【感想・ネタバレ】災厄の絵画史 疫病、天災、戦争のレビュー

あらすじ

ベストセラー「怖い絵」シリーズ著者最新作!

パンデミック、飢餓、天変地異、戦争……
人類の歴史は災厄との戦いの歴史でもある。

画家たちは、過酷な運命に翻弄され、抗う人々の姿を描き続けてきた。

ムンクは疫病で死にゆく者が生き残る者へ示したあふれる愛を、
ミレイは天災から立ち直ろうとする若者の強靱さを、
ゴヤは怒りでいっぱいになりながら人間の蛮行を、
それぞれキャンバスに塗り込め、叩きつけた。

本書は、そんな様々な災厄の歴史的背景を解説しながら、現在も人々の心をつかむ名画の数々を紹介する。

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Posted by ブクログ

中野京子さんの絵画関連の本として、初めて読んだが、とても分かりやすく解説してくれた。

疫病の時期に流行った画風、戦争の時期に流行った画風、飢饉の時に流行った画風など、人々の心情と寄り添うように描かれた絵画を読み解いていくと、意外と宗教なんかよりも、政治批判と聖書批判にまみれていたりと、とても読み応えがあった。

中野京子さんの本、どんどん読みたいと思った。

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2024年12月01日

Posted by ブクログ

テーマがテーマなのでこんなことを言うことは不謹慎かもしれませんが、終始とても勉強になりました。習った歴史に登場した人物が実はあの疫病に関わっていたことやこれまでの認識を改めさせられること、理解が深まったことなどたくさんありました。今まで興味のない分野の災厄や絵画、歴史でしたがこの本のおかげでこれからはもっと学んでみたくなりました。絵画を眺めてみよう、と軽い気持ちでこの本を手に取ってみて良かったです。
今ある当たり前は当たり前ではないのだと痛感し、昔を知ることは今を知ることだと思いました。

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2023年10月14日

Posted by ブクログ

世にも奇妙な人の歴史…やはり語り部として中野京子先生は最強。

想像を絶する人類の歴史や美術などの解説を聞いていると、コロナ禍なんてハナクソじゃねーかって気がしてくる。

やはり私たちはいい時代を生きていますね。

中野京子さんはどのような方法で知識を仕入れているのだろう。

どのように振る舞えばあんなふうに生きられるだろう。

あの人ほど真実に近いところで、あのように優雅に…みたいなことを考えます。

貪欲すぎる知的好奇心、底なしのキャパシティ!

カッコいい。

私はともかく中野京子先生の本を読んでみることで、なんらかの道標を見つけようとしてる、そんな感じなんだ。

これからも応援しております。

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2023年03月10日

Posted by ブクログ

中野京子さんのヨーロッパ絵画を裏の物語から見ていくシリーズですが、いかにもこのタイミングらしいテーマでの連載をまとめた本になります。厄災なのでテーマ的には怖い絵に通じるものがあるのですが、同じ作品を取り扱う時も怖い絵とは違う切り口で話を進めるのは流石です。
やはり今のパンデミックでも新たな芸術が生まれるでしょうけど、激しいロックダウンのあった西欧や中国での美術に注目したいです。

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2023年03月06日

Posted by ブクログ

タイトルのとおり有名な疫病・天災・戦争について絵画を使って歴史を説明されている。説明がわかりやすくて世界史に詳しくない人でも理解しやすいし、説明が簡潔でボリュームが多すぎないため読みやすい。
ただし紙の本では絵画の印刷が見開きにまたがる場合に間が見えづらいのが残念。絵画の解説で見開きの合間の見えない部分に言及されることも何回かあった。本書は紙よりも電子書籍で見る方が良いかもしれない(紙の本でも、ググって出てくるならそちらを見れば良いかもしれない)。

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2022年12月25日

Posted by ブクログ

絵画で見る災厄のお話。
洪水や飢饉などの自然災害はもちろん、ペストやコレラ、梅毒などのパンデミック、戦争などの人災まで。
ナポレオンの進撃もここでは「災厄」として取り上げられていたことには驚いた。
戦争も災厄、まして侵略される側にしてみれば、どこかの英雄も災いか。
ましてナポレオンは自国民へ与えたダメージもでかいし(シベリア遠征で何人お亡くなりになったか)

「怖い絵」展に絡めた話題もちょくちょく。
興味深かったのは、日本人が思う天使像と宗教世界における天使像のそのギャップ。
「怖い絵」展でも話題になったとか。
天使は天の御使いであって、人類を救ってくれる存在とは限らない。
今回、それをまざまざと思い知らされるエピソードはインパクトあり。
怖や怖や。

