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恋愛の発酵と腐敗について
太宰治賞作家が描く大人の恋愛群像劇。 人生経験を積んだ大人でも、恋愛だけは不器用なまま。太宰治賞受賞作家・錦見映理子が大人たちの恋愛模様を鮮やかに紡ぎ出す。 不倫の恋に破れ、勤めていた会社を辞めた元OL・万里絵は、知らない町で夢だった喫茶店を開き、ここで穏やかに暮らしていこうと決心する。そんな矢先、店に奇妙な男が現れ、サンドイッチに難癖をつけてきた。その男・虎之介は、商店街の一角にできたパン屋のパン職人。高い技術を誇り職人気質な男だが、こと女に関してはだらしがない。二度と恋はしないと誓った万里絵、夫に先立たれ久方ぶりの恋心に戸惑う早苗、夫の浮気を許し続ける伊都子。虎之介に翻弄された女たちの人生に予想外の転機が訪れる。太宰治賞作家が描く大人の恋愛群像劇。解説は中江有里さん。 Apple Books限定先行配信・有料小説ランキング1位、ブクログデイリーランキング1位、第2回「書店員が選ぶ大人の恋愛小説大賞」ノミネート、朝日新聞、日本経済新聞、NHKでも紹介された話題の小説が待望の文庫化。 ※この作品は単行本版『恋愛の発酵と腐敗について』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
先輩と僕 総務部社内公安課
宗正義人 (むねまさ よしと)、23歳。 学生時代の留学経験から、海外でのインフラ整備を志し、大不祥事に揺れる総合商社・藤菱商事に周囲の反対を押し切って入社した。 希望に満ちあふれていたが、配属先は薄暗い地下にある総務部第三課。 しかも地下のフロアには業務用エレベーターでしか行けないという……。 予想外の配属に落ち込む義人だが、実は総務三課は社内の不正を突き止め摘発する、という極秘任務を負った「社内公安」だった! 次のターゲットは何と、大学時代の憧れの先輩である真木和実(まき かずみ)。 彼は、義人が藤菱を志望する理由にもなった尊敬できる人なのだが、どうやら経理部で不正を働いているらしく――!? 素直でひたむきな新入社員×しっかり者で頼れる先輩。 商社バディのお仕事事件簿! -
ことづて屋
「お言伝てを預かっています」 山門津多恵の頭には、時折、死者の言葉がひびいてくる。 宛てた人物にその言葉を伝えるまで、津多恵は楽になれない。 見ず知らずの人物を訪ねるために外見を装うのを、美容師の恵介が手助けしている。 幼くして死んだ娘から母親へ、放蕩息子から父親へ、少年院の中から親友へ……。 伝えられた言葉は残された人に何をもたらすのか。 痛みをかかえた心をほぐす、あたたかくやさしい物語。 -
花は愛しき死者たちのために
「エリス、ほらご覧。また君のために人が死んだ」――硝子の棺に横たわる死せる美少女エリス。彼女は決して腐敗せず、いつの頃から存在するのかもわからない。棺は、黒装束の男に運ばれ、エリスは時代も国も超えてその姿を見せる。ある時は親を知らない墓守の青年の前に。またある時は友人の美貌に複雑な思いを抱く少女の前に。彼らはなぜ、エリスに惹かれてしまうのか? さらにある成金貴族の息子は、エリスのための“秘密の集い”にのめり込んでしまう。その先に、破滅が待ち受けているとも知らずに……。2021年集英社ノベル大賞準大賞受賞作! -
ふたつの星とタイムマシン
あの頃のあの人にもう一度、会いたい。 少し不思議なできごとが、思いもよらない結末へとあなたをいざなう。ひとつひとつの物語を大切に読みたいショートストーリー集。 ●美歩が、あの頃のあの人にもう一度会うために乗り込んだタイムマシン(過去ミライ)、 ●広文君の気持ちが知りたい、でも知るのも怖い(熱いイシ)、 ●超能力で時間を操る中学生・大道がテレビ番組に出演することになり・・・(自由ジカン) ●一ノ瀬が会社で、ここではない何処かへと念じたら・・・(瞬間イドウ)など全7編。 2023年2月に刊行する『タイムマシンでは、行けない明日』と併せてに読むと、登場人物と時間が緻密に絡み合い、驚きの世界が広がります! -
