講談社文庫作品一覧

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  • 歩兵の本領(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
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    一週間の後に、私は自衛隊特有の鉄と亜麻仁油の匂いのない自由な世界へと戻っていく。任期満了で退職するのは、正当な権利なのだから。だが除隊前夜、非国民呼ばわりするロートルの坂崎一曹と徒手格闘した私の胸を去来したものとは。男の矜りの不変性を教える感動短編。浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』表題作。
  • 越年歩哨(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
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    大晦日に上番する警衛隊の弾薬庫で、しかも午前零時からの越年歩哨を命じられるなんてひどい話だ。しかも、去年はクリスマス・イブの上番だったのに。宝クジがあたるよりも難しい不運を嘆く赤間に、営内班の強面たちが次々に声をかけてくる。娑婆とは違う、自衛隊の序列を教えてやろう――。浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』所収。
  • 脱柵者(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
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    少々頭が足りず、背も足りず、自衛隊の入隊資格を満たしていない佐藤の相棒として、ひよわな大学出の高津は考えざるを得ない。力こそ正義、階級こそ絶対――いじめられつづける佐藤と自分を思うとき、そんな自衛隊と一般社会との断絶はあまりに大きすぎる。一刻も早くふつうの人間に戻りたい、と高津はひとり走り出した。浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』所収。
  • シンデレラ・リバティー(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
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    入隊三ヵ月にして出た外出許可。帰隊時間は二十二時、必ず相棒と行動を共にせよ――。だが、佐々木はマミ、今野はチャコに会いに行くために、別行動をとることにした。すがすがしい娑婆の空気。心残りの女。でも、三ヵ月という時間は、やっぱりそれぞれの恋を大きく変えていた。浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』所収。
  • 入営(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
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    空腹を抱えて彷っていた歌舞伎町で見知らぬオッサンの口車に乗せられ、書類にサインまでしてしまった。明日はいよいよ朝霞駐屯地に行くらしい。米山は市ヶ谷駐屯地の闇の中でしみじみと考える。なぜここに来たのか、この先どこに運ばれていくのか。そもそも自分はいったい誰なのか? 浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』所収。
  • 門前金融(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
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    自衛隊員専用の高利貸「青年援護会」から法外な利息で三万円の借金をした。信じがたい安月給、きつい訓練、日課となっている「いわれなき体罰」。好きで入ったわけじゃない自衛隊だけど、一等陸士赤間三郎は思うのだ、娑婆ではみんなそれぞれによんどころない事情を抱えているんだと。浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』所収。
  • バトル・ライン(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
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    渡辺は娑婆にいたときから腕っぷしには自信があった。自衛隊でもすこぶる優秀。だから和田士長に「かわいがられ」つづけている。惚れたホステスへの純情も踏みにじられた。いつか必ず殺してやる――。人も鳥も獣もいない芒の原野、演習の夜間斥候で千載一遇のチャンスが訪れた。浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』所収。
  • 小村二等兵の憂鬱(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
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    物を大切にする軍隊では、たとえ軍手一枚でも亡失は許されない。員数合わせは帝国陸軍以来の伝統なのだ。だが、小村二等兵は補給点検の前夜、大いに青ざめた。新隊員教育隊で支給された半長靴が一足なくなっている。このままでは、怒鳴られて始末書、幹部室で正座。外出と休暇は取り消し、全員の靴磨きと洗濯が待っている……。浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』所収。
  • 若鷲の歌(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
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    予科練出身で大男、徒手格闘術特級。そんな噂とともに着任した川原准尉は、旧式の制服を着た貧相なロートル。幹部待遇を拒み、営内のいわれなき制裁や体罰を咎めたりする妙な男だった。ある晩、亡霊が出ることで有名な宿舎の不寝番を命じられた私は、信じがたいものを見てしまう。浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』所収。
  • 卒業写真(『霞町物語』講談社文庫所収)
    4.0
    大学受験を目前にしながら飲んだくれた翌朝、僕とキーチと良次の卒業写真を撮ると祖父が言い出した。震える膝と、節立った両掌、その体に写真を撮る力はもう残っていないはずなのに――。それは、僕らの青春の千分の一秒をなによりも正確にきりとった、奇跡のような写真だった。
  • すいばれ(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    不羈奔放のあげくにその夏湘南を追い出された僕は、キーチとたどりついた内房の海岸で「谷さん」に出会った。いきずりの恋をしたミサをめぐって覚えた初めての嫉妬と「谷さん」の告白。高度経済成長期の申し子としての幸せな青春の中で、僕らは大人の分別を学ぶことになる。
