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Posted by ブクログ 2011年04月29日
72歳、52キロの著者が、日本中の「崩れ」を見に行く。建設省富士砂防工事事務所の所長に「崩れるとか崩壊とかいうのは、どういうことなんですか」と聞くと、地質的に弱いところという答えがかえってきた。それを聞いた幸田さんは、弱い、という一語がはっとするほど響いてきたという。
「読んだのではただ通り過ぎた ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月09日
読み時が来たと言おうか、読むべくして読んだ。
幸田文さんの独特の言い回しの文章が好きで、文学作品のほとんどを読んでいるのだが未読だったので。(あとがきにもあるが「心がしかむ」「遠慮っぽく」「きたなづくり」「ひよひよと生きている」などなどの表現が好きで)
これは「崩れ」という地球地質的現象を文学的...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月03日
著名な作家さん。70を過ぎて崩壊地形に関心を持ち全国を探索する。名文で淡々と語る自然災害の脅威。
何とも不思議な作品の感。
名文家で知られる幸田文が、全国の崩壊地形を旅する紀行。
写真も地図もなく、淡々と語るところが筆者でなければ成し遂げられなかっだろう。
大自然の力の前に立ち尽くす大作家の姿が...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月24日
幸田文と言えば、露伴とか着物とかしつけとかのイメージなんであるが、老境になってどういうわけか崩れに惹かれて訪ねて行く。
今読むと、その格好でいいの?!というような装備で心配にもなるが、崩れの様を表現する目は真摯で細かい。あばれ川や山崩れ、地滑りが、温度のある生き物のように表現される。
なんだか妙な魅...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月25日
エッセイでも体験記でもなく見てある記。読んでいると本当のことだか本当のことでないんだかわからなくなってくる。ただ事実が人の見たままに書かれていると言うだけでこんなにドラマになるのかというのに驚くし、それだけのドラマをはらんでいる自然をわたしもみたいなあと思う。
あとどうでもいいことだけどこの人の乙女...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年09月09日
初めて幸田文さんの作品を読む。
幸田さんはどちらかというと
家庭での事を書くイメージが強かったため、
初めて読むには違う作品を読んだ方が
彼女の個性をつかめたかもしれない。
しかし、齢七十を越えてこの鋭い観察眼。
時には自分では歩けないような場所を、
誰かにおぶってもらいながらも、
幸田さんは、...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月18日
著者が日本全国の崩壊地を巡る随筆。
72歳にして、日本の風景に厳然とあり、そして記憶から忘れ去られたようなこの山崩れを尋ね、それを著者独特の目線で、言葉で捉えようとする。
その捉え方は優しい。
自然の冷酷さに嘆きつつ、それに立ち向かう人たちを励まし、暴れる自然に対してけして諦めず愛そうとする。...続きを読む
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