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中野京子さんの絵画解説本。
他の本よりも「愛」というテーマで絵画を解説している。
中野京子さんは絵画や歴史的背景をとでよく研究していらっしゃるが、読みやすく入ってきやすいのは解説やその語り口がとても心地よいものだからだと気づく。文量も言葉も適切であり読み手にしっかり伝えてくる。とても素晴らしい。
毎回絵画についても新しい発見をもたらしてもらうのだが、今回は「ベルト・モリゾ」という女性の画家との出会いがあった。ゆりかごに眠る幼子をそっと見守る母の絵だが、とても気になってしまう。
マネやルノワールのようでもあるが、白の色遣いがとてもきれいで奥行きがある。
こうした出会いを下さるのも中野京子さんの本あってのこと。
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様々な「愛」の形を描いた絵画を基にその時代背景や画家などを徹底解説している。サクッと楽しく読めて見知らぬ名画に触れられる。
西洋画が主だが、日本の話も色々と語られており勉強になった。それにしても流行病に振り回されたり、貧困によって犯罪が多発したり、いつの時代も結局、人は人なのだ。
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『星たちを引き連れた夜』、幼子の死というどうしようもなく残酷なテーマを扱いながら、これほど愛とやさしさに満ちた作品があるのか。
何もしなければ死は単なる現象に過ぎない。ともすれば忌避すべきものですらある。しかしその死に真っ向から取り組み、価値ある作品に昇華したとしたら、それは芸術の本懐だと思った。
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いつもながら、中野京子さんの解説は本当に面白い。感情の表現。様々な愛のかたち。ドラマチックです。
ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス『毒をまくキルケー』、ジョン・ホワイト・アレクサンダー『イザベラとバジルの鉢』
『タレット階段の逢瀬』抑えた思いが切ない。
そして表紙にもなっているエドワード・ロバート・ヒューズ『星たちを引き連れた夜』これは元々好きで部屋にカードを飾ってある。
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●ヘラが奪ったエコーの言葉。ナルキッソスに思いが伝えられない。木霊が繰り返されるだけ●美女を巡って男が2人。決闘で死んだのは女。嫉妬する理由がなくなった2人は仲直り●その文面は「神への愛のため、私に施しを」ナポリに存在した「物乞い許可証」●画家を諦めた姉と姪を描くベルト。二人を愛すが寂しさも●マルスを魅了し引き留める人妻ヴィーナス。戦争の神の不在で停戦となる。不倫も許されるのか?●衰弱するペットの大蛇。何も食べない理由は飼い主を食す準備か?…西洋美術の中に見出す”愛”の表現。美しくもあり、残酷でもある。