【感想・ネタバレ】中野京子と読み解く フェルメールとオランダ黄金時代のレビュー

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Posted by ブクログ

該博な知識を吸収して、より人類史の本質に近づく。

そして人を楽しませる。

知識欲を持った人というのはすごいです。

なんでそんなにインプットできるのか…美術品の扱われ方も、時代が違えば全然雑でびっくりする。

上から塗りつぶすとかありえないから!

絵画と向き合うときは可能な限り知識を有していた方がいいのか、でもフィーリングを大切にって気持ちもわかるとして、このような形で人に伝えるのは大切だと思う。

何を美しいと感じて、どのように振る舞うのか、時代や場所が違えば私だって罪なき人を殺したり、悪しき風習に流されていたかもしれない…歴史は本当に「怖い」ですね。

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2023年05月27日

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17世紀のオランダの文化、生活、暮らし、戦争、事件などを40点近い絵画とともに、細部まで説明されている。

絵画なんてお金持ちの家にしかないと勝手に想像していたら、昔のオランダでは、庶民の家にも飾られていたらしい。オランダ人の間では、「人生の目の歓び」として絵を飾ることは当たり前だったらしい。素敵だなと思う。
うちは名画はポストカードでしか飾れないけど、うまく描けている子どもの絵は額に入れて飾ってある。これも目の歓び?

昨年、フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」の修復後の絵を美術館で見る機会があり、この作品も本の中で触れられていたので、興味深く読んだ。
修復前の余白がある背景も、修復後の画中画が現れた背景もどちらも好きだけど、フェルメールの思いが詰まった本来の作品(修復後の方)が大事にされていったらいいなと思う。

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2023年05月08日

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いつもの中野京子さん。絵画と歴史を紐付けて解説してくれるので、世界史に無知な私にはとても有難いです。オランダってかなり特殊な国ということがわかり、行ってみたくなりました。

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2023年01月19日

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フェルメールなどの1650年頃の絵画を通して、絵や画家の解説だけではなく、当時の人々がどのような暮らしをしていて、どのような世界情勢で…というのを説明されています。レンブラントと徳川家光は同世代の人で2歳違い(レンブラントは1世代下)。鎖国時代の貿易相手オランダに思いを馳せ、絵がまた面白くなりました
去年の7月に催された『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』を観に行く前にこの本を読んでいたら…と、後悔してしまいます。

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2023年01月08日

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ある種、オランダの歴史書。オランダ人画家の作品解説を通し、当時のオランダの世相・風俗を伝えている。
宗教画が発達したカトリック国家(カトリック教会は絵画の大口発注者)と異なり、簡素なプロテスタント国家であるオランダで何故著名な画家が多数輩出されたのか。勉強になった。

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2022年06月12日

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絵画を通して、17世紀オランダ社会の光と影を捉える。
スペインからの独立、貿易、科学技術、バブルに、共和制に、プロテスタント。平坦な土地、海抜ゼロメートル。

面白かった。

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2023年11月12日

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中野京子さんの絵画読み解く本。
もう何冊も中野さんと絵画で旅をした気分になれたので、この本もそんな期待をしながら読みました。

