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不倫の恋におちた娘と、娘の恋愛により深く傷つく「父親」という孤独で哀れな存在を、切々と描きつくす恋愛大作。スタイリストの仕事に打込む純子は、妻子ある青年実業家の強引な情熱に動かされ、道ならぬ恋におちた。新製品開発競争で苦境に立つ化粧品会社重役の父・菊次の、複雑な思いを絡めて描く傑作長編。
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Posted by ブクログ
56歳の石井菊次は、娘の純子や会社の部下たちに「けじめ」を説く、戦前世代の頑固一徹な性格の男です。彼は、新商品の香水の開発に力を注いでいましたが、社内の何者かがライヴァル会社に新商品の情報を漏らしたことが明らかになり、さらに社内の権力闘争に巻き込まれて、しだいに嫌気がさしてくるようになります。
スタイリストの仕事をしている純子は、実業家の宗という男からプロポーズを受けます。彼には妻子がありましたが、すでに別居状態になり、まもなく離婚して純子といっしょになりたいというのです。純子は彼の思いにこたえる決意をしますが、そのことを知った菊次は怒り、純子は家を飛び出して一人暮らしをはじめます。
宗の妻は、学生時代の菊次が淡い恋心をいだいていた、山内節子という女性の娘でした。彼女は安西という男と結婚し、菊次と彼の友人の大橋の二人の恋は実らぬままに終わりましたが、思いもかけず菊次は節子と再会し、しかも彼の知らないうちに進行していた複雑な人間関係に嘆息します。
戦中世代の父と戦後世代の娘の葛藤というテーマをえがいた小説です。登場人物の心理はやや紋切り型ではあるものの、たのしんで読むことができました。
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