中野京子のレビュー一覧
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中野京子さんの絵画読み解く本。
もう何冊も中野さんと絵画で旅をした気分になれたので、この本もそんな期待をしながら読みました。
とても細部まで絵を楽しめて、びっくりするとともに今までの見方が残念だったと思うもの。
中野さんの解説はより楽しむヒントとして、その土地ならではのこと時代の流れや背景や宗教も教えてくださるので勉強になるしより深く絵を見られる。
最後に現代に出来た「サンクン橋」が紹介されており、絵画とは違った驚きがありました。
この本の絵画は他の著書よりは少なく感じましたが、絵の数よりらオランダという土地とその時代に生きた画家たちのギュッと詰まったプレゼント箱の様だと感じました。 -
Posted by ブクログ
中野京子さんの本を読むようになってから、絵画に描き込まれてる何気ない一つ一つがそれぞれ重要な意味や暗示をしているということに気付かされ、絵画ってこんなにお喋りなのねーと思えるようになった。絵画鑑賞の面白さを教えてくれた作者さん。なので彼女の出す本は大抵面白い。
絵画を深く見ようとすればするほど、歴史や宗教への理解は不可欠なのだが、ヨーロッパの歴史と宗教は非常に複雑で、なかなか覚えられない(覚えたそばから忘れていく笑)。本書もしっかりと巻頭の系譜を見ながら読んでいったけど、いかんせんヨーロッパ王室は同じような名前の人が男女ともに多くてこんがらがる。極端な話、アンリって名前をつけたいなら長男から順 -
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親族間での結婚を繰り返した結果としての『ハプスブルク家顔』という、突き出たアゴと膨れた下唇の組合せが並ぶ絵にウケた。
表紙のエリザベート皇后は美しいとの一言。
マリーアントワネットを評したツヴァイクの言葉が残酷だ。
“ときおり芸術家が、世界を包括するような大きな題材のかわりに、一見小さな素材を取り上げて自らの創作力を証明するように、運命もまた、どうでもいいような主人公を探し出してきて、もろい材料からも最高の緊張を生み出せることを、また弱々しく意志薄弱な魂からも偉大な悲劇を展開できることを、わざわざ証明してみせることがある。そのような、はからずも主役を演じさせられることになった悲劇のもっとも -
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知っている西洋画といえばダ・ヴィンチの「モナリザ」、ミレーの「落穂拾い」、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」とか、それぐらい。という私のようなレベルの人が、絵画に対する関心を深めるのに本書は良いかと思います。
切り口がユニークで、絵画の中で描かれる「職業」と「歴史」にまつわる解説が面白く、絵をただ紹介されても、なかなか興味を持てなかった私も絵画の見方が変わって、じっくりと楽しめるようになりました。美術館の楽しみ方も変わります。
本書紹介の職業の中では、「羊飼い」「異端審問官」「香具師」とか、それでどうやって生計たているのか判らない職業の解説が楽しい。中世に生きているならとおもかく、現代で