あらすじ
「なぜ?」から始まる読書の楽しさ
誰もが知っている物語の裏側には、誰も知らない豊かな世界が広がっている!継母が意地悪なのはなぜ?魔女の正体は?ガラスの靴はどうして小さい?「怖い絵」シリーズで人気を博す作家・中野京子がナビゲートする、童話『シンデレラ』のもうひとつの味わい方。
はじめに── 『シンデレラ』は幼い少女の夢か
第1講 誰もが知っている物語 ── ペロー&ディズニー版「シンデレラ」
第2講 誰も知らない物語 ── グリム版「シンデレラ」
第3講 昔話とファンタジー
第4講 物語は終わらない
シンデレラ関連作品/主要参考文献
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ペロー版、グリム版、ディズニー版を比較し、それぞれの国の当時の文化などが色濃く反映されているという解説に納得。何もせずただ幸運を待ち続けるシンデレラ(ペロー・ディズニー)が広く浸透したのは、夢を見ていたいからとのこと。
私も幼少期に特別好きではなかったものの、ディズニー映画のシンデレラをよく観ていた。フェアリー・ゴッドマザーが魔法で変身させるシーンがとても魅力的だったから。「カボチャの馬車」や「ガラスの靴」、「12時までのタイムリミット」という幻想的なアレンジを生み出したペローの功績は計り知れない。ずっと夢見がちなのは困るが、現実を忘れて夢を見る時間もたまには必要と思う。
Posted by ブクログ
大人になってからグリム童話を読んだことがあって、なかなかグロいなア、と感じたことを覚えています。
そのときは、ただそれだけ感じただけだったのですが、この講義を読んで、なるほど、と。
グリム童話は、グリム兄弟の研究の成果だった、ということ。
研究成果とは、ドイツ家庭で語り継がれてきたお話をヒアリングし、まとめ上げた結果であったこと。
子どもに聞かせるお話というより、学術的要素が強くなりすぎて、挿絵すらない本であったこと。。。
語り継がれるお話、ということは、それそのものが昔の文化であり、マスコミ・本といった手段がない時代の庶民の娯楽、場合によっては語り手が注目を浴びる一つの文化であったであろうということ。
それぞれの家庭で、子どもたちは親が話してくれるお話を、目を輝かせて聞いたであろう、昔を想像しました。
子どもの反応を見ながら、親はお話をアレンジできた(した)ことは容易に想像ができます。
「ほんとうにシンデレラは、何も努力せずに待つだけのつまらない存在、否定すべき存在なのでしょうか。もしそうなら、なぜこれほど愛され続けているのでしょう。それとも努力しないで出世したという、まさにそのことこそが無力な人間の癒しとなり、世界中で愛され続けている真の理由なのでしょうか。」(あとがきより)
やっぱり成功している人は、運もあるでしょうけれど、努力しています。
運だけで幸せはこないです。夢を見るお話ということなのでしょうか。
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2年前にとあるところから持ってきていたハシバミの実が芽を出しています。
なかなかかわいいのですが、葉が増えません。冬だから?
ほかの作家さんと勘違いしていました。へえ、大学で講義までされているんだ、さすがだなあ、と思っていました。
ごめんなさい(そっくりなんだもん)。