【感想・ネタバレ】名画の謎 旧約・新約聖書篇のレビュー

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Posted by ブクログ

満点の★5です!
中野さんの表現が面白すぎます。
ヴァチカンの腐った坊主どもを“どげんかせんといかん”なんて。。面白すぎます!
「へそ論争」「マリアだらけ」「ヨハネだらけ」と今まで絵画(名画)をまじまじと見たことが無いので、機会があればこの本とともに見に行きたいと思いました。
一つの絵を見て想像を膨らませることは、とても楽しめる趣向と思う大事な一冊になりました。

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2023年10月17日

Posted by ブクログ

旧約・新約聖書の数々の場面を描く名画たちを解説している。聖書を引用しながら詳しく説明してくれるので、絵画の内容とともに、キリスト教についても理解がすすむ。旧約・新約聖書、ともに矛盾する記述や、無茶苦茶だと思う記述が頻出するし、それが絵にも表れている。それに対する中野京子さんのツッコミがいちいち笑えて仕方がない。最初のアダムとイブが生まれるところから、矛盾だらけ。一緒に作られたの?それともアダムからイブは作られたの?「阿呆のままで楽園に閉じ込められ、死ぬこともできない身のどこが面白いのか」というツッコミなど、そうだそうだと思う。カインの妻など、勝手に湧いてくるし、アブラハムの酷い男ぶり、ヤコブの母たちが平気で人をだますのも、神やいろいろな人物たちのえこひいきの余りの多さ、どれもやれやれである。ユダヤ人の排他的なところや恨みの歴史が旧約聖書に反映されているとしか思えない。新約聖書に関しては、マリア信仰、マグダラのマリアなど聖書にないことまで想像力豊かに、絵画が描かれている。
とにかく、この本は読み物として最高に面白い。

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2021年08月12日

Posted by ブクログ

絵画鑑賞をする中で、必ず出会う聖書をテーマにした作品たち。
しかしクリスチャンではない人は、そこまで聖書を読み込んでなければ深くは理解できないもの。
そこにこの本を読めば、魅力的に感じた絵画をもっともっと楽しめるはず。
わかりやすく、他の作品(絵画にとどまらず映画・オペラも)を引き合いに出して語ってくれるので、時代背景含めて面白さが増します。
実は聖書に書かれていないキリストの誕生日が、受胎告知からの逆算で12月25日にされてるのがへぇ〜!でした。

中野京子さんの文章は中毒性がありますね。

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2020年11月29日

Posted by ブクログ

中野京子さんの本をたくさん読んできたおかげで、宗教画と聖書についても知識がついてきました。それでも忘れてしまうので復習が必要です。怖い絵シリーズでも登場した名画もあって思い出せました。知れば知るほどハマる!

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2020年11月02日

Posted by ブクログ

中野京子さんの名画の謎。新約聖書と旧約聖書から紐解く。
恥ずかしながら、旧約聖書と新約聖書の違いすら知なかったが、そんな聖書初心者にもわかりやすく書かれている。それに、八百万の神を信じてきた、ある意味無宗教の日本人の観点で著者もツッコミを入れてくれるので、
そうそう、それが疑問なんだよ!
と、とても楽しく読めるのである。
神がアダムとイブを創りだすところから、最後の審判までにわたる、要所要所の聖書の場面でふたつずつくらい絵画が紹介される。画家の見せ所の違いの紹介も面白い。
個人的に面白かったエピソードをいくつか。
ひとつめは、レオナルド・ダ・ヴィンチの受胎告知。マリアの純潔を表す白百合に、雌しべ雄しべがはっきりと描かれているなんて気付かなかった。人体に明るいレオナルドが、純潔で子供を生むことに懐疑的であり、それを絵画に忍ばせていたとしても何らの不思議もない!
もうひとつは、ミケランジェロの最後の審判。なんとなく、圧倒される威圧感のある絵だと感じていたが、それもそのはず。時の最高権力者ともいえるローマ教皇が、ルターに敗けないために、当時人気天才画家で圧倒的な権威を誇っていたミケランジェロの絵画で、カトリックの総本山であるシスティーナ礼拝堂を埋め尽くすことにしたのである!!道理でイエスが力強く(博愛というより)圧倒的な怖さを放っているわけだ!!
歴史を知ると、聖書を知ると、ますます絵画が面白い。おすすめです!

