中野京子のレビュー一覧

  • 新版 中野京子の西洋奇譚

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    「ディアトロフ事件」が気になって、ネットで広告避けながら読むより紙媒体で読みたくて調べたら中野京子さんの著作を発見。読み読み。
    名画シリーズはかなり読んでたつもりだけど、切り口を変えても変わらぬ面白さ。
    「ブロッケン山の魔女集会」では「魔女狩りの実相を知れば知るほど人間であることが嫌になってくる……。」「もうすぐフランス革命という時期まで魔女狩りがあったことに、暗澹たる思いを抱かぬ者はいないだろう。魔女と認定されて殺された者の総数は、正確にはわかっていない。研究者によって4万、数十万、数百万と、大きな開きがある。いずれにせよ、拷問中に死んだものはカウントされていない。」など、ただ残忍な奇譚を書き連ねて満足しているだけではない著書の人柄が伺える。ドヤッと残酷話を書き連ねて満足してるような一冊ではないのが良い。

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    2024年05月30日
  • 愛の絵

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    ネタバレ

    やっぱり中野先生の絵画解説は面白い。
    今回のテーマは「愛」
    恋という甘酸っぱいものから、嫉妬に狂う愛、子供を想う親の愛、その他異類婚やアイドル的憧れに至るまで様々な愛の物語。
    個人的には『デカメロン』から派生した『イザベラとバジルの鉢』そして『タレット階段の逢瀬』が印象的だった。
    どっちも悲恋ですけども。
    あと表紙絵も。
    あの詩の内容からこんなに慈愛に満ちた絵を生み出すとは……画家の優しさがたまらない……!

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    2024年05月20日
  • 大人のための「怖いクラシック」 オペラ篇

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    知識ゼロから少しずつオペラを知っていける構成となっていて、会話文のような形で説明されます。最近クラシックにハマり、歌劇、楽劇とつく曲が多いので手に取った本。なかなかの収穫がありました。

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    2024年05月10日
  • 名画で読み解く イギリス王家12の物語

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    イギリス王家12の物語。
    イギリス王家と聞いて思い浮かぶのは、エリザベス1世とメアリ・スチュワート、アン・ブーリン、ヴィクトリア女王でしょうか。見事に女性ばかり、悲劇と繁栄の女性たちですね。

    12の物語も、国家としての栄光の下の光と影を色濃く描き出しているものばかりに思います。それを繰り返しながら、現在でも王室が続いているのが素晴らしいというか、恐ろしいというか、歴史の面妖さなんでしょうか。
    紹介されている絵画は、テューダー朝から始まりスチュワート朝、ハノーヴァー朝、そして現在のウィンザー朝へと続く12枚。それぞれ王朝の血脈が絶え、他の血脈に変わるというわけでなく、かすかに繋いでいるというのが他の3作で紹介された王朝との大きな違いで魅力ですかね。ブルボンともハプスブルクともロマノフとも違う形で命脈を保っているイギリス王家。タイトルが〜朝でないのは、そういうことかと読み終えて納得です。

    「私はイギリスと結婚した」というのはエリザベス1世の言葉。王朝の名前が変われど、王家と国家が離れずにいるのは、この言葉が発せられた時から王家と国家の婚姻関係が続いているからかもしれない。と感情に任せた感想を抱いてしまいました。

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    2024年05月09日
  • 愛の絵

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    様々な「愛」の形を描いた絵画を基にその時代背景や画家などを徹底解説している。サクッと楽しく読めて見知らぬ名画に触れられる。
    西洋画が主だが、日本の話も色々と語られており勉強になった。それにしても流行病に振り回されたり、貧困によって犯罪が多発したり、いつの時代も結局、人は人なのだ。

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    2024年05月01日
  • 異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む

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    昔から妖怪とか怪獣とかが好きだったので、結構楽しめた。怪物は、人間の部位(目、手足等)を増やしたり、減らしたり、別の動物をくっつけたり、してるものが多い。怪物で表現したいことによって、女性的か男性的かは変わってくる。
    ヒエロニムス・ボスの絵はごちゃごちゃしてて、色々なクリーチャーが描かれていて、観るのが楽しくなってくる。
    蛇は実在する動物だけど、苦手な人も多いイメージがある。子供の頃に木から蛇が落ちてきたときは、すごいビックリしたなぁというのを思い出した。

    アルチンボルドとハンマースホイが気になる。

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    2024年04月27日
  • 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

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    ロマノフ家12の物語。
    ロマノフと聞いて思い出すのは、大津事件とラスプーチン、そしてアナスタシア。ただ、「ゴールデンカムイ」の存在でアレクサンドル2世暗殺事件の印象も強い。
    エリザヴェータとエカテリーナ女帝のふくよかな肖像画。この2人の女傑があるから、ソフィアはああいった女丈夫になったんじゃなかろうか。

