中野京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレロマノフ家と言えば、ピョートル大帝か一家全員銃殺されたニコライ二世あたりが有名かなと個人的には思うけれど、流石300年続いた一族、エピソードには事欠かない。
女帝への道の基礎を作った女傑ソフィア、やたら短命なツァーリたち、とにかく家族仲が悪い、そしてやたら逞しく太ましい女帝たち……いやもう、本当に濃い。
そんなロマノフ家を様々な絵画を通して追いかけていく一冊。
勿論ラスプーチンもいますぞ。
あの嘘かよとツッコミを入れざるを得ないエピソードも勿論紹介されていて、今回もツッコミを入れました。
人間ではなかったのかもしれん。
びっくりしたのは、ロマノフ家の話なのに日本人のしかも女性のイコン画家が出てきた件。
先にも挙げたニコライ2世が日本贔屓だったこと、大津事件の被害者なのも知ってはいたが、日本に来た彼へのお土産として渡すイコン画を日本人女性が手掛けていたことを全く知らなかったので驚いたの何の。
男性ですら西洋画家を名乗るのも難しかったであろう時代に女性がイコン画とはと。
彼女の波乱万丈であっただろう人生を思うと、いたたまれなくなるというか……エピソードを見る限り、逞しかったようにも思うが。
とにかく血生臭いエピソードの多いロマノフ家、「うわあ」と思いながらも興味深く読ませていただきました。
『怖い絵』など他の著書でも登場した絵も出てくるので、馴染みあるものもあるかも。
流石中野先生、複雑な歴史でも大変読みやすかったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『怖い絵』シリーズは、ある1枚の絵の対するエピソードを語っていくスタイルだったと思うが、この本はあるテーマやエピソードに対して複数枚の絵を紹介していくスタイル。
例えば男性のロマンティシズムを皮肉ったエピソードのときは、『新曲』を書いたダンテとベアトリーチェを描いた絵と、生き様がダンテに似てしまったある画家の自身のベアトリーチェなる女性を描いた絵を紹介している。
ダンテの生涯と、後者の画家の生涯を比較し、若くして亡くなった運命の人ベアトリーチェにロマンを馳せた彼らをばっさりぶったぎっている。
小気味い。
他にも有名な絵から無名の絵まで様々。
個人的にはゴヤの鬼気迫るゲリラの絵、そして手術の光景を描いた明暗の対照的な2枚の絵が印象的だった。 -
Posted by ブクログ
『怖い絵』『新 怖い絵』一気に読破。面白くて為になる。
ふだん美術や絵画に馴染みの無い層向けに"怖さ"という独特の切り口で娯しみ方(絵画の"読み方")を教えてくれる。
主役はもちろん名画の数々なのだが解説文にも筆力扛鼎たるものがある。片言隻語も忽せにしない筆致がより一層名画の世界観ー絵画には物語があるーを引き立てている。
それもその筈で著者はその昔小説の賞に応募して最終候補まで残ったこともあるという独逸文学者だ。名画の解説それ自体が一つの文芸の域に達していると言えよう。
過不足なく雕琢された美しい日本語で極上の名画を"読む"。この読書体験は実に得難いものである。 -
Posted by ブクログ
新婚旅行でパリに行ったため、予習のため読んでいた。
ロマノフ、ハプスブルクも読んできており、やっぱり中野さんの文章は読みやすいしとっつきやすい。
ちょうどパリでルーブル美術館に行く予定があったため、本書が大いに役立った。歴史を学ぶという意味でも、絵画が描かれた背景を知るという意味でも。
ルーブル美術館ではルーベンスの『マリー・ド・メディシスの生涯』を見ることができたし、なぜこの絵が描かれたのかという背景も事前知識として持っていたのが良かった。
また、『ナポレオンの戴冠式』はルーブル美術館にもあるがヴェルサイユ宮殿にもある。なんとどちらも本物のようだ。この細かさと大きさの絵を2枚も描いたということ…。