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2019年01月08日

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絵画鑑賞の予習・復習に役立つ。
なんとなくわかったつもり(読みながら、全くわかってなかったと気づく)だったことを、へ〜!! そういう意味だったのかと勉強になりました。でも、いかんせん、キリスト教になじみのない「八百万の神をもつ日本人」なので、きっとすぐに記憶は薄れ、復習に何度も手にとる1冊になるハズ

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2018年06月10日

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旧約聖書と新約聖書とわけて、それぞれの名画にからめて解説。
ざっくり言うと、キリスト前が旧約、キリスト誕生の頃からが新約。

知らないこといっぱい。
マリアもイエスもユダヤ人なのに、何故に欧米ではあんなにユダヤ人は嫌われてるんだろう。生首持つユーディトのこと、初めて知ったよ。
アトリビュートをもっと知識として持っていれば、もっと西洋画がわかるんだろうなあ。

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2016年10月31日

Posted by ブクログ

宗教美術にものすごく心惹かれます。
特にキリスト教。

沙羅双樹の下で涅槃に入った彼より。
我が国に八百万おわす神々より。

なかなかヘヴィな無理難題押し付けてくる唯一神とその周辺の人々の方に、魅力を感じるんですよねー。

支離滅裂にしか見えない言動オンパレードなキャラクタ大放出!な新約・旧約聖書が、絵画になった途端に一切のツッコミを受け付けない神聖さをまとっちゃう感が、すごく…好きなんです…←言い過ぎ

執筆当時の権力者の本意に沿って書かれてる感も興味深いし、聖人のモチーフを教会の意に沿ってしっかり描写しながら実はそれとは相反する画家の寓意もこっそり書き込んでるっていう解釈とかも好きやねん。すごくミステリーしてんじゃねーか!ってなんねん←結局それ

いつかまたイタリアとバチカンに行って、宗教絵画見たいなぁ。特にシスティーナ礼拝堂、あの空間にまた身を浸したい。

県立博物館様、浦添美術館様、
どうかどうか、とりあえず題は問いませんので宗教絵画をキュレートして頂けませんか。

印象派展観に行った時にリクエストしてみよっと。


【それ知らんかったわ〜おもろいわ〜なとこだけメモ】

・唯一神の筈なのに、「われらに似せて人をつくろう」って何でやねん。

・アダムの臍問題

・神はなぜ、アベルを贔屓したのか?(供物に差があった?)

・ノアの箱舟後の神「もう洪水で人類滅ぼしたりしないよん」→ソドムの町…

・バベルの塔は、何故神の怒りの対象になった?(その他の教会群は許されたのに)→ユダヤ人は、彼らの王国を滅ぼしたバビロニアがめっさ嫌いだった(バビロン虜囚)。
→→タロットカードの「塔」は、バベルの塔がモチーフ。正位置逆位置どちらもネガティヴな意味になるのは塔だけ。

・妻をファラオに献上し、息子イサクを神に供物として捧げ、エジプト人の侍女ハガルとの間に成した子イシマエルを砂漠へ追いやったアブラハム氏←

・イサクの息子ヤコブの騙し騙され周辺事情。

・旧約聖書で描かれる親子の物語の軸にあるのは「えこひいき」。

・ユダヤのヒロイン、ユーディト。アッシリア軍の将軍の首を切断!かのサロメとは、剣と大皿で見分けられる。

・描かれた人物たちは、アトリビュートが無ければほとんど断定が難しい。ex.ペテロは短剣、ユダは淡黄色

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2016年06月10日

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中野京子さんによる絵画に秘められた物語や謎をまとめたシリーズ。今回は旧約聖書・新約聖書篇。