とても細部まで絵を楽しめて、びっくりするとともに今までの見方が残念だったと思うもの。

中野さんの解説はより楽しむヒントとして、その土地ならではのこと時代の流れや背景や宗教も教えてくださるので勉強になるしより深く絵を見られる。

最後に現代に出来た「サンクン橋」が紹介されており、絵画とは違った驚きがありました。

この本の絵画は他の著書よりは少なく感じましたが、絵の数よりらオランダという土地とその時代に生きた画家たちのギュッと詰まったプレゼント箱の様だと感じました。

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2023年04月15日

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絵画から読み解いたオランダの歴史と風俗。
フェルメール、レンブラント、パルス、ロイスダール、バグハイゼン、ブリューゲルなどの代表的な画家の絵画を取り上げて、オランダの歴史や事件、オランダ人の気質などを学ぶことができる。 絵として描かれたものには、画家の意図や象徴が隠されており、見る人はそれを理解しなくてはいけない。 時代背景や登場人物などの知識があって、初めて絵の深読みができる。 この本では、オランダの歴史とともに、絵に込められた意味をやさしく解説されていて色々勉強になった。 質素で堅実な感じがあるオランダ人だが、意外にギャンブル好きだったり、商取引や科学に長けていたり、当時から先進的な考えを持つ人が多かったらしい。 絵画も盛んに取引され、多くの作品が出回ったが、現代まで残っているものは少ない。 それだけに現代でも見られる絵画が、時間を経て生き残った名画と言われる由縁である。日本が江戸時代にオランダに門戸を開いたわけがわかるような気がした。 (オランダ絵画には宗教色がほとんど感じられない)絵画の謎解きが味わえて歴史の勉強にもなる本だと思う。

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2022年10月07日

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英中韓仏伊西…、語学学習者の数。蘭語は果たして何番目?アムステルダム以外の都市もわからない。現代日本人にとってこの国の存在は大きくない。江戸時代の貿易相手。唯一意識された欧州の国。……17世紀の地理学者が丹前を着ている。貴重品だったという。チューリップバブルがはじけたのも17世紀。現代日本とは違い、その後の長い不況はなかった。黄金時代の100年間。小さな絵画が庶民に流通。フェルメールにレンブラント。優れた画家が多かった。……パーツ探しのクイズ。見つけられずに、行ったり来たり。しっかりと絵の記憶を刻む。

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2022年07月13日

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ネタバレ

フェルメールと、と書かれているので、フェルメール作品が非常に多い。フェルメール「地理学者」が着ているのが日本の丹前だったとは…「ヤポンセ・ロック」(日本の上着)と言ったそうだ。フェリメール「窓辺で手紙を読む女」とメツー「手紙を書く男」「手紙を読む女」が掲載されていた。これは確かフェルメール「窓辺で手紙を読む女」が修復後に来日した時、一緒に展示されていたと思う。確か石原さとみがイヤホンガイドを担当していたような。ボルフとヴィレの「父の訓戒」。男が娼婦、娼館の女将と値段交渉している絵が娘に説教をする父の絵になりかわってしまう、というのが面白い。フェルメール「取り持ち女」(遣り手婆、私はこの題名で知っていた)も同じ章に掲載されていて、私はこの絵が好きなので、この絵を見てフェルメールファンががっかりする、という見解には同意できない。娼婦の肌の美しさは非常に素晴らしいし、取り持ち女(遣り手婆)の肌の感じもいいな、と思うのだ。
ヤン・デ・バーン「デ・ウィット兄弟の亡骸」は初めて見たが凄惨な絵だ。現実感がないくらいに。ヤン・ステーン「宿屋の外で九柱戯をする人々」ボーリングの原型かと思う。ヤン・ステーンは他にも「陽気な家族」が掲載されていたが、温かな色合いが素敵だ。アーフェルカンプ「スケーターたちの冬景色」聾唖だったという。ブリューゲルに影響を受けている、と書かれていたが、本当にそう思える。けれどもコピーではなく、アーフェルカンプらしさ、というのもあるように思える。絵解きのしがいがある絵だ。
クローズアップという名のクイズが3つほど用意されている。とても楽しめた。

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2023年10月15日

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オランダってすごい!読み終わってすっかりオランダファンになってしまいました。フェルメールだけじゃない、ベラスケスにルーベンスにレンブラントに…それぞれ素敵!そして絵画には物語が隠れていて、単に鑑賞するだけではない読み解きの技術の大切さも読みやすい文章の中にちりばめられています。せっかくなのでもう少しいろいろふかぼりしていただきたかったかな。

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2023年03月12日

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多くの知らなかった絵画との出会いがありました。絵画の描かれた背景を知るのは楽しい。
オランダと言えばチューリップですがチューリップパブルの話は特に面白く読みました。

