中野京子のレビュー一覧
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男女問わず描かれた24人の、善悪を超えて魅了する美貌を探る。
第1章 伝説のなかの美しいひと・・・6作品
第2章 芸術に愛されたひと・・・6作品
第3章 数奇な人生を辿ったひと・・・6作品
第4章 権力に翻弄されたひと・・・6作品
カラー画像は、表題作24作品と、比較できる作品や写真が1~2枚。
絵画に描かれた美貌のひとたち、第二弾。
描かれた背景、描かれた時代、描かれた人物、そしてエピソード。
善悪を超えて魅了する彼らの美貌の真実を探る。
自らの美貌を知るが故の、誇らしげな美しいドヤ顔。
美貌故の悲劇の、到来を予感させる顔。
ある者たちは伝説の中から姿を現す。
また、ある者たちは虚実あれども、時代に、権力に、運命に
翻弄され、稀なる人生を歩む。
儚き美貌の椿姫。ワイルドを翻弄したダグラス卿。
憂いの瞳のベアトリーチェ・チェンチ。
コンピューター関係で名を残した、エイダには、驚き。
アニー・オークレーは、絵よりも写真の方が美しいなぁ。
男であれ、女であれ、その美貌を残した彼らは、
数奇な人生と運命をも、共に残し、後世に名を残している、と。
第二弾も一気読み。読み易いし、
比較できる作品や写真が見やすいのも、良かったです。 -
Posted by ブクログ
古今東西、描かれてきた、異形のものたちの姿。
「書きたい」と「見たい」を中心に絵を読み解いてゆく。
第一章 人獣 第二章 蛇 第三章 悪魔と天使
第四章 キメラ 第五章 ただならぬ気配
第六章 妖精・魔女 第七章 魑魅魍魎
本書に登場した主な画家の一覧有り。
それは画家の突飛な想像力の産物であり、技術の結晶。
されど、噂のものを書いてみたい、見てみたいの欲の供給と需要。
信仰や地位の誇示、或いは裸体を書きたい&見たいの欲もある。
そんな異形の数々を各章のテーマ毎に読み解いていく。
乗馬の姿が人馬一体となってケンタウロスとか、
遥か昔の神話や伝聞に登場するモノたちとか、
不確実な存在は、大いに想像力を刺激し、異形のものを
生み出しています。時代や環境によって変容していることも。
廃墟に異形を感じる絵画は、過剰な量の異形のものたちよりも、
畏怖の度合いが高く、虚無の感覚が背筋を寒くします。
あの映画やあの曲の原点である絵があるのも、良かった。
ただ、今回は持論をかなり前面に押し出してる感じが漂います。
文中の説明に合わせて、絵の一部を拡大したり、
矢印で示すのは分かり易くて良かったけれど、
1枚の絵を見開きで見せるのは、ページの狭間の真ん中の部分が
埋没して見にくい。新書サイズというのも、難点です。 -
Posted by ブクログ
「怖い絵」で大ブレイクした著書の初のエッセー集。エッセー集と名乗ってはいるのだが、こう言ってはなんだがエッセーというよりは……雑文集? エッセイもあるが、展覧会の紹介文やら書評やらもありで、いろんなところにいろいろ書いたのをとにかくガサーッと集めました、という趣。
しかしだからといって面白くないというわけではない。文章はほどよく整っていて読みやすいし、絵画だけでなくヨーロッパ芸術全般についての深い知識が惜しみなく供され、へーっ、ほーっ、ふーんと頷きながら楽しむことができる。
残念だったのは、触れられている絵画がすべて図版として収録されているわけではないということ。まあこれは「怖い絵」のような絵が中心の本ではないのである程度はやむを得ない。肝となるような絵はだいたい収録されているので、他にどうしても見たい絵があれば自分で探せる世の中で助かった。
あと、書評に限らず、取り上げられている本に興味をそそられる本が多く、いろいろ読んでみたい本が増えてしまった。
中野京子さんの著作は初めて読んだのだが、こんな感じでスルスル読めるなら他の本も読んでみたいなあと思いました。 -
Posted by ブクログ
山岳ばかりで寒冷なスイスは極貧に喘ぎ、14~18世紀には男たちは傭兵として出稼ぎをするしかなかった。それにしても、スイスの傭兵のファッションの奇抜さは群を抜いている。体半分で模様が違う服を着ているし、動きやすいように腕のスラッシュ(切れ込み)を入れたのも彼らが最初らしい。「俺らは命を懸けてんだぜ、どんな服装をしようと文句あるまい」とばかり、派手さはエスカレートするばかりだったという。日本のバサラみたいである。ルイ14世の赤いサンダル、美脚を見せるタイツ姿、気持ち悪いねえ。フェルメールの「地理学者」が着ているのは、日本の丹前らしい。驚いた。12世紀に流行った貴族のトンガリ靴も凄いなあ。これで前蹴りをすると、相手を刺し殺せるかも。いやはや、いろんな流行を見ることができて、西洋絵画も面白い。30編。
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Posted by ブクログ
天使や悪魔、蛇に妖精、魑魅魍魎。
中にはそんな具体的なものは描かれていなくても「空間」「建物」に異形性を感じるものも。
そんな「怪」を感じる絵を集めて解説した一冊。
中野先生の著作を読んでいるとお馴染みの作品も多く(「怖い絵展」で見かけた作品も多数)完全なる新鮮味は少ないかもしれないが、ジャンル分けされたものをジャンルごとに一気に見られるというのは、また見方が変わって興味深かった。
驚いたのは、蛇の章で(異論はあると書かれてはいるが)蛇を一度も見たことがない猿や赤ちゃんでも蛇を恐れるという点。
DNAレベルで刻まれているということだろうか、あの蛇に対する畏怖の感情は。
日本に限らず、世界各地で神聖視され畏れられている理由が少し分かった気がした。
あと、異形を描くのは圧倒的に男性画家が多いという点にも驚いた。
確かに怪獣に興奮するのは男性に多い。
その理由も、この本を読んで分かった気がする。