歴史・時代作品一覧

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  • 沖田総司 壬生狼〈新装版〉
    3.5
    幕末に京都を震え上がらせた新選組の隊士・沖田総司は、子どもと鬼ごっこをしていた。 殺戮の場で、牙を剥いた悲愴な狼が、幼子のように無垢だった。 人を斬った翌日は、血の臭いを振り払うために戯れるのだ。 そこへ美しい娘が現れ、総司は魅入ってしまう。 天然理心流の剣が何より大事であったが、胸は高鳴るばかり。 が、労咳に冒された総司は、ただ、娘の額に口づけしかできなかった…。 ※本作品は、「沖田総司 壬生狼」を加筆修正した新装版です。
  • 幕末浪漫剣〈新装版〉
    -
    勝海舟の父にして、直心影流免許取りの暴れん坊小吉。 北辰一刀流玄武館千葉周作門下で、「お玉ケ池の鬼柘植」と呼ばれるほどの逸材恭之介― 喧嘩の助太刀がきっかけで親交を結んだ血気盛んなふたりは、道場を開くことを夢見て、 一気に資金を稼ごうと、伊勢尾島藩のお家騒動に飛び込んだ。 が、神道無念流撃剣館で当代随一の腕と恐れられる、 無敵の剣客秋山要助が行く手に立ちはだかる。 ※本作品は、「幕末浪漫剣」を加筆修正した新装版です。
  • 鬼を斬る 山田浅右衛門涅槃斬り〈新装版〉
    3.0
    備中国新見藩の後藤五三郎は、徳川家御佩刀御試御用役の山田家へ婿養子に入り、 吉利として山田流試刀術を継ぐこととなった。 しかし、義父吉昌に比べ、斬れば斬るほど己の拙い腕に不甲斐なさを覚え……。 真の七代目浅右衛門となるまでを描く。 ※本作品は、「鬼を斬る 山田浅右衛門涅槃斬り」を加筆修正した新装版です。
  • 洗い屋十兵衛 影捌き 隠し神
    4.0
    酷い暮らしから逃げたい人を真っ新に洗い直す<裏稼業>。艶めかしい女の依頼に仕掛けられた巧妙な罠。 谷中富士見坂で着物の“洗い張り”をしている月丸十兵衛。占い師のさつき、元岡っ引の菊五郎、元関取の半次らとともに、抜き差しならない事情を抱えた人に、新たな生活を手配する“洗い屋”という裏稼業をしている。ある日、旦那の暴力に耐えかねた柳橋の船宿の女将を洗った。しかし、しばらくして、彼女が十兵衛たちが世話した場所とは違うところで暮らしていることを知り…。
  • 洗い屋十兵衛 影捌き からくり心中
    4.0
    待望の新章スタート!厳しい現実を<洗い屋>が救う!お先真っ暗な人生。真っ新に洗い流します。 江戸城へ向かう武家駕篭を襲った一団。若年寄を狙い、首をとって逃げた犯人の行方はわからず、様々な噂が巷を賑わせていた。そんなある日、谷中富士見坂で洗い張りを営む月丸十兵衛のもとに、黒い着流しの浪人が訪ねてきた。じつは十兵衛は、辛い人生を洗い流し、新しい人生を与える裏稼業“洗い屋”である。今度の依頼人は、十兵衛たちを巻き込み、ある企みを…。急展開の新章開幕。
  • 洗い屋十兵衛 江戸日和 遠い陽炎
    -
    人気小説家が描く傑作時代小説「洗い屋十兵衛」シリーズ、第3弾。事情あって浪人となり、谷中富士見坂で、“洗い張り”を営む月丸十兵衛。 ある日、窮地を助けた男から、裏稼業“洗い屋”の依頼を受けた。男はなんと、世間を騒がす大盗賊の雲切仁左衛門だと名乗る。しかし、“洗い屋”には、罪を犯したものを洗い流せない決まりがあった。だが、辛い因縁を知り、仲間の占い師のさつき、元岡っ引の菊五郎、風呂屋の半次とともに探索を始めた。痛快時代小説。
  • 洗い屋十兵衛 江戸日和 恋しのぶ
    4.0
    島抜けした元夫に狙われる母娘。貧乏神を追い払いたい人気女形。辛く厳しい人生、洗い直します。 月丸十兵衛は、辛い人生を洗い流し、新たな生活を手配する裏稼業“洗い屋”をしている。ある日、仕事を終えて帰る途中、浪人たちに襲われていた小田原藩御用達の刀鍛冶・一文字龍拓という若侍を助けた。しかし、藩主に献上する刀を奪われてしまう。一方、十兵衛の仲間・占い師のさつきが、小田原藩を脱藩したいという侍の仕事を持ってきた。二つの事件の関わりは如何に?痛快時代小説。
  • 洗い屋十兵衛 江戸日和 逃がして候<新装版>
    4.0
    捨て去りたい因縁を抱えた男女。新たな道で生かすため。月丸十兵衛、過去を洗い流す。 「洗い直して貰いたいのは…、この私、なんです」そう言って、艶めかしい女は、洗いに出す喪服と袱紗に包んだ小判を置いていった。谷中富士見坂で、洗い張り屋をする月丸十兵衛の裏稼業“洗い屋”を知ってのことらしい。さっそく彼は、仲間の遊び人・菊五郎、湯屋の主人・半次、占い師・さつきとともに、彼女の素性に探りを入れる。その数日後、彼女の旦那が殺されて…。 ※本作品は、「洗い屋十兵衛 江戸日和 逃がして候」を加筆修正した新装版です。
  • 神君幻法帖<新装版>
    3.5
    徳川家に盤石の安泰をもたらすため、捨て石となれ――。 神君こと徳川家康を祀る日光東照宮周辺を舞台に繰り広げられる、「幻法者」たちの血で血を洗う腕比べ。 魔多羅一族vs山王一族。あい争うは、修羅のさだめ! 生き残るのはどちらか? そして天海大僧正の思惑は……? 山田風太郎忍法帖の忠実なるパスティーシュ。時代伝奇説の極北。 装画は、単行本時も好評だった、かつて風太郎忍法帖を多く手掛けた佐伯俊男氏。 解説は縄田一男氏。 ※本作品は、「神君幻法帖」を加筆修正した新装版です。
  • 暴れ旗本御用斬り 雲海の城
    4.0
    「暴れ旗本御用斬り」シリーズの第5巻! 三河以来の直参旗本で、大目付の大河内右京。“ひょうたん息子”と呼ばれていた頃から、市井に混じり、庶民の生活をよく知る彼ならではの目線で、身分の上下に関わらず、世にはびこる諸悪を正義感と信念で、叩っ斬る! そして、地方で起きつつある事件にも……。 花火の夜。見物客三人が飛来してきた弓矢に殺された。大目付の大河内右京は、探索を進めるうち、先年取り潰しになった越後高神藩の元藩士たちが、その原因となった奏者番の堀田備前守を狙っていることを知る。一方、将軍家斉の身辺で不審な事件が続発。新たに高神藩主に封ぜられた老中首座の松平定信の子・貞寿にも不穏な動きが…。政を巡り、絡み合う邪な思惑に、右京は立ち向かう。 本作品は「暴れ旗本御用斬り 雲海の城」を加筆修正した新装版です。
  • 暴れ旗本御用斬り 黄金の峠
    4.0
