【感想・ネタバレ】災厄の絵画史 疫病、天災、戦争のレビュー

あらすじ

ベストセラー「怖い絵」シリーズ著者最新作!

パンデミック、飢餓、天変地異、戦争……
人類の歴史は災厄との戦いの歴史でもある。

画家たちは、過酷な運命に翻弄され、抗う人々の姿を描き続けてきた。

ムンクは疫病で死にゆく者が生き残る者へ示したあふれる愛を、
ミレイは天災から立ち直ろうとする若者の強靱さを、
ゴヤは怒りでいっぱいになりながら人間の蛮行を、
それぞれキャンバスに塗り込め、叩きつけた。

本書は、そんな様々な災厄の歴史的背景を解説しながら、現在も人々の心をつかむ名画の数々を紹介する。

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1089円

221P

ポールドラローシュ大好き

確かに美術のモチーフでも日本で骸骨のモチーフはまず見ないけど、西洋美術で骸骨のモチーフは見まくるな。

中野 京子
(なかの きょうこ、生年不詳)は、日本の作家[1]、ドイツ文学者[2]、西洋文化史家、翻訳家[3]。北海道生まれ[4]。1979年、早稲田大学大学院修士課程修了[5][6]。オペラ、美術などについて多くのエッセイを執筆する。2007年に発表された『怖い絵』を端緒とする『怖い絵』シリーズが大ヒットとなる。新聞や雑誌に連載をもつほか、テレビの美術番組にも出演する[7][8]。早稲田大学講師[9][10]。『怖い絵』シリーズの刊行10周年を記念して2017年に開催された「怖い絵」展では、特別監修を務めた[11][12][13]。2021年9月に開催された「怖いクラシックコンサート」(東京文化会館)での解説[14]、2022年3月公演の舞台「怖い絵」の監修[15][16]、同年7月上映の「星と怖い神話 怖い絵×プラネタリウム」の監修・解説を担当した[17][18]。

