中野京子のレビュー一覧

  • 名画と建造物

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    建物や塔、風車、船など、様々な建造物を描いた名画を紹介する本。

    1枚ずつ、まず見開きで絵があって、それからその絵についての解説が来るという構成なのだが、
    解説は堅苦しいものでなく、画家のエピソードだけでなく、その絵に描かれた建造物の歴史や描かれた当時の時代背景についても書かれていて、
    解説を読んでから絵を見返すとその絵の描かれた背景も含めて、見え方が変わってくることもあって、読んでいて楽しい本だった。

    ただ、本という媒体のどうしようもないところとして、見開きのページの境で絵が見切れる部分があるのが残念。

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    2023年12月15日
  • 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

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    ネタバレ

    ロマノフ家と言えば、ピョートル大帝か一家全員銃殺されたニコライ二世あたりが有名かなと個人的には思うけれど、流石300年続いた一族、エピソードには事欠かない。
    女帝への道の基礎を作った女傑ソフィア、やたら短命なツァーリたち、とにかく家族仲が悪い、そしてやたら逞しく太ましい女帝たち……いやもう、本当に濃い。

    そんなロマノフ家を様々な絵画を通して追いかけていく一冊。
    勿論ラスプーチンもいますぞ。
    あの嘘かよとツッコミを入れざるを得ないエピソードも勿論紹介されていて、今回もツッコミを入れました。
    人間ではなかったのかもしれん。

    びっくりしたのは、ロマノフ家の話なのに日本人のしかも女性のイコン画家が出てきた件。
    先にも挙げたニコライ2世が日本贔屓だったこと、大津事件の被害者なのも知ってはいたが、日本に来た彼へのお土産として渡すイコン画を日本人女性が手掛けていたことを全く知らなかったので驚いたの何の。
    男性ですら西洋画家を名乗るのも難しかったであろう時代に女性がイコン画とはと。
    彼女の波乱万丈であっただろう人生を思うと、いたたまれなくなるというか……エピソードを見る限り、逞しかったようにも思うが。

    とにかく血生臭いエピソードの多いロマノフ家、「うわあ」と思いながらも興味深く読ませていただきました。
    『怖い絵』など他の著書でも登場した絵も出てくるので、馴染みあるものもあるかも。
    流石中野先生、複雑な歴史でも大変読みやすかったです。

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    2023年12月02日
  • 運命の絵 なぜ、ままならない

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    ネタバレ

    『怖い絵』シリーズは、ある1枚の絵の対するエピソードを語っていくスタイルだったと思うが、この本はあるテーマやエピソードに対して複数枚の絵を紹介していくスタイル。
    例えば男性のロマンティシズムを皮肉ったエピソードのときは、『新曲』を書いたダンテとベアトリーチェを描いた絵と、生き様がダンテに似てしまったある画家の自身のベアトリーチェなる女性を描いた絵を紹介している。
    ダンテの生涯と、後者の画家の生涯を比較し、若くして亡くなった運命の人ベアトリーチェにロマンを馳せた彼らをばっさりぶったぎっている。
    小気味い。

    他にも有名な絵から無名の絵まで様々。
    個人的にはゴヤの鬼気迫るゲリラの絵、そして手術の光景を描いた明暗の対照的な2枚の絵が印象的だった。

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    2023年12月02日
  • 名画と建造物

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    エッフェル塔は革命百周年の万博の出し物。建設には多くの反対があったが今や街を象徴する建造物。同じくパリを代表するルーヴルはもとは森の要塞だった。展示物の多くはナポレオンが欧州中から略奪したもの。世界一の来館者を誇る建物は別名”泥棒”美術館。ベルリンの正門「ブランデンブルク門」。冷戦時代は壁が分断する。門の上のヴィクトリア像の表しか見えない東と後ろしか見えない西。オペラ座は馬蹄型。舞台がみにくい側面席。それでよいのは社交の場だから...風景、静物、人物画。数ある画題の中で建物に焦点をあて歴史の雑学を学ぶ。

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    2023年11月12日
  • 新 怖い絵

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     『怖い絵』『新 怖い絵』一気に読破。面白くて為になる。

     ふだん美術や絵画に馴染みの無い層向けに"怖さ"という独特の切り口で娯しみ方(絵画の"読み方")を教えてくれる。


     主役はもちろん名画の数々なのだが解説文にも筆力扛鼎たるものがある。片言隻語も忽せにしない筆致がより一層名画の世界観ー絵画には物語があるーを引き立てている。

     それもその筈で著者はその昔小説の賞に応募して最終候補まで残ったこともあるという独逸文学者だ。名画の解説それ自体が一つの文芸の域に達していると言えよう。

     過不足なく雕琢された美しい日本語で極上の名画を"読む"。この読書体験は実に得難いものである。

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    2023年10月27日
  • 名画で読み解く イギリス王家12の物語

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    再読。絵よりもイギリス王家の物語がとても面白い。王家といってもヒトだと実感させられるし、高潔ともいえない。政治に関与されるとはた迷惑な時もあるような。存続のスキームは、やはり「君臨すれども統治せず」

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    2023年10月26日
  • 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語

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    新婚旅行でパリに行ったため、予習のため読んでいた。

    ロマノフ、ハプスブルクも読んできており、やっぱり中野さんの文章は読みやすいしとっつきやすい。

    ちょうどパリでルーブル美術館に行く予定があったため、本書が大いに役立った。歴史を学ぶという意味でも、絵画が描かれた背景を知るという意味でも。
    ルーブル美術館ではルーベンスの『マリー・ド・メディシスの生涯』を見ることができたし、なぜこの絵が描かれたのかという背景も事前知識として持っていたのが良かった。
    また、『ナポレオンの戴冠式』はルーブル美術館にもあるがヴェルサイユ宮殿にもある。なんとどちらも本物のようだ。この細かさと大きさの絵を2枚も描いたということ…。