    「暴れ旗本御用斬り」シリーズ第4巻! 三河以来の直参旗本で、大目付の大河内右京。“ひょうたん息子”と呼ばれていた頃から、市井に混じり、庶民の生活をよく知る彼ならではの目線で、身分の上下に関わらず、世にはびこる諸悪を正義感と信念で、叩っ斬る! そして、地方で起きつつある事件にも……。長篇書下し。 本作品は「暴れ旗本御用斬り 黄金の峠」を加筆修正した新装版です。 内容(「BOOK」データベースより) かみなり旗本と怖れられた元大目付の大河内政盛も、孫の一挙手一投足に慌てふためく親馬鹿ならぬ爺馬鹿な日々。そんなある日、孫が将棋の駒を飲んだと思い、血相を変えて療養所に駆け込んだ。そこで出会った手伝いの娘おすまが発する異様な雰囲気が気になり…。その頃、大目付を継いだ息子の右京は、老中松平定信の命で、さる藩で起きている内紛の真相を調べるため、越前に潜入していた。
  • 暴れ旗本御用斬り 虎狼吼える
    -
    人気シリーズ「暴れ旗本八代目」に続く第2章。瓢箪息子と呼ばれた大河内右京が大目付に就任。その活躍を描く待望の第3巻。 《長篇書下し》 新章に入った「暴れ旗本」シリーズの第3巻! 老中首座・松平定信にも正義を貫く、三河以来の直参旗本で、大目付の大河内右京。“ひょうたん息子”と呼ばれていた頃から、市井に混じり、庶民の生活をよく知る彼ならではの目線で、身分の上下に関わらず、世にはびこる諸悪を正義感と信念で、叩っ斬る! そして、地方で起きつつある事件にも……。 本作品は「暴れ旗本御用斬り 虎狼吼える」を加筆修正した新装版です。
  • 暴れ旗本御用斬り 龍雲の群れ
    3.0
    新章に入った「暴れ旗本」シリーズの第2巻! 老中が田沼意次から松平定信へと代わり、新たな気風の世の中。三河以来の直参旗本・大河内家の当主・右京は、父の後を継ぎ、大目付になった。“ひょうたん息子”と呼ばれていた頃から、市井に混じり、庶民の生活をよく知る彼ならではの目線で、身分の上下に関わらず、世にはびこる諸悪を正義感と信念で、叩っ斬る! 本作品は「暴れ旗本御用斬り 龍雲の群れ」を加筆修正した新装版です。
  • 暴れ旗本御用斬り 栄華の夢
    -
    人気シリーズ『暴れ旗本八代目』。ついに新章がスタート! 三河以来の直参旗本・大河内家。 “ひょうたん息子”と言われた右京が、父の後を継ぎ、大目付になった。 江戸のみならず、諸国に育つ悪事の芽を、変わらぬ正義感と信念で、叩っ斬る! 本作品は「暴れ旗本御用斬り 栄華の夢」を加筆修正した新装版です。
  • 隠密くずれ 剣光一閃
    -
    元公儀隠密・幻の三蔵と夢の五介。賄賂に目が眩んだ上役に反抗し、腹立ちまぎれに江戸を飛び出した二人。今は諸国の悪人どもの、弱みを掴んで強請屋(ゆすりや)稼業。幕府の追っ手に、女難、剣難、くぐり抜けての道中記!
  • 連合艦隊 大反攻~新・太平洋戦記3~
    -
    山本五十六長官は、「加賀」「飛龍」「蒼龍」を率いて大反攻に出た。総力を挙げた日・米両国兵士の激闘の末、ミッドウェイはついに日本軍の手に落ちた。二カ月後、アメリカ軍は大艦隊を組んでガダルカナル、ツラギに攻め込んだ。日本軍は、「鳥海」を先頭にした第八艦隊が駆け付け、ここに凄絶なるソロモン海海戦の幕は切って落とされた! 天王山となる死闘の第三巻。
  • 連合艦隊 大進撃~新・太平洋戦記2~
    -
    日本軍は勝利の美酒に酔いすぎていた。猛将・フレッチャー少将の米機動部隊は深い手傷を負いながらも猛反撃し、サンゴ海海戦は壮絶なる相打ちで終わった。ついでミッドウェイ決戦では山本五十六長官座乗の大和を先頭に、連合艦隊は総力戦に突入。だが、兵装転換にミスをした連合艦隊は、赤城を始め各艦に甚大な被害を受けた……。著者入魂の海戦大作第二巻。
  • 白狐の呪い~岡っ引き源捕物控~
    -
    2年前、源次はやくざと博打(ばくち)のいざこざから江戸を離れた。岡っ引きだった父親の病死で、急遽(きゅうきょ)江戸に戻った彼の前に妹の絞殺体が!? 手掛かりは妹の遺(のこ)した白狐の面。源次は元同心・神子孫七(かみこまごしち)とともに下手人を追う中で、妹に前後して起きた2件の娘殺しを知る。そこにはまたしても妖しい白狐の面が……。俊英が大胆な物語展開(ストーリー)で市井(しせい)の謎を解く。
  • 大盗賊・日本左衛門(上)
    -
    八代将軍吉宗の頃、全身黒装束の異形の日本左衛門が率いる一味が、東海道筋を荒らし回っていた。ある日、左衛門は御油の豪農・長右衛門の娘・佐和を凌辱せんと画策、襲撃する。だが、佐和を妹のように可愛がる柳生流の達人・高田賛四郎に阻まれた。やがて佐和は婚約し、その祝言の夜、ふたたび左衛門が襲い、彼女を凌辱して逃亡した……。長編時代ロマン。
  • 天上の麒麟 光秀に啼く 誰が織田信長を殺したのか?
    -
    本能寺の変の隠された謎を解く歴史ミステリー小説、光秀は信長を殺していなかった。真の黒幕を解明する。 本能寺の変の真犯人像を新しい視点で解明する歴史ミステリー小説。信長は武田征伐の後、本能寺の茶会に徳川家康を誘うが息子信秀には家康暗殺を命じる。また秀吉にはその後の徳川領への侵攻を命じていた。一方信長の無二の腹心であった光秀には朝廷から天皇廃絶を公言していた信長誅殺の勅命が下っていた。しかし信長は闇の勢力によって一足早く本能寺で殺されてしまう。そのため光秀は逆に謀反人にまつりあげられるが、家康は光秀の家臣斎藤利三の助けで一命をとりとめる。山崎の戦で秀吉に負けた光秀は家康の元へ去る。 【目次】 ミスト 米俵 中国攻め 有岡城 対決 摂津の戦 馬揃 御幸の間 武田攻め 上洛 本能寺 人生五十年 安土の天子 山崎の戦 逃亡 あとがき 【著者】 茶屋二郎 1945(昭和20)年、石川県金沢市生まれ。慶応大学卒業、小学館入社。その後バンダイに転じ、35歳で社長に就任する。日本玩具協会会長、デジタルメディア協会理事長、日本商品化権協会会長などを歴任。現在日本おもちゃ図書館財団代表理事。平成29年旭日中綬章を受賞。著書に「若き血に燃ゆる」(リベラルタイム)「青渕の竜」(廣済堂)「1868年終わりの始まり」(講談社)「アメージング グレース」「こげなお人ではなか」(ボイジャー)などがある。
  • 帳尻屋仕置 : 1 土風
    3.0
    神田馬ノ鞍横町で口入屋を営む蛙屋忠兵衛は、大店のおこぼれの小商いばかりで、うだつの上がらぬ毎日。昼酒を啖い、無聊を託つが、忠兵衛には女房のおぶんも知らぬ裏の顔があった――。雲弘流の達人、「殺生石」柳左近。不傳流の若武者、琴引又四郎。そして稀代の仕掛人、「帳尻屋」忠兵衛。蔓延る悪に引導を渡す、人気の「帳尻屋始末」の流れを汲む、期待の新シリーズ!
