【感想・ネタバレ】名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語のレビュー

あらすじ

スイスの一豪族から大出世、偶然ころがりこんだ神聖ローマ帝国皇帝の地位をバネに、以後、約650年にわたり王朝として長命を保ったハプスブルク家。ヨーロッパ史の中心に身を置き、その荒波に翻弄されながら、運命と闘い精一杯に生き抜いた王や王妃のドラマを、名画に寄り添いながら読み解く。血の争いに明け暮れた皇帝、政治を顧みず錬金術にはまった王、そして異国の地でギロチンにかけられた王妃――。絵画全点、カラーで収録。

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ネタバレ

ハプスブルク家の一人一人の人生が、ドラマのように濃く、波乱万丈で驚きました。歴史や血筋に翻弄されながらも、自分らしく生きる姿が印象に残りました。私が1番心に残った絵は、『エリザベート皇后』です。美しいエリザベート皇后の絵だと思っていたが、本を読んで絵画の裏に隠された彼女の奇妙で悲しい運命を知り、最初に見た時とは全く感じを受けました。

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2025年06月12日

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するする読めました!血族結婚の歴史が気になり読み始めました。婚姻関係が複雑で、名前も似通っていて、難しい所もありましたが、面白すぎました!
特にフアナの話が印象に残っています。

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2025年03月05日

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中野さんの本をきっかけに、ハプスブルク家、王家にハマっている。絵画は写真のなかった時代の記録として後世にいろんなことを伝えてくれる。
しかし、別の国にからんだヨーロッパが複雑すぎて全然記憶できない。

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2025年02月11日

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ネタバレ

非常に面白かった。
デューラーから始まり、マネで終わる。
ベルばら贔屓の私は当然ハプスブルク贔屓である。
だからこそフリードリヒ大王は好きじゃないし、ナポレオン三世の小ずるさにはらわたが煮えくり返る。

デューラーの油彩、とても味があってよい。版画が有名だし、版画の方が見た回数は多いのだけれど、なんという哲学的な絵だろう。内面が画面ににじみ出てくるというか。
プラディーリャの「狂女ファナ」。子供の頃に見た肖像画で「狂女」と書かれていたのが印象的で印象的でその言葉だけ覚えている。大人になって、歴史的背景を知り、気の毒な女性だったのだ、と感じるようになった。狂う、ということに今でも引きつけられる私だ。関係ないが「モルダウ(ブルダバ)」で有名なスメタナも狂死した、と書かれていた。狂死とはどのような死に方を言うのだろう。
この関係でファナの夫フィリップ美公が1世になるから、無敵艦隊のフェリペは2世になるのだということが分かった。

ティツィアーノの肖像画が2枚続くが、フェリペ二世が印象的。本人は気に入らなかったようだが、とても魅力的に描かれていると思う。フェリペもカール5世も初代マクシミリアンもだんだん年を取っていくと内省的になっていくのだろうか。宗教に傾倒していく感じが日本人にはない感覚のように思う。

そしてベラスケス「ラスメニーナス」。素晴らしい画家が素晴らしい傑作を残す。子どもを描かせると本当にピカイチだなあ、と思う。マルガリータ王女を描いた作品も有名だが、カルロス・バルタザールの作品も素晴らしい。

フリードリヒ大王は本当に苦手だ。啓蒙思想を広めたように言われるが、本当のところの啓蒙だったのかよ、と思ってしまう。エカテリーナ2世が農奴の締め付けを強化したように、自分の身が危うくなるようなことはしないのが王族だ。

ライヒシュタット公とエリザベートの姑ゾフィー(日本ではこの方が分かりやすいのか)のロマンス?王朝を継続することの難しさ(フランツ・ヨーゼフは絶対に妻選びを間違った、と思うけれど、多分現在、観光客相手に金を稼いでるのはエリザベートだろう)を感じる。そしてマクシミリアン、ナポレオン三世が見捨てたことには怒りを覚えるが、マクシミリアンが亡命することだって出来たはずで…。家族が仲良く兄弟仲良い王族ってそうそうないんじゃないか、と思ってしまう。現代のウィリアム王子とハリー王子もちらっと考えた。

個人が個人として生きられることに感謝したい。

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2025年01月29日

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世界史、西欧の歴史
複雑に絡み合い栄華を紡ぐ。
代表的なハプスブルク家の物語を中野京子さんが語るこの書。
史実に基づき淡々と語るものの中には、なかなかレアなものもあったり、何より語り口が毒舌混じり。
そこがたまらなく好きだしより興味を持つ。