  • 遺影(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    祖母の四十九日法要がすんだ10月も半ば、あの日歌舞伎座であった老紳士が祖父に遺影を撮ってもらおうとやってきた。いつも明るい母は絶句し、穏やかな父は目を吊り上げる。そして明らかになる美しかった祖母と家族の秘密とは。
  • 雛の花(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    僕が歌舞伎座で目撃したことは、もしかしたら夢なのかもしれない――。芝居のときにはいつも3階の大向うに席をとっていた祖母はその日、幼かった僕を間に挟んで、品のよい老紳士と大名桟敷に入った。別れ際に渡された花束、内証の約束。ほどなくして祖母に癌が見つかる。
  • グッバイ・Dr.ハリー(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    赤坂のど真ん中にある都立高校に通っていた僕らは、家の近所の六本木や青山、銀座で毎晩遅くまで遊んだ。ある晩、防衛庁の並びにあった僕らの根城「ハニー・ビー」に新任の外国人教師、ドクター・ハリーが迷い込んできた。帰国子女のクラスメート理沙と日本語をまったく話せないハリーは、その晩を境に恋に落ちてしまったのだった……。
  • 青い火花(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    地下鉄日比谷線の開通とバス路線によって都電廃止が決まり、僕の家の写真館の未来も時代の要請に従うしかなくなっていた。その年のクリスマス・イブの夜、墓地下で、すでにボケはじめていた祖父はライカで、入婿の父はペンタックスで花電車を撮影したその一瞬――。強情な祖父と心優しい父の師弟物語。
  • 夕暮れ隧道(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    その夏の僕には、うっとうしい油蝉の鳴声と「ドック・オブ・ザ・ベイ」と、真知子の匂いと、もうひとつ忘れ難い友人がいる。昼も夜も、いつもぼんやりと僕らの後ろにいた二〇歳の同級生鴇田君だ。補修が終わり、学年のマドンナ真知子をやっとの思いで誘い出した恋人岬で偶然に出会った鴇田君たちが、僕らの恋を成就させてくれたのだが……。
  • 霞町物語(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    フラッシュライトが炸裂し続け、フロアに踊り狂う若者たちが分解写真のようにしか見えない店の中で、どうして明子の姿だけをそうもはっきりと覚えているのだろう――。青山と麻布と六本木の台地に挟まれた霞町で、大学受験を控えた高校生の僕らの青春は、それでも精一杯輝いていた。甘くせつない恋の物語。
  • 限定版 お父やんとオジさん 特別付録
    -
    妻の弟と両親を救うために戦時下の朝鮮半島に上陸したという、著者の父親の実話をもとにして書かれた感動巨編。『大人の流儀』の源流ともいうべき作品を、これからの時代を担う若い人たちにも読んでもらいたいという思いで、映画に舞台にTVドラマと幅広く活躍する若手俳優の小出恵介さんと対談。世代を超えて伝わるメッセージ! 本編の構想を伝える、幻の短編「上陸待ち」を収録。(講談社文庫)
  • 虚構の彷徨 ダス・ゲマイネ
    5.0
    左翼運動への裏切りと鎌倉海岸での心中未遂、縊死未遂の告白を軸に、小市民的モラルを否定しながらも惨落と自負の意識に痛ましく引き裂かれていく青春の日々、その絶望の乱舞を、道化の言葉でつづった、「道化の華」「狂言の神」「虚構の春」という、いわゆる『虚構の彷徨』三部作。他に、芥川賞落選で精神的に追い込まれた同時期に書いた「ダス・ゲマイネ」も併録。
  • ブラフマンの埋葬
    値引きあり
    3.7
    ある出版社の社長の遺言によって、あらゆる種類の創作活動に励む芸術家に仕事場を提供している〈創作者の家〉。その家の世話をする僕の元にブラフマンはやってきた――。サンスクリット語で「謎」を意味する名前を与えられた、愛すべき生き物と触れ合い、見守りつづけたひと夏の物語。(講談社文庫)
  • 熊の場所
    値引きあり
    3.7
    猫殺しの少年「まー君」と僕はいかにして特別な友情を築いたのか(『熊の場所』)。おんぼろチャリで駅周辺を徘徊(はいかい)する性格破綻(はたん)者はゴッサムシティのヒーローとは程遠かった(『バット男』)。ナイスバディの苦学生であるわたしが恋人哲也のためにやったこと(『ピコーン!』)。舞城パワー炸裂の超高純度短編小説集! (講談社文庫)
  • 犬婿入り
    値引きあり
    3.9
    多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が「犬婿入り」の話をしていたら本当に〈犬男〉の太郎さんが押しかけてきて奇妙な2人の生活が始まった。都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作と「ペルソナ」の2編を収録。(講談社文庫)
  • NO.6〔ナンバーシックス〕 #1
    値引きあり
    4.0
    2013年の未来都市《NO.6》。人類の理想を実現した街で、2歳の時から最高ランクのエリートとして育てられた紫苑は、12歳の誕生日の夜、「ネズミ」と名乗る少年に出会ってから運命が急転回。どうしてあの夜、ぼくは窓を開けてしまったんだろう? 飢えることも、嘆くことも、戦いも知らずに済んだのに……。「わたしはNO.6という物語の中で、生きる希望とやらを掴んでいけるのだろうか」――あさのあつこ
  • マザー・グース1
    値引きあり
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 おもしろくってくそまじめ、ナンセンスまた奇怪千万、ユーモア、ペーソス、どたばたにやり……。あらゆるおかしさがひしめきあうへんてこりんな世界。いまや全地球的財産になった「マザー・グース」の軽妙絶妙の訳に、たのしい挿絵がついた。この巻にはハンプティ・ダンプティ等が登場して全96篇。全4巻。
  • どうで死ぬ身の一踊り
    値引きあり
    3.6
    大正時代に極貧の生活を赤裸々に描いた長篇小説『根津權現裏』が賞賛されながら、無頼ゆえに非業の死を遂げた藤澤清造。その生き方に相通じるものを感じ、歿後弟子を名乗って全集刊行を心に誓いつつ、一緒に暮らす女に暴力を振るう男の、捨て身とひらき直りの日々。平成の世に突如現れた純粋無垢の私小説。
  • 女のはしょり道
    値引きあり
    3.8
    キレイになりたい! でもめんどくさい! という著者が、自己流に“はしょり”つつもさまざまなことに挑戦していく姿と、その女子ゴコロの機微をオモシロ愉快に描いたぐ~たらビューティー漫画。お世辞にも美容マニアとはいえない著者ならではの“赤裸々な本音”満載で、抱腹絶倒! 手間をかけずにキレイになりたい!!――この女性たちの願望をくすぐる(または反面教師の)エピソードがぎっしり詰まってます。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 神様ゲーム
    値引きあり
    3.7
    自分を「神様」と名乗り、猫殺し事件の犯人を告げる謎の転校生の正体とは? 神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか謎の転校生・鈴木太郎が事件の犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。そして、鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか?
