中野京子のレビュー一覧

  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    親族間での結婚を繰り返した結果としての『ハプスブルク家顔』という、突き出たアゴと膨れた下唇の組合せが並ぶ絵にウケた。

    表紙のエリザベート皇后は美しいとの一言。

    マリーアントワネットを評したツヴァイクの言葉が残酷だ。
    “ときおり芸術家が、世界を包括するような大きな題材のかわりに、一見小さな素材を取り上げて自らの創作力を証明するように、運命もまた、どうでもいいような主人公を探し出してきて、もろい材料からも最高の緊張を生み出せることを、また弱々しく意志薄弱な魂からも偉大な悲劇を展開できることを、わざわざ証明してみせることがある。そのような、はからずも主役を演じさせられることになった悲劇のもっとも美しい例が、マリーアントワネットである。”

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    2023年02月09日
  • 災厄の絵画史 疫病、天災、戦争

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    「絵画は見るものではなく読むものだ⁉」と教えてくれた中野先生。災厄は遭うものではなく、鑑賞するものでありたい。自然災害に戦争、そして疫病。ペスト、梅毒、コレラ、結核、天然痘。医療が未発達の時代のパンデミック。未熟な土木での天災。身近に迫る死の恐怖に感情を揺さぶられ筆を執る。出来上がった作品は後世に残る。医学の発展、インフラ整備、平和外交。現代に生まれて一安心?…911と311、新型コロナにウクライナ危機。人類は災いを克服できていない。武器の発達で被害が激化。幸か不幸か、芸術作品はまだまだ生まれるのだろう。

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    2023年02月09日
  • 災厄の絵画史 疫病、天災、戦争

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    個人的にはあまり見ることのない作品であり非常に興味を持って読むことができました。今のコロナ時代を芸術家たちはどういう風に捉えるのか作者ともちょっと被ってますが非常に興味のある命題です。

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    2023年01月12日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    習った世界史はほんの少しだったので、少し名前が難しかったですが、読んでいて楽しい解説でした。筆者のツッコミが秀逸なのもおすすめです。

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    2023年01月04日
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ

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    フランスでは当初印象派の評価が低く、大量にアメリカに流出してしまったこと。そのように流出したスーラの「グランドジャット島の日曜日の午後」(シカゴ美術館)をフランスの団体が買い戻そうとしたけれどもできなかったこと。仕方なく引き取ったカイユボットの絵画が今ではオルセーの大切な展示となっていること。どれも知らなかったことで、興味深かったです。

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    2022年12月26日
  • 展覧会の「怖い絵」

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    中野氏の絵画の解説は面白く為になる。鑑賞には知らなくても良いかもしれないが、知る事によってより深く味わう事が出来る。第一章の「モッサ」の作品は初めて。これがいまから120年まえの作品とは驚いた。

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    2022年11月29日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    西洋史の学びとして面白い。帝国・王国の現代の感覚からかけ離れた戦略(主に結婚)が刺激的だった。こういうストーリーがあると歴史にも深みが感じられますね。

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    2022年11月28日
  • 異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む

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    ネタバレ

    この世には存在しないものを人間の想像力で表現することは絵の大きな価値の一つだなと、改めて感じました。

    といいつつ、私が気に入ったのは、ガスパー・フリードリヒ「ブナの森の修道院」1809-10頃と、ヴィルヘルム・ハンマースホイ「室内」1898。静かな風景の中に漂うどこか不穏な空気がぞわぞわして好きです。

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    2022年11月27日
  • 怖い絵 死と乙女篇

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    有名な絵から少しマイナーな絵まで、国や時代問わず掲載されています。

    この方の本は全体的に文に読みにくさはあるものの、学者特有の好きなものを存分に語る感じが出ていて面白いです。どんどん読み進めていって、気がついたら最後のページになっていました。

    皆様にも是非この怖いシリーズからお気に入りの一枚を探してほしいです。

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    2022年11月20日
  • 美貌のひと2 時空を超えて輝く

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    中野京子さんの著作を読む度に、絵画のドラマティックな面白さを感じさせられます。そして絵画を通して歴史を知ることが出来るのも楽しい。GODIVAのパッケージのロゴの女性(レディ・ゴダイヴァ)についても初めて知りました。
    この本もシリーズになって出版されて、「美貌のひと展」とかやっていただけると嬉しいです。

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    2022年11月06日
  • マリー・アントワネット 下

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    この巻は、フランス革命以降マリー・アントワネットの処刑までを描いていました。