宗教画は大変多く描かれているが、残念ながら実物は殆ど観たことがない。壁画が多く、現地に行かないと観られないことも原因だとは思うけれど、そういう作品を扱う展覧会が余り開かれないこともあるだろう。
宗教画は大変ドラマチックで美しいものも多いので、わたし自身も観たいし他の美術ファンの方々にも観ていただきたい。
いつか宗教画を集めた展覧会が開かれることを期待しながら、本で楽しむ。

キリスト教や聖書に馴染みのないかたにもわかりやすく説明がされているため、面白く読める。
聖書は登場人物が膨大で、名前が同じひとも多いため、わたしもよく混乱した。
信仰のために読むのでなければ、多少人物がごっちゃになったり、間違った認識をしてもわたしは問題ないと思う。
世界で最もよく読まれるベストセラーである聖書を、ひとつの名作として楽しめばいいと思う。こんなにも面白い人間ドラマをキリスト教徒にだけ楽しませるのは勿体無い。
聖書を読んでみるときに、絵画を観て知っておくと更にイメージしやすくなるため、中野さんの本は良いきっかけにもなると思う。

聖書には実は矛盾も多く、それについても少し言及されている。
カインとアベルの部分のおかしな点もわたしには理解出来ず、何度か司祭に訊ねはしたのだが、やはり納得出来ず、本書にも触れられているのを読んだが、まだスッキリしない。
でも、聖書のこういう齟齬は多々見られるので、いちいち引っかかっているといつまでも読めなくなってしまう。
こういうもの、と割り切って読むことも必要だ。

聖書にもキリスト教にも興味がないかたでも、絵画が好きなかた、もしくはミステリー好きなかたにも楽しめる謎に満ちた一冊。

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2016年05月10日

Posted by ブクログ

ヨーロッパ絵画を観に行けば、避けて通れない宗教画。
どこかやっぱり異世界のように感じる存在でしたが、この本の説明を受けて読むと、天使や神様にも人情味(?)が出てきたというか、物語性を見つけることができて、絵への興味深さが増してきます。
そして同じ場面を描いているのに、画家によってまったく違う風な絵となっている、というのも並べられると面白い。どれも宗教画、と画一的な感じで思っていましたが、いやいや想像力を駆使してい描かれているなあと思うのでした。
そしてさりげなく描かれた人物や静物や、その配置などの意味を知ると、絵画の計算高さに改めて感じ入ります。キリスト教を描いた絵画にもこれから興味を持った目線で見ることができそうに思いました。

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2016年04月16日

Posted by ブクログ

中野京子さんの「名画の謎」シリーズ。
旧約、新約聖書をめぐる神話の数々をモチーフとした絵画をまとめた一冊。

宗教画と聞くと、とっつきにくいイメージを多くの人が持っていると思う。絵画は風景画や、印象派の時代が好きな私も、ちょっと宗教画は敷居が高く感じる。

だけど、この本はそんな人たちにもとても分かりやすく書かれている。

旧約聖書、新約聖書の違いから、そのメイン登場人物や主な役割、など、巻頭で人物相関図もカラーで掲載されており、ビジュアルでまずすぐにその全体像が理解できる作りになっている。

旧約聖書ではアダムとイブ、アブラハム(この人はなかなか食えない人物である)、サムソンとデリラなど。
新約聖書ではイエスキリストとその周辺人物。

バベルの塔、受胎告知、キリストの洗礼、最後の晩餐、ユダの接吻、聖母被昇天、最後の審判、など、聖書の歴史の流れに沿った有名シーンの絵画が20作品掲載されている。
ブリューゲル、レンブラント、ドラクロワ、ルーベンス、ボス、ダヴィンチ、カラヴァッジョ、デューラー…など、1300年代から1800年代まで、描かれた時代自体は前後しながら行き来していく。
宗教画というのは、時代を越えて書き継がれて来た重要なテーマなんだな、ということがよく分かる。

一つ一つの神話のエピソードも、中野さんが端的に分かりやすく、現代風にツッコミを入れてくれながら解説してくれているので、その流れが頭にすんなり入ったし、面白かった。

ルーブルやウフィッツィ美術館で小難しい絵を素通りしてた過去の自分がもどかしい…。この本を読んでから行けばよかったな。

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2021年12月25日

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