  • A2Z
    値引きあり
    3.8
    文芸編集者・夏美は、年下の郵便局員・成生と恋に落ちた。同業者の夫・一浩は恋人の存在を打ち明ける。恋と結婚、仕事への情熱。あるべき男女関係をぶち壊しているように思われるかもしれないが、今の私たちには、これが形――。AからZまでの二十六文字にこめられた、大人の恋のすべて。読売文学賞受賞作。
  • あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント
    値引きあり
    4.0
    未知の自分に出会う! 新しい私になれる自己プロデュース術! 「顔」や「髪型」「服装」と同じように、どうして、自分の「声」や「体」「感情」「言葉」に気を遣わないんだろう? 普段あまり関心をもたなかったモノを見詰め直せば、魅力的なひとになれる。20年以上、演出家として役者たちを間近で育ててきた著者が、自己プロデュース術を大公開。「新しい自分」を発見できる1冊。(講談社文庫)
  • 大きな森の小さな家 大草原の小さな家(1)
    値引きあり
    4.4
    今から、およそ100年前、北アメリカのウィスコンシン州にある「大きな森」の中の丸太で作った小さな家に、小さな女の子が住んでいた。その女の子の名は、ローラ。姉のメアリーと、妹のキャリーの3人姉妹。不屈の精神をもった父さんと優しい母さんのいるインガルス一家だ。 アメリカの開拓者の生活を生き生きと描いた「大草原の小さな家」物語の第1作。
  • 日本の唱歌(上) 明治篇
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 多くの人々に歌い継がれ、愛唱されてきた唱歌は、なつかしい心のともしび……。上巻では、「庭の千草」「故郷の空」「港」「夏は来ぬ」「鉄道唱歌」「花」「箱根八里」「荒城の月」「春が来た」「われは海の子」などの、明治期の唱歌・163曲を年代順に編成し、詳細な解説を付けた決定版。全3巻。
  • わにわに物語
    値引きあり
    5.0
    原稿依頼を受けたぬいぐるみなんて、そうはいないぞ。「わにわに」の筆が冴える! 素子さんとぬいぐるみたちの愛情生活! ーーぼくはわにわに。素子さんちに棲む、400人(ぬい?)余りのぬいぐるみの中でも、名門の「わに族」出身なのだ。白くてチャーミングなボクに、原稿依頼がきて、一族は大騒ぎ!! 事件にはこと欠かないし、張り切って書きました! 仲間たちと素子さんとダンナとその愛猫ファージの、12の楽しいお話です! ぬいぐるみたちの生活を覗いてみたら……。
  • 新井素子の未知との遭遇
    値引きあり
    -
    未知世界へ挑戦! 実体験エッセイ集。ワクワク、ドキドキ痛快アドベンチャー、ロボット作り、熱気球、深海探査船……手に汗にぎる面白体験記ーー知的冒険心の旺盛な著者が、最先端技術のロボット作りや深海探査船、野外アーチェリーや熱気球などのアウトドア・スポーツ、さらに、からくり屋敷、大遊園地にバイオパーク……とたずねまわる。そして行くところ、驚異と恐怖と痛快さがいっぱい! われらがモトコさんが綴る、未知世界の面白実体験記。
  • 近頃、気になりません?
    値引きあり
    3.0
    ほのぼのライフのヒケツがいっぱい。素子流ダイエット法など身近な話題のアレコレ。愛情いっぱいエッセイ集ーー愛する夫のレントゲン写真に怪しいカゲ、まさか肺ガン? おまけに肝機能障害まで発見されて、どうしたらいいの? ダイエットも含めた健康管理の簡単な工夫から、夫に家事をさせる上手な操縦術などなど、明るい家庭生活のヒケツが盛りだくさん。主婦兼人気作家の、愛とユーモアに満ちあふれたエッセイ集。
  • とり散らかしておりますが
    値引きあり
    4.0
    素子さんの快適、会心エッセイがいっぱい! ーー猫とぬいぐるみ、どっちをとるか? こう聞かれたら、私、どうすればいいんだろうか……。おっと、これは、高校生の頃からSF作家として活躍してきた、新井素子の楽しい日常備忘録です。子供の頃からやたら好きだった本のこと、小説家を夢みてきたこと、結婚したこと、などなど。素子さんちを訪ねたような軽快エッセイ。
  • 室の梅 おろく医者覚え帖
    値引きあり
    3.8
    奉行所検屍役・美馬正哲。身投げや殺し、首縊り……。屍の末期の無念を解き明かす彼を、ひとは「おろく医者」と呼ぶ。武器は、遠く紀州は花岡青洲に学んだ最新の医術! 江戸の「法医学者」は恋女房、産婆のお杏とともに、八百八町の底に渦巻く愛憎に立ち向かう。人の生と死に触れる夫婦を描く、傑作事件帖。
  • 贈る証言 弁護士・朝吹里矢子
    値引きあり
    3.0
    敏腕女性弁護士が見た、男と女の悲哀――血塗れ死体で資産家の画家が発見された。疑惑は、画家と男女の仲だった家政婦に……。老人の死の謎に迫る表題作のほか、叔父の死後、一人の女性に債務の山が降ってきた「財産放棄の謎」、恋人と分けた青酸カリが意外な事件を引き起こす「十五年の真実」など、弁護士・朝吹里矢子が解き明かす傑作推理短編集。
  • 女の銃
    値引きあり
    -
    サディスティックな夫の仕打ちに耐える妻の胸中は? 衝撃の推理傑作集。平穏な夫婦を狙い撃つ、見えない凶器! ――濃やかな夫婦の愛情が流れていると思われていた二人の間に奔った、鋭い亀裂。衝撃の一夜に、妻が口走った一言が、夫を無惨なワイフビーターに変え、家庭は崩壊した。暴力に無抵抗で耐える女の、はかり知れない胸中が、破滅の終局にサスペンスを盛り上げる表題作のほか、現代の男女の愛情と悲傷を描く5編を収録。
  • 最後に愛を見たのは
    値引きあり
    -
    離婚した男女の、愛と憎しみの果てを描く長編――離婚した青山は、8歳の息子・昇との不安定な生活で、女手に窮していたが、手伝いに来た愛人・加代子は、不審な死を遂げた。父親に去られた昇の同級生・ミドリも、淋しい二つの家庭を結びつけようと、幼い知恵を働かせていたが……。結婚と離婚をめぐる様々な問題を考えて、愛と勇気に溢れた結末に導く、傑作長編。
  • 国境の女
    値引きあり
    -
    エリ-ト商社員の死が招く戦慄の長編ミステリー――エリート商社員の明月達夫が、赴任先のサンディエゴで刺殺され、国境を挟んだメキシコの町でも、商社に関係していた若い女が死体で発見された。東京から飛んだ妻・奈緒子は、西海岸の美しい街に夫の足どりを探し歩くが……。海外駐在員の焦躁と激しい愛憎の渦に巻きこまれた、哀切の恋心を描く傑作推理長編。
  • 遠ざかる影
