中野京子のレビュー一覧
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古今東西、描かれてきた、異形のものたちの姿。
「書きたい」と「見たい」を中心に絵を読み解いてゆく。
第一章 人獣 第二章 蛇 第三章 悪魔と天使
第四章 キメラ 第五章 ただならぬ気配
第六章 妖精・魔女 第七章 魑魅魍魎
本書に登場した主な画家の一覧有り。
それは画家の突飛な想像力の産物であり、技術の結晶。
されど、噂のものを書いてみたい、見てみたいの欲の供給と需要。
信仰や地位の誇示、或いは裸体を書きたい&見たいの欲もある。
そんな異形の数々を各章のテーマ毎に読み解いていく。
乗馬の姿が人馬一体となってケンタウロスとか、
遥か昔の神話や伝聞に登場するモノたちとか、
不確実な存在は、大 -
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「怖い絵」で大ブレイクした著書の初のエッセー集。エッセー集と名乗ってはいるのだが、こう言ってはなんだがエッセーというよりは……雑文集? エッセイもあるが、展覧会の紹介文やら書評やらもありで、いろんなところにいろいろ書いたのをとにかくガサーッと集めました、という趣。
しかしだからといって面白くないというわけではない。文章はほどよく整っていて読みやすいし、絵画だけでなくヨーロッパ芸術全般についての深い知識が惜しみなく供され、へーっ、ほーっ、ふーんと頷きながら楽しむことができる。
残念だったのは、触れられている絵画がすべて図版として収録されているわけではないということ。まあこれは「怖い絵」のような絵 -
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山岳ばかりで寒冷なスイスは極貧に喘ぎ、14~18世紀には男たちは傭兵として出稼ぎをするしかなかった。それにしても、スイスの傭兵のファッションの奇抜さは群を抜いている。体半分で模様が違う服を着ているし、動きやすいように腕のスラッシュ(切れ込み)を入れたのも彼らが最初らしい。「俺らは命を懸けてんだぜ、どんな服装をしようと文句あるまい」とばかり、派手さはエスカレートするばかりだったという。日本のバサラみたいである。ルイ14世の赤いサンダル、美脚を見せるタイツ姿、気持ち悪いねえ。フェルメールの「地理学者」が着ているのは、日本の丹前らしい。驚いた。12世紀に流行った貴族のトンガリ靴も凄いなあ。これで前蹴
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天使や悪魔、蛇に妖精、魑魅魍魎。
中にはそんな具体的なものは描かれていなくても「空間」「建物」に異形性を感じるものも。
そんな「怪」を感じる絵を集めて解説した一冊。
中野先生の著作を読んでいるとお馴染みの作品も多く(「怖い絵展」で見かけた作品も多数)完全なる新鮮味は少ないかもしれないが、ジャンル分けされたものをジャンルごとに一気に見られるというのは、また見方が変わって興味深かった。
驚いたのは、蛇の章で(異論はあると書かれてはいるが)蛇を一度も見たことがない猿や赤ちゃんでも蛇を恐れるという点。
DNAレベルで刻まれているということだろうか、あの蛇に対する畏怖の感情は。
日本に限らず、世界各地