「洪水伝説の多くは神罰に関連づけられている。治水のままならなかった時代の洪水は、そうとでも思わなければ対処できないほどの惨劇だったに違いない。現代でさえそうだ。 3・ 11を経験した我々日本人にはよくわかる。神の怒りというのは、結局は人間に制御不能な大自然の猛威の意なのだ。自然は突然、牙をむく。その時犠牲になった人々が悪いわけではない。  しかしそれでもこうは言える。ノアのように不測の事態に備えておくことで身を守れたかもしれない。また一度死んでも、再び立ち上がる力が蘇ってくるかもしれない。ミケランジェロが描いた助けあう人々の姿、ミレイが描いた一筋の希望。これらの絵は、被災者の胸にも響くものなのだろうか……。少しはそうであってほしい。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「なぜ人骨であふれているのか  ヨーロッパには骸骨寺やカタコンベ(地下埋葬所)があり、観光名所にもなっている。そこは人骨がひしめき(場所によっては数万体)、髑髏や骨を組み合わせて作ったシャンデリア、楽器、紋章などが飾られている。文化の違う者にはそうとうな驚きで、死者への冒涜と思えるほどだが、欧米人にとっては火葬のほうがよほど残酷と映るらしい。キリスト教的考え方だと遺体は死後の復活に必要なので、あくまで土葬でなければならない。  それにしても西洋絵画は──髑髏を抱く聖人や、骸骨姿の死神など──どうしてこんなに人骨であふれているのだろう?  いや、その前に、なぜヨーロッパでは、実際にこれほど大量の人骨が残っているのだろう?  土壌なのだ。土壌が違う。  日本の土は(砂地を除いて)概ね火山性で酸性度が高いため骨を溶かす。一方、ヨーロッパの土の多くはアルカリ性か中性のため、いつまでも骨は形を崩さずに残る。つまりふだんから骨を目にする機会が多かった。とりわけパンデミックが発生して遺体を埋める余裕がなくなった場合がそうだ。  骸骨寺の誕生も、ペストの産物という。あまりにたくさんの死者が出て個々の墓が不足し、おまけに誰の骨かもわからなくなれば、一カ所にまとめるしかない(だからといって装飾品にする感覚は、理解不能だが……)。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「日本の土は(砂地を除いて)概ね火山性で酸性度が高いため骨を溶かす。一方、ヨーロッパの土の多くはアルカリ性か中性のため、いつまでも骨は形を崩さずに残る。つまりふだんから骨を目にする機会が多かった。とりわけパンデミックが発生して遺体を埋める余裕がなくなった場合がそうだ。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「笑いと恐怖は相性がいいのだ。ホラー映画はそれを熟知しており、小さな恐怖が即座に笑いで否定された後、本物の、身も凍る恐怖が押し寄せてくるパターンはおなじみだろう。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「さらにはなんとフランスが──カトリック国でありながら国益優先(ブルボン家としてはハプスブルク家を弱体化させたい)とばかり──プロテスタント側についたのだから驚きだ。  主戦場となったドイツは町も村も無残に荒廃し、終戦後の人口は半減ないし三分の一減(中世のペスト禍なみ)、経済は停滞し、後進性は定着し、プロイセンにフリードリヒ大王が登場するまで、無数の弱小国の寄せ集まりのまま大国の草刈り場状態になった。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「最晩年のレンブラント作品の中のサドル鼻の男  十七世紀黄金時代のオランダに生まれた天才画家レンブラント・ファン・レイン( 1606 ~ 1669)も、最晩年に梅毒の男(『ヘラルド・ド・ラレッセの肖像』)を描いている。だがデューラー作品と違い、レンブラントが描いたのは実在の同時代人。この時には相手が梅毒とは気づかなかった可能性がある。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「フランドル出身の不世出の画家ピーテル・パウル・ルーベンス( 1577 ~ 1640)が、「王の画家にして、画家の王」と謳われたのはよく知られている。各国の王侯貴族からの注文がひっきりなしだったこと、また当時のヨーロッパ画壇に紛れもない「王」として君臨したことが異名の由来だ。  アントウェルペンに大工房を構え、宗教画、歴史画、神話画、肖像画などありとあらゆるジャンルで傑作を生み、生前から現代に至るまで人気は衰えることがない。貴族ではなかったが貴族風の物腰、温和で誠実な人柄、気品ある容姿、当時の教養語たるラテン語をはじめとして七カ国語に精通、良き夫であり良き父、優れた経営能力、そして圧倒的画才。  さらに一時期ルーベンスは、外交特使としても活躍した。彼の国際的人気を頼みにしたスペイン・ハプスブルク朝のフェリペ四世(この頃フランドルはスペイン領)の依頼で、敵国イングランドとの交渉に力を尽くしたのだ。これによりルーベンスは、フェリペ四世とイングランド王チャールズ一世それぞれからナイト爵を授かっている。  そして一連の和平交渉の記念としてチャールズ一世に贈呈されたのが、次ページの『平和と戦争』( =『マルスから平和を護るミネルヴァ』)だ。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「 ルーベンス没後二世紀を経て制作されたのが、ロシアでもっとも著名な戦争画家であり、日本とも少なからぬ因縁(後述)のあるヴァシーリー・ヴァシリエヴィチ・ヴェレシチャーギン( 1842 ~ 1904)の『戦争礼賛』(扉絵)だ。  ロマノフ王朝下の帝政ロシアに生まれたヴェレシチャーギンは、ペテルブルク海軍士官学校を出て軍人となるが、絵画への思い止みがたく、帝国芸術院に再入学。次いでパリに留学し、ロシアへもどった後も世界各地を旅して異国の風俗画をものしつつ、従軍画家としても活動した。彼が常々主張していたのは、戦争を描くのなら双眼鏡で覗くだけではだめだ、兵士と同じように飢えや病気や負傷も経験せねばならない、ということだった(その言葉どおり、露土戦争では重傷を負っている)。  またこんなエピソードも残されている。戦時特派員の目撃談だが、バルカン半島の激戦地で弾が飛び交い、撃たれて倒れる兵士がおおぜいいる中、ヴェレシチャーギンは戦場全体を見渡せる場所で小さな折りたたみ椅子に座ってスケッチを続けていたという。海軍学校での訓練や実戦体験があったにせよ、彼には真の肝の太さが備わっていたのだろう。  戦場をテーマにした数多の作品のうち、「トルキスタン戦争」シリーズが世界的に知られているのは、ロンドンの展覧会に出品されて各国の評論家の目に触れたことにもよる。シリーズ中の一点が『戦争礼賛』で、ヴェレシチャーギンの代表作でもある。当時も斬新さで評判を呼んだが、百五十年を経てなお古びていない。現代の画家が描いたアフガン戦争のアレゴリー、と言われてもなんら違和感がないのではないか。時空を超えた普遍性をもつゆえだ。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著