死にたいあなたに男子大学生がお肉をごちそうしてくれるだけのお話
「料理好きの男子大学生」。最近、私が夢中になっているお料理動画アカウントだ。 疲労と憂鬱を溜め込んだ重たい体で帰宅して、スマホで彼の動画を見るのが唯一の癒し。 どうやらお肉が大好きらしい彼は、ハンバーグにサイコロステーキ、メンチカツなどなど、いつも素敵なレシピを解説付きでアップしてくれる。 その軽快なトークと、柔らかい語り口に、私はすっかりハマってしまっている。ああ、今日もなんて美味しそう……! 寄生ぶりっ子マウント女、純情女子大生から金も身体も巻き上げるクズ男、同担拒否SNS粘着女。 嫌なことは全部この包丁で刻んだのちにじっくり焼いてコトコト煮込んで、ハンバーグにしちゃいたい! 読めばスカッと、大人のための暗黒童話的メシウマ小説! -
pray human
ねえ君、わたしは生きていく。このクソみたいで美しい世界を。 魂を揺るがす、少女たちのレジスタンス。 創作が芥川賞候補になったわたしは、意外な人物からの電話を受ける。17歳のとき入院した精神科で、患者たちのボスを気取っていた「安城さん」だ。8年ぶりに再会した彼女は、別人のように痩せこけ点滴に繋がれながらも、変わらず悪態をつき、わたしの封印した記憶を甦らせていく。精神病棟で出会った仲間たちとの日々、救えなかった親友、そして子供時代の傷―ー。長い沈黙を越えて、わたしは真実を語り始める。 デビュー作『ジニのパズル』で群像新人文学賞、織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した注目の新鋭が、傷ついた魂の再生を描く圧倒的感動作。第33回三島由紀夫賞候補作。 -
仙丈岳殺人事件
南アルプスの仙丈岳に登っていた2つのパーティの計5人が、激しい吹雪のなか、仙丈小屋にたどり着いた。 両パーティの食料は底をつきかけていたが、天候の回復は見込めず、足止めをくっていた。そんな状況のなか、新たに雪男と見紛うような大男が、小屋に避難してきた。 大男は、リュックを失い、なにも持っていなかった。5人はその大男のために、食料を供出するばかりか、寝袋まで貸すことになったが、大男は当然の顔で、感謝の言葉すら口にしなかった。 大男さえいなくなれば、生きながらえるのではないか。追い詰められていた両パーティの5人は、思いもかけない決断をする――。 -
異人館画廊 星灯る夜をきみに捧ぐ
千景が帰国後はじめてのクリスマスが訪れようとしている。昔はクリスマスが苦手だったが、いまは千景を笑顔で迎えてくれる異人館画廊に集う人たちがいるおかげでまったく違う風景に感じられる。だが一方で千景は恩師から再渡英を意味する博士論文の執筆を勧められており…。そんななか不可解な強盗事件に、呪われた絵画が関わっているらしいと京一から相談を受けた千景と透磨は、カラヴァッジョに憑りつかれるように魅せられた男と、父との軋轢に苦しみ続けた女の奇妙な接点に気づいた。見る者の心揺さぶるアウトサイダー・アートの謎を追う中、千景が見つけた自身の過去と未来を照らす「答え」とは? 『異人館画廊』第一部・完結! -
湘南夫人
湘南を舞台に巨大企業グループを擁する一族の栄枯の美を描いた石原文学の真骨頂。急逝した三代目の残された夫人は複雑な関係の中で…。 湘南地方に広大な邸宅を構え、巨大企業グループを擁する北原家。手掛ける事業は鉄道から機械、観光開発にまで及ぶ。その三代目社長・勝彦が急逝し、残された妻の紀子は亡夫の異母兄弟・志郎と結ばれることでその血脈を繋いでいた。だが、