ハプスブルク家はマリアテレジア、マリーアントワネット、エリザベートと有名な女帝と政略結婚の妃がある。
最後には第一次世界大戦の引き金となる事件で締めくくり。

読みやすく絵画が奥行きを出すこのシリーズはとても好みの本。

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2022年03月29日

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つい最近、ミュージカル『エリザベート』を鑑賞したこともあり、フランツ・ヨーゼフがパルスブルク家最後の皇帝だったのは衝撃的だった。
また、絵の描き方から画家の考え、モデルの印象などが込められているのだと分かり、とてもいい勉強になった。

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2022年03月14日

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ハプスブルク家について知りたいとずっと思っていたが、約650年続いたハプスブルク家の本を読むのは大変そうだ……となかなか手をつけられずにいた。
そんな中、歴史がざっくりと知れるものがいいと思い選んだ本。
知識のない私でも大変読みやすく、分かりやすかった。
オーストリア・ハプスブルク家、スペイン・ハプスブルク家の印象的な名画とともに歴史と人物を追っていく。

紹介されていた絵画はどれも素晴らしく、理解の助けになった。
中でも私は、エル・グレコの『オルガス伯の埋葬』が好きだった。

ハプスブルク家の歴史の中で衝撃的だったのは、なんといっても近親婚だ。
おじと姪の結婚など、近すぎる血族同士の結婚が繰り返されていた。
病や障がいを持った子が産まれているにも関わらず、それでも「高貴な青い血に下々の穢れた血を入れるよりはましだ」「血の純潔こそが大事だ」と繰り返されていた近親婚。
そうして終わりへと向かっていくスペイン・ハプスブルク家を見て、精神的なダメージを受けた。

帯に「650年にわたる血みどろの王朝劇」とあるが、まさにその通りで、血生臭く、多くの悲劇を背負っていた。

初めて読むハプスブルク家の本がこの本で良かったと思う。
歴史の本を読むことにハードルを感じる人、初めてハプスブルク家を学ぶ人におすすめしたい。

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2022年01月26日

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世界史の学校教育が中学校で終わっている自分でも知っている人名やエピソードがてんこ盛りのハプスブルク家。読み進んでいくとあまりに長く広い範囲にわたっているので、それもあれもハプスブルク関係なのね、という展開だが、ヨーロッパ史に馴染みがない人でも順を追って人間関係を都度おさらいしつつ進めるように章立てや記述に気配りがされていて、絵からフォーカスをそらすことなく楽しめる良書である。おそらくこの一冊が好評だったため、この後、ブルボン王朝、ロマノフ家、イギリス王家、とシリーズが続いたわけだが、ヨーロッパ史を身近に感じる入り口として要望があったのだろうかと想像できるクオリティであった。逆に、ヨーロッパ史に興味がありすでに詳しい人には美術史との繋がりのほうから楽しめるのではないだろうか。第1章から、デューラーの粘着エピソードには吹き出してしまった。
また、話の運び的に押さえておきたいような挿画は新書でありながら全てきちんとカラーで入っていて、筆者だけでなく編集者も頑張った!?と思えるあたり、たいへん良心的で読みやすい。西洋絵画に興味のある人、世界史の入り口にいる人、西洋時代ドラマ(ミュージカル含む)好きな人は楽しめること間違いなし。

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2022年01月24日

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複雑なハプスブルク史を読むにはちょっと時間とエネルギーが足りない夏だったけどやはり絵画の力とやさしめに書いてくれる中野先生、そして章立ての力で楽しく読めました。時系列に書いてくれていて、家系図は冒頭、年表は巻末にあるので私のような初心者は最初に年表にざっくり目を通した方が分かりやすいかも。
個人的には最終章のマネとゴヤの比較の切れ味がお気に入りです(ほかにもいっぱいあるけど)

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2021年08月24日

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中野京子さんの「怖い絵」を先に読んで面白かったのでこちらも見てみました。

「怖い絵」で取り上げられていた「ヘンリー八世」や「メデュース号の筏」の話題もあり、こちらも怖い要素があるのでぐいぐい引き込まれました。

世界史に明るくないので家系図や年代の表記を行ったり来たりしましたが、絵画の力で断片的な知識が繋がりとても興味深かったです。

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2021年06月08日

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名画がとても綺麗で何度も見直してしまいました。アルチンボルドの絵を昔、美術館で見たことがあるのもあり、こんな裏側があったのかと改めてじっくり見てしまいました。教養が身につきそう。