  • 帳尻屋始末 : 1 抜かずの又四郎
    3.0
    訳あって脱藩し、雲州から江戸に出てきた若い浪人・琴引又四郎。古びた口入屋「蛙(かわず)屋」に足を踏み入れたことから、江戸の悪を懲らしめて善悪の帳尻を合わせるという「帳尻屋」と呼ばれる集団と関わることになる。期待のシリーズ第一弾。
  • 赤ひげ診療譚 合本版
    4.0
    山本周五郎の連作短編小説集。合本版で一気に読める。江戸時代、小石川養生所。長崎で修行した医師・保本登と、赤ひげこと新出去定との対立と葛藤。それぞれ事情を抱える患者たち。赤ひげの治療に対する熱き思いを知るうち、次第に理解するようになる。何度も映画化、ドラマ化された作品。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 武将と茶道
    -
    名器をあさり、名物道具を無上の贈り物とした武将たち。茶道は、武将の重要なたしなみの一つだった。それは智的レベルの高さを強調する手段でもあり、権力の象徴でもあった。弱肉強食の変転きわまりない社会機構の下で、武将間の離反確執の原因となったり、逆に時代の潤滑油となったりした例も多い。この書は、茶道が歴史に果した役割を興味深く解明するものである。茶道は歴史にいかなる影響を与えたのか?
  • 石田三成
    3.0
    石田三成にまつわる陰湿なイメージは、江戸時代、幕府御用学者によってでっちあげられた虚像である。では、三成という武将のまことのすがたは、どのようであったのか? ――「士は己れを知るものの為に死す」との真の武士の信念を常に肚に収め、故・秀吉の信頼と恩顧にこたえて、大敵・家康に挑み殉じた、三成の生涯と実像を描く会心作。
  • 宮本武蔵(巻一)
    -
    関ケ原の戦いを命からがら落ち延びた武蔵(たけぞう)と又八は、お甲・朱実母娘の世話になる。その一年後、武蔵はひとり故郷に帰るが、そこは安住の場所ではなかった。憎しみに任せ野獣のごとく敵を倒すなかで、武蔵は沢庵にめぐり合う。沢庵は殺すためではない護るための剣があることを教える。孤剣をみがき、求道を通して二天一流の開祖となるまでの長い道のりを描く吉川英治の畢生の大作。
  • 黄金の海へ
    -
    この潔さが羨ましい! 豪商紀伊国屋文左衛門の波瀾万丈の生涯を元禄経済のなかに活写した歴史長編。 命を賭けた江戸へのみかん輸送で得た三万五千両をもとに、紀伊国屋文左衛門は、日本一の豪商めざして突き進む。大長者・河村瑞賢、杉山検校の後押しで材木商となって活躍。八十万両もの稼ぎを上げる。 しかし、貨幣改鋳に手をつけて失敗。以後、時勢の流れから外れ、一代限りで引退した文左の豪快な生涯。
  • 天下を呑んだ男 「秀吉」が生まれた朝
    -
    夢は身銭を切って購うもの――東海道吉田宿の一夜、針売りの青年・藤吉郎は、旅の僧にこう言い放った。一升八文の酒を仲立ちに「天下」への道が招き寄せられ、一人の男が歩き始める。平凡な人生を大きく転回させ、歴史に名を成す豊臣秀吉へと変貌させた叡智とは何か。英雄誕生に秘められた、成功への発想法を描く。
  • 紅椿無惨 唐人お吉
    -
    下田一の美妓で、明烏のお吉と人気の高かった娘に立った白羽の矢。お国のために、好いた男の夢のために、異人の許に送られたが、通商条約締結後、無惨に砕かれた女だけが残された。ハリスの許から暇を出されたお吉には、下田の町は居づらかった。愛しい鶴松が侍になっているはずの江戸へ、身を隠して行く。時代の嵐に巻き込まれ、男たちの明治維新に利用された女心。美しくて脆かった女の意地を切々と描く、著者初の時代長編小説。
  • 寒山剣(かんざんけん)
    -
    加賀藩兵法指南・富田重政の屋敷に、飄然と出入りする正体不明の異形の小男。中条流の奥義“心ノ一法”を探る徳川の間者との熾烈な対決の中で、謎の小男が放った不思議な一太刀。未発表の表題作「寒山剣」や「胡蘆子の剣」の他、太平の世はまっぴら御免、武士の一分を立てて主君に抗う「蜂右衛門の横道」など、著者の精髄を収めた粒よりの7編。
  • 日本剣豪譚 戦国編
    4.0
    一ノ太刀(たち)・塚原卜伝(つかはらぼくでん)、陰(かげ)ノ流(ながれ)・上泉伊勢守(こういずみいせのかみ)、小太刀・富田勢源(とだせいげん)、水月・柳生石舟斎(やぎゅうせきしゅうさい)、無想剣・伊東一刀斎(いとういっとうさい)から孤高の宮本武蔵(みやもとむさし)まで、戦国の世に繚乱(りょうらん)と花開かせた剣法中興の祖たち。死生のはざまで体得した不動の人生!
  • 武蔵坊弁慶(一)玉虫の巻
    4.3
    源氏再興に義経と行動を共にし、衣川で果てたわれらが弁慶は、身の丈2メートル、130キロの巨躯にみなぎる怪力に似ず、美女・玉虫との恋に身を灼く純情な青年でもあった。正義感に燃えてふるった蛮勇のせいで比叡山を追われた弁慶を待つものは……。剛力無双のヒーロー・弁慶の波乱万丈の生涯を描く痛快巨編。男の強さ、優しさ、哀しさがみなぎる、NHK大型時代劇原作にもなった全10巻。
  • 天下布武金融戦記
    -
    戦国時代の帰趨を決めたのは金融だった!? 光秀と信長、そして特殊弓兵「織田邪弓隊」と謎の女武者・卯月の戦いの異色歴史小説。 =目次= ・桶狭間一五六〇 邪弓隊、前へ! ・光秀の長い四日間一五六九 本圀寺の変 ・天正六年の行方不明一五七八 堺・大船御覧 ・信長の身代金一五八二 敵は本能寺にありの真相
  • 若き日の明智光秀
    2.0
    美濃明智城の落城後、光秀は若くして諸国放浪の旅に出た。知謀の将、北条氏康。上洛を窺う今川義元。天才武将、武田信玄。そして運命の人、織田信長。――権謀術数渦巻く戦国の英雄たちとの出会いの中で、光秀は何を見、何を学んだのか。優れた知性と誠実さとを備えた光秀を本能寺へと駆り立てたものは何だったのか。『明智軍記』にヒントを得、練達の作家が史実と想像力とを駆使して、新たなる光秀を描く。渾身の書き下ろし長編。
  • 友殺しの剣
    -
    「文芸ラジオ 1号」に掲載された「犬神」と、未発表の「友殺しの剣」をまとめた著者初の時代小説集。

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  • 狸汁~銀次と町子の人情艶話~
    3.0
    麻布十番の料理屋「味六屋」は政財界の大物がお忍びで通う名店だ。流れ板の銀次と女房の町子が切り盛りする小さい店に、馴染みの政治家から珍しい注文が入る。接待の相手は右翼の重鎮で、オーダーされたのは戦時中に中国で食べた“狸汁”。銀次はその料理にこめられた男の思いを叶えることができるのか――(表題作)。舌よりも心に残る料理の味わいを描く傑作短編集。
  • 海軍兵学校よもやま物語
    -
    昭和17年12月1日、広島県江田島の海軍兵学校74期1,020人が入校した。太平洋戦争のはじまった翌年の入校だが、志願の動機は、短剣を下げた兵学校の格好よさ、待遇が圧倒的であった。入校式は、白亜の大講堂で、当時の海軍兵学校長井上成美中将により、「兵学校生徒を命ず」の歯切れよい命課告達がなされた。これより昭和20年3月30日の卒業式まで2年4ヶ月にわたる74期海軍兵学校生徒の日々が始った。
  • 疫病神捕物帳
    -
    呑太の元に殺しの報が届いた。高利の金貸しが刺し殺されたという。五人の手先たちを駆使した聞き込みの結果、呑太にとって大恩ある岡っ引・銀造の孫娘の名が挙がった。衆人にはその冷酷かつ非常なお調べのためか“疫病神”と忌み嫌われる呑太だが、今は亡き銀造にだけは義理を欠いたことはない。恩人の孫娘――鬼の如き呑太の眼が光を増す(人を信じない男)。名匠渾身の傑作時代小説集。(『疫病神呑太』改題)
  • 女狐
    5.0
    お前、私と相対死しておくれでないか――女の一言が男を出口なしの恋の地獄へと落とした。大店の若内儀・お艶との心中の仕損じから落ちぶれた伝次の、無惨きわまる恋を描く表題作をはじめ、市井に咲いた毒の花・悪女を凄艶に描いて鮮やかな時代小説デビューをかざった傑作短篇集。
  • 武道伝来記
    -
    臆病者とさげすまれた間宮織部は、息子・和三郎に「武士」の心を打ち明けて死ぬ。後日、若殿のお供をした和三郎は、父の汚名を晴らす…「武道伝来記」。秀吉の妻妾たちの二派に分かれた争いに巻き込まれた千利休の娘お吟(ぎん)の悲劇と、芸術界の雄、千利休と俗界の雄秀吉とを対比させて描いた「天正女合戦」。海音寺潮五郎の直木賞受賞作2編を収めた。
  • はぐれ十左御用帳 家康の靴
    3.0
    小伝馬町の牢屋敷に捕らわれていた盗っ人の巳之介は、牢抜けを唆され、恋女房の元へと逃げ出した。しかしそれは、老中・松平定信からの頼みで、同心・鏑木十左が仕掛けた探索の始まりだった。江戸城内から持ち出された大御所家康の遺品、そして、事件の背後に潜む失脚した田沼意次の配下たちはどこに? 十左は手下の八十助とお庭番の紫乃らとともに真相を暴く! シリーズ第七弾!