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    2023年10月21日
  • 怖い絵

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    怖いの基準は人それぞれ違うから、私にとっての怖いと著者にとっての怖いは違うなと感じた。ただ共感する部分もあったし、ヘンリー8世の肖像画は怖いねってなった笑
    結局人間が1番怖いな、、って世界史とか歴史を学ぶと感じる。

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    2023年10月20日
  • 大人のための「怖いクラシック」 オペラ篇

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    オペラを知らない人に向けた入門書。会話形式のパートを交えながらオペラの成り立ちや入門者向けの作品などについて解説する。作者や時代背景、原作の戯曲やオペラで上演されるストーリーの違いにも触れている。くだけた文体でかなり読みやすい。

    オペラには興味が無かったし入門書レベルと言っても読み通せるかどうか……と若干心配しながら読み始めたけどオペラって思ったより楽しそうだなと思えた。見方を知るって大事。

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    2023年09月28日
  • 新版 中野京子の西洋奇譚

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    中野京子さんの作品といえば絵画がつきもの。本書は必ずしも絵画と絡めて述べられてるわけではないけれど、面白かったです。
    21の西洋奇譚と余話。
    巻頭の「ハメルーンの笛吹き男」が一番面白かった。多くの子供達が消息不明になるという部分は実話なんですね。てっきり創作かと思っていました。子供達が行方知れずになった原因を研究者が研究していることも知りませんでした。幾つかの説が記載されてましたが、真実は如何に?気になります。

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    2023年09月24日
  • 大人のための「怖いクラシック」 オペラ篇

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    会話形式で読みやすく、1幕、2幕と簡潔に内容がまとめられているので楽しく読めます。
    オペラ入門とあるように名の知れたものばかりなのでオペラを知りたいという分には十分か、少し物足りなく感じるくらいです。1時間かからずにサラッと読めるので名前が出てくる音楽を聴きながら読むのが楽しいと思います。
    中野京子さんの本ですが、どこも怖くないです。

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    2023年09月16日
  • 怖い絵 泣く女篇

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    前に読んだのが面白かった本シリーズ。語りの妙によって、何となく絵の描かれた背景まで理解出来たように感じられるのが良い。ある意味、個人的ホラー特集の一環かも。

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    2023年09月14日
  • 運命の絵 もう逃れられない

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    1作目を飛ばして読み始めてしまったが、とても面白かった
    絵画って自分の解釈でしか見たことがなかったからこれを読んでから本物を見に行ったらきっと世界が変わって見えるんだろうなあ

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    2023年09月06日
  • 中野京子の西洋奇譚

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    「怖い絵」で有名な中野京子さんが西洋の伝承・伝説を解説する本。

    雑誌の連載をまとめたものらしく、一つ一つのトピックは短く読みやすい。最初の「ハーメルンの笛吹き男」がかなり詳細に語られていて感心したが、トピック毎の文量が結構違って読み進めるともう少し深く掘り下げて欲しいな…というようなものもあった。

    創作のネタになりそうなものを手軽にたくさん知れたのは大きかった。

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    2023年08月31日
  • 名画で読み解く プロイセン王家 12の物語

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    ドイツ史といえば、フリードリヒ大王とビスマルクでしょうか。ヴィッテルスバッハ家の美女の肖像画も秀逸です。カイゼル髭のヴィルヘルム二世も近代史につながる重要人物です。

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    2023年08月27日
  • 中野京子の西洋奇譚

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    文も読みやすく、歴史にも上手く搦めての語り口で大変読みやすい。
    色々な『どこかで聞いたかも』という話が、丁寧に扱われているのがとても良かった。こういう怖い話、不思議な話というものは、何度読んでも面白いなあ…なんて思った。

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    2023年08月25日
  • 名画で読み解く イギリス王家12の物語

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    エリザベス1世前後の激動が興味深いイギリス史。
    多くの王女の斬首、魔女狩り…女性史とも言える。
    …そしてやっぱり、ロンドン塔のホラー。

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    2023年08月20日
  • 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語

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    ヨーロッパ、特にスペイン、フランス、イギリスの探求が止まりません。
    ブルボン家=歴代ルイ(特に14世)による、“これぞ王族”のきらびやかな衣装、宮殿、逸話の数々。
    ルーブルにヴェルサイユ、厚みのあるマントを羽織った肖像画。芸術の開花…
    そこから生まれた物語「三銃士」「ヴェルサイユのばら」…
    末路はともかく、この足跡たるや!!

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    2023年08月20日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    ヨーロッパ史において外せない名門家の1つ。
    血族に執着した結果の系図…
    遺伝上の問題からの病気など、まさに歴史ホラーです。
    フランスとスペイン、プロテスタントとカトリックを巡る複雑な絡み合い…
    歴史の授業では理解しきれなかったのは当然です。
    大人になって学び直す楽しさ!

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    2023年08月20日
  • 怖い絵

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    再読。文庫ゆえ絵が小さいのが難点。ともかく怖さには、描かれた絵からわかるものもあれば、その背景の怖さにあって、同時代に生きていない私たちに分かりにくいものがあり、ナビゲーターの中野さんに案内されて理解を深め、面白さを伝えられる。今回の再読では、怒りに囚われて予期せぬ事態を生み出す意味で、ルドンの「キュクロプス」と、レービンの「イワン雷帝とその息子」には、近しいものを感じた

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    2023年08月20日