    副題が「凡人の肖像」とあるように華美に聖人扱いしたり、極度に貶めたりしていない分、リアルさがありました。

    本を読んだり旅行をしたり、自分の世界を広げて己を広いフィールドのなかで客観視することの大切さを感じました。

    それでも、非人道的な暴力で不満の多い時代が「革命」や「維新」されることもあるのが「歴史」の定番なのでしょうが…。

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    2022年10月15日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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     ハプスブルク家という視点からヨーロッパ史をみると様々なことが整理される。著者の力も入っていてオススメ

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    2022年10月10日
  • マリー・アントワネット 上

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    池田理代子さんが『ベルサイユのばら』を描くきっかけ&参考にしたとされる本。
    アントワネットに関する記述がメインなので、ルイ16世がどう思っていたか等はわからないけれど、非常に読みやすく、これを3回くらい読んでおけばフランス革命のベースの知識は身に付きそう。

    生まれながらに自分は特別だと思うのが当然の地位にいて、多くの兄弟のなかでも末っ子的なポジションだと、どんなに親兄弟や周りがしっかりしろと言っても根本的に難しいのかも…。
    しかし、彼女の愚鈍さがフランス国民も含めて周りの人にどれだけの被害を与えたかを考えると、彼女の結末は仕方ないようにも思いました。

    途中からしつけようとしてもダメなんだろうね。
    日本の「三つ子の魂百までも」というのは正しくて、幼い頃に礼儀作法や周りへの感謝や配慮の心を持たせないとダメで、小さいからって甘やかすとこうなっちゃうのかも。

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    2022年10月09日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    名画と共に歴史を辿る作品。世界史にも名画にも疎いが、合わさると興味をひいた。その他のシリーズも読んでみたい。フェリペ2世追いかけたくなりました。

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    2022年10月06日
  • 名画の謎 ギリシャ神話篇

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    神話を描いた絵は、大きくて細かくいろんなことが書いてある物が多いので、本の挿絵になると細部が見えにくい。単行本でさえそうなのだから、文庫にするには向いていないと思う。

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    2022年09月24日
  • 残酷な王と悲しみの王妃2

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    ネタバレ

    今回も大変楽しく?読むことが出来た。
    ルートヴィヒ二世、アレクサンドル三世妃マリア、カルロス四世、カロリーネ・マティルデの4人。
    ルートヴィヒ二世とオーストリア皇后エリザベートの共通性は面白かった。二人とも若い頃は大変に美しい容姿をしており、そのために多大な期待を背負ったようだ。美しすぎると自意識過剰になって、精神を病むのか?プライドの高さと相反するような自信のなさと傲慢さ。私には理解しがたいが、理解するために必要な美しい容姿も持たないので、理解するのは不可能だろう。周囲の人々のほうが迷惑極まりないように思える。ルートヴィヒ二世は女性を愛せなかったことも不運だったと思う。

    アレクサンドル三世妃マリアは複雑な気持ちになる。もし彼女が庶民のお母さんだった非常に良妻賢母で非の打ち所がない母だと思えるだろう。けれども、これが国王のお母さんだったなら困ったことになることもある、と気づかされた。舅姑とも仲良くし、努力家で周囲に溶け込む努力をし、家庭の中で太陽であり続けた。結果として息子は皆マザコンとは…。家庭的良妻賢母は王の母には良くない?そして結婚では母の言うことを聞かなかった、それが王朝の滅亡の一因になる。これもエリザベートとの類似性を指摘される。

    カルロス四世、スペイン史上最悪の王妃の夫。ここまで王に不向きな人も珍しいというか、これも周囲が大変なパターンか、それとも口出ししないから楽なのか。マリーアントワネットとルイ16世夫婦と対比されていたが、カルロス四世とマリア・ルイサでは「ベルサイユのばら」のスペインバージョンは描けないように思う。スペインのマホ、マハ、スタイルの流行は日本の国風文化みたいなものか。

    カロリーネ・マティルデ。愛人と密通して追放となると、ゾフィー・ドロテアと同じ運命か、と思ったが、ジョージ三世の取りなしのおかげで、降嫁先デンマークから離れることが出来た。しかし、23歳で死去。ずっと幽閉されるよりはいいのか、どうなのだろう。彼女の場合、愛人と密通しても夫から激高されたわけではないようだ。王妃という立場は本当に危ういものだなあと思う。夫の性質に左右されるのはもちろん、国の政情、周囲の人間達の野心なども関係してくる。

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    2022年09月23日
  • 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語

