中野京子のレビュー一覧
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今は歴史にしか残らないプロイセンという名の国
ドイツの前身とも言える国がどのように出来て行き、近隣諸国との関わり変化の経緯がとても分かり易い書き方で記されている。
中野京子さんの本は怖い絵でもあるように、自然と興味を持つような言葉で惹きつける。
絵画から紐解いていく当たり、ただの文章で史実を述べられているのとは違う納得感がある。
たくさんの邦国からなる国が、プロイセンとなり、ドイツ連邦となり、戦争へと突入し敗戦し、また敗戦していく。
そんな成り行きの元となるものが垣間見れる良書である。
手にしやすい分量であり大変お勧め!歴史が好きな人には是非読んで欲しい。 -
Posted by ブクログ
15名の画家たちの名画と「絶筆」で彼らの生き様を探る。
第一部 画家と神ー宗教・神話を描く
I ボッティチェリ『誹謗』II ラファエロ『キリストの変容』
III ティツィアーノ『ピエタ』IV エル・グレコ『ラオコーン』
V ルーベンス『無題』
第二部 画家と王ー宮廷を描く
I ベラスケス『青いドレスのマルガリータ』
II ヴァン・ダイク『ウィレム二世とメアリ・ヘンリエッタ』
III ゴヤ『俺はまだ学ぶぞ』
IV ダヴィッド『ヴィーナスに武器を解かれた軍神マルス』
V ヴィジェ=ルブラン『婦人の肖像』
第三部 画家と民ー市民社会を描く
I ブリューゲル『処刑台の上のカササギ』
II フェルメール『ヴァージナルの前に座る女』
III ホガ-ス『ホガース家の六人の使用人』
IV ミレー『鳥の巣狩り』V ゴッホ『カラスのむれとぶ麦畑』
関連画家年表有り。
「絶筆」というより最晩年の作品も・・・だが、所謂彼等の
名画や幾つかの作品と共に示されると、画家の生涯や遍歴が
浮かび上がってくる。彼らは「何を描いてきたか」。
画家となり、簡略ながらも詳しい生涯。
画家になった者たち・・・何故画家になったのか?生活?栄誉?
その生い立ちは様々でも、それぞれが歴史に名を残した事実。
画家たちの視線・・・何を捉えたのか?何を描いたのか?
神話や信仰、依頼人たちの望み、描かねばならなかった事情。
そして等しく死は訪れる。
宮廷に捉わる、主君の代替わり、絵画の流行の変遷、戦争、
革命等、時代の荒波の揉まれ、最期の時に辿り着く。
「絶筆」はその画家の生き様の終着点。
信仰に捉われ、絶頂期とはほど遠い絵を残した、ラファエロ。
権力欲に捉われ、死ぬまで画家の強靭な姿を残した、ゴヤ。
死の直前まで手元に置いたという、穏やかな顔の使用人たちの
ホガースの油彩画は驚き。彼の油彩画をもっと見たくなりました。
多作の著者の作品の中でも、特に満足感高し!
手元に置いて何度も読みたいです。 -
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情報量が多い!最高!
倒置法を用いた次章への引きで往年の美の巨人たちを思い出した。
本書はドイツ統一を果たしたプロイセン:ホーエンツォレルン家のおはなし。
1701年、スペイン継承戦争のドサクサでプロイセンは公国から王国へ昇格し、王朝の始まりとなった。以降、9代、217年で幕を閉じる。
フリードリヒ1世(猫背のフリッツ)
フリードリヒ・ヴィルヘルム1世(兵隊王)
フリードリヒ2世(大王)…生前から死後まで国内外で大人気の大スター
フリードリヒ・ヴィルヘルム2世(デブの女たらし)
フリードリヒ・ヴィルヘルム3世(不定詞王)…王妃ルイーゼが人気
フリードリヒ・ヴィルヘルム4世(ひらめ)
ヴィルヘルム1世(白髪王)…鉄血宰相ビスマルクと二人三脚。ドイツ統一しドイツ帝国皇帝へ。
フリードリヒ3世(我らがフリッツ)…即位後数ヶ月で病死
ヴィルヘルム2世(最後の皇帝) -