「 ルーベンス没後二世紀を経て制作されたのが、ロシアでもっとも著名な戦争画家であり、日本とも少なからぬ因縁(後述)のあるヴァシーリー・ヴァシリエヴィチ・ヴェレシチャーギン( 1842 ~ 1904)の『戦争礼賛』(扉絵)だ。  ロマノフ王朝下の帝政ロシアに生まれたヴェレシチャーギンは、ペテルブルク海軍士官学校を出て軍人となるが、絵画への思い止みがたく、帝国芸術院に再入学。次いでパリに留学し、ロシアへもどった後も世界各地を旅して異国の風俗画をものしつつ、従軍画家としても活動した。彼が常々主張していたのは、戦争を描くのなら双眼鏡で覗くだけではだめだ、兵士と同じように飢えや病気や負傷も経験せねばならない、ということだった(その言葉どおり、露土戦争では重傷を負っている)。  またこんなエピソードも残されている。戦時特派員の目撃談だが、バルカン半島の激戦地で弾が飛び交い、撃たれて倒れる兵士がおおぜいいる中、ヴェレシチャーギンは戦場全体を見渡せる場所で小さな折りたたみ椅子に座ってスケッチを続けていたという。海軍学校での訓練や実戦体験があったにせよ、彼には真の肝の太さが備わっていたのだろう。  戦場をテーマにした数多の作品のうち、「トルキスタン戦争」シリーズが世界的に知られているのは、ロンドンの展覧会に出品されて各国の評論家の目に触れたことにもよる。シリーズ中の一点が『戦争礼賛』で、ヴェレシチャーギンの代表作でもある。当時も斬新さで評判を呼んだが、百五十年を経てなお古びていない。現代の画家が描いたアフガン戦争のアレゴリー、と言われてもなんら違和感がないのではないか。時空を超えた普遍性をもつゆえだ。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「 ルーベンス没後二世紀を経て制作されたのが、ロシアでもっとも著名な戦争画家であり、日本とも少なからぬ因縁(後述)のあるヴァシーリー・ヴァシリエヴィチ・ヴェレシチャーギン( 1842 ~ 1904)の『戦争礼賛』(扉絵)だ。  ロマノフ王朝下の帝政ロシアに生まれたヴェレシチャーギンは、ペテルブルク海軍士官学校を出て軍人となるが、絵画への思い止みがたく、帝国芸術院に再入学。次いでパリに留学し、ロシアへもどった後も世界各地を旅して異国の風俗画をものしつつ、従軍画家としても活動した。彼が常々主張していたのは、戦争を描くのなら双眼鏡で覗くだけではだめだ、兵士と同じように飢えや病気や負傷も経験せねばならない、ということだった(その言葉どおり、露土戦争では重傷を負っている)。  またこんなエピソードも残されている。戦時特派員の目撃談だが、バルカン半島の激戦地で弾が飛び交い、撃たれて倒れる兵士がおおぜいいる中、ヴェレシチャーギンは戦場全体を見渡せる場所で小さな折りたたみ椅子に座ってスケッチを続けていたという。海軍学校での訓練や実戦体験があったにせよ、彼には真の肝の太さが備わっていたのだろう。  戦場をテーマにした数多の作品のうち、「トルキスタン戦争」シリーズが世界的に知られているのは、ロンドンの展覧会に出品されて各国の評論家の目に触れたことにもよる。シリーズ中の一点が『戦争礼賛』で、ヴェレシチャーギンの代表作でもある。当時も斬新さで評判を呼んだが、百五十年を経てなお古びていない。現代の画家が描いたアフガン戦争のアレゴリー、と言われてもなんら違和感がないのではないか。時空を超えた普遍性をもつゆえだ。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「ただし天然痘は免疫性も高かった。つまり一度罹れば二度と罹患しない。そこに気づいたインドでは、なんと紀元前一〇〇〇年ころには予防のための人痘法が行われた。患者の膿を乾燥させて弱毒化した後、健康な人間の皮膚に接種して軽い発症を促すのだ。ただしこの人痘法は死亡率が二パーセントと高いのが難点で、十八世紀初頭には欧米でも知られてはいたものの、なかなか普及しなかった。  そんな中、一七六八年にロシアの女帝エカテリーナ二世が自分と皇太子に接種したのはさすがの早さだ。その二年後、デンマーク宮廷で天然痘が流行した時、侍医ストルーエンゼの勧めで二歳の王太子(後のフレデリク六世)が接種した。宮廷中が大反対し、神学者でもある顧問官などは「神の意志への反逆だ」と糾弾したため、ストルーエンゼはまさに命がけの進言だった(これに関しては拙著『残酷な王と悲しみの王妃 2』[集英社文庫]参照)。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「何にせよ、天然痘は一九八〇年に根絶宣言。現在はワクチン接種も無い。これほどみごとな疫病退治に貢献したジェンナーが、なぜノーベル医学生理学賞を取っていないのかって?  答えは簡単。まだアルフレッド・ノーベルは生まれていなかった。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「さて、この遠征におけるナポレオンの功績は、古代エジプト研究を飛躍的に高めたことだ。彼は愛読していたゲーテの『若きヴェルテルの悩み』を持参するとともに、学者の一団をもエジプトへ引き連れていった。ロゼッタ・ストーンもそこで発見された。そしてその貴重な遺物をフランスへ持ち帰ることに何の躊躇もなかった。  それは勝者の権利なのだ。後にイタリアやスペインで名画の数々を、ドイツではブランデンブルク門の「勝利の女神像」をも奪うことになる(ルーヴル美術館や大英博物館が「泥棒美術館」と呼ばれるのは故無しとしない)。  エジプトの翌年はシリア。勝利はしたものの、この地ではペストが流行し、犠牲は大きかった。ナポレオンの従軍画家アントワーヌ =ジャン・グロ( 1771 ~ 1835)による『ヤッファのペスト患者を見舞うナポレオン』の完成は、シリア遠征から五年後だ。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