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    貴族が自領を離れヴェルサイユへ引っ越すことを参勤交代に例えるなど、解説が分かりやすい。

    それにしても、フランス革命時にルイ16世がパリ市民に被せられた帽子が古代ローマ時代の解放奴隷の帽子に由来していたとは。
    事件のことも古代ローマの風習も知っていたが、この本でこれらが初めて結び付き「そういうことか!」 と膝を打った。
    敵意を持った市民が国王に帽子を被せられるほど接近できるなんて絶体絶命であり、市民はもはや少しも国王を崇敬していないのだな。としか思っていなかった。
    しかし市民が解放奴隷の帽子を国王に被せるということは、すなわち王権神授されたとされる国王を平民(市民)の手によりその身分(特権)から解放して(取り上げて)やるぞ。という皮肉が込められていたのではないだろうか。
    国王の味わった屈辱感は相当なものだっただろうと新たに思った。

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    2022年09月10日
  • 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

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    血で血を洗うとはこのことだろうか。
    底知れぬ暗色の混沌、なにより力が不可欠な統治、そして茫漠と非情。ヨーロッパとは何か異質の歴史を感じた。

    エカテリーナ二世がいくら傑出した人物だとしても、ロシアの血を持たない彼女が女帝になれたのはなぜ?
    と疑問に思っていましたが、皇女ソフィアやエカテリーナ一世そしてエリザヴェータと少しずつ外国人女性がツァーリとなる下地の積み重ねがよく分かった。

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    2022年08月27日
  • 大人のための「怖いクラシック」 オペラ篇

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    初心者向けのオペラ入門だったが、オペラ好きにも楽しめる内容でした。今回はオペラがメインだったので絵が小さかったのですが、絵ももうちょっと大きく見たかったなぁと思いました。

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    2022年08月24日
  • 名画で読み解く プロイセン王家 12の物語

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    ネタバレ

    プロイセン王家 ホーエンツォレルン家のお話。ホーエンツォレルン家、ファーストネームがややこしい。フリードリヒとヴィルヘルム以外の名前はないのか?しかも女性にヴィルヘルミーナまでいる。名前の多様性が欲しい。

    ポーランドに臣従していた国がポーランドを分割するようになるとは、思ってもみなかっただろうな。

    スペイン継承戦争でレオポルト1世がスペインを手に入れるため、プロイセンの兵力を当てにして見返りとしてプロイセンを王国にしたのは知らなかった。
    次代の王と先代の王が仲が良い、という例があまりないのも、他の王家と共通している。兵隊王(2代目)と大王(3代目)の仲の悪さは知っていたが、他もあまり良くないように思う。2代目のお妃がゾフアア・ドロテア。アールデンの公女の娘。こちらも母と同じ名前だ。アールデンの公女があまりにも鮮烈に覚えていたので、娘の方はあまり気にしてなかったけれど(兄はジョージ2世になるし)、娘はあのフリードリヒ大王を産むのか…。歴史ってなんだか凄い。
    兵隊王とフリードリヒ大王の仲の悪さは有名だけれど(昔のゲイは本当に命懸けだったんだろうなあ)、目の前で処刑って…。フリードリヒ大王の10年我慢も凄いけど。
    父がいうところの「笛吹きフリッツ」は多分ホーエンツォレルン家で最も有名な人物になる。恋人と逃亡したときに処刑されていたら、歴史はことごとく変わっていたのだ。大王が凄いのは分かる。運にも味方されている。しかもその運は自分の啓蒙主義から引き寄せた運だ。それでも王妃に全く関心を見出さなかったのは、何だかなあ。父王が死んだ後、離婚したら良かったのでは?久しぶりに会った妻に「マダムはお肥りになられましたか?」って…。
    大王の後、甥が後を継いだが、デブの女誑しって…なんというあだ名。これだけなら、愚鈍な王かと思うが、大王から受けた人口、領土を大きく増やした。ドイツ的であれ、と言いながら、フランス語を話していた大王に比べて、アカデミーの会員や劇場の監督をドイツ人に変えた。すこぶる有能。愛人いっぱいで家庭的ではなかったけれど。

    1848年、革命の嵐が吹き、ビスマルクが登場する。プロイセン王はドイツ皇帝になり、オーストリアと対決できる位の国となる。しかしビスマルクを辞職させ、第一次世界大戦が起こり、ドイツは共和制となり、王は亡命、ドイツ帝国は終焉する。

    今回は知っている絵が少なかったせいか、あまり絵に注目がいかなかった。けれども、歴史がよく分かる話で、とても興味深かった。

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    2022年08月18日