中野京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
様々な年代の絵画について、その描かれた背景・思想・作者の環境などについて解説された本作。
中でも人々の恐怖・畏怖・不安・猜疑心・悔恨などなど、“怖い”と感じる絵画を軸に解説がなされる。
絵画や芸術は中世時代に爆発的に発展を遂げたが、その成り立ちを考えると、そこには当時の宗教観や文化そのものを反映していると言っても過言ではない。
一枚の絵の中に無数にちりばめられたモチーフや構図、その一つ一つに込められた意味やその背景を知ることで、今まで見えていた世界がさらに広がりを持つことになる。
本作は、そういった芸術鑑賞の醍醐味を味わえ、さらに本物の作品を見てみたいと思わせてくれる図書となっている。
一般教 -
Posted by ブクログ
中野京子さんの本を読むようになってから、絵画に描き込まれてる何気ない一つ一つがそれぞれ重要な意味や暗示をしているということに気付かされ、絵画ってこんなにお喋りなのねーと思えるようになった。絵画鑑賞の面白さを教えてくれた作者さん。なので彼女の出す本は大抵面白い。
絵画を深く見ようとすればするほど、歴史や宗教への理解は不可欠なのだが、ヨーロッパの歴史と宗教は非常に複雑で、なかなか覚えられない(覚えたそばから忘れていく笑)。本書もしっかりと巻頭の系譜を見ながら読んでいったけど、いかんせんヨーロッパ王室は同じような名前の人が男女ともに多くてこんがらがる。極端な話、アンリって名前をつけたいなら長男から順 -
Posted by ブクログ
親族間での結婚を繰り返した結果としての『ハプスブルク家顔』という、突き出たアゴと膨れた下唇の組合せが並ぶ絵にウケた。
表紙のエリザベート皇后は美しいとの一言。
マリーアントワネットを評したツヴァイクの言葉が残酷だ。
“ときおり芸術家が、世界を包括するような大きな題材のかわりに、一見小さな素材を取り上げて自らの創作力を証明するように、運命もまた、どうでもいいような主人公を探し出してきて、もろい材料からも最高の緊張を生み出せることを、また弱々しく意志薄弱な魂からも偉大な悲劇を展開できることを、わざわざ証明してみせることがある。そのような、はからずも主役を演じさせられることになった悲劇のもっとも