中野京子のレビュー一覧
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ネタバレゴッホやボッティチェリ等、一度は目にしたことのある名画にこんな逸話が残されていたのかと、読み進める度に知ることができて楽しい本だった。
何よりも最後の頁にあるゴッホの「花咲くアーモンドの木」の内容が良かった。
「ゴッホの短い生涯で、この絵を描いている時が、もっとも希望と喜びに満ちた幸せな時だったのだろう」という一節がとても心に刺さった。
死後に評価され、今に至るゴッホの作品だが、生前は1枚しか絵が売れず精神的な面でもとても苦しんだ話をよく目にする。
そんな中でも甥っ子が生まれた喜びを感じることのできるこの「花咲くアーモンドの木」に関する逸話を、作者のこの言葉を読むことができたことがとても良かっ -
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ネタバレ読み進めるのがとても楽しかった。聖書にまつわる知識を得られるとともに、絵画作品の鑑賞の仕方も勉強になる。
ピーテル・ブリューゲルの『バベルの塔』と『ベツレヘムの人口調査』が特に印象深い。絵にこめられた画家の意図を読み解いていく、それがこんなに面白いとは。
ジェイムズ・ティソ『十字架上のキリストが見たもの』は個人的に衝撃的だった。イエスの姿は足の先だけで、イエスが見たであろう光景が画面いっぱいに広がっていることになぜか動揺した。我々が見ているのなら、イエスもこちらを見返しているのだと気付かされる。
次はどんな作品が紹介されるのだろうとワクワクしながらの読書となった。聖書に詳しくなくても楽しめるし -
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古くは『堤中納言物語』内の10話ある短編の一つとして、「虫めづる姫君」が紹介されている。化粧をすればそこそこなのに、、身なりに構わず昆虫に夢中である。ちょっかいをかけようとした若君は退散するが、西洋の虫めづる女性は結婚し、子供も産み、昆虫の絵を書くことを職業にさえした。しかしやはり、女性ならではの差別や理不尽とは無縁ではなかった。その女性とは、マリア・ジビーラ・メーリアンだ。
メ―リアンは実家の姓だ。実家は銅版画で有名なメ―リアン一族で、マリアの父は版画工であり「メーリアン出版社」の経営者スイス人マテウス・メーリアンだ。マリアが生まれた3年後に死去し、亡くなる前に、マリアを指して「あれはメ -
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小さな虫の中に「神」を見た、植物画家で昆虫学者
マリア・シビラ・メーリアン(1647~1717)
ドイツ紙幣、500マルク札と切手の肖像画の女性。私は名前どころか、存在さえ知らなかった。
今でこそ女性が堂々と昆虫好きなどと言えるが、
昆虫どころか薬草を摘んで煮ていても怪しい女と
見られ、魔女だと密告されるような時代、
そんな時代に独学で虫を研究し、メタモルフォーゼ(変態)の概念を絵によって表現した、
マリア・シビラ・メーリアン、
彼女は52歳の時に、憧れの南米スリナムに娘と
共に渡る(あの時代にその歳で!)マラリアで
死にかけながらも精力的に研究を続け、昆虫や
植物の姿を生き生きと描写した。