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)
    値引きあり
    4.0
    全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞 第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が文庫版で登場! 「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介 <あらすじ> 天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。 忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。 「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな…… 地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」 本書は2017年に小社より刊行された著作を文庫化したものです。
  • 左馬之助
    -
    「お前は、武士には向かんのかもしれんな」 12歳の孫六(左馬之助)は、馬喰として働くある日、羽柴筑前守秀吉に仕える武士、加藤景秀に見いだされ仕官することになる。 友そして配下武将となる塙直之をはじめ、異人修道女セレスティーナや、武田赤備えを率いる山県昌景など、さまざまな人々との出会いと別れを通しながら成長していく左馬之助。だが、彼には武士としては致命的な「弱さ」があった…。 豊臣秀吉の元で名を馳せた「賤ヶ岳の七本槍」の一人、加藤左馬之助嘉明。 後に「沈勇の士」と謳われ、会津40万石を封される戦国武将の、父と放浪した幼い日々から本願寺一向一揆鎮圧までを、時に瑞々しく、時に凄惨に描きだす“マニアック&ライト”な戦国小説、開幕!
  • 止水-幕末の忍び- 上
    -
    江戸幕府の特命を受け、幕末まで脈々と生き残った忍び「止水」一族。その「七代目止水」が、幕末という激動の波にあらわれながらも様々な任務を遂行していく長編時代小説。 父から厳しい忍びの訓練を受けた止水は幕府、薩長、朝廷の思惑が交差する中、井伊直弼の暗殺をはじめ様々な依頼を完遂し、時代の流れに翻弄されながらも歴史の流れを変えていく。 歴史研究家だからできる、文献調査による幕末の志士たちの姿形を含むプロファイリング、さらに多くの現地取材などを敢行し、詳細に当時を再現した著者渾身の処女大河小説。
  • 三狼鬼剣 剣客旗本奮闘記
    -
    連続殺人と強請り――巨悪を暴き、敵を討つ深川佐賀町で、御小人目付がふたり斬殺された。ひとりは喉を突き刺され、もうひとりは肩から背を剛剣で截断。材木問屋が大金を脅し取られた話があり、調べにきた帰りだったという。その後も、大店への強請りと殺人が続く。非役の旗本・青井市之介は、御目付の伯父の依頼を受け、悪党たちを追いかけ、死闘に挑む。大人気シリーズ第一幕、興奮度頂点の最終巻! 【目次】第一章 必殺の突き/第二章 怯え/第三章 待ち伏せ/第四章 襲撃/第五章 隠れ家/第六章 死闘
  • 千代ノ介御免蒙る : 1 目黒の鰻
    3.0
    小十人組の御家人、一柳千代ノ介の密かな楽しみは江戸に出回る見立て番付を眺めること。いい女房番付、美味い料理茶屋番付、はては強い博徒番付……母と許嫁の厳しい視線を浴びる千代ノ介だったが、転機が訪れる。なんと暇を持て余した時の将軍・家斉より市中に出回る番付の真偽を探る「番付目付」役を拝命したのだ。葵の御紋入りの手形と大刀・南泉一文字を贈られた千代ノ介は番付仲間の恵比寿屋やご隠居らと、老舗の裏の顔や闇に葬られた事件に迫っていく。超期待の新シリーズ!
  • 海音寺潮五郎短篇総集(一)大老堀田正俊他
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    歴史文学の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短編80余編を全8巻に編成。武士の潔さ、日本人の美意識を追求した作家の精髄がここに。第1巻は処女作「うたかた草紙」、実録文学「大老堀田正俊」、西南戦争を背景とした「南風薩摩歌」、忠臣蔵の片岡源五右衛門を通して武士道観を描く「白菊」など、著者が作家としての地位を確立させた記念碑的作品群12篇を収録する。
  • くらまし奇剣 剣客旗本奮闘記
    3.0
    二刀遣いの強敵との死闘 餓狼を斬る! 日本橋の呉服屋が大金を脅しとられた。しかし、呉服屋の主人は「娘が殺されます」と脅え、何も語ろうとしない。この悪行には幕臣がかかわっているという。非役の旗本・青井市之介は朋友・糸川とともに探索にあたるも……。大店への脅迫、次々と斬殺される武士、予期せぬ奇襲、二刀遣いの強敵。子供を攫い、大金を奪う悪党は断じて許さぬ! 市之介が死闘に挑む。大人気シリーズ第十一弾!