    値引きあり
    5.0
    宝石会社の社長・龍門寺は、中国大陸からの引揚者である。佐賀の唐津に住む中谷遼子は、母親から、本当の父が龍門寺だと聞かされ、龍門寺をさがして上京する。その頃、宝石会社では、合成宝石への進出をめぐって、内紛の火が噴こうとしていた。そして殺人が……。雄大な構図と鮮やかな展開で描かれる、本格推理長編。
  • 駅に佇つ人
    値引きあり
    -
    冷酷な現実に立ち向う、必死な愛の犯罪――石巻市で中年の男が殺され、若い塾教師が逮捕されたが、その男は起訴後自供を翻し、被害者の妻が殺される第2の殺人事件が発生した。被疑者に関わる地元代議士の妻の動き、やり手刑事のある秘密、そして恐るべき証拠品が……。人間の愛と罪を抉る表題作のほか、孤独な愛の激しさを描く、傑作推理小説集。
  • ベッドの中の他人
    値引きあり
    3.5
    一瞬のうちに立場が逆転し、意外な結末へ。ショートサスペンスの妙を横溢させた珠玉の10編――そこは、男の仕事場であった。「こんなときに」とあらがう女を、男は「こんなときだからこそ君が欲しい」とばかり押し倒す。情事の直後、ドアのノブがまわる音がし……。男女は動転した。予定の来訪者にしては、早すぎる、それとも、予期せざる事態が起きたのか……。推理の名手が腕をふるった、ショート・サスペンスの傑作10篇。
  • クロイツェル・ソナタ
    値引きあり
    3.0
    殺人者を裁けぬ法とは何かを問う。心優しい少女が無残に殺され、壮大な復讐の装置は動き出した! 社会派推理の傑作長編――バイオリニストをめざしていた無垢な少女が、拉致され、暴行を受けて惨殺された。親たちを襲う激しい悲傷と、私的制裁への衝動。慟哭の中で崩壊する家庭。逮捕された冷酷な犯人はしかし……。相応の刑罰を免れた殺人者は、許されてよいのか? 社会派推理小説の第一人者が、法と人間に鋭く迫る、衝撃の長編。
  • あしたの貌
    値引きあり
    -
    雑誌業界の競争の陰でうごめく、男女の野望と愛。捨てられた女の決心とは? ――女性雑誌で活躍中のスタイリスト・北山麻生が失踪? 彼女は、恋人のカメラマンと沖縄へ撮影に行ったはずだった。ところが、妹・リツ子が調べると、姉は初めから撮影に参加していないし、恋人ともうまく行っていなかった。そして、事態は意外な展開を見せ……。雑誌業界の激烈な競争と愛の表裏をからませたサスペンス秀作。
  • 黄金街道
    値引きあり
    -
    画帖片手の楽しい東京スケッチ散歩。上野から麻布までの珍道中。不思議な道順の種明かしは読んでからのお楽しみ――喧噪の上野駅から銀座を抜けて麻布まで……。今はない街並をなつかしみながら、路地に秘められた人々の歴史をひもときながら画帖を片手に歩くたのしみを、スケッチとエスプリに富んだエッセイで構成する、安野光雅の東京画36景。ただごとではないルートの謎ときは、さいごのページを読むまでのおたのしみ!
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
    値引きあり
    3.9
    江戸に拡がる暖かい煮炊きの煙。人はね、当たり前のことがおもしろくないんだよ。裏返しや逆さまが好きなのさ――のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ。夫との心のすれ違いに悩むのぶを、いつも扶(たす)けてくれるのは、喰い道楽で心優しい舅・忠右衛門だった。はかない「淡雪豆腐」、蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い「黄身返し卵」。忠右衛門の「喰い物覚え帖」は、江戸を彩る食べ物と、温かい人の心を映し出す。 ◎「読み進むほどにページを繰るのが早くならずにはいられない小説がある。この小説もそうだった」<塩田丸男「解説」より>
  • 読書画録
    値引きあり
    -
    エッセイとスケッチで綴る36の小説の娯しみ。樋口一葉『たけくらべ』から幸田文『おとうと』まで、なつかしい日本の心の情景。読んで歩いて描く大好きな小説36景――檸檬を一顆、美術書を積みあげた上にそっと置いてきた梶井基次郎のあとをたどって描く、京都河原町・丸善の面影。樋口一葉「たけくらべ」の吉原大門あたりから、幸田文「おとうと」の向島まで、こよなく読書を愛しむ画家が描く小説の舞台。懐かしい日本の36の風景を、スケッチとエッセイで織りなす珠玉の画文集。
  • アラミスと呼ばれた女
    値引きあり
    3.5
    安政3年、坂の町、長崎。「これからの世の中、おなごが通詞になったって、罰(バチ)はあたらねェ」攘夷運動、大政奉還、戊辰戦争……一人、この時代を駆け抜けた女性がいた。男装の通詞、その生涯――安政3年、肥前・長崎。出島で働く父から、英語や仏語を習う10歳のお柳。「うち、お父ちゃんのように通詞になりたかとよ」。女人禁制の職に憧れる幼いお柳の運命は、釜次郎、のちの榎本武揚との出会いによって大きく変わっていく。攘夷運動、大政奉還から戊辰戦争へ。激動の時代に消えた一人の「男装」の通詞。
  • 樓岸夢一定 蜂須賀小六
    値引きあり
    3.3
    戦国屈指の脇役武将が見た理想と野望――織田信長の能力と残忍性をいち早く見抜き、桶狭間で戦功を上げながらも、臣下として仕えることを拒み続けた蜂須賀小六。やがて、足軽組頭に過ぎぬ秀吉を主人と定め、調略・外交一切を引き受け、ことごとく成功させ、秀吉躍進の最大の功労者となる。嘘偽りなき、まっすぐな生き様を全うした、史上稀なる武将を描く、感動の歴史長編。
  • 開国 愚直の宰相・堀田正睦
    値引きあり
    3.0
    権力闘争と外圧の中で、幕末最大の難問に決断を下し、国際化に邁進した男の実像に迫る! 一人の男により日本が変わった! ――鎖国体制の堅持か? 開国か? それは、幕末の日本を揺るがす大問題があった。運命のいたずらによって、時の総理にあたる老中首座となった堀田正睦は、早く日本を国際社会に仲間入りさせようと、強烈な使命感に燃え、開国を主張した。孤軍奮闘を続けて条約調印にこぎつけた堀田に、京都の天皇側から猛反撃が始まった……。
  • 無法者
    値引きあり
    3.0
    天保水滸伝の定説を覆し、飯岡助五郎の実像を活写! ――名うての親分、飯岡助五郎。縄張りを接する笹岡繁蔵。関八州では幕府の命で、やくざが岡っ引のような下働きをしていた。つまり、十手を持ちながら、賭場も営む二足の草鞋というわけだ。やくざは、食うか食われるか。利権争いで助五郎は、繁蔵一派の打倒に向かう……。新しい視点で捉えた天保水滸伝。
