愛の絵

愛の絵

ビジネス・実用
999円 (税込)

4pt

名画に込められた、あふれる感情の波。ドラマチックな愛と、幸福への欲求は不変――画家たちは描かずにいられなかった。一目惚れ、狂恋、嫉妬、快楽、死への誘い……これもまた、愛なのか。西洋美術の歴史を通じて重要なテーマだった愛は、各時代、さまざまな形で表現され続けている。当時の風俗、文学、神話、旧約聖書などから題材がとられ、画家のインスピレーションを刺激して芸術の価値を高めてきた。時代が移っても変わらない、人間が抱く欲求や希望。ロマンチックな空想や情熱的なものだけではないその感情は、喜び、幸福、満足感をもたらして人々を惹きつける。派生して、呪いや嫉妬、怒りも。愛とはなにか、を考えさせられる作品52点をフルカラーで解説。 [本書の構成]第1章 甘美な恋への憧れ 第2章 そして、狂気へ 第3章 子どもをめぐる愛 第4章 運命の絆

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愛の絵 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    絵画に関してだけでなく、テーマやモチーフについての広がった説明や解説もあるのが、より分かりやすくて面白かった。
    改めて著者の教養や興味の幅広さも分かって恐ろしい。

    「エコー」や「シャロットの乙女」のように悲哀に満ちたものや、
    「医者の治せぬ病」や「愛のアレゴリー」のように世俗的な視点で人間が人間を皮肉ったようなようなものなど、
    "愛"とはなんなのかを、言葉通り目に見える形で様々な見解や要素を知ることができるのがすごく興味深くて面白い。

    収録されている作品の中だと、エイブラハム・ソロモン「一等車の出会い一目惚れ」が、テーマの面白さや新鮮さ、パッと見た絵の魅力としても一番好きだったけど、
    それとは別で「きょうだい愛」がテーマの作品における著者の言葉や解説がなんだか優しくて温かくて、すごく印象的だった。
    著者の痛烈、痛快な言葉も好きだけど、こういった慈しみや敬愛の籠った文章も、じんわり心に浸透する温かさがあって素敵。

    また著者の解説でもって絵の見え方が何倍にも広がり、かつ画家の技量や創造力の凄さに改めて気付かせてくれるのも良い。

    0
    2026年07月30日

    Posted by ブクログ

    中野京子さんの絵画解説本。
    他の本よりも「愛」というテーマで絵画を解説している。
    中野京子さんは絵画や歴史的背景をとでよく研究していらっしゃるが、読みやすく入ってきやすいのは解説やその語り口がとても心地よいものだからだと気づく。文量も言葉も適切であり読み手にしっかり伝えてくる。とても素晴らしい。
    毎回絵画についても新しい発見をもたらしてもらうのだが、今回は「ベルト・モリゾ」という女性の画家との出会いがあった。ゆりかごに眠る幼子をそっと見守る母の絵だが、とても気になってしまう。
    マネやルノワールのようでもあるが、白の色遣いがとてもきれいで奥行きがある。
    こうした出会いを下さるのも中野京子さんの本あってのこと。

    0
    2024年03月19日

    Posted by ブクログ

    もうこの人の書く文章にメロメロでございます。
    絵画もそれぞれ素晴らしい。
    ロマンチックなテーマな本だし、文章もロマンチック。

    0
    2024年02月20日

    Posted by ブクログ

    「星たちを引き連れた夜」エドワード・ロバート・ヒューズ
    表紙絵に用いられている謎めいた女性は、夜の女神。抱えているのは幼い赤子だが、現世では亡くなっている設定。しがみつくのはキューピッド。青が基調の優しい絵だ。この絵で描かれているのは慈愛。

    「テルモピュライのレオニダス」ジャック・ルイ・ダヴィッド
    映画『300』で有名な、ペルシャ兵にわずか300の兵で立ち向かうスパルタ王レオニダス一世。中野さんの著書で何度も登場している。レオニダス一世はオールヌードなのに正面向き。見ているこっちが恥ずかしい。周囲ではボーイズラブの濃厚な場面が繰り広げられている。死地に向かう戦なので愛も燃え上がる?