  • 五人女捕物くらべ(上)
    3.0
    朝の神田川に、女が1人釣り糸を垂れていた。「おおい、姐さん、御注進」。猪牙舟(ちょきぶね)が真一文字に近づいて来る。太公望のおせんと綽名(あだな)される売れっ妓は、老岡っ引小平次の手先として、恐るべき連続女殺しに取り組んでいく……。次々と、五人の女岡っ引が小平次と共に難事件に挑む、連作江戸推理作品集。
  • くノ一元禄帖
    4.0
    将軍・綱吉の出した『生類憐れみの令』を破った罪に問われた浪人は、津波のような勢いのたくさんの犬たちに襲われた! 同じ頃、高貴な武家の姫君や若い奥方たちは、御駕篭の中で、異形の存在たちに責めたてられていた。艶技を武器にする美貌のくノ一集団“阿魔衆”は、水戸光圀の密命を受ける。そこに立ちふさがる謎の邪淫坊と甲賀忍者たち。彼らとの死闘の行方は…?書下し新感覚時代小説新シリーズ。
  • 秘剣
    5.0
    「鈍根」ゆえに武芸師範の家を継ぐことができず、父によって左手の指を切断され、藩士末席の小普請に落ちた若者、田宮弥太郎。彼が、周囲からの侮蔑に耐えながら、ついに右手一本で体得した「秘剣」とは――。剣に生き剣に死ぬ、信念に生き信念に死ぬ。誇り高き者たちの織りなすさまざまな人間ドラマを、ペーソスとともに、いつくしみこめて描き出した、力作士道小説7編を収録。
  • 雪之丞変化(上)
    -
    大正末期から昭和初頭にかけて、大衆文壇における奇才・三上於菟吉の名声は素晴らしかった。本篇は、その三上が昭和九―十年に発表した、彼の代表作。主人公は、美貌の女形、雪之丞。自家を壊滅させ父母を窮死させた五人の敵に対して、雪之丞が次々と復讐をなしとげていく凄絶な物語で、甘美な歌舞伎の世界を背景に、侠盗や女賊や将軍の寵姫などを縦横に活躍させて、興味つきない。
  • 丹下左膳(一)
    -
    名奉行大岡越前守が治安を預かる大江戸。神変夢想流大試合の一夜、不慮の災いから所有主の許を離れた大小二口の妖刀――分ければ災いたちまち下り屍山血河を築き、互いに慕いあって夜毎に啜り泣くという宿業の乾雲丸、坤竜丸。大は怪剣士丹下左膳の、小は諏訪栄三郎の手に渡り、それを狙って諸国の剣客、美女、妖婦らが卍となって血の雨降らす……。
  • 石川五右衛門(上)
    -
    武田勢の襲来で今川方は総崩れ、駿府の町は猛火につつまれた。五右衛門の父は、御宝物庫(ごほうもっこ)から名物・千鳥ノ香炉(ちどりのこうろ)を運び出すが、途中、野伏(のぶせ)りに襲われる。父と妹の死。五右衛門は、千鳥ノ香炉をお屋形さまに届けるべく旅立った。その後、旅宿「松風」の主のもとで修業し、成長を遂げる五右衛門。やがて、父と妹の仇討ちを果たすべき時が近づいてきた。
  • 妖剣跳る 剣客旗本奮闘記
    3.0
    武士集団・憂国党の悪事を暴く。血がたぎり、斬撃がはしる。霞捻りを破れ! 憂国党は呉服屋や船問屋など大店を襲撃、千両箱を奪い、邪魔する者は迷いなく斬る。道場で鍛えられた猛者たちだけに、誰もが腕が立つ。一番の曲者は、上州で身に着けた妖剣「霞捻り」を繰り出す牢人。党の壊滅を命じられた市之介と糸川たちは、奴らの動きを探るも、強烈な逆襲を受ける――。結末はいかに!? 人気シリーズ第十弾。
  • 糸車
    3.9
    深川の長屋で独り暮らしのお絹。三年前までは、松前藩家老の妻だったが、夫を殺され息子勇馬は行方不明。小間物の行商をして、勇馬を探し続けている。商いを通じて、同心の持田、茶酌娘などと親交を深めるうち、様々な事件に巻き込まれ、それぞれの悩みに共感し奔走するが……。船宿の不良娘と質屋のどら息子の逃避行、茶酌娘の縁談、そしてお絹に芽生えた静かな愛。下町の人情が胸に染みる時代小説。
  • 善知鳥(うとう)伝説闇小町~鍵屋お仙見立絵解き~
    -
    髪は黒繻子(くろしゅす)のようにつややか。色白の瓜ざね顔に、さくらんぼのように丸く赤い口唇で、紅(べに)や白粉(おしろい)に汚されることのない素顔美人。谷中・笠森稲荷の茶汲娘・鍵屋お仙は、江戸で評判の人気者だ。推理の冴えと悪を許さぬ心、袂(たもと)に隠した飛礫(つぶて)を武器に、お江戸の闇に光明を照らす。鈴木春信の錦絵や、短歌、川柳を背景に、風情溢れる人情派娘捕物帳。好評時代連作シリーズ。
  • 風の宿~川ばた同心御用扣~
    -
    江戸には多くの人間が、過去を背負って辿(たど)り着く。彼らに、浮き世に巣くう卑劣なダニたちが絡(から)み、様々(さまざま)な事件を引き起こす。南町奉行所の同心・秋山五六郎(ごろくろう)は、手下の半次とお富を使い、縺(もつ)れた事件の謎を解きほぐす。悪事を懲(こ)らすに容赦はしないが、弱者の犯した過(あやま)ちには人情で裁く五六郎だが……。著者の描く江戸の四季に、風俗・風物を感じる人情捕物帳!
  • 茶立虫~莨屋(たばこや)文蔵御用帳~
    -
    留吉(とめきち)の幼馴染みが、女を紹介すると言われ、金を騙(だま)し取られたらしい。義憤(ぎふん)を覚えた彼は、おそめという名の女を探して江戸の町を奔(はし)る。そんな時、四谷忍町(よつやおしまち)の横丁で商人風の男が殺された。その際、稲荷番の男が「おそめ」と叫ぶ男の声を聞いたと言う。果たして同一人か? 文蔵は探索を開始するが……(表題作)。好評“裏稼ぎ”捕物控!
  • 蜥蜴市~莨屋(たばこや)文蔵御用帳~
    -
    江戸は市谷・浄瑠璃坂下で、商人風の男が何者かに絞殺された。男は料理茶屋に一人で出かけ、帰らぬ人となった。八丁堀同心・青木廉平の命を受けた岡っ引き・文蔵は、子分の松と留吉を引き連れ、下手人の行方を追う。殺された男の本妻には間男がおり、その間男の影が妾の背後にも……(表題作)。 悪事を懲らすが情もかける、好評“裏稼ぎ”捕物控!
  • 贋妻敵(にせめがたき)~莨屋(たばこや)文蔵御用帳~
    -
    捕物にかけては、めっぽう腕利きの文蔵親分だが、年増女の色気には鋭い探索の手も鈍る。一件落着の上の役得は、たいていは、“とらぬ狸の皮算用”。これではならぬ、と気を引きしめ、少々頼りない二人の子分(松と留吉)を相棒に、ぬらりくらりと巧妙に立ち回る犯人を、土壇場へと追い詰める。悪の蔓延(はびこ)る江戸の町に、文蔵の十手(じって)が閃(ひか)る。裏稼ぎ捕物控シリーズ!
  • 後家鞘~莨屋(たばこや)文蔵御用帳~
    -
    繁栄を誇る江戸の町々。だが、その裏側には、暗く澱(よど)んだ無気味な気配が漂っていた。色恋に溺れ、分別を失ってしまった女たちと、その弱みにつけこんで甘い汁を吸う冷酷な男どもの、ふしだらな情事の数々――。何気ない噂話の中から、危険な企みを感じ取った岡っ引き莨屋文蔵は、2人の子分(松と留吉)の尻をたたき、事件の核心に迫る。裏稼ぎ捕物控!
  • 裏稼ぎ~莨屋(たばこや)文蔵御用帳~
    -
    女房の火遊びに亭主の浮気、一張羅(いっちょうら)の晴れ着を盗まれてくやしがる娘――。岡っ引き莨屋文蔵は、子分たち(テレコの松に横丁の留吉)が拾ってきた、一見たわいのない町のもめごとの裏に、妖(あや)しい悪事の気配を嗅(か)ぎつけた。江戸の片隅に生きる男と女の、はかない夢と挫折、ゆがんだ愛欲のもつれが生み出した奇怪な事件の謎(なぞ)に立ち向かう、裏稼ぎ捕物控(とりものひかえ)。
  • 帝國海軍鬼道艦隊 太平洋戦争シミュレーション(2)
    完結
    -
    米国から先制攻撃させることに成功した日本は、早期講話をはかるべく一気に攻勢にでるが……。第三航空戦隊を囮に、ミッドウェイ作戦発動!日米航空部隊がいよいよ正面激突へ!! 観測専用空母・雲龍が活躍する!!