  • 大君の通貨 幕末「円ドル」戦争
    値引きあり
    3.0
    幕末、早くも訪れる日米経済戦争の嵐。新田次郎文学賞受賞の力作、歴史経済長編小説。幕府瓦解の真因! ――幕末、泰平の夢やぶる黒船来航と同時に持ちあがった、知られざる日米経済戦争。初めて体験する為替レートの複雑さに苦慮する、幕府の官吏。だが、その複雑さは真実、複雑だったのか? その裏に、力でゴリ押しする列強の圧力は、また謀略は、なかったか? 幕府瓦解の真因に迫り、その真相をさぐる。新田次郎賞を受賞した話題の歴史経済長編。直木賞作家の名作。
  • 主殿の税 田沼意次の経済改革
    値引きあり
    -
    財政再建にとりくんだ老中の「志」とは何か。意次の読みの深さと卓抜した行動力の秘密。通説をくつがえす歴史経済小説――十代将軍・徳川家治の、日光東照宮参詣費用20万両を、いかに捻出するか。この難事を克服した田沼意次は、次第に逼迫する幕府財政を立て直すため、新しい「事業」に着手する。だが意次の前には、反対勢力の厚い壁が……。賄賂の卸問屋といわれた田沼意次像を打ち破り、財政再建に懸けた老中の「志」を描く、歴史経済小説。
  • お白洲無情
    値引きあり
    -
    八州廻りに歪められた理不尽な晩年。大原幽学、無念の生涯――江戸末期、農民に性学の道を説いた大原幽学。貧しい農村を立ち直らせ、多くの道友が集まる。農民たちは協力して教導所「改心楼」を建てるが、その壮観さゆえに関八州取締出役から目をつけられる。事件を捏造され御白洲をたてられた幽学に、理不尽な晩年の日々が待ち受けていた。<『吾、器に過ぎたるか』改題作品>
  • 幕末「住友」参謀 広瀬宰平の経営戦略
    値引きあり
    -
    倒産・乗っとりの危機を救った参謀の大戦略とは何か、その全容を描いた歴史経済小説。危急存亡の事態をいかに打開したのか? ――巨額な借金と経営乗っとりの大ピンチを救った、野性あふれる参謀の戦略とは何か? その男・広瀬宰平は、住友の礎である別子銅山を守りぬくため、幕府を相手に、一歩も引けをとらぬかけひきを展開する。内にむかっては、膨大な金利支払いを解決するため、大胆な経営体制を敷く。危急存亡に対処した手腕を描く!
  • 百助嘘八百物語
    値引きあり
    3.0
    知恵の限りを尽くして大金を手に入れろ! ――鳶人足の辰次は、日雇い稼ぎの普請場で、腹痛に苦しむ爺さんの面倒をみる。百助と名乗る爺さん、実は、腕こきのいかさま師。百助は助けてくれた礼に、いかさま博奕の余禄を辰次に分ける。気をよくした辰次は百助の子分になり、一世一代の大勝負に賭けた! 江戸、長崎、大坂を舞台に、一攫千金をめざす、痛快時代小説。
  • 薩摩藩経済官僚 回天資金を作った幕末テクノクラート
    値引きあり
    3.0
    不可能に挑戦し、回天の事業を成し遂げた男。瀕死の薩摩藩経済を立て直した男の経営手腕――膨大な額にふくれあがった借金を、すべて踏み倒す。この役目を誰にやらせるか? 思案に暮れた島津重豪(しげひで)は、茶坊主の調所(ずしょ)を大抜擢、駄目でもともとと、大坂に派遣する。回天の事業は、まさにこの時はじまった……。地位も財力もない身で、瀕死の薩摩経済を再建、維新の胎動に挑戦した、不屈の男の経営手腕を描く長編。
  • ビートルズから始まるロック名盤
    値引きあり
    3.0
    1964年、ビートルズがアメリカでアルバムを発表した。ここからロックの一番熱い時代に突入する。ビーチ・ボーイズ、ボブ・ディラン、キンクス、ドアーズ、そしてビートルズ……、歴史的な名盤や著者の思いをこめたアルバムなど、50枚を厳選し魅力を紹介したロック名盤集決定版、ついに登場! ――ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、デイヴ・クラーク・ファイヴ、アニマルズ、バーズ、ラヴィン・スプーンフル、ボブ・ディラン、ゾンビーズ、キンクス、ローリング・ストーンズ、バッファロー・スプリングフィールド、クリーム、ドアーズ、ザ・バンド、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル…… 、初めてロックを聴く人も、ロックを熱く語りたい人も、必見のロック名盤集。
  • 伝説のロック・ライヴ名盤50
    値引きあり
    3.8
    ビートルズが、ジミヘンが、クラプトンが……ロックの歴史に名を刻んだ、そのステージを聴け! ロックの神が降りたライヴの数々――「ビートルズは演奏がヘタだった」という「定説」の真偽、「ディランがフォークソングを捨てた裏切りのステージ」の真相……伝説に勝る真実はなし? いや、それならば、その「伝説」を、いま聴いてみませんか? 生きた音楽の輝きとミュージシャンの切実な叫びを伝える、奇跡の一発録り、必聴ライヴ盤50枚!
  • リッスン ジャズとロックと青春の日々
    値引きあり
    4.0
    音楽がすべてだった24時間、そして365日! 音楽のためなら、どこまでも非情になれた――自分の血液が、ビートルズのすべての音と混ざり合うのを感じた瞬間。すべてを変えた夏の『ペット・サウンズ』。深夜、ヘッドフォンの中を駆け巡ったマイルス・デイビス。高校受験、音楽専門誌への就職……。転機にはいつも、1枚のレコードとかけがえのない友人がいた。大阪、東京、ニューヨークではじける、自伝グラフィティ!
  • ディランを聴け!!
    値引きあり
    4.5
    全582曲を完全制覇! ノーベル文学賞受賞者、ボブ・ディラン、完璧ガイド――《風に吹かれて》のベスト・ヴァージョンはこれだ! いまだに過小評価されている奇跡的な傑作はまだまだある! 爆発的な表現力と奔流のようなメロディーがほとばしる全582曲を★★★★★満点で完全紹介。この曲さえあれば、人生やっていける。時代もジャンルも超越する孤高の天才は、ここから聴くしかない!
  • ジョン・レノンから始まるロック名盤
    値引きあり
    -
    1970年代の50枚……レッド・ツェッペリン、ザ・バンド、イーグルス……豊潤なる70年代! ――1970年代、それはロックが熟成の時を迎えた、ビートルズなき後の百花繚乱の時代であった。奇しくもその時代は、1発の凶弾により終わりを告げるのだが……ジョンの死とともに。『ジョンの魂』から始まる、1970年代を代表する50枚のアルバムを一挙に紹介する、王道のロック・ファン座右の書が、ついに完成!
