中野京子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ルイ16世よ、この人は本当に語る者によって評価が分かれるな。
先に読んだ『死刑執行人サンソン』では、サンソン自身が王を敬愛していたとは言え、それを差し引いても、王を擁護する書き方であった。
対してこちらは、重大な場面一つ一つで、王の判断のまずさが強調される。それに対比させるかのように王妃には好意的だ。
本書を読んだだけの感想で言えば、ルイ16世は驚くべき「無能」、この一言に尽きる。しかし歴史にifがない以上、彼が違う決断をしていたらどうなっていたかなど誰にもわからない。彼には彼なりの論理があった。本書は明らかに無能・優柔不断な王という評価ありきで書かれているため、そのままの印象を持つことには -
Posted by ブクログ
メンデルスゾーン、アンデルセン、スウェーデンのソプラノ歌手ジェニーの三角関係の物語。
中野京子さんの絵画シリーズはいろいろ読んだけれど、音楽シリーズははじめて。
小説仕立てになっていて読みやすかった。
メンデルスゾーンは軽いサロン音楽ばかりを作っていたイメージだったけど、
中野さんが言うようにもっと評価・研究されてしかるべき人なのかもしれない。
とりあえずメンデルスゾーンの曲を改めて聴いてみたくなった。
幼少期のうそのような可愛らしさにもびっくり。
ジェニーの歌声もいまとなっては楽しめないのが残念。
硬質でリリックでなめらかで、という言葉で想像を膨らませて「歌の翼に」を頭の中で再生してみよう。 -
Posted by ブクログ
ルーヴル美術館所蔵の絵画を中心に、硬軟おり交ぜてわかりやすく美術史、世界史の知識を得られてとてもお得な1冊です。
ルーヴル美術館所蔵作品の中でも特に有名なのが、表紙にもなっている、
「モナ・リザ」ですが、
この世界一有名と言ってもいい絵画について、中野先生は何を語られるのかな、と興味津々でしたが、
レオナルド・ダ・ヴィンチファンで平均よりは少し知識を付けているレベルの私が読んでも充分面白いものでした。
中野先生の著作を読んで面白いと感じた人なら、
この本も間違いなくオススメできると思います。
余談ですが、この本のカバーも、モナ・リザの顔の向かって左半分が表、右半分が裏になっており、
共に -
-
Posted by ブクログ
後輩ちゃんとの読書サークルにて、シュテファン・ツヴァイクがお題になったので、迷わずこの一作を選びました。とはいえ後輩ちゃんに教えてもらって初めてシュテファン・ツヴァイクを知ったんだけど。
女性の生き方を描いた作品は好きなのですが、どんな女性の物語でも好きなわけではないなあと思ってて。マリー・アントワネットは中でもすごく好きな歴史人物なので上巻だけでもすごく面白かったです。
傲慢な女王ではなく、純粋な王妃。分別とか自制心とか必要ないろんなものが足りなかったのは確かだけど、そうではなく、意志の強さや純粋さや気を許した相手への無邪気な優しさや、彼女の美点のいくつかがもうすこし足りなければ、こんな -
Posted by ブクログ
下巻はヴァレンヌ逃亡のあたりからアントワネットの最期まで。
つまり、暗く辛い。
1年間かけて、他の本を読む合間に読み、ようやく読破。
愚鈍なルイ十六世、平凡すぎた王妃、そして愛に生きたフェルゼン。
ルイ十六世の愚かさを詳細に記しており、アントワネットが最期に見せた聡明さと対比があざやか。
ツヴァイクの描写を読んでいると、アントワネットがフェルゼンに惹かれたのもとてもよく分かる気がした。
自業自得とは言い切れない、アントワネットの悲劇。
どこまでも平凡な女性が、非凡な運命をたどった皮肉をツヴァイクはたびたび指摘する。
ただ、それだけが原因ではなく、革命というまさに非凡なエネルギーが、ちっぽけ