  • 帝國海軍鬼道艦隊 太平洋戦争シミュレーション(1)
    完結
    -
    空母分散構想のもと強力な火器を持った雲龍型空母が完成。だが、真珠湾へ向かった彼らの前に米空母が立ちはだかる!ウェーキ島沖で日米激突――。日本の挑発に米軍先制攻撃!

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  • 江戸群盗伝
    -
    あがきのとりようとてない階級制度という檻の中で、一切の希望を放棄してしまった美貌の剣士・梅津長門、島破りの巾着切り三日月小僧、博徒の喜三郎、ヒョットコ三次らの御一党に、美女・雪姫や鉄火の遊女を色あざやかに配し、対する敵役には、奇怪な剣豪あり、密輸で富む幕府の重臣ありで、場面の変転も、もののみごとに、恋と欲と意地とに燃え狂う大江戸を痛快に活写した傑作。
  • 渡辺崋山 上
    -
    江戸時代後期、三河国田原藩の藩士であり、画家としても著名な渡辺崋山。家老として藩政改革に尽力し、時の蘭学者たちのリーダー的存在でもあった。天保10年(1839年)5月、蛮社の獄に巻き込まれ、「不忠不孝渡辺登」の絶筆の書を遺して、切腹して果てた崋山の生涯を、崋山研究の第一人者が描く歴史小説。上巻では、家老になった崋山が職を辞するため藩主に宛てた上申書の形をとって幼少から家老になるまでを自叙伝的に描き、儒学と蘭学の対立を沿岸測量を元に描き出す。
  • 義弘敗走~慶長風雲録~
    -
    徳川家康が会津征伐で大坂を留守にするや、石田三成は即座に挙兵した。家康は討伐のため、急遽(きゅうきょ)西進する。日本六十余州の諸侯が東軍西軍に別れて、自身と家を賭けた天下分け目の一大決戦。家康の裏切り工作と、暗躍する忍びの群れ。やがて、小早川秀秋らの裏切りで戦況は一変、西軍は総崩れとなった。薩摩の島津義弘隊は、玉砕覚悟の敵前突破を敢行するが……。
  • 隠密目付疾る~一橋慶喜隠密帳~
    4.0
    嘉永七年。一橋慶喜の命(めい)を受け、隠密目付となった東郷征次郎。彼は耳目(じもく)の千安(せんやす)をつれ、一橋領内の一軒家で、不法な占拠を行う盗賊始末に乗り出した。押し込み、輪姦と暴虐の限りを尽くす悪漢を倒す必殺の示現流。やがて追いつめられた彼らは、浪人や刺客集団を金で傭い、征次郎暗殺を試みるが……。『裏お庭番』『賞金首』の著者が描く、新シリーズ。
  • 巴(ともえ)御前(一)
    4.5
    源平の昔、今より、八百年以上も前に、本邦随一の美貌の女武者が存在した。この本は、正室の座よりも愛一筋に生きようと共に戦場を駆けめぐった女性の、愛と武勇に生きた絢爛(けんらん)華麗な物語である。〈全三巻〉
  • 一休闇物語
    3.0
    なまめかしい肢体で男の精気を吸う妖女、高僧だけを喰らう妖物、尊氏(たかうじ)ゆかりの凶鳥(まがとり)……さまざまな怪異と遭いつつ、地獄さながらの世を行く一休宗純(そうじゅん)。旅を経て寺に戻った一休は、師・華叟宗曇(かそうそうどん)の危篤を知る。そんな宗曇の病床に妖怪が現われ、誰彼かまわず人間の影を食いはじめた!(「影わに」)一休はなぜ旅をするのか!? 膨大な史料と想像力が生んだ連作小説。
  • 一休暗夜行
    3.5
    「ほしみる」を探しだし焼き尽くせ──謎の言葉を遺し足利義満は死去した。放置すれば天下を逆(さか)しまにするという「ほしみる」の正体、そして在り処は? かくして、四代将軍・義持が、母親を人質にしてまで、その探索に遣わしたのは……誰あろう、主人公・一休宗純。だが、さまざまな怪異、苦難が、一休の前途を阻むのであった!──面白さ比類なし。朝松健の自信作!
  • 赤い炎~家康側近本多正純の誤算~
    -
    天下人徳川家康の側近として権勢を誇っていた本多正純は、家康の死後、二代将軍秀忠に老中として迎え入れられる。しかし、幕閣には秀忠の信頼厚い土井利勝がいる。駿府での家康側近時代の正純はこの利勝を赤子の手をひねるがごとくに抑えつけてきたが、江戸城内での利勝はかつての利勝ではなかった。したたかな策士に成長していた利勝は、正純の正論を飄々とかわしながら、他の幕閣の声を巧みに吸収して我が意のままに政事を動かしていく。徐々に焦りを感じていく正純。行く末に不安を覚えながらも、これまでの己の行状を顧み、幕府のこれからに思いを馳せる。正純は、利勝の手腕に支えられた秀忠の狂気、キリシタン五十二名を火刑に処して平然としている冷酷な振る舞いに危険を感じる。比叡山の僧兵を焼き討ちにした信長。秀頼誕生後に養子秀次一族を処刑し、その一方で茶人千利休を自害させた秀吉。鉱山採掘に力を発揮した大久保長安の謀叛を疑い、その死後、一統を厳罰に処した家康。己の力で頂点を極めた信長、秀吉、家康の三人のそのいずれにも常人を超えた狂気が秘められていたが、その狂気は正純にとっては理で解けるものだった。しかし、策士の利勝が側近として仕える凡才秀忠が図らずも見せた狂気は正純の予測を超えた道理なき狂気だった。そんな危ない将軍でも全力で支えなければならないのが幕閣の役目なのか。理を説き正論を吐く正純に対して巧妙な罠が仕掛けられる。仕掛け人は土井利勝か、それとも家康の死後に発言力を増している老獪な大僧正天海か。最後に、宇都宮城御成御殿釣り天井事件の謎が明かされる。前作『青い瑕~天下人徳川家康の悔恨~』と併せて読むと興味と面白さが倍加する。
  • 若君御謀反
    -
    名将・加藤清正に始まる有力外様大名、肥後熊本54万石の加藤家は、清正の子・忠広の代に改易となった。名門の大藩を破滅に導いた三代目・光正の度し難い悪戯とは何だったのか?表題作のほか、関ケ原に敗れ、流罪となった宇喜多秀家を支えた人々を描く「母恋常珍坊」、赤穂浪士の討ち入りから70余年後、その思い出を語る尼僧の正体に迫る「堀部安兵衛の許婚」など、7篇を収録。ほかに「二度目の敵討」「おりん昭吉すかしの敵討」「おとよ善左衛門」「紺屋町の女房」。江戸初期から後期まで、江戸情緒を切り取った作品集。
  • 追跡者 幽剣抄
    3.0
    幼い頃に両親が死んだため、江戸を離れ、飲み屋を営む伯父のもとに引き取られたお妙。17歳になり、伯父の店で看板娘として働いていたお妙は、店にやってきた浪人の大鳥譲也に惹かれるようになる。だが、ある夜、大鳥はすでに死んでいると、大鳥の過去を知る男に聞かされる(「飲み屋の客」)。ほかに「童子物語」「逢魔ヶとき」「介護鬼」「背後の男女」「夜の使者」「妖剣」「坂の上の死体」「追いかける」を収録。誇りという名のしがらみに追い詰められた下級武士の哀しみを描いた珠玉の時代小説怪異譚。
  • 付き馬屋おえん おんな三十六景
    -
    吉原の遊女屋の奥座敷で、画帳に筆を走らせながら、男女の痴戯を見つめるひとりの老人がいた。春画の大作、〈おんな三十六景〉の制作に取り組む絵師・葛飾北斎その人であった。ついに版木まで完成して、その祝宴が開かれたのが大晦日、ところが元日未明、この畢生の傑作は忽然と消え失せる。御法度の春画だけに、公にできないこの捜索は、おえんのもとに持ち込まれた。表題作ほか「女郎蜘蛛妖変」「難波の大尽」「馬屋子守唄」「吉原布団部屋」「武州一の宮」を収録。ヒロインおえんの鉤縄と啖呵が悪を懲らす、連作時代短篇集。
  • もののけ侍伝々 京嵐寺平太郎
    3.0
    江戸で相次ぐ怪事件。広島藩の京嵐寺平太郎は、幕府の命を受け解決に乗り出す羽目に。だが事件の裏には、幕府に怨念を抱く僧の影が……。三つ目入道ら仲間の妖怪と立ち向かう、妖怪痛快時代小説、第1弾!
