あらすじ
弟が姉を、夫が妻を幽閉し、父が息子を、妻が夫を殺してきた歴史だ(本文より)。ロマノフ王朝の始祖ミハイルが即位した1613年から、二月革命により一家全員が処刑されたニコライ二世まで、300年余の歴史を、12枚のオールカラーの絵画と読み解く。幽閉、暗殺、共産主義革命――愛と憎しみに翻弄された帝政ロシアの興亡は、ハプスブルク家やブルボン家、ナポレオンなどとも密接に絡み合う。「名画で読み解く」シリーズ、第3弾!
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Posted by ブクログ
絵画は芸術的な意義だけでなく歴史を後に伝える意味もあるのだなと、王家の絵を見てつくづく思う。
人物の絵を見ると、コンプレックスをどこか抱えている感じ、にじみでるノーブルさ、不幸な結婚である表情など、歴史の流れからはわからない、人間の個性や感情が感じられる。
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このシリーズにはずれはない。ロシア王家(ロマノフ王朝)については名前以外は知らなかったので大変勉強になった。そもそもイワン雷帝というのがいつの時代の人かも知らなかったので、イワン雷帝自体はロマノフ王朝の前の時代の人間(間接的には血統は繋がっているが)ということを恥ずかしながら初めて知った。ヨーロッパの各王朝はかなり複雑に関係しているので、他の王家の物語でちょこちょこと出て来るロマノフ家の皇帝がよく分かる。ロシア人がフランスに憧れており、そのため宮廷ではフランス語が話されていたというのも知らなかったし、他の王朝でも見られることだが、男帝より女帝の統治下の方が国力が増す傾向にあるということなど、トリビアとしては面白い。
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ハプスブルク家、ブルボン家、この辺りの西洋史がすごく好きで、中野京子さんとあいまってとても面白く、このロマノフも気になっていたのにずっと読めていなかった…思いがけず後輩が貸してくれて、久しぶりに読んだ中野京子の名画と歴史、相変わらず切れ味抜群で面白い!
作者の他の本で知っている部分もあったけど、今の世にも続いているかのような、おそロシアな歴史、風土…。
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面白かった。先日読んだ「残酷な王と悲しみの王妃2」に重なる部分もあり、興味深かった。
知っている絵がイリヤ・レーピンくらいしかないのが残念。でも彼の「イワン雷帝と息子」や「公女ソフィア」は圧巻だし、エピソードも凄いので忘れられない絵だ。ロマノフは他のブルボンやハプスブルク、イギリスと違って、よく言えばドラマティック悪く言えばどぎついエピソードが多い。父の息子殺しや偽物の皇位継承者、娼婦上がりの女帝など、一代記が何人も書けそう。
その中でもピョートル大帝とエカテリーナ1世、エカテリーナ2世は波瀾万丈で面白い。ヨーロッパの王家のように高貴になってしまってからのほうが、ロマノフ王家自体は弱くなったのではないかと思える。
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ロシアの遍歴、ロマノフ家の苦悩
ヨーロッパには◯◯家という政治と財力に物言わせ国の行く末さえ変えてしまう歴史に名を刻む家が多い。
ロシアもそんなヨーロッパの家と関わり交わりながら
戦い現在に近いものになって行く。
名家との婚姻は日本人が考えるより遥かに大変なものだっただろう。
歴史の背景には革命や伝染病もあり、ロマノフ家も翻弄されて行く。
特に目を引くのは、ロシアと言う極寒の地にありながらナポレオンとの度重なる戦い。
アレクサンドルはロシアを救うために自尊心を捨てたとあり涙腺が緩んでしまった。
ロシアでは最高権力者が突然失脚し、夜明けに乱暴にドアを叩く音に怯えたという。
罷免や財産没収に留まらず苛烈な拷問、シベリア送り、四肢切断などの公開処刑が妻子一族までを巻き込んでと言うのは、本当に恐ロシアと言わせる所以なのだろうと思う。
かつては親日と言われた大津事件にも触れており、ロシアの乾いた空気と魅力的な国土も感じられる大変読みやすいボリュームの良書。
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ロマノフ朝の誕生から終幕まで、簡単に描かれていただけではなく、名画の解説も書かれていたので、物語を読んでいるように思えて、非常に興味深かった。
ミュージカル『アナスタシア』をきっかけに、ロマノフ朝に興味を持ったが、ニコライ2世だけではなく、エカテリーナ2世たち皇帝も深く知りたいと思った。
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宝塚でアナスタシアを見て、ロマノフ家の歴史に興味を持った。
同著者のハプスブルク家の方を読んで、この方の本なら間違いないと思った笑
まじでめちゃくちゃ面白かった!