「そして結核は、凡人よりむしろ美しい繊細な女性や才能ある若き芸術家を狙い撃ちすると信じられた。確かに多くの芸術家の命を奪ったのは間違いない。列挙してみよう。(  )内は死去した時の年齢。  詩人・作家:キーツ( 25)、正岡子規( 34)、カフカ( 40)、チェーホフ( 44)、シラー( 45)、オーウェル( 46)  画家:ビアズリー( 25)、青木繁( 28)、ジェリコー( 32)、モディリアーニ( 35)、ヴァトー( 36)  音楽家:瀧廉太郎( 23)、ベッリーニ( 33)、ヴェーバー( 39)、ショパン( 39) etc.  ロマン主義に浸る当時の頑健な芸術家が、胸を病む芸術家に向けた視線の例を二つあげておきたい。ドイツを追われたユダヤ人の詩人ハイネは、パリ社交界でもてはやされていたイタリア人作曲家ベッリーニと出会い、彼が人気を得るため結核を装っていると邪推し、君はもうじき死ぬぞ、と何度も意地悪くからかって喜んでいた(ほんとうに末期にきていたベッリーニはまもなく死去)。一方、若き日のヴァーグナーはヴェーバーの『魔弾の射手』に熱狂し、結核による彼のスリムな姿を高貴さと結び付けて憧れた。」

—『災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 (日経プレミアシリーズ)』中野京子著

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2026年07月31日

Posted by ブクログ

中野京子さんの絵画関連の本として、初めて読んだが、とても分かりやすく解説してくれた。

疫病の時期に流行った画風、戦争の時期に流行った画風、飢饉の時に流行った画風など、人々の心情と寄り添うように描かれた絵画を読み解いていくと、意外と宗教なんかよりも、政治批判と聖書批判にまみれていたりと、とても読み応えがあった。

中野京子さんの本、どんどん読みたいと思った。

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2024年12月01日

Posted by ブクログ

テーマがテーマなのでこんなことを言うことは不謹慎かもしれませんが、終始とても勉強になりました。習った歴史に登場した人物が実はあの疫病に関わっていたことやこれまでの認識を改めさせられること、理解が深まったことなどたくさんありました。今まで興味のない分野の災厄や絵画、歴史でしたがこの本のおかげでこれからはもっと学んでみたくなりました。絵画を眺めてみよう、と軽い気持ちでこの本を手に取ってみて良かったです。
今ある当たり前は当たり前ではないのだと痛感し、昔を知ることは今を知ることだと思いました。

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2023年10月14日

Posted by ブクログ

世にも奇妙な人の歴史…やはり語り部として中野京子先生は最強。

想像を絶する人類の歴史や美術などの解説を聞いていると、コロナ禍なんてハナクソじゃねーかって気がしてくる。

やはり私たちはいい時代を生きていますね。

中野京子さんはどのような方法で知識を仕入れているのだろう。

どのように振る舞えばあんなふうに生きられるだろう。

あの人ほど真実に近いところで、あのように優雅に…みたいなことを考えます。

貪欲すぎる知的好奇心、底なしのキャパシティ!