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2022年08月19日

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庶民のための絵画といえばフランス印象派というイメージだったが、オランダではなんとその2世紀も前、17世紀に庶民が絵画を愛でる時代がはじまっていた。
17世紀オランダの壁には、庶民の家や店など、さまざまな場所に小型の絵を飾られていた。
当時のオランダは、ほかヨーロッパ諸国に比較して経済的に豊かで、貧富の差が少なく、庶民まで暮らしの中に楽しみを見出す余暇を持てていたそう。
17世紀の100年間で、2000名の画家と、500万点以上の絵画が流通していたと試算されている。
実学を好み、好奇心が旺盛で、遊びも大好きという国民性には非常に興味が湧いた。こういうご時世で旅行がなかなか難しいが、ぜひ行ってみたいものだ。

オランダといえば風車とチューリップのイメージだった。
チューリップはてっきりもともとオランダに生息していた花なのかと思っていたが、原産地はトルコ。17世紀にオランダに輸入された。
当時オランダの人々はその鮮やかな色合と凛とした姿に夢中になり、チューリップバブルなる社会現象まで起こった。珍しい品種の球根には空取引まで実施され、当時最高の値がついた球根は、富裕な商人の年収の1.7倍程度の値段で取引されたらしい。

【本書で紹介され、個人的に気に入った絵画3点と感想】
・ワイク・バイ・ドゥールステーでの風車
 (ヤーコプ・ファン・ロイスダール作 1668~1670年頃)
 「低音なのに非常によく通る響き」の喩えは、この絵画の魅力をわかりやすく伝えていると思う。
 画面の2/3を覆っている空はどんよりとした雲に覆われているが、その切れ目からは青い空が見えている。
 海のそばで風は非常に強そうだ。
 大きく存在感のある風車小屋が、空の中にどんと構え、風を受けている。
 風が強い場所にいったときの、奮い立つような気持ちを思い出す。
 オランダのアムステルダム国立美術館に収蔵されているとのことで、いつか直にみてみたい。

・ハールレムの聖ゲオルギウス市民隊幹部の宴会
 (フランス・ハルス作 1616年)
 オランダで当時はやっていたという集団肖像画、依頼主たちは代金を割り勘してお得に楽しんでいたというから面白い。
 計12名の人物が描かれているが、すべての人物が魅力的な顔つきで描かれており、なんとなく人柄を察することができるのが非常に面白い。
 合わせて描かれている装飾品や食卓、室内の様子も豪華で、非常に見応えがある。
 175x324の大きい絵らしく、人物はほぼ等身大なのではないだろうか。生で見るとさぞ迫力があるだろう。

・スケーターたちの冬景色
 (ヘンドリック・アーフェルカンプ作 1608年頃)
 様々な階級の人が、同じ表情で嬉々として楽しんでいる。
 ざわめきが聞こえてきそうなくらい楽しげ。
 かなり細かい絵なので、実物をみるとさらに発見があって楽しそうだ。

その他→
・「サイのクララ」で画面奥に描かれた子連れのドレスの女性がつけている「ヴィザード」という黒い楕円形の仮面。
 非常にインパクトが有る。耳にかけたりするのではなく、歯で噛んで装着したらしい。つけているとしゃべれないとのこと。
 ちょっと現代日本の美意識からすると特異な感じがする。お歯黒的な感じだったんだろうか。気になる。

・「父の訓戒」悪書で値段の交渉などをしている絵だが、当時父が娘に説教している絵として紹介されていたという経緯が面白い。
 大阪市立美術館で「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を見たのが本書を知る切っ掛けとなったのだが、そういえばその美術展でも、4,5枚は売春をほのめかす絵があった。(鶏の受け渡しや、室内に猫がいることなど、見る人が見ればわかるメタファーで表されている絵が多く掲出されていた。)
 当時人気の画題だったのだろうか??

・オランダは、現地の言葉では「ネーデルランド」と呼ばれている。なぜ本邦では「オランダ」と呼ばれるようになったのだろう。
 そういえば、蘭学の蘭はオ「ラン」ダのランなのだろうか??

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2022年08月14日

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