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旧約・新約聖書の数々の場面を描く名画たちを解説している。聖書を引用しながら詳しく説明してくれるので、絵画の内容とともに、キリスト教についても理解がすすむ。旧約・新約聖書、ともに矛盾する記述や、無茶苦茶だと思う記述が頻出するし、それが絵にも表れている。それに対する中野京子さんのツッコミがいちいち笑えて仕方がない。最初のアダムとイブが生まれるところから、矛盾だらけ。一緒に作られたの?それともアダムからイブは作られたの?「阿呆のままで楽園に閉じ込められ、死ぬこともできない身のどこが面白いのか」というツッコミなど、そうだそうだと思う。カインの妻など、勝手に湧いてくるし、アブラハムの酷い男ぶり、ヤコブの母たちが平気で人をだますのも、神やいろいろな人物たちのえこひいきの余りの多さ、どれもやれやれである。ユダヤ人の排他的なところや恨みの歴史が旧約聖書に反映されているとしか思えない。新約聖書に関しては、マリア信仰、マグダラのマリアなど聖書にないことまで想像力豊かに、絵画が描かれている。
とにかく、この本は読み物として最高に面白い。 -
Posted by ブクログ
はじめに「「それまで気づかなかった新たな美」「怪の中に人間の本質を見出し」と著者は書いている。観る方としてはそうだが、画家たちは、どうかなあ。ほとんどの画家は、そんなことは考えずに、心から楽しんで描いているような気がする。ボスやブリューゲル、アルチンボルドなんて、特にそうだよ、絶対に。
①人獣ー人魚、セイレーン、ハルピュイア、ケンタウロス、魚面人間
②蛇ーイブをそそのかした蛇、ラミア、メドゥーサ、大海蛇、ミッドガルト蛇、ヒュドラ、エリクトニウス
③悪魔と天使ー尻に顔のある悪魔、聖アントニウスを誘惑した悪魔、反逆天使、レッドドラゴン、疫病をもたらす悪魔、聖痕を与えるビームを出す天使、顔しかない天使、巨大天使、傷つけられた天使
④キメラーキマイラ、ケルベロス、スフィンクス、一角獣、グリフィン
⑤ただならぬ気配ーフリードリヒ「ブナの森の修道院」、セガンティーニ「悪しき母たち」、ベックリン、ギーガー「死の島」ピラネージ「牢獄Ⅶ跳橋」、エッシャー「滝」、エル・グレコ「トレド眺望」、ハンマースホイ「室内」、ホッパー「線路脇の家」
⑥妖精・魔女ーグノーム、妖精、リチャード・ダッド「お伽の樵の入神の一撃」=「フェアリー・フェラーの神業」(クイーンの曲名)、サバト、国を破壊する聖女にして魔女(モッサ「エル」)
⑦魑魅魍魎-ルドン「キュクロプス」、フュースリ「夢魔」、ブロンツィーノ「愛の寓意」、ボス「快楽の園 地獄」、ブリューゲル「反逆天使の堕落」
ホッパーの絵がヒッチコックのサイコのインスピレーションのもとになったというのには驚いた。勿論、クイーンの曲もね。ハンマースホイの絵にただならぬ気配を感じ取るとは、なるほどねえ。 -
Posted by ブクログ
クイーン&プリンス展でイギリス王家に興味を持ったので、監修されていた著者の本を読みました。
歴史を知って絵を見るとかなり深みが出ます。世界史めちゃくちゃ嫌いだったけど、こんなストーリーを教えてくれてたらすごく興味持てたのにな…
ヘンリー八世の女性遍歴が酷すぎて興味を持ったので、クイーン〜展で知った内容を改めて詳しく読めたのがよかった。個人的にはアン・ブーリンとその娘エリザベスが気になります。
ヨーロッパの王家について知れたのも教養としてめちゃくちゃ良かった。イギリスではプロテスタントとカトリックで大揉めしてた印象。他の文献も読んでもうちょい頭に入れたい! -
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宝塚でアナスタシアを見て、ロマノフ家の歴史に興味を持った。
同著者のハプスブルク家の方を読んで、この方の本なら間違いないと思った笑
まじでめちゃくちゃ面白かった!
世間に相手されない田舎の国からヨーロッパの国々と肩を並べる大国になり、そして一家処刑されるまでの歴史。
めちゃくちゃ面白いんだけど、ロシア史は重く感じる。すぐ暗殺したり拷問するし隠蔽する…。
そして気に入らないやつはすぐシベリア送りにするのが面白かった。日本で言うところの隠岐みたいな感じですかね。シベリア広しといえども、これだけの人数シベリア送りにしてたらそこで文明が発達しても良さそうな。。
そして思ったより血を重視していないというか。生粋のロシア人ではなくドイツ人とか、他国の血が色濃く入っていてもツァーリになれる点は他の皇室とは違う気がした。
ゴールデンカムイやはいからさんなど、ちょうどロシア革命前後や日露戦争、アレクサンドル二世の暗殺など、ちょうど時期が被ってるのですごい面白かった。
ロシア史もっと勉強したくなった。