中野京子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
歴史の教科書ではその時代の最後にちょこっと
芸術史が入ってきてそのときに名前を覚える画家たち。
しかし本書を読むと一人一人その歴史の中で翻弄され
生き残るにはかなりの苦労をしていることが分かります。
時代によって、主題も、聖書→神話画、肖像画→
日常的な絵画、とテーマも変わっていくため
本書では「画家と神」「画家と王」「画家と民」と
項目が分けられており、最後になにを描いたか、が
取り上げられています。
時代の要求に合わせられなかったり、絶筆なのかと
驚くほどにまったく能力が衰えていなかったり、
逆に全盛期ほどの能力はもうその絵には見られなかったり…。
個人的には80歳を超えたゴヤの自画 -
Posted by ブクログ
洋画の絵解きをエッセイとして楽しめる本だ。シリーズものだが、私としてはこの本から入った。怖い絵というのだが、何が怖いのかをエッセイの中で明かしてくれる。
私たちが恐怖を感じるのは説明のできない何かを感じたときなのかもしれない。理解不能の事実を突き付けられたときに恐怖は生まれる。本書で紹介されている絵画にはその意味での様々な意味不明が登場し、明かされていく。
一つの作品をどのように解釈するのか、鑑賞するのかは個人の自由だと思う。ただミレーの「晩鐘」をダリが解釈した見方はどう考えても邪道であり、絶対そうではないと思う。しかし、その作品がそういう幻想を抱かせたのなら、少なくとも鑑賞者の心象は虚 -
Posted by ブクログ
概ね300年間に及ぶ、ロシアのロマノフ朝時代に関して「絶好の入門書」となっていると思う。「ロシア史?」と多少なりとも関心が在る方には強くお薦めしたい感の一冊だ!
本書では、各節の導入部で画を紹介している。絵画作品に関しては、史上の出来事や言い伝え、伝説の様になっている事件等に題材を求めたモノや、君主の肖像画というようなモノが多々在る。そういうような作品を紹介しながら、題材になっている事件や人物に関連する物語が展開する訳である。
ロマノフ朝は混迷の中から産れ出た…そういう状況が語られた後、「過ぎる程」に劇的な側面も在る、歴代皇帝達の歩んだ人生や、彼らの治世下での様々な様子が綴られている。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ相変わらずの面白さで2日足らずで読み終わりました。
一番印象に残ったのは、ヨルダーンスの『豆の王様』。現代を生きる私たちはハレとケの境目が曖昧になっている、という著者の見解を読んでからこの絵を見ると、確かにここまで我を忘れて酒を飲むこともないな、と感じます。
表紙を飾るレーピンの『皇女ソフィア』もインパクトが大きい。まさかここまで壮絶な兄弟喧嘩が過去にあったなんて、と驚きました。
解説で村上さんも書かれてましたが、本当に一作品一作品、映画を見ているような気持ちになります。絵が書かれた背景を知れば知るほど怖くなる。このシリーズ、もっと読みたいです。 -
Posted by ブクログ
いや、見つけたら読んでしまう。
これは良かったな。今までロシアって自分の中でブラックボックスだったんだよね。ドストエフスキーの話に出てくる貧乏な家庭の描写はすさまじいんだけど、本当にこんなに貧乏だったのかとか、何でこんなにこの国は秘密工作だのスパイだの暗殺だのなんだか穏やかじゃないことがまかり通りそうな雰囲気があるのかとか、
そういう疑問は、こういう歴史の中から来ているんだッテいうことが垣間見られてすごく良かった。
ロシアの絵わりに好きなのよね。っていうかでもレーピンさんとか、マレーヴィチさんとか、知ってる人少ないけど。
もうすこし学んでみたいと思わせてくれる一冊だったことは確かです。