カッコいい。

私はともかく中野京子先生の本を読んでみることで、なんらかの道標を見つけようとしてる、そんな感じなんだ。

これからも応援しております。

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2023年03月10日

Posted by ブクログ

中野京子さんのヨーロッパ絵画を裏の物語から見ていくシリーズですが、いかにもこのタイミングらしいテーマでの連載をまとめた本になります。厄災なのでテーマ的には怖い絵に通じるものがあるのですが、同じ作品を取り扱う時も怖い絵とは違う切り口で話を進めるのは流石です。
やはり今のパンデミックでも新たな芸術が生まれるでしょうけど、激しいロックダウンのあった西欧や中国での美術に注目したいです。

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2023年03月06日

Posted by ブクログ

タイトルのとおり有名な疫病・天災・戦争について絵画を使って歴史を説明されている。説明がわかりやすくて世界史に詳しくない人でも理解しやすいし、説明が簡潔でボリュームが多すぎないため読みやすい。
ただし紙の本では絵画の印刷が見開きにまたがる場合に間が見えづらいのが残念。絵画の解説で見開きの合間の見えない部分に言及されることも何回かあった。本書は紙よりも電子書籍で見る方が良いかもしれない(紙の本でも、ググって出てくるならそちらを見れば良いかもしれない)。

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2022年12月25日

Posted by ブクログ

絵画で見る災厄のお話。
洪水や飢饉などの自然災害はもちろん、ペストやコレラ、梅毒などのパンデミック、戦争などの人災まで。
ナポレオンの進撃もここでは「災厄」として取り上げられていたことには驚いた。
戦争も災厄、まして侵略される側にしてみれば、どこかの英雄も災いか。
ましてナポレオンは自国民へ与えたダメージもでかいし(シベリア遠征で何人お亡くなりになったか)

「怖い絵」展に絡めた話題もちょくちょく。
興味深かったのは、日本人が思う天使像と宗教世界における天使像のそのギャップ。
「怖い絵」展でも話題になったとか。
天使は天の御使いであって、人類を救ってくれる存在とは限らない。
今回、それをまざまざと思い知らされるエピソードはインパクトあり。
怖や怖や。

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白い。
テーマがテーマなだけにカタストロフな作品が続くけれど、
事象が大きいだけに読みごたえもある。
できれば、サブタイトルのテーマごとに一冊ほしいくらいだ。

260111再読
シュトックどっかで見たいなぁ。
ちょいちょい再掲があることに、著作を続けて読むと気づいてしまう。

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2023年04月10日

Posted by ブクログ

戦争、天災、パンデミックなど人間を襲う災厄を、画家達が想像力と創造力を駆使して描いた絵画を紹介している本です。現在なら写真や動画などで表現されるのかもしれませんが、現実を超えた想像力と表現力でその災厄を見事に描き出しています。擬人化などの表現もすごい。若干もったいないと思ったのは、本の判型がノベルズサイズで絵が見開きになっていたりすると真ん中になる部分がよく見えなかったことでした。この手の本はやはり大きいサイズで見たかったです。

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2023年03月12日

Posted by ブクログ

「絵画は見るものではなく読むものだ⁉」と教えてくれた中野先生。災厄は遭うものではなく、鑑賞するものでありたい。自然災害に戦争、そして疫病。ペスト、梅毒、コレラ、結核、天然痘。医療が未発達の時代のパンデミック。未熟な土木での天災。身近に迫る死の恐怖に感情を揺さぶられ筆を執る。出来上がった作品は後世に残る。医学の発展、インフラ整備、平和外交。現代に生まれて一安心?…911と311、新型コロナにウクライナ危機。人類は災いを克服できていない。武器の発達で被害が激化。幸か不幸か、芸術作品はまだまだ生まれるのだろう。

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

個人的にはあまり見ることのない作品であり非常に興味を持って読むことができました。今のコロナ時代を芸術家たちはどういう風に捉えるのか作者ともちょっと被ってますが非常に興味のある命題です。