  • 小説 水原親憲
    -
    謙信公の精神を受け継ぐ戦国最強の越後兵をえがく。手取川にて織田軍に圧勝した 越後軍の強さを水原が分析。 桶狭間の戦い、手取川の戦い、本能寺の変等、歴史の流れも踏まえた構成になっており、様々な将軍の人物像や歴史的背景も分かりやすく書かれている1冊。
  • 死笛 隠目付江戸日記(一)
    3.0
    息子に家督(かとく)を譲り隠居状態の駿河国・江崎藩元藩士・海野洋之介(かいのようのすけ)のところに、人殺しの知らせが。殺されたのは江崎藩の藩士。しかも、喉元を一文字に切り裂くという手練れの仕業だった。藩から隠目付を依頼された甲源一刀流(こうげんいっとうりゅう)の達人・洋之介の前に、次第に藩を揺るがす大きな疑獄が浮き彫りになってきた――。人気時代小説作家・鳥羽亮が満を持して放つ新シリーズ。
  • 黒衣の牙 新八丁堀つむじ風
    3.0
    江戸の町に、悪を憎み、 弱きを助ける男、南町奉行所定廻り同心・成沢東一郎が帰ってくる! 年若く美形の尼層の水死体があがった。穏やかな表情や遺体の様子から覚悟の自害と見られたが、尼層にはあり得ぬ赤い湯文字から、南町奉行所定廻り同心・成沢東一郎は辱めるための偽装であると見抜く。清廉潔白で可憐な尼層は何故死なねばならなかったのか──その無念が花形同心・成沢の心に火をつけた! 情に篤く、押しは強く、己の正義を貫く男・成沢東一郎と南町奉行所同心たちの八面六腑の活躍を描く人気シリーズの新章開幕!

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  • 多国籍銀行事件
    -
    三愛銀行外国部の次長・伊沢有二は三十代の若さでシンガポール支店長に抜擢された。意気は大いに上がったが、そこは世界のトップバンクのマネー戦争の修羅場だった。しかもソ連のクレムリン銀行がアジア・ダラーを狙う戦略を立てている。人事の裏には政財界の思惑もあった。銀行マンならではの視点で描く国際経済小説!
  • 町奴奔る~真説・徳川実紀~
    -
    島原の乱は本当に天主教徒の反乱だったのか? 幡随院長兵衛(はんずいいんちょうべえ)殺害の真相は? 油井正雪(ゆいしょうせつ)らは幕府転覆を図っていたのか? 騒乱の徳川初世、数々の大事件に翻弄されつつ、頑愚なまでに素朴な心を持ち続けた町奴・夢の市郎兵衛。公儀の非情さに打ちのめされた彼が渦中で見た真実とは──! 正史『徳川実紀』に隠された矛盾へ、大胆な新説で迫る刮目(かつもく)の傑作歴史長編!
  • でんぐり侍
    -
    三年越しの大飢饉がつづく奥州から江戸に出てきた男は、珍商売を転々とするなかで幸運にも大店(おおだな)の婿養子となる(「けつめど」)。将軍の密命で越後新発田藩(えちごしばたはん)に潜入した御庭番がする帰着後の復命の中味とは(「おんみつ侍」)。女嫌いで有名な武士が、三歳の童女に惚れ、許婚(いいなずけ)の約定を交わして十三年待ったが(「おどろ」)。ユーモアと風刺の効いた傑作集。全九編!
  • 平賀源内おんな秘図
    -
    江戸時代中期の本草(ほんぞう)学者・発明家にして、戯作(げさく)者・平賀源内。その旺盛な探求心は、女体の“からくり”にも向けられていた。“興味”を抱いた女性と、あれこれ知恵を絞り、奇抜な手だてを講じては逢瀬を重ねる。海女(あま)の姉妹、物産展で見初めた薬種商の女将(おかみ)、オランダ商館長の青い瞳の娘……。奇才の波乱に満ちた生涯を、女性遍歴から活写する異色作!!
  • からくり東海道
    3.3
    天保十年正月。尾張藩江戸下屋敷で余興を演じた角兵衛獅子のみつと文吉は、屋敷の庭に“宿場町”が造られているのを見た。十年後、文吉は、小田原宿でたかと名を改めたみつと再会。美少年を引きつれ、悪事を働くたかと手を組む文吉。三人は、箱根山中に眠るという大久保長安の埋蔵金を狙うが……。奇抜な発想、幾重にも仕掛けを絡ませた痛快時代ミステリー。
  • じゃこ天狗 もんなか紋三捕物帳
    4.0
    富岡八幡宮の近くで「じゃこ天」を売る天婦羅屋、伊達宗之介は元剣術指南役でありながら、逞しさが微塵もない、どこらか取り柄が何もないような浪人。娘の千春にまで説教される有様の宗之介だが、岡っ引の紋三が探索にのりだした猿江の殺しにつながる一件で江戸中が喝采する天晴れなことをやりとげる。  大岡越前守から直に十手を預かる門前仲町の紋三親分とふだんは頼りないことこの上ない伊達宗之介の涙と笑いの捕物帳!

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  • 龍馬、蝦夷に征く! (上)
    -
    戊辰戦争の最終局面、新政府軍によって北へ北へと追い詰められていた幕府軍。かつての新撰組副長・土方歳三も、ジリジリと退却を余儀なくされていた。そんな土方の前に突然現れたのは、慶応3年、京都近江屋で暗殺されたはずの坂本龍馬だった! あれは本当に龍馬なのか? なんのために現れたのか? 困惑する土方に龍馬が投げかけた言葉は?
  • 花のお江戸は闇となる~真説・徳川実紀~
    4.0
    生類憐(しょうるいあわれ)みの令で民を苦しめ続けた五代将軍・綱吉。江戸は地獄と化し、人々は“花のお江戸は闇となる”と歌った。後に六代将軍・家宣となる綱豊は、将軍の座を巡る争いの波にもまれて育った。千姫(せんひめ)の遺愛を受け、新井白石の知を学び成長した綱豊は、やがて思慮深い人物に。ついには“正徳(しょうとく)のご治世”と呼ばれる善政の花を咲かせる。「理想の政(まつりごと)とは」を問う傑作!