世間に相手されない田舎の国からヨーロッパの国々と肩を並べる大国になり、そして一家処刑されるまでの歴史。
めちゃくちゃ面白いんだけど、ロシア史は重く感じる。すぐ暗殺したり拷問するし隠蔽する…。
そして気に入らないやつはすぐシベリア送りにするのが面白かった。日本で言うところの隠岐みたいな感じですかね。シベリア広しといえども、これだけの人数シベリア送りにしてたらそこで文明が発達しても良さそうな。。
そして思ったより血を重視していないというか。生粋のロシア人ではなくドイツ人とか、他国の血が色濃く入っていてもツァーリになれる点は他の皇室とは違う気がした。
ゴールデンカムイやはいからさんなど、ちょうどロシア革命前後や日露戦争、アレクサンドル二世の暗殺など、ちょうど時期が被ってるのですごい面白かった。
ロシア史もっと勉強したくなった。
Posted by ブクログ
世界史の流れが苦手だった私でも、スイスイと読めて楽しめた。2冊めを読んでつくづく思うのは、王になるために王の息子、娘、ひいては縁者、それに続く利害関係者までが繰り広げる血みどろの戦いの悍ましさ。大国の王になるというのは本当に大変なんだなぁと思った。
Posted by ブクログ
概ね300年間に及ぶ、ロシアのロマノフ朝時代に関して「絶好の入門書」となっていると思う。「ロシア史?」と多少なりとも関心が在る方には強くお薦めしたい感の一冊だ!
本書では、各節の導入部で画を紹介している。絵画作品に関しては、史上の出来事や言い伝え、伝説の様になっている事件等に題材を求めたモノや、君主の肖像画というようなモノが多々在る。そういうような作品を紹介しながら、題材になっている事件や人物に関連する物語が展開する訳である。
ロマノフ朝は混迷の中から産れ出た…そういう状況が語られた後、「過ぎる程」に劇的な側面も在る、歴代皇帝達の歩んだ人生や、彼らの治世下での様々な様子が綴られている。
これは好い!!
Posted by ブクログ
いや、見つけたら読んでしまう。
これは良かったな。今までロシアって自分の中でブラックボックスだったんだよね。ドストエフスキーの話に出てくる貧乏な家庭の描写はすさまじいんだけど、本当にこんなに貧乏だったのかとか、何でこんなにこの国は秘密工作だのスパイだの暗殺だのなんだか穏やかじゃないことがまかり通りそうな雰囲気があるのかとか、
そういう疑問は、こういう歴史の中から来ているんだッテいうことが垣間見られてすごく良かった。
ロシアの絵わりに好きなのよね。っていうかでもレーピンさんとか、マレーヴィチさんとか、知ってる人少ないけど。
もうすこし学んでみたいと思わせてくれる一冊だったことは確かです。
Posted by ブクログ
イワン雷帝とニコライ二世、そして「怖い絵」で知ったソフィアの3名くらいしか知らなかったので勉強になった。
といいながらも同じような名前ばかりなので、やはりよくわからず…でも「あ、なんか知っている」と思える土台作りとなった。ありがたい。
わりと女帝いて活躍していることに意外に感じた。
その他冬将軍もラスプーチンもふわっとした知識しか無かったので「へー!」と興味深く面白かった。
それにしても多産。そして殆ど生き残れていないのも恐く、哀しい。
Posted by ブクログ
急にロマノフ朝に興味を持ち手に取った。
正直、この本は面白い。というよりロマノフ朝が面白いのだろう。
12の物語と題し、12枚の絵画から、ロマノフ朝の12人の主要人物を語る。
12の物語のうち圧巻は、やはりエカテリーナ2世だろう。この人、実はドイツ人。ドイツから嫁いできて皇帝になってしまった。こんなのあり?