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2025年05月06日

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絵画を通じて世界史が好きになる本です!家系図を見ながら読まないとと思いながらも、面倒なので、サボっていると、途中から誰が誰と結婚して誰と誰がどうつながっているのか、さっぱりでした。さすが婚姻によって勢力を拡大してきただけのことはあります。とはいえ、楽しく読めたように思います。

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2025年01月18日

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中野京子さんの本はわりと好きで時々読んでますが、これはハプスブルク家の関係者12名を肖像画などで紹介していこうというもの。もちろん12人程度で話の終わるハプスブルク家ではないのでいいとこ取りですが、どの方もキャラが立っているというかアクが強いというか……。こういう人物に対すると中野さんの筆がさえますな。
とはいえ、やはり12人ではハプスブルク家を語るには足りないので、スペインとオーストリアを分けて24人くらい紹介してほしいなぁと(要するに続刊希望です)

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2024年05月27日

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ブルボン王朝に続いてハプスブルク家12の物語。
ハプスブルクといえば、マリア・テレジアとマリー・アントワネット。マリア・テレジアは「少女時代のマリア・テレジアの肖像画」がすぐに思い浮かびます。美人さんだという印象。今回肖像画のタイトル改めて調べて「少女時代」ということに驚く。でも、マリア・テレジアの肖像画の中で一番綺麗だな、と思うのです。でも少女時代ということだとロリコンみたいなことになりそうだ。
違いますよ。

ブルボン王朝で書いた婚姻関係の複雑さの原因は、ほとんどハプスブルクにあるのではないでしょうか。それがあってこその650年という王朝の長さになったとはいえ。
ただ、ルイ14世のような世界を謳歌したという印象はないです。マリー・アントワネットやエリザベート、マクシミリアンの最期のせいではなく、歴史の表舞台に颯爽と現れた英雄という印象がないせいかもしれません。
いや、マリア・テレジアは英雄ではあるのだろうけど、隣のフリードリヒ大王の方が色濃く写ってしまいます。
ま、それも知ってゆくにつれて変化してゆくことですね。その感情の変化を楽しむことができるのも歴史の楽しみ方だと思います。

「ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世」のインパクトの強烈さ。この1枚の強烈さに勝る絵画はないでしょう。表紙のエリザベートの美しさもすばらしいですが、野菜や果物で描いたという衝撃には敵わない。

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2024年04月12日

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ハプスブルク家の長い歴史を学ぶ最初の書物として推薦したい。王家の皆様にあまり魅力を感じなかったが、純潔を守ろうとして結局途絶えたのは皮肉だと感じる。残念ながらオーストリア、ウィーンにある絵画の紹介は少ないが、エリザベス皇后の肖像画は、ぜひ実物をみたい。

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2024年03月14日

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ヨーロッパ史において外せない名門家の1つ。
血族に執着した結果の系図…
遺伝上の問題からの病気など、まさに歴史ホラーです。
フランスとスペイン、プロテスタントとカトリックを巡る複雑な絡み合い…
歴史の授業では理解しきれなかったのは当然です。
大人になって学び直す楽しさ!

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2023年08月20日

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親族間での結婚を繰り返した結果としての『ハプスブルク家顔』という、突き出たアゴと膨れた下唇の組合せが並ぶ絵にウケた。

表紙のエリザベート皇后は美しいとの一言。

マリーアントワネットを評したツヴァイクの言葉が残酷だ。
“ときおり芸術家が、世界を包括するような大きな題材のかわりに、一見小さな素材を取り上げて自らの創作力を証明するように、運命もまた、どうでもいいような主人公を探し出してきて、もろい材料からも最高の緊張を生み出せることを、また弱々しく意志薄弱な魂からも偉大な悲劇を展開できることを、わざわざ証明してみせることがある。そのような、はからずも主役を演じさせられることになった悲劇のもっとも美しい例が、マリーアントワネットである。”

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2023年02月09日

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習った世界史はほんの少しだったので、少し名前が難しかったですが、読んでいて楽しい解説でした。筆者のツッコミが秀逸なのもおすすめです。

