどうかその先には、意志と知力と官能が必要だ。それらすべてを備えた女性に、太刀打ちできる男などいない。」 -
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ネタバレアトリビュートの話ばかりかと思っていたら、異時同図法などの手法の話もあって、より興味深かった。
中野先生の著作ではお馴染みの絵画や(この本で言うところの)「絵の言語」いわゆる決まりごとやお約束を一挙に読めて学べるのは有意義だった。
復習でもあり、予習でもあり。
西洋絵画の展覧会を見に行く前に読めば、その絵の解像度がぐんっと上がると思う。
この一冊で50も紹介されているので覚えるのはなかなか骨が折れそうだが。
50もありながら、どの話も見開き2ページ以内で使用された絵も多く、先生の小気味いい語り口調で今回も非常に読みやすかった。
先生の書かれるツッコミもまた楽しいのだ。
取り敢えず、自分は画中 -
Posted by ブクログ
本のカバーに「19世紀末のウィーンは黄昏時の美しさに輝いていた。ハプスブルク大王朝崩壊の予兆に怯えながら、誰も彼もそれに目を背けてワルツに興じていた。」と書かれてあり、惹かれて買った。
読んでみて、19世紀末ヨーロッパ(特にハプスブルク)は、特異的な時代だったように感じられた。華やかながらも、不安定さが漂っているような感じが、何とも言えず興味深い。
ゾフィー、フランツ・ヨーゼフ一世、エリザベート、フランツ・フェルディナントなどの、ハプスブルク帝国末期の人物についても、程よく解説してくれていた。
絵画の解説が、もう少し多めでも良いかもとは思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいわゆるモンスター、章立てしてある蛇、悪魔と天使、キメラに続いて風景・廃墟にも一章割いてあるのが良かった。『悪しき母たち』の最後の一文にはそりゃそうだろなと。
人間を模した異形たち、老婆の顔をモチーフとして描いても乳房だけは若々しいものを描きたいものなのだなとある意味感心した。
最後に記してあった、収録作品に女性画家のものがひとつしかないという点について。「異形」という自分の理解し得ないものへの恐怖、関心、それを描くことによって理解を深める或いはただ好きなだけ等々あるだろうが、主に女性が蹂躙されたりあるいは悪の権化として妖艶に魅力的に描かれている作品の数々を眺めていると、女性画家にとって自