  • 怪奇小説集
    値引きあり
    4.3
    1~2巻300~607円 (税込)
    深夜、胸をしめつけられるような息苦しさに襲われたルーアンのホテル、真夜中の階段を上がっていく何者かの足音を耳にしたリヨンの学生寮、うなだれている人影を夜具の足許に目撃した熱海の旅館――「三つの幽霊」ほか、身の毛もよだつ恐怖譚15編を収録。
  • 青い小さな葡萄
    値引きあり
    5.0
    フランスのリヨンに留学した日本の一青年を主人公に、戦争で片腕を失ったドイツの神学生、拷問・虐殺をひそかに行った対独抵抗組織の内なる暗黒を描くことにより、人間と人間の疎外、異人種ゆえのコンプレックス、裁く者と裁かれる者の憎しみという問題を追究。遠藤文学の原点ともいうべき処女長編。
  • 父親
    値引きあり
    3.8
    不倫の恋におちた娘と、娘の恋愛により深く傷つく「父親」という孤独で哀れな存在を、切々と描きつくす恋愛大作。スタイリストの仕事に打込む純子は、妻子ある青年実業家の強引な情熱に動かされ、道ならぬ恋におちた。新製品開発競争で苦境に立つ化粧品会社重役の父・菊次の、複雑な思いを絡めて描く傑作長編。
  • 人形は眠れない
    値引きあり
    3.9
    腹話術師・朝永(ともなが)の前に、強力な恋敵が出現!? そして、ついに明かされる人形探偵・鞠夫(まりお)の誕生秘話――お久しぶりです! 妹尾睦月です。今回は、私の住む街で起きた連続放火事件に、腹話術師の朝永さんと人形の鞠夫が果敢に挑戦します。その最中、なんと私に言い寄ってくる好青年が現れて、もう大変。と、とにかくときめいて、そしてちょっぴり切ない、ひと夏の出来事の御報告です。<人形探偵シリーズ>好評第3弾。
  • 新撰版 怪奇小説集 「恐」の巻
    値引きあり
    5.0
    1~2巻300円 (税込)
    ルーアン、リヨン、熱海で起きた怪現象を綴った「三つの幽霊」をはじめ、とっておきの身の毛もよだつ怖い話が9編。人一倍怖がり屋だった作者の恐怖心と好奇心が生み出した、不朽の名作集の新撰版。<「恐」「怖」全2巻・『怪奇小説集』改題作品>
  • 何でもない話
    値引きあり
    3.3
    心臓の凍るような恐怖と、絶妙のユーモアを織りまぜた、10編の小説世界。なにげない平凡な日常生活のかげに、人知れぬ秘密を隠し持って生きねばならない人間という小さな存在……。あるテレビ・ディレクターの人生を描く表題作ほか、「姉の秘密」「爪のない男」「恐怖の窓」「猫」「気の弱い男」「知らぬが仏」などを収録。
  • わが恋う人は(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻300円 (税込)
    霧の軽井沢で雑誌記者・秋月美子がめぐり会った男は、豊臣秀吉の家臣・小西行長の子孫だった。戦国のならいによって夫との仲を裂かれた行長の娘・たえは、別離に際して男女の雛人形を夫と分けあったという。女雛に託された悲しみと呪いが、400年の時を越えて現代に甦える恐怖の物語。サスペンス大作。<上下2巻>
  • メビウスの殺人
    値引きあり
    3.6
    奇想天外なトリック、新本格渾身の推理! ――大東京を恐怖のどん底につき落とす、連続殺人が発生。犯行は、金槌によるメッタうちと絞殺が交互する。犯人は一人か、あるいは別人か? 現場には常に、謎の数字を記したメモが……。被害者たちを結ぶ「失われた環(ミッシング・リング)」を探せ! ご存じ速水三兄妹がつきとめた、驚愕の真相とは? 奇想天外な推理の新旗手の傑作長編。……奇怪な謎、巧妙な罠、鮮やかな推理!
  • 楽天大将
    値引きあり
    -
    修道女を志す若い保母・朝吹志乃は、みずから園児の身代りとなって、誘拐犯人・金山と逃避行をつづける。しかし、その金山は、白血病の宣告を受ける……。金山を、なんとかして人間の荒地から脱出させ、再生させようとする志乃の献身も、ほとんど空しかった。錯綜する人間関係の中に、無償の愛に生きる女性の姿を鮮烈に描いた、感動長編小説。
  • 快男児・怪男児(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻300円 (税込)
    青雲の志を抱き秋田から上京した中村留吉は、生き馬の眼を抜く東京に足を踏み入れたとたんに、盗難にあい無一文になる……。一方、女優志願で、やはり秋田から上京したエイ子は、額縁ショウの女優になるが、脚本家志望のアルバイト学生・久保直樹に恋心を覚え、結核に倒れた久保に献身的助力を惜しまなかった……。純情多感な留吉とエイ子の夢と現実を軽妙な構成で描く感動的長編小説。<上下巻>
  • ぼくたちの洋行
    値引きあり
    -
    敗戦国・日本をあとに、初めての留学生として、意気揚々とフランス船に乗り込んだのだったが……。4人の留学生の直面した現実を描いた表題作。死の臭気が漂う青春時代に、愛国心への疑問を抱いた青年を描く「入営の日」、芸術家の娘を持った父親の孤独を描く「父親」のほか、「あわれな留学生」「ピエタの像」「弟と犬」「終戦記念日」「ナザレの海」「鏡」「老いの岸辺」。人間心理の襞に触れる、感動の10名篇を収録。
  • イエスに邂った女たち