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

面白い。
テーマがテーマなだけにカタストロフな作品が続くけれど、
事象が大きいだけに読みごたえもある。
できれば、サブタイトルのテーマごとに一冊ほしいくらいだ。

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2023年04月10日

Posted by ブクログ

戦争、天災、パンデミックなど人間を襲う災厄を、画家達が想像力と創造力を駆使して描いた絵画を紹介している本です。現在なら写真や動画などで表現されるのかもしれませんが、現実を超えた想像力と表現力でその災厄を見事に描き出しています。擬人化などの表現もすごい。若干もったいないと思ったのは、本の判型がノベルズサイズで絵が見開きになっていたりすると真ん中になる部分がよく見えなかったことでした。この手の本はやはり大きいサイズで見たかったです。

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2023年03月12日

Posted by ブクログ

「絵画は見るものではなく読むものだ⁉」と教えてくれた中野先生。災厄は遭うものではなく、鑑賞するものでありたい。自然災害に戦争、そして疫病。ペスト、梅毒、コレラ、結核、天然痘。医療が未発達の時代のパンデミック。未熟な土木での天災。身近に迫る死の恐怖に感情を揺さぶられ筆を執る。出来上がった作品は後世に残る。医学の発展、インフラ整備、平和外交。現代に生まれて一安心?…911と311、新型コロナにウクライナ危機。人類は災いを克服できていない。武器の発達で被害が激化。幸か不幸か、芸術作品はまだまだ生まれるのだろう。

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

個人的にはあまり見ることのない作品であり非常に興味を持って読むことができました。今のコロナ時代を芸術家たちはどういう風に捉えるのか作者ともちょっと被ってますが非常に興味のある命題です。

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2023年01月12日

Posted by ブクログ

災害、戦争、病などの暗く悲しい歴史を絵画ともになぞる作品。

思ったよりはダークではなく、悲しい出来事を画家たちがどのように切り取ったか、どんなメッセージを込めてたかを丁寧に解説してくれた。

コロナ禍含め現代にも悲しい出来事は多くある。それをどのように感じ、どう表現するかという感性が問われるのだと思う。
SNSなどのツールが発展した現代では、それは芸術家だけでなく、我々一人一人が感じ残していくものななのだろう。

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

序章 災厄を呼ぶ神々の
一章 大洪水と方舟(旧約聖書時代)
二章 古代の戦争 絵画に込めた願い
三章 古代の天変地異 神の怒りと跡形もなく消えた町
四章 中世の疫病 パンデミックと「死の舞踏」
五章 三十年戦争 最大最後の宗教戦争
六章 大火と絵画、西洋人が描いた「江戸の華」
七章 ペストの波状攻撃
八章 梅毒の猛威、疫病が照らす社会の暗部
久章 戦争のアレゴリー(寓意画)
十章 天然痘の恐怖とワクチン騒動
十一章 洪水、そして名画の数奇な運命
十二章 ナポレオンという災い
十三章 コレラの惨禍 死をもたらす神の使い
十四章 アイルランドのジャガイモ飢饉
十五章 結核のロマンティシズムと現実
十六章 第一次世界大戦とスペイン風邪
掲載作品一覧

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2024年06月19日

Posted by ブクログ

表紙にもなってるローマのペストが印象的。
天使は人間の味方ではなく、あくまでも神の御使い。
天使のイメージ変わった。
天然痘やペスト、コレラや梅毒
画家とは本当に色々なものを主題にするなあと思った。

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2023年04月25日

Posted by ブクログ

いつもながら的確な一文が胸に沁みる。過去作とダブるのもあるが、視点の違いでこんなにも鑑賞に違いがあるのかと思った。

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2023年04月12日

Posted by ブクログ

災厄(特に疫病)の絵画から歴史を紐解く。数百年前から比べると現代日本は、コロナに襲われたときでさえ、なんと恵まれた状況であったかよくわかる。中世ヨーロッパでペストが流行したときは、満足な治療も受けられず、死者は道端に投げ捨てられていたのだから…。

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2023年03月11日

Posted by ブクログ

タイトル通り、描かれたものを通して
世界の疫病や天才の歴史をみる一冊。

写真もなかったような時代にあって
聞き「描き」だったとしても
これらの絵画は人々に広く知らせる
報道や広告の意味も持ち合わせてたんだなぁ。
過去にもワクチン推進と反対の
両派の争いを取り上げたものやら
ペストが収まったから観光に来て!という
ヴェネチアを描いたものがあったり。

前に読んだ『医学探偵の事件簿』同様
肖像画から病歴を推測するのも
興味深かったです。

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2023年02月27日

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