【感想・ネタバレ】愛の絵のレビュー

あらすじ

名画に込められた、あふれる感情の波。ドラマチックな愛と、幸福への欲求は不変――画家たちは描かずにいられなかった。一目惚れ、狂恋、嫉妬、快楽、死への誘い……これもまた、愛なのか。西洋美術の歴史を通じて重要なテーマだった愛は、各時代、さまざまな形で表現され続けている。当時の風俗、文学、神話、旧約聖書などから題材がとられ、画家のインスピレーションを刺激して芸術の価値を高めてきた。時代が移っても変わらない、人間が抱く欲求や希望。ロマンチックな空想や情熱的なものだけではないその感情は、喜び、幸福、満足感をもたらして人々を惹きつける。派生して、呪いや嫉妬、怒りも。愛とはなにか、を考えさせられる作品52点をフルカラーで解説。 [本書の構成]第1章 甘美な恋への憧れ 第2章 そして、狂気へ 第3章 子どもをめぐる愛 第4章 運命の絆

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

中野京子さんの絵画解説本。
他の本よりも「愛」というテーマで絵画を解説している。
中野京子さんは絵画や歴史的背景をとでよく研究していらっしゃるが、読みやすく入ってきやすいのは解説やその語り口がとても心地よいものだからだと気づく。文量も言葉も適切であり読み手にしっかり伝えてくる。とても素晴らしい。
回絵画についても新しい発見をもたらしてもらうのだが、今回は「ベルト・モリゾ」という女性の画家との出会いがあった。ゆりかごに眠る幼子をそっと見守る母の絵だが、とても気になってしまう。
マネやルノワールのようでもあるが、白の色遣いがとてもきれいで奥行きがある。
こうした出会いを下さるのも中野京子さんの本あってのこと。

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2024年03月19日

Posted by ブクログ

もうこの人の書く文章にメロメロでございます。
絵画もそれぞれ素晴らしい。
ロマンチックなテーマな本だし、文章もロマンチック。

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2024年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やっぱり中野先生の絵画解説は面白い。
今回のテーマは「愛」
恋という甘酸っぱいものから、嫉妬に狂う愛、子供を想う親の愛、その他異類婚やアイドル的憧れに至るまで様々な愛の物語。
個人的には『デカメロン』から派生した『イザベラとバジルの鉢』そして『タレット階段の逢瀬』が印象的だった。
どっちも悲恋ですけども。
あと表紙絵も。
あの詩の内容からこんなに慈愛に満ちた絵を生み出すとは……画家の優しさがたまらない……!

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2024年05月20日

Posted by ブクログ

様々な「愛」の形を描いた絵画を基にその時代背景や画家などを徹底解説している。サクッと楽しく読めて見知らぬ名画に触れられる。
西洋画が主だが、日本の話も色々と語られており勉強になった。それにしても流行病に振り回されたり、貧困によって犯罪が多発したり、いつの時代も結局、人は人なのだ。

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2024年05月01日

Posted by ブクログ

 『星たちを引き連れた夜』、幼子の死というどうしようもなく残酷なテーマを扱いながら、これほど愛とやさしさに満ちた作品があるのか。


 何もしなければ死は単なる現象に過ぎない。ともすれば忌避すべきものですらある。しかしその死に真っ向から取り組み、価値ある作品に昇華したとしたら、それは芸術の本懐だと思った。

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2024年02月27日

Posted by ブクログ

いつもながら、中野京子さんの解説は本当に面白い。感情の表現。様々な愛のかたち。ドラマチックです。
ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス『毒をまくキルケー』、ジョン・ホワイト・アレクサンダー『イザベラとバジルの鉢』
『タレット階段の逢瀬』抑えた思いが切ない。
そして表紙にもなっているエドワード・ロバート・ヒューズ『星たちを引き連れた夜』これは元々好きで部屋にカードを飾ってある。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

●ヘラが奪ったエコーの言葉。ナルキッソスに思いが伝えられない。木霊が繰り返されるだけ●美女を巡って男が2人。決闘で死んだのは女。嫉妬する理由がなくなった2人は仲直り●その文面は「神への愛のため、私に施しを」ナポリに存在した「物乞い許可証」●画家を諦めた姉と姪を描くベルト。二人を愛すが寂しさも●マルスを魅了し引き留める人妻ヴィーナス。戦争の神の不在で停戦となる。不倫も許されるのか?●衰弱するペットの大蛇。何も食べない理由は飼い主を食す準備か?…西洋美術の中に見出す”愛”の表現。美しくもあり、残酷でもある。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 見たことのない絵や知らない画家も多かったのですが、写真が小さくて、文章による絵の説明を読んでやっと何が描かれているのかが分かったのが残念
 ベルト=モリゾの「ゆりかご」は好きな絵ですが、姉への愛、姪への愛だけでなく絵画への愛のつまった作品であることや、第1回の印象派展に出品され好評価を得ながらも購入者が現れなかったことを知り、この時代の女流画家の境遇というものが具体的によく分かりました

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

女は愛の魔術をかけることができると昔から信じられており、それによって女性が告発されることがあったんだと!
ロミオとジュリエットはたった5日間だけの恋で最後は2人とも死んでしまって終わるんだ!この死をきっかけにモンタギュー家とキャピュレット家が和解するというのは認識していなかった!

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

作品52点をフルカラーで解説。

第1章 甘美な恋への憧れ
第2章 そして、狂気へ
第3章 子どもをめぐる愛
第4章 運命の絆
あとがき

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

ウォーターハウス《毒をまくキルケー》とヒューズ《星たちを引き連れた夜》が好き。
《星たちを〜》はただの美しい優美な作品ではなく、悲しみを伴うということは読まないと分からなかったな…

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2024年02月18日

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