更に驚くべきは、愛人が21人もいたという。さすがロシア、異次元の世界だ。
だが、政治家としては優れた人物なのだろう。在位は34年と長期にわたり、トルコ戦に勝利し領土も拡大。大女帝として存在感は破格のものであったのだろう。
この本を読んで最初に、よくもまあこんな(失礼)王朝が300年も続いたものだと思った。
裏切り、謀略、暗殺がまかり通る。王室の血統も疑わしいものだ。
最後の皇帝ニコライ2世は一家全員とともに処刑される。革命の完結は王朝を完全に抹殺しなければならない。なので一家の処刑はなるべくしてなったのだろうが、こういうところにも悲劇性を深く感じてしまう。
Posted by ブクログ
ロマノフ家12の物語。
ロマノフと聞いて思い出すのは、大津事件とラスプーチン、そしてアナスタシア。ただ、「ゴールデンカムイ」の存在でアレクサンドル2世暗殺事件の印象も強い。
エリザヴェータとエカテリーナ女帝のふくよかな肖像画。この2人の女傑があるから、ソフィアはああいった女丈夫になったんじゃなかろうか。
個人的なことですが、第10章の山下りんにものすごく琴線を震わされました。彼女の存在を知っていたわけではないのですが、たまたま最近本屋さんで見かけて買ったのが、彼女を書いた小説「白光」でした。この本を読む前だったし、山下りんという人を知っていたわけでないのに、面白そうと思って買った本が予想外につながってしまったという奇跡。自分しかわからない感情ですが、運命的な衝撃でした。大袈裟かな。
なので、次は「白光」読もうと思います。この昂った気持ちが静まる前に、わくわくを抱えたまま。
Posted by ブクログ
ロマノフ王朝時代のロシアは-今も同じかもしれないが-怖いと感じる。正直、絵画よりも怖い。掲載されている絵画のうち惹きつけられるものはおおくなかった。むしろロマノフ王朝時代の世界観、暗殺、虚偽の公式発表など、内にいる限り、暮らしていくのも一苦労だ。
✔︎皇女タラカーノヴァ
✔︎ヴォルガの舟曳き
本作には掲載されていないが、
⚫︎イワン雷帝とその息子(怖い絵に収録)
Posted by ブクログ
ロマノフ家と言えば、ピョートル大帝か一家全員銃殺されたニコライ二世あたりが有名かなと個人的には思うけれど、流石300年続いた一族、エピソードには事欠かない。
女帝への道の基礎を作った女傑ソフィア、やたら短命なツァーリたち、とにかく家族仲が悪い、そしてやたら逞しく太ましい女帝たち……いやもう、本当に濃い。
そんなロマノフ家を様々な絵画を通して追いかけていく一冊。
勿論ラスプーチンもいますぞ。
あの嘘かよとツッコミを入れざるを得ないエピソードも勿論紹介されていて、今回もツッコミを入れました。
人間ではなかったのかもしれん。
びっくりしたのは、ロマノフ家の話なのに日本人のしかも女性のイコン画家が出てきた件。
先にも挙げたニコライ2世が日本贔屓だったこと、大津事件の被害者なのも知ってはいたが、日本に来た彼へのお土産として渡すイコン画を日本人女性が手掛けていたことを全く知らなかったので驚いたの何の。
男性ですら西洋画家を名乗るのも難しかったであろう時代に女性がイコン画とはと。
彼女の波乱万丈であっただろう人生を思うと、いたたまれなくなるというか……エピソードを見る限り、逞しかったようにも思うが。
とにかく血生臭いエピソードの多いロマノフ家、「うわあ」と思いながらも興味深く読ませていただきました。
『怖い絵』など他の著書でも登場した絵も出てくるので、馴染みあるものもあるかも。
流石中野先生、複雑な歴史でも大変読みやすかったです。
Posted by ブクログ
想像していた以上に読みやすかった。
どのようにロマノフ王朝が興り、日露戦争を経て王朝週末に向かったか大変わかりやすかった。
諸説あるところも意見と根拠がはっきりしていて良かったと思う。
Posted by ブクログ
ドストエフスキーやトルストイの作品に登場するロシア皇帝がどんな人たちだったのかを窺い知ることが出来て大変面白かった。
本の表紙にもなっている『皇女タラカーノヴァ』の絵は、将来チャンスがあれば、トレチャコフ美術館で鑑賞してみたいものだ。
歴代皇帝の中では、エカテリーナ二世のガッツがなんと言っても素晴らしい。ロシアの血は一滴も流れていなくても、ロシアの国益に尽くす女帝として敬愛されるに至るのは素晴らしい。(愛人はわんさかいたようだが。。)
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血で血を洗うとはこのことだろうか。
底知れぬ暗色の混沌、なにより力が不可欠な統治、そして茫漠と非情。ヨーロッパとは何か異質の歴史を感じた。
エカテリーナ二世がいくら傑出した人物だとしても、ロシアの血を持たない彼女が女帝になれたのはなぜ?