  • 宮本武蔵~幻談 二天光芒~
    -
    歌人・斎藤茂吉は洋行(ようこう)の途次(とじ)、巌流島に渡った。生涯六十余度の決闘で不敗を誇った宮本武蔵は、本当に強かったのか? 帰国後、茂吉は誌上で菊池寛と“宮本武蔵論争”を展開する。それがやがて、「武蔵名人説」を唱える菊池と「非名人説」に立つ直木三十五(なおきさんじゅうご)との激しい論争へと発展していく。――本書は、今まで誰も読んだことのない、武蔵をめぐる物語である。
  • 日本潰滅
    2.0
    朝鮮半島で起きた南北の戦いは、米ソの全面参戦により、第三次世界全面核戦争へと発展していった。やむなく参戦した日本は、ソ連の凄まじいミサイル攻撃や、高性能を誇るソ連機の大編隊と激しく渡り合う。しだいに、全国のレーダー基地や軍事施設が木っ端微塵に破壊されて……。全力投球の近未来スペクタクル会心作!
  • もうひとつの忠臣蔵
    -
    元禄十三年歳末、佐賀鍋島藩で葉隠(はがくれ)武士の恥辱を晴らす「ふつうでない」仇討ち事件が起こる。討ち取られたのは長崎を実質的に支配していた商人。討ったのは、深堀家の老武士。その顛末はのちの赤穂浪士の吉良邸への討ち入りに活(い)かされたという(「長崎の忠臣蔵」)。おのれの大事なものを捨てきれずに不器用に生きる人々を見つめた、珠玉の傑作時代小説集。
  • 川柳侍
    -
    泰平(たいへい)の世に、江戸庶民の間で隆盛を見せる川柳(万句合(まんくあわせ))。ユーモラスな中にも皮肉や風刺(ふうし)が効いた川柳に、大名家の御隠居までが熱を上げている。その殿様に生命の危機が!? 奸臣から殿様を救えと公事師(くじし)、職人、無宿人と、身分を越えた川柳仲間が頭を捻(ひね)る。が、さらに予期せぬ第二の出来事が……。ユーモアと哀感、そして人情味溢れる江戸っ子の人生模様!
  • 消えた街
    完結
    -
    満州国を舞台に、そこに生きた日本人家族の戦後を知る物語。戦争とはかくも人を翻弄していくものか……… 1932年(昭和7年)大日本帝国によってつくられた傀儡国家「満州国」の首都「新京」。白川妙子は国策映画会社、満州映画協会(満映)に勤務する夫、白川真之介とともに三人の子供を育て「未来に向かって開かれた」この街で6年10カ月を過ごす。。真之介の甥、野津修は「満州国」の最高学府建国大学(建大)に入学。「五族協和・王道楽土」という理念とは乖離した「満州国」の現実を目撃する。1945年(昭和20年)8月ソ連軍の侵攻とともに「新京」は消えた街となっていく。『こころ』(平凡社)第一回晩成文学賞の最終候補作。 【目次】 新京・満映 白川妙子の王道楽土 満映・甘粕正彦 建国大学開校 新京の日々 野津修の進路 満映と建大 白川真之介出征 脱出・肉弾 昭和二〇年八月十五日 消えた街 鎮南浦からの手紙 藤田松二の教え 啓農映画 五等国 白川真之介・大連 永久の未完成 三十八度線 朋友 活動屋・北上 白いおにぎり 現在進行形 『消えた街』電子版のための長いあとがき 家族と満州の文脈が交錯する 盟友の満州文脈と出会う そして「第一回晩成文学賞」 『消えた街』から見えてきたもの 奥付 【著者】 田中文夫 1952年 香川県坂出市生まれ。1974年 電通関西支社入社。クリエーティブセクションで広告制作に携わる。2010年 電通を早期退職。田中文脈研究所コンテキスター、フミメイとなる。2013年 半農半X研究所主任研究員として動き始める。 bunmyaku.blogspot.com facebook.com/fumio.tanaka
  • 本能寺の変
    3.0
    信長の天下統一に向けての戦いのなか戦場での武功は目覚ましいものではなかったが、行政処理の敏腕を買われ信長に重用された明智光秀。39歳のときから信長に仕えて15年、なぜ光秀は信長を討とうと決意したのか? 歴史上もっとも有名な謀叛の真実と本能寺の謎を、画期的な視点から解き明かす傑作歴史長編。
  • 勇のこと 坂本龍馬、西郷隆盛が示した変革期の生き方
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    改革も闘争の創造も、最後は勇気があるかないか、この1点が勝負を決める。幕末の混乱期に、類(たぐい)まれなる勇気を持って時代を切りひらいた、坂本龍馬と西郷隆盛。この2人の勇気の源とは? 歴史小説家・津本陽が資料を駆使し分析。どん底の日本を変えるために何が必要か。龍馬や西郷の生きかたに答えがある!
  • 青い目の旗本 ジョゼフ按針(一)~衣笠の姫~
    4.0
    徳川家康が重用したイギリス人三浦按針(ウイリアム・アダムス)を父に、日本人を母にもつ三浦ジョゼフ按針。父亡き後、旗本の地位と領地、朱印状を継いだ。ある日、嵐により持ち船が難破、三浦半島に漂着したジョゼフは、その地を治める衣笠藩のお家騒動に巻き込まれる。背後にはジョゼフを追い落とそうとする老中の陰謀が……。破天荒な旗本の活躍を圧倒的スケールで描く、新たなる時代活劇!
  • 人形佐七捕物帳 巻二十一
    -
    おなじみ神田お玉が池に住まいをかまえる人形佐七に焼き餅焼きの女房お粂、手先をつとめる辰と豆六。どれを読んでも絢爛と繰り広げられる横溝正史の世界!
  • 人形佐七捕物帳 巻一
    5.0
    「半七」「銭形平次」と並んで三大捕物帳といわれる「人形佐七捕物帳」。その最大の特色は横溝正史ならではの情痴・妖艶・欲望・怪奇・諧謔のからむ物語の面白さと、脇役の活躍の妙にある。主人公はむろん、神田お玉が池の佐七(人形とつくのは人形のように端正な美男であることから)。これに恋女房のお粂《くめ》、「雷ぎらいの」きんちゃくの辰と、「蛇ぎらいの」うらなりの豆六がからむ。とくにひょうきんな豆六は関西弁を駆使する、なくてはならぬ脇役だ。 この巻は、佐七一家の成り立ちを知る絶好の入門編。佐七が初めて名を売ったてがら話「羽子板娘」、辰五郎が船宿の船頭から足を洗って佐七の子分になったいきさつを描く「開《あ》かずの間」、やきもち焼きの姉さん女房お粂と一緒になるきっかけの事件「嘆きの遊女」、上方出の御用聞き志願で佐七に弟子入りし、へっぴり腰で《御用や、御用や》とかしましく立ち回る豆六の登場をえがく「螢屋敷」など6編を収録。

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  • 新装版 小説太平洋戦争 (1)
    値引きあり
    5.0
    和平のため奔走する首相・東条英機だが、ルーズベルト大統領は対日戦争の肚を固めていた。開戦か和平か混乱する中、山本五十六は連合艦隊司令長官就任の祝賀会の席で「天命を待つのみでは祖国の安泰は期しがたい」といってのけた。報道班員として従軍した著者による、太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説。【内容は山岡荘八歴史文庫版「小説太平洋戦争」と同一です】
  • あられ雪~人情処 深川やぶ浪~
    3.0
    うまい蕎麦(そば)を出すと評判の深川黒江町(くろえちょう)「やぶ浪」のあるじ浪介(なみすけ)は、元武士。わけあって蕎麦打ち職人となり、女房のおぎんと、小体(こてい)な角見世(かどみせ)を切り盛りしている。なじみの客に道場仲間だった同心や北町奉行がいることから、今日も事件が持ち込まれて……。情に厚い浪介は、仕事の合間の調べで、粋な解決へと導いてゆく。切なくも温かい時代小説の傑作が、ここに誕生!

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