    値引きあり
    4.0
    遠い昔、愛に渇き、病に苦しみ、夫に裏切られ、子を失い、人をネタンだ女たちが、人生の途上、イエスに出会った……。イエスはその時、どうされたのか? 人間の夢、歎き、祈りのこもった出会いの物語を、名画を通し、現代の光をあて、昔を今に甦らせる感動のエッセイ。本当の愛を知った聖書の中の女たち……マリア、マルタ、サロメもあなたの中にいます。
  • 悪霊の午後(上)
    値引きあり
    4.0
    1~2巻300円 (税込)
    現代の魔女・南条英子の妖しい魅力を描く長編サスペンス。交通事故で夫を亡くした若く美しい未亡人に魅せられる男たち。作家・藤綱は、英子の夫の事故死に疑問を抱き、不可思議な事件の糸をたぐり寄せて、戦慄する。彼女のつつましやかな昼の素顔の下に隠されている魔性とは……。遠藤文学の異色作。<上下巻>
  • ユーモア小説集
    値引きあり
    3.5
    1~3巻300~671円 (税込)
    1990年。人体の1000分の1に縮小されたK大学の若い医師山里凡太郎は、3人の医師と、同じく縮小された潜水艇にのり込み、癌におかされた凡太郎の恋人の体内にもぐり込む。患部の手術を無事に終えた時、思わぬ出来事が彼らに襲いかかる……「初春夢の宝船」ほか11編を収めた抱腹絶倒の作品集。(講談社文庫)
  • 崩れ
    値引きあり
    3.5
    山の崩れの愁いと淋しさ、川の荒れの哀しさは、捨てようとして捨てられず、いとおしくさえ思いはじめて……老いて一つの種の芽吹いたままに、訊ね歩いた「崩れ」。桜島、有珠山、常願寺川……みずみずしい感性が捉えた荒廃の山河は、切なく胸に迫る。自然の崩壊に己の老いを重ね、生あるものの哀しみを見つめた名編。
  • 月の塵
    値引きあり
    5.0
    父・露伴が重態の床で教えてくれたのは、「母の座」というもの。家事雑用、浮世談義、自然への手引きに、一生残るような教えをしてくれた父。胸にまいた古い種が発芽し、奔走した塔の再建、木や荒涼とした崩れへの思い入れなど、晩年の心境を、研ぎ澄した五感が映す、心にしみる58篇。幸田文の息吹きを伝える随筆集。
  • 季節のかたみ
    値引きあり
    3.6
    今朝の雲はもう居ません。その代わり、風が訪れてくれます。季節の移り変わりを見るのが、私は好きです。なにより有り難いのは、前向きの心でいられることでしょうか。時の移ろいを瑞々しい五感がキリリと掬いとった名篇。「くくる」「壁つち」「台所育ち」……。失った暮らしや言葉の情感が、名残り惜しく懐しく心にしみる、珠玉のエッセイ集。
  • 赤毛のアン
    値引きあり
    4.6
    もう一度少女に帰ろう。人生の深みを知ったいま、アンに再会してみませんか? ――ふとした手違いで、老兄妹に引き取られることになった、やせっぽちの孤児・アン。想像力豊かで明るい性格は、いつしか周囲をあたたかく変えていく。グリーン・ゲーブルズの美しい自然の中で繰り広げられるさまざまな事件と、成長していくアンを綴った永遠の名作。講談社だけの完訳版『赤毛のアン』シリーズ全10巻の第1巻。
  • 朝ごとの花束 小さな童話集
    値引きあり
    4.0
    いちごの酒、リラの木、レモンと蝶、森のお茶の会、星の小箱……など、鋭い感受性をやさしい心でつづった、小さなメルヘン童話集。毎朝、窓辺に届けられる、愛らしく清々しい花一輪のように、傷ついた心をなぐさめ、勇気や希望を起こし、また人生についてひっそりと語りかけてくれる好短編を、花束にまとめました。「朝風売ります」「記念撮影」など、朝の目覚めのようにさわやかで楽しい、いろどりもあざやかな童話83編。
  • 月あかりの中庭
    値引きあり
    -
    うす紫色のドレスをまとったそよかぜ夫人(「そよかぜ夫人の恋」)、お花見をしている動物のゆうれいたち(「てんのしっぽ」)、ふしぎな力をさずけられた野良ねこのシンデレラ(「月あかりの中庭」)――など、心の琴線にやさしくふれる、甘くほろ苦い、メルヘン12編を収録。ふと立ちどまってうしろをふり返ったとき、生きることの美しさとせつなさが見えてきます。どれも心の宝石、風色ファンタジー!
  • 小さな花物語
    値引きあり
    3.3
    目にやさしく、口にひびきのよいことばを使って、美しくふしぎな世界をあざやかに描く、立原えりかの短編集。たんぽぽ・ばら・コスモス・ゆきわりそう……四季の花々をテーマに、花のメルヘンが織りなす、素敵なモザイク模様のような「小さな花物語」に、つつましく愛らしい、少年少女のラブストーリー「雪の日のオルゴール」など、4編を加えました。不思議な魅力をたたえた童話集。
  • 木馬がのった白い船
    値引きあり
    5.0
    「ぼくは、いつでも待っています。あなたの夢のなかの公園で」と、子どもたちに別れのあいさつをして、空の彼方に去っていった公園の木馬(「木馬がのった白い船」)、秋祭りの日に集まってくる人たちの願いごとをかなえる、ふしぎなギターをもった妖精(「小さい妖精の小さいギター」)――など、鋭い感性と豊かな想像力でつづるメルヘンの世界。立原文学の魅力あふれる秀作、15編を収録。愛と優しさ、詩情あふれるメルヘン集!