と疑問に思っていましたが、皇女ソフィアやエカテリーナ一世そしてエリザヴェータと少しずつ外国人女性がツァーリとなる下地の積み重ねがよく分かった。
Posted by ブクログ
ロマノフ家もまた、個性的な人々の多いこと。
ピョートル大帝、エカテリーナ二世、ニコライ二世……。
とにかくロシアは、昔から気に入らない人や犯罪者をシベリア送りにしてたんだなあと思ってしまった。
ニコライ二世の一家殺害、そしてそれを隠蔽する…というのがロシアっぽい。
Posted by ブクログ
比較的有名なイワン雷帝ですら16世紀という
ロシアの後発具合。
近辺にはアジア系騎馬民族がいたから
南下もしずらい。
遅れて来たからの蛮力、好き。
女帝達のなりふりかまわずヨーロッパの真似を
しつつ実利を得ていく所がたくましい。
ニコライ2世は転換期に気がつかなかったのか
なんとなーくわかっていて逃避したのか
海外に逃げなかったから前者かな。
床暖もFF式ストーブも無いシベリアなんて
送られたらすぐ死ねる。
マリア・ヒョードロヴナ(母上)の肖像画が美しい。
次点で、マリア・アレクサンドロヴナ
真珠素敵‼︎最高‼︎
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絵画そのものを楽しみつつ、描き込まれている事物の意味、その絵がどのような意図で描かれたか。絵画を通して、ヨーロッパ王朝の栄枯盛衰を知れるシリーズ。エカテリーナ2世のゾフィーであった時代の肖像画、意外なほど背が低い女帝時代の肖像画が特に印象的です。
Posted by ブクログ
ブルボン、ハプスブルクに次ぎ3作目となる
王家というのはとにかく同名が多いので混乱することが多いが、ロマノフ家は比較的わかりやすく感じる。
王家内での仲の悪さはさすがというべきで、そこもまた現代の視点から見た時の魅力とも言える。
絵画を起点に12個の物語を時系列に追っていくこのシリーズ、ハプスブルク家はそもそも2倍以上の歴史があったのでしっくりきていなかったが、ブルボン、ロマノフはちょうどいい長さだったのか、纏まっているように感じた。
次はイギリス王家か…
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ロマノフ家系図(抄)
ロマノフ朝領土拡大図
前史
第1章 ワンシーリー・スリコフ『フョードシヤ・モロゾワ』
愛2章 シャルル・フォン・ステュイベン『ピョートル大帝の少年時代の逸話』
第3章 ニコライ・ゲー『ピョートルと息子』
第4章 カルル・ヴァン・ロー『エリザヴェータ女帝』
第5章 コンスタンチン・フラヴィツキー『皇女タラカーノヴァ』
第6章 ウィギリウス・エリクセン『エカテリーナ二世肖像』
第7章 ニコラ=トゥサン・シャルレ『ロシアからの撤退』
第8章 ジョージ・ドウ『アレクサンドル一世』
第9章 イリヤ・レービン『ヴォルガの舟曳き』
第10章 山下りん『ハリストス 復活』
第11章 ボリス・クストーディエフ『皇帝ニコライ二世』
第12章 クロカーチェヴァ・エレーナ・ニカンドロヴナ『ラスプーチン』
あとがき
主要参考文献
年表(本書に関連した事項のみ)
本書で取り上げた画家(生年順)プロフィール
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『興亡の世界史 ロシア・ロマノフ王朝の大地 』(講談社学術文庫) 土肥恒之著と並行して読んだ。
息子であり有望な皇太子を王杖で殺してしまう雷帝「イワン雷帝と息子イワン」、
窓の外に絞首刑の死体がぶら下がる「皇女ソフィア」、
ソ連時代には切手にもなったというペトロパヴロフスク監獄で溺死寸前の「皇女タラカーノヴァ」、