    個人的なことですが、第10章の山下りんにものすごく琴線を震わされました。彼女の存在を知っていたわけではないのですが、たまたま最近本屋さんで見かけて買ったのが、彼女を書いた小説「白光」でした。この本を読む前だったし、山下りんという人を知っていたわけでないのに、面白そうと思って買った本が予想外につながってしまったという奇跡。自分しかわからない感情ですが、運命的な衝撃でした。大袈裟かな。
    なので、次は「白光」読もうと思います。この昂った気持ちが静まる前に、わくわくを抱えたまま。

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    2024年04月16日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    ブルボン王朝に続いてハプスブルク家12の物語。
    ハプスブルクといえば、マリア・テレジアとマリー・アントワネット。マリア・テレジアは「少女時代のマリア・テレジアの肖像画」がすぐに思い浮かびます。美人さんだという印象。今回肖像画のタイトル改めて調べて「少女時代」ということに驚く。でも、マリア・テレジアの肖像画の中で一番綺麗だな、と思うのです。でも少女時代ということだとロリコンみたいなことになりそうだ。
    違いますよ。

    ブルボン王朝で書いた婚姻関係の複雑さの原因は、ほとんどハプスブルクにあるのではないでしょうか。それがあってこその650年という王朝の長さになったとはいえ。
    ただ、ルイ14世のような世界を謳歌したという印象はないです。マリー・アントワネットやエリザベート、マクシミリアンの最期のせいではなく、歴史の表舞台に颯爽と現れた英雄という印象がないせいかもしれません。
    いや、マリア・テレジアは英雄ではあるのだろうけど、隣のフリードリヒ大王の方が色濃く写ってしまいます。
    ま、それも知ってゆくにつれて変化してゆくことですね。その感情の変化を楽しむことができるのも歴史の楽しみ方だと思います。

    「ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世」のインパクトの強烈さ。この1枚の強烈さに勝る絵画はないでしょう。表紙のエリザベートの美しさもすばらしいですが、野菜や果物で描いたという衝撃には敵わない。

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    2024年04月12日
  • 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語

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    12枚の絵画を通してフランス・ブルボン王朝の歴史を紐解く1冊。
    ちょこちょこ小説で読んでいる人物が絡んでくると、急に解像度増す気がするから歩楽しい。
    こういう自分の中にある知識の点と点が、読書中に線になって繋がってゆく瞬間がたまらなく気持ちいい。おそらくこの瞬間の気持ちよさのために読書をし続けているのだな、と思います。
    その瞬間は、読書中だけではなく、ゲームでも映画でもたわいのない会話中でも同じ。

    ふとした瞬間に、繋がる気持ちよさ。知識が繋がるのはとてもいいです。

    絵画は12枚だけでなく、各章ごとに補足するためにいくつか追加で紹介されています。知っていたのは「ガブリエル・デストロとその妹」乳首摘んでるやつですね。思春期には印象は強いですこの1枚。「ぶらんこ」スカートの中覗いているやつ。あの貴族に気づいてなんちゅう性癖絵画だと思った記憶。
    「ナポレオンの戴冠式」「アルプスを超えるナポレオン」「民衆を導く自由の女神」の有名すぎる3枚。
    「メデュース号の筏」極限の暗さ。

    世界史というかヨーロッパ史の複雑さは、各時代各国の婚姻関係にあると思います。
    これに比べたら、日本史の同じ感じ使用している名前(偏諱のせい)が多くて覚えられない、なんて戯言じゃないかと思うんですけどねぇ。まあ、覚えられないと言っている時点で覚える気持ちを半ば放棄していると思うので、死ぬ気で覚えるしかないのですが。テストなら丸暗記でいいのでしょうが、物語として楽しんでいる身としては、するする覚えたい。

    なので、点と点が繋がると気持ちがいいのです。あ、この知識がランクアップしたという感覚。他人にはわかりづらいでしょうが、楽しいのです。

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    2024年04月11日
  • 名画と建造物

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    やっぱりすごい…と引き込まれる解説に何度も絵を見返す。
    名画と呼ばれるもののなかでも、建築物や構造物にスポットライトを当てた本。
    表装のバベルの塔は空想想像を超えて本当はあるんじゃないかとさえ思えてしまう不思議。

    たくさん紹介されているけど、モネのサンラザール駅の骨組みは素敵だなあ。好きだなぁ。
    中野さんの解説でより深く深く好きになって行く。

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    2024年03月14日
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語

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    ハプスブルク家の長い歴史を学ぶ最初の書物として推薦したい。王家の皆様にあまり魅力を感じなかったが、純潔を守ろうとして結局途絶えたのは皮肉だと感じる。残念ながらオーストリア、ウィーンにある絵画の紹介は少ないが、エリザベス皇后の肖像画は、ぜひ実物をみたい。