  • 飾り窓
    値引きあり
    4.5
    詩人の感性と豊かな幻想とで、愛の本質を謳いつづける立原えりかの、殊玉の童話集。冬の真夜中、そこだけあかりがともっている、デパートの飾り窓。その前に立ちどまった孤独な青年に、窓の中から人形が語りかけます――という表題作。愛に目ざめていく少年の心を描いた「ピアノのおけいこ」、一枚のハンカチがくりひろげるメルヘン「海のハンカチ」など、愛と夢を描く15編を収緑。
  • わたしとおどってよ 白くまさん
    値引きあり
    3.0
    ほんとうのかなしみは、きらきらきれい……。世界でいちばんすてきなのは、大好きな人とおどることだよ。おどろうよ、かなしいときも、世界は愛と魔法にあふれているんだ。愛することも死ぬことも、あこがれも孤独も、どこまでもつづいている夢なのだから――と、抱きしめてくれた白くまの正体は……。昇華されたかなしみと夢が、きらきら光る物語。それは一生にたったひとつのあなた自身のメルヘンかも……。エキゾチックな香りにつつまれた表題作など、ビター・スウィートの大人のメルヘン13編。人を愛する心に響くほろ苦く素敵な物語。
  • なぎさの愛の物語
    値引きあり
    5.0
    ロマンチックな海をテ-マにしたメルヘン集――なぎさは、ひとりぽっちで海辺に住む女の子。ある日、みどり色の体をした海の若者が現われ、銀のいるかにのって海の底へ。海に同化したいと望みながら、現実の生活に手足をとらえられてしまい、この世のものとはちがう愛に身をまかせきれなかった、少女の悲しい愛の物語「なぎさの愛の物語」。ほかに、魚をテーマにした12編の小さなメルヘン「小さな魚物語」と、ふしぎな美しい夢の中では生きられなかった娘、さやかの物語、「海のやかた」を収録したマリン・ファンタジー集。
  • タマネギ色のなみだ
    値引きあり
    4.0
    孤独をいやしてくれるのは、都会のはなやかさではなく、ふるさとの母が、娘を思う心。(「タマネギ色のなみだ」)生活に疲れた男の身勝手さをせめながら、なお幸福をゆめみて、スミレになってしまう妻。(「野原をひとはこ」)――など、妻であり、母である作者が、日常のドラマを妖精の目と心で、ときにはユーモラスにときには凄絶な美しさで、あざやかにとらえてみせる、童話21編を収録。夢見がちな少女期を見つめ直し、失いかけた大切なものを探し求める……少女の心を失わないあなたに贈る心暖かな童話集。
  • 蝶を編む人
    値引きあり
    -
    ファンタジックな世界に人の心の機微を織り込み、色彩豊かにつづる、心をやさしくつつむ珠玉の愛のメルヘン集。――ホテルの一室にこもって、編み物に熱中するおかしなおばあさん(「蝶を編む人」)、「きっと、しあわせにしてあげる」とジュンにささやいた小さな木(「ささやく木」)など、人の心にひそむさまざまな想いをつづった、立原えりかの愛と幻想の世界。やさしさにあふれる21編のファンタジーを収録した短編集。
  • 赤い糸の電話
    値引きあり
    -
    立原文学の魅力あふれる愛と幻想の世界。大人になって見る夢があります――天国にいるママの声が聞きたいと、パパがはじめて泣きました。そこで、六つの男の子は、パパにすてきな贈りもの、天国と結ぶ糸電話をプレゼントします……という表題作「赤い糸の電話」、恋人と妖精の世界へ帰るため、幸福な人間の流すなみだを集めているおばあさんが……という「十万粒のなみだ」など、そっとだれかを愛するあなたにおくる11編のファンタジー。心のせつなさが、かなしさが、やさしさが、ゆめをつむぎ出します。あなたに聞こえる、愛と魔法の声が……。
  • 月と星の首飾り
    値引きあり
    5.0
    南の島を舞台のファンタスチックな愛の物語――2月29日。この日、誕生日をむかえた少女さらの前に、公園で二人のふしぎな人たちが……。南の海にうかぶ「花とみつの島」から来たイカダカズラの夫人と金の羽の若者です。二人に出会ったさらは、人間には見えない世界へと旅立ちます。そして、12歳になったさらを待っていたのは……。ふしぎな南の島を舞台にくりひろげられる、心やさしい愛の冒険物語。
  • でかでか人とちびちび人
    値引きあり
    -
    9月のある夜、聞きなれないもの音で目覚めたゆりは、おじさんの船長が小指の先ほどのかわいらしい生きものと話しているのを見て、目を丸くした。すぐに、ゆりも、ちびちび人と仲よしになり、やがて、でかでか人を知る。――豊かな想像力と磨かれた感性とで織りなす、香り高い名品。講談社児童文学新人賞受賞作品。
  • しあわせな森へ
    値引きあり
    5.0
    北国の小さな村から、夢を求めて東京へ来た若者。つらい日々を送る若者へ、村に残った娘は、愛の祈りを風にのせてとどけてきます……(「しあわせな森へ」)。空とぶドラゴンの魔法のとりこにされ、家庭をすてた、「永遠」という字の書けない女の、あでやかな飛翔――(「アフレシア」)。など、ありのままの人生の美しさや愛のすがたを、花や蝶や妖精の形をかりて、きびしくやさしく語りかける、重い現実を愛と優しさでつつんだ、メルヘン12編を収録。若い女性のためのスイートなファンタジー。「もっとしあわせになりたい」――花・蝶・星・妖精……。
  • 松本清張社会評論集
    値引きあり
    -
    汚職・政治献金・教科書検定・改憲・不公平税制に鋭いメスを入れ、下山・松川事件を中心に裁判・司法権の問題を突くなど、戦後日本の政治・社会の病根を抉る。特に、不屈に戦う人々の日々を伝え、同時に考古・民俗学界との交流の橋渡しともなった北ベトナム紀行は貴重である。――松本清張の真面目躍如たる評論集。
  • よい旅を、アジア
    値引きあり
    4.0
    旅立つ人のうしろ姿に、そっと声をかけたい。よい旅を!と。気ままにゆっくり、アジアの街をひとり泳ぐ。つらくて泣きたい夕暮れ時、人恋しくてたまらない夜もあった。台湾、ソウル、香港、雲南、チベット、マレー半島、そして熱風のインドへ。私の旅は、アジアから始まった。はじける元気と好奇心と哀愁に満ちた旅本。
  • 風紋
    値引きあり
    -
    東方食品株式会社の新製品は、大宣伝の結果、看板商品として浸透し、同社はたちまち、大企業にのし上った。しかし、サラリーマン社会の錯綜する人間関係の予期せぬ破綻が、会社の運命を大きく変える――新製品の開発とその成否に命運をかける、食品業界の内幕とマスコミの魔力! 一企業の繁栄と衰退を見事に描く長編。
  • 中央流沙
    値引きあり
    3.0
    農林省食糧管理局長・岡村福夫は、出張先から突然、本省に呼び戻された。砂糖輸入自由化を目前にしての、原糖割当てにからむ汚職事件が、突発したらしい。業者にとっては、文字通り甘い汁の宝庫に渦まく、疑獄。とそこへ、課長補佐・倉橋の変死の知らせが……。官庁汚職の実態を、下級官僚の屈折した感情と絡めて描く、渾身の力作ミステリー。官庁汚職の謎と悲惨な実態。巨悪の陰で虫けらのごとく抹殺される下級官僚の悲劇!
  • 写楽の謎の「一解決」
    値引きあり
    3.5
    役者絵で名高い浮世絵師・写楽は、その生涯がまったく謎につつまれ、今日まで多種多様の人物像が描かれてきたが、その決着はついていない。本書は、美術に造詣の深い、日本文学界の巨匠である著者が、その鋭い分析と大胆な推理に基づいて、日本美術の点と線を明かす、興味深いひとつの試論である。
  • 四十になるって、どんなこと?
    値引きあり
    4.0
    女を捨てたわけじゃない。結婚の可能性も、放棄してはいない――。基本は、ひとりで、楽しく生きることなのです。シングルライフを続ける女性が、40歳を目前にして、新たなチャレンジを始めた。エアロビ、ヨガに、スキンケア。何気ない日常も、ポジティブ・シンキングの著者がみれば、こんなにドラマチックになる。女に大切なものって? 女を捨てない、チャレンジングな生活!

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