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2023年01月12日

Posted by ブクログ

絵画超初心者の私でもわかりやすく解説されていて面白かった。

会社の人に貸してもらった本だが、絵画に興味を持った。小説しか読まない私だが、こうゆう本も今後手に取ろうかな

特に印象的なのは、ノアの話です
洪水の話だが、絵には「もう洪水で滅ぼすことはしない」という願いが込められているのかと思った

まで何となく見てた絵画だが、絵の見方が変わりそうだ

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2026年06月20日

Posted by ブクログ

災害、戦争、病などの暗く悲しい歴史を絵画ともになぞる作品。

思ったよりはダークではなく、悲しい出来事を画家たちがどのように切り取ったか、どんなメッセージを込めてたかを丁寧に解説してくれた。

コロナ禍含め現代にも悲しい出来事は多くある。それをどのように感じ、どう表現するかという感性が問われるのだと思う。
SNSなどのツールが発展した現代では、それは芸術家だけでなく、我々一人一人が感じ残していくものななのだろう。

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

序章 災厄を呼ぶ神々の
一章 大洪水と方舟(旧約聖書時代)
二章 古代の戦争 絵画に込めた願い
三章 古代の天変地異 神の怒りと跡形もなく消えた町
四章 中世の疫病 パンデミックと「死の舞踏」
五章 三十年戦争 最大最後の宗教戦争
六章 大火と絵画、西洋人が描いた「江戸の華」
七章 ペストの波状攻撃
八章 梅毒の猛威、疫病が照らす社会の暗部
久章 戦争のアレゴリー(寓意画)
十章 天然痘の恐怖とワクチン騒動
十一章 洪水、そして名画の数奇な運命
十二章 ナポレオンという災い
十三章 コレラの惨禍 死をもたらす神の使い
十四章 アイルランドのジャガイモ飢饉
十五章 結核のロマンティシズムと現実
十六章 第一次世界大戦とスペイン風邪
掲載作品一覧

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2024年06月19日

Posted by ブクログ

表紙にもなってるローマのペストが印象的。
天使は人間の味方ではなく、あくまでも神の御使い。
天使のイメージ変わった。
天然痘やペスト、コレラや梅毒
画家とは本当に色々なものを主題にするなあと思った。

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2023年04月25日

Posted by ブクログ

いつもながら的確な一文が胸に沁みる。過去作とダブるのもあるが、視点の違いでこんなにも鑑賞に違いがあるのかと思った。

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2023年04月12日

Posted by ブクログ

災厄(特に疫病)の絵画から歴史を紐解く。数百年前から比べると現代日本は、コロナに襲われたときでさえ、なんと恵まれた状況であったかよくわかる。中世ヨーロッパでペストが流行したときは、満足な治療も受けられず、死者は道端に投げ捨てられていたのだから…。

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2023年03月11日

Posted by ブクログ

タイトル通り、描かれたものを通して
世界の疫病や天才の歴史をみる一冊。

写真もなかったような時代にあって
聞き「描き」だったとしても
これらの絵画は人々に広く知らせる
報道や広告の意味も持ち合わせてたんだなぁ。
過去にもワクチン推進と反対の
両派の争いを取り上げたものやら
ペストが収まったから観光に来て!という
ヴェネチアを描いたものがあったり。

前に読んだ『医学探偵の事件簿』同様
肖像画から病歴を推測するのも
興味深かったです。

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2023年02月27日

Posted by ブクログ

パンデミックや戦争といった、人災、自然災害をテーマにした絵画を取り上げ、そこに描かれているものを読み解いていく一冊。

文学作品には、文字で表された、線的な展開の面白さがあるのだけど。
絵画作品には、一枚という制限の中で、枠外を含めて表現されるものの面白さがある。

筆者は何度も、この「コロナ禍」を、現代の画家はどう描くのか?と投げかける。
そう言われると、今まさに、災厄の絵画史にとっては描かれる時なのだなと、思う。

そうして、100年先に、私たちは語られる時代として存在するのだろうか。不思議だなぁ。

絵画を見開きで配置すると、どうしても見えないものが出てくるのがイマイチな点。

人だけでなく、天使や悪魔が当たり前に存在する絵であっても、知れば知るほど、虚構に生々しさが加わるのは何故だろう。

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2022年12月26日

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