中野京子のレビュー一覧
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本のカバーに「19世紀末のウィーンは黄昏時の美しさに輝いていた。ハプスブルク大王朝崩壊の予兆に怯えながら、誰も彼もそれに目を背けてワルツに興じていた。」と書かれてあり、惹かれて買った。
読んでみて、19世紀末ヨーロッパ(特にハプスブルク)は、特異的な時代だったように感じられた。華やかながらも、不安定さが漂っているような感じが、何とも言えず興味深い。
ゾフィー、フランツ・ヨーゼフ一世、エリザベート、フランツ・フェルディナントなどの、ハプスブルク帝国末期の人物についても、程よく解説してくれていた。
絵画の解説が、もう少し多めでも良いかもとは思った。 -
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展覧会場などで肖像画を見て、一体何を思うだろう。
画家の画法や技量の巧拙はもちろん考えるとして、モデルの表情、姿勢、着衣などから、この人物は一体誰なのだろう、画家とはどういった関係にあるのだろうといったことを推し量ろうとするだろうか。
本書は、『怖い絵』で有名な著者が、画家とモデルの関係を巡るエピソード18編の文章をまとめたものである。
ゴヤ、ベラスケス、レンブラントといった大画家から、モデルと言えばすぐ連想されるシャガール、モディリアーニも紹介されているが、あまり観ることのない画家たちも取り上げられている。一編一編のエピソードを通して、この絵にはそういう背景があったのか、モデルとは -
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「ディアトロフ事件」が気になって、ネットで広告避けながら読むより紙媒体で読みたくて調べたら中野京子さんの著作を発見。読み読み。
名画シリーズはかなり読んでたつもりだけど、切り口を変えても変わらぬ面白さ。
「ブロッケン山の魔女集会」では「魔女狩りの実相を知れば知るほど人間であることが嫌になってくる……。」「もうすぐフランス革命という時期まで魔女狩りがあったことに、暗澹たる思いを抱かぬ者はいないだろう。魔女と認定されて殺された者の総数は、正確にはわかっていない。研究者によって4万、数十万、数百万と、大きな開きがある。いずれにせよ、拷問中に死んだものはカウントされていない。」など、ただ残忍な奇譚を書 -
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イギリス王家12の物語。
イギリス王家と聞いて思い浮かぶのは、エリザベス1世とメアリ・スチュワート、アン・ブーリン、ヴィクトリア女王でしょうか。見事に女性ばかり、悲劇と繁栄の女性たちですね。
12の物語も、国家としての栄光の下の光と影を色濃く描き出しているものばかりに思います。それを繰り返しながら、現在でも王室が続いているのが素晴らしいというか、恐ろしいというか、歴史の面妖さなんでしょうか。
紹介されている絵画は、テューダー朝から始まりスチュワート朝、ハノーヴァー朝、そして現在のウィンザー朝へと続く12枚。それぞれ王朝の血脈が絶え、他の血脈に変わるというわけでなく、かすかに繋いでいるというの -
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ロマノフ家12の物語。
ロマノフと聞いて思い出すのは、大津事件とラスプーチン、そしてアナスタシア。ただ、「ゴールデンカムイ」の存在でアレクサンドル2世暗殺事件の印象も強い。
エリザヴェータとエカテリーナ女帝のふくよかな肖像画。この2人の女傑があるから、ソフィアはああいった女丈夫になったんじゃなかろうか。
個人的なことですが、第10章の山下りんにものすごく琴線を震わされました。彼女の存在を知っていたわけではないのですが、たまたま最近本屋さんで見かけて買ったのが、彼女を書いた小説「白光」でした。この本を読む前だったし、山下りんという人を知っていたわけでないのに、面白そうと思って買った本が予想外に