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    2024年03月14日
  • 愛の絵

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     『星たちを引き連れた夜』、幼子の死というどうしようもなく残酷なテーマを扱いながら、これほど愛とやさしさに満ちた作品があるのか。


     何もしなければ死は単なる現象に過ぎない。ともすれば忌避すべきものですらある。しかしその死に真っ向から取り組み、価値ある作品に昇華したとしたら、それは芸術の本懐だと思った。

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    2024年02月27日
  • 愛の絵

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    いつもながら、中野京子さんの解説は本当に面白い。感情の表現。様々な愛のかたち。ドラマチックです。
    ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス『毒をまくキルケー』、ジョン・ホワイト・アレクサンダー『イザベラとバジルの鉢』
    『タレット階段の逢瀬』抑えた思いが切ない。
    そして表紙にもなっているエドワード・ロバート・ヒューズ『星たちを引き連れた夜』これは元々好きで部屋にカードを飾ってある。

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    2024年02月23日
  • 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

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    ロマノフ王朝時代のロシアは-今も同じかもしれないが-怖いと感じる。正直、絵画よりも怖い。掲載されている絵画のうち惹きつけられるものはおおくなかった。むしろロマノフ王朝時代の世界観、暗殺、虚偽の公式発表など、内にいる限り、暮らしていくのも一苦労だ。
    ✔︎皇女タラカーノヴァ
    ✔︎ヴォルガの舟曳き
    本作には掲載されていないが、
    ⚫︎イワン雷帝とその息子(怖い絵に収録)

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    2024年02月11日
  • 名画で読み解く プロイセン王家 12の物語

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    シリーズだと知らずに買ったので、他の五冊もあわせて読みたいと思います。
    ヨーロッパの本を読むのは二回目です。(前回はレミゼラブル。感動したのを覚えています)
    カラーで、絵画も多くて楽しめました。

    本には教科書に載っていないエピソードが沢山あります。
    印象と違った一面を覗かせることもあり、人物への考え方も変わりました。
    もっと勉強してから読むと面白さが増すと思います。

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    2024年02月05日
  • 愛の絵

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    ●ヘラが奪ったエコーの言葉。ナルキッソスに思いが伝えられない。木霊が繰り返されるだけ●美女を巡って男が2人。決闘で死んだのは女。嫉妬する理由がなくなった2人は仲直り●その文面は「神への愛のため、私に施しを」ナポリに存在した「物乞い許可証」●画家を諦めた姉と姪を描くベルト。二人を愛すが寂しさも●マルスを魅了し引き留める人妻ヴィーナス。戦争の神の不在で停戦となる。不倫も許されるのか?●衰弱するペットの大蛇。何も食べない理由は飼い主を食す準備か?…西洋美術の中に見出す”愛”の表現。美しくもあり、残酷でもある。

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    2024年02月05日
  • 残酷な王と悲しみの王妃2

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    中野京子さんのご本はどれも面白いが、
    この巻ではここ数年宝塚で上演された作品に登場するマリア・フョードロヴナやストルーエンセの話が載っており、ヅカヲタ的にはより楽しめた。
    マリア・フョードロヴナの姉がイギリス王室に嫁いでいたことは初耳だった。つくづくヨーロッパの婚姻関係は入り組んでいる…

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    2024年02月05日
  • 危険な世界史 運命の女篇

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    マリー・アントワネットの人生から±100年くらいの歴史コラムをまとめた本。数々の映画も紹介されており、気になったのは「カサノヴァ」「椿姫」あたり。「ピアノ・レッスン」(曲だけ有名なので知ってる)も出ていて驚いた。ニュージーランドの話だったとは知らなかった。暗そうであんまり見る気は起きないが…。

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    2024年02月04日
  • 美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯

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    歴史の小難しい話は苦手‥な私でもとっても面白くてあっという間に読んじゃった。
    昔から気になる存在のマリー・アントワネット。ヴェルサイユ宮殿にも行ったことあるソフィアコッポラの映画も見た。本当に運が悪いし、運命に翻弄された彼女だけど、人々の記憶に残り続けるのは確か。美術品や絵画を見ると、マリーアントワネットの美的センスや審美眼がよくわかるなぁ。(もっといろんなのを見てみたい!)
    全然同情できない贅沢三昧の時期を経て、不幸になってからは王妃として、母として肝が据わった感じ。やっぱりマリーアントワネット好きかも。(ルイ16世はクソ。)

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    2024年02月03日
  • 名画と建造物

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    建造物を描いた絵画。新しい出会いもありましたし
    中野京子さんの解説で見るとまたこれまでと違った感覚がある。シャガールの「七本指の自画像」が良かった。また美術展企画して下さらないかなーと思う。

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    2023年12月21日