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2023年01月04日

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西洋史の学びとして面白い。帝国・王国の現代の感覚からかけ離れた戦略(主に結婚)が刺激的だった。こういうストーリーがあると歴史にも深みが感じられますね。

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2022年11月28日

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 ハプスブルク家という視点からヨーロッパ史をみると様々なことが整理される。著者の力も入っていてオススメ

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2022年10月10日

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名画と共に歴史を辿る作品。世界史にも名画にも疎いが、合わさると興味をひいた。その他のシリーズも読んでみたい。フェリペ2世追いかけたくなりました。

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2022年10月06日

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ハプスブルク家の青い純血主義のおどろおどろしさを知るには絶好の書。
絵画はいくらでも嘘がつけるのに、画家は忖度しながらも真実を描き出す。
本当に「怖い絵」です。

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2022年03月13日

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西洋の歴史をハプスブルグ家の歴史と重ね合わせ、それを名画で紐解いていく。ハプスブルグ家が行ってきた政略結婚の歴史を学ぶ良本。

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2022年02月02日

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世界史で勉強したハプスブルク家、こうやって読むといろんなことに繋がっていたんだなぁ。ナポレオンやサラエボ事件も関係あるんだ。

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2021年07月18日

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ミュージカル〝エリザベート 〟が大好きで、関連書籍を何冊か読んだ。絵画という切り口も面白そうと思い手に取った一冊。

ハプスブルクが生まれてから終焉まで、代表する絵画とそれに纏わるエピソードが書かれており、周辺国の情勢や裏話等飽きずに楽しく読めた。
どうしても印象的な話や悪い噂ばかりが独り歩きしてしまうけれど、実際はどうだったのかという解釈も非常に面白く勉強になった。

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2021年06月08日

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世界史未履修なのでハプスブルク家の人物のキャラクターあまり知らない上で読んだけど、絵画や時代背景など交えて描かれていてとても面白かった!マリー・アントワネットの悲劇やマリア・テレジアの強さ、エリザベートの人物像などがつかめた

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2025年10月04日

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ハプスブルク王朝の拡大維持、ローマ皇帝の座を世襲とすべく残り十年の余命を使って奮戦するルドルフ一世(もとは弱小の豪族)、
その二〇〇年後戦の最前線に立ち孫の代まで婚姻外交に徹したマクシミリアン一世、父と夫が王の座をめぐり対立、自身は精神を病み、愛する夫が謎の死を遂げ弔う(迷走の旅)フアナ、七十の肩書きを持ち当時としては珍しく息子に王座を譲るカール五世、三人の妻に先立たれたフェリペ二世(フェリペが動けば血が流れた)、エリザベスと結婚できなかったフェリペ、政権を丸投げし早死にしたフェリペ三世、無能王と呼ばれるも絵画の審美眼の才能を発揮するフェリペ四世、野菜の肖像画として知られるルドルフ二世、フリードリヒと対立し継承戦争を耐えてハプスブルク家を守ったマリア・テレジア。

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2025年06月07日

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シリーズ第一弾。絵画を切り口に王室の歴史を辿る。


●画家を輩出しないドイツ語圏

錚々たる画家を輩出して引き寄せたスペインに対し、あくまで「耳の人」(=音楽の人)で「目の人」(=絵画の人)ではないドイツ語圏内には、近・現代以前の美術史に残る画家といえば、デューラーとクラナッハくらいしかいなかったからだ。おかげでオーストリア・ハプスブルク系統には名画と呼べるものが少なく、ハプスブルクを代表する女傑マリア・テレジアでさえ、全く残念なことに価値ある肖像画を一枚も残していない。
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2022年10月30日

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スイスの田舎の小さな領主から、ヨーロッパを股にかける名家へ変貌していく様は面白い。

印象に残ったのはどれも女の人で、まあ彼女達もとんでもない家に生まれついてしまったため、あるいは嫁いできたために、人並みの幸せから遠ざけられて生きていかなければならなくて…気の毒ではある。

気の毒といえば、わがままに生きたマリー・アントワネットやエリザベートに世の人気が集まり、家のため国のために尽力してきたマリア・テレジアやゾフィー大公妃の評判がイマイチなのは、やはりお気の毒。なんやかんや言って民衆は美女が好きなのですね。

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2022年07月07日

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筆者の感じ方と絵画を通してハプスブルク家の歴史をみていく。センセーショナルな面や感情に働きかけるような部分に脚光を当てられてはいますが、学ぶところがありました。

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2022年07月03日

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