    「フリードリヒ二世とヨーゼフ二世の会見」アドルフ・フォン・メンツェル
    ロシア&フランス&オーストリアの女性三人がタッグを組んだ、名高いペチコート作戦で苦しめられたフリードリヒ二世が、あろうことかそのペチコート作戦の一人、マリア・テレジアの息子ヨーゼフ二世から敬愛を捧げられる場面。若きヨーゼフ二世は、老獪なフリードリヒ二世にたやすく篭絡されてしまう。ちなみに、映画『ヒトラー最後の10日間』では、ヒトラーがフリードリヒ大王の肖像画を地下壕に飾っていた。いや、やってることは全然違うが。

    「ロミオとジュリエットの遺体を前にしてのモンタギュー家とキャピュレット家の和解」フレデリック・レイトン
    なんだかラストの粗筋をそのままタイトルにしたみたい。有名なロミオとジュリエットの死の場面。ロミオに殺されたパリスが絵画でも思いっきり邪魔者で不憫。

    「バッカスとアリアドネ」ティツィアーノ
    祖国を裏切って迷宮を出してあげたのに、その相手テセウスに逃げられたアリアドネに、酒神バッカスがフォーリンラブした瞬間をとらえたもの。バッカスはどちらかというと酒好きのいいかげんなイメージがあるが、年齢差のある(神対人間だから)夫婦仲は良かったとか。

    0
    2026年08月17日

    Posted by ブクログ

    様々な「愛」の形を描いた絵画を基にその時代背景や画家などを徹底解説している。サクッと楽しく読めて見知らぬ名画に触れられる。
    西洋画が主だが、日本の話も色々と語られており勉強になった。それにしても流行病に振り回されたり、貧困によって犯罪が多発したり、いつの時代も結局、人は人なのだ。

    0
    2024年05月01日

    Posted by ブクログ

     『星たちを引き連れた夜』、幼子の死というどうしようもなく残酷なテーマを扱いながら、これほど愛とやさしさに満ちた作品があるのか。


     何もしなければ死は単なる現象に過ぎない。ともすれば忌避すべきものですらある。しかしその死に真っ向から取り組み、価値ある作品に昇華したとしたら、それは芸術の本懐だと思った。

    0
    2024年02月27日

    Posted by ブクログ

    いつもながら、中野京子さんの解説は本当に面白い。感情の表現。様々な愛のかたち。ドラマチックです。
    ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス『毒をまくキルケー』、ジョン・ホワイト・アレクサンダー『イザベラとバジルの鉢』
    『タレット階段の逢瀬』抑えた思いが切ない。
    そして表紙にもなっているエドワード・ロバート・ヒューズ『星たちを引き連れた夜』これは元々好きで部屋にカードを飾ってある。

    0
    2024年02月23日

    Posted by ブクログ

    ●ヘラが奪ったエコーの言葉。ナルキッソスに思いが伝えられない。木霊が繰り返されるだけ●美女を巡って男が2人。決闘で死んだのは女。嫉妬する理由がなくなった2人は仲直り●その文面は「神への愛のため、私に施しを」ナポリに存在した「物乞い許可証」●画家を諦めた姉と姪を描くベルト。二人を愛すが寂しさも●マルスを魅了し引き留める人妻ヴィーナス。戦争の神の不在で停戦となる。不倫も許されるのか?●衰弱するペットの大蛇。何も食べない理由は飼い主を食す準備か?…西洋美術の中に見出す”愛”の表現。美しくもあり、残酷でもある。

    0
    2024年02月05日

    Posted by ブクログ

    さまざまな愛にまつまる絵画を集めて解説。
    1つのテーマにつき、1つの作品+α以上の作品を絡めて解説していて、たくさんの絵を見られて満足です。
    著者のシリーズはいろいろ読んだことがありますが、やはり読みやすいなと思いました。
    意味を持つ小物の描き込みや、描かれた当時の時代背景など、なんとなく鑑賞しているだけではわからない点まで読み解くことができて楽しいです。
    あまり見たことのない絵画をたくさん取り上げているのもよかったです。

    0
    2026年05月16日

    Posted by ブクログ

    女は愛の魔術をかけることができると昔から信じられており、それによって女性が告発されることがあったんだと!
    ロミオとジュリエットはたった5日間だけの恋で最後は2人とも死んでしまって終わるんだ!この死をきっかけにモンタギュー家とキャピュレット家が和解するというのは認識していなかった!

    0
    2025年10月26日

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