身長の低さがわかる「エカテリーナ二世肖像」、
ナポレオンのロシア遠征の末路「ロシアからの撤退」、
中世ロシアを写し取っている。
中野京子の筆致も読みやすく引き込まれていく。
シリーズにハマりそうな予感。
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怖い絵シリーズに関心を持って、探している途中で出会う。絵画3割、歴史記述7割と行った感じ。ロマノフ王朝ってロシアだっけ?というレベルからのスタートだったが、さらりと書かれているわりに強烈すぎるロシアの歴史を学べて大変参考になった。なにかと対岸としての記載が多いロシアについて、内情を知ることができた。
Posted by ブクログ
移動するまで地下室で待てと言われ、大人しく地下室で待っていたら
銃を持った男たちが乱入して来た。男たちの銃が一斉に火を噴く。
夫と妻、4人の娘とひとりの息子は全身に銃弾を浴びた。それだけは
終わらなかった。彼ら一家の身元が分からぬよう、顔には硫酸がか
けられた。
ロシア帝国最後の皇帝、ニコライ二世一家の虐殺で一時は世界に
その富を誇ったロマノフ家は終焉を迎えた。
リューリク朝のイヴァン雷帝を前史に置き、広大ではあるけれど
厳しい自然環境に置かれたロシアで300年続いたロマノフ家の
歴史を、絵画から読み解いたのが本書だ。
実は著者によるシリーズ物であり、本書はその第3弾。本書以前に
ハプスブルク家とブルボン朝が出ているのだが、気になりつつも
手を出さずにいたら、シリーズにロシアが加わっていた。
ロシア好きとしては早速欲しかないでしょう。ロシア史に関しては
既に頭に入っているので私としては歴史のおさらいになる。
しかし、タイトルに『名画で読み解く』とあるように、ロシア国内の
美術館で実際に見たことのある絵画が多く掲載されており、写真で
見るのとは趣の異なる歴史書として楽しめた。
改めて感じたんだが、殺害された皇帝のなんと多いことか。まぁ、これ
はロシアに限ったことじゃないんだけどさ。親殺し・子殺しは当たり前。
ピョートル三世なんて妻の近衛兵によるクーデターで殺されているし。
その妻こそ、女帝エカテリーナ二世なんだよな。皇后が皇帝暗殺を
けしかけるなんてのはロシアくらいか。
豪奢な衣装に身を包み、200カラットのダイヤモンドをあしらった王笏を
手にする彼女の肖像画はレプリカを見た記憶がある。本物はコペンハー
ゲン国立美術館に所蔵されているらしい。いつか見に行きたいな。
尚、本書に掲載されている絵画の中で私が大好きなのがアレクサンドル
二世の后マリア・アレクサンドロヴナの肖像画である。
14歳の時に見初められて、アレクサンドル二世の強い希望によりお輿入れ
し、8人の子をもうけたにも係わらず、恋多き皇帝に軽んじられた皇后だ。
幾重もの真珠を身に着けながらも、どことなく寂しそうな表情が印象的だ。
こうやって絵画を絡めて歴史を勉強するのもいいかもな。前の2冊も読んで
みようかな。今後、同シリーズでメディチ家とかスフォルツァ家を取り上げて
くれないかな。
それにしても、ロシアに限らず欧州の人の名前のバリエーションの少なさ
は歴史書を読む上でネックだな。「○○二世」や「○○三世」という名称の
なんと多いことか。日本じゃないものな。「家康二世」とか「信長三世」って。
Posted by ブクログ
ロマノフ王朝の
血で血をあらう惨殺っぷりが
ものすごい!
親族のほうが ひどい目に会うんだから
権力なんて持つもんじゃないのか。
ヨーロッパから見ると
妖怪チックな ロシアですが
なんとなく・・・日本人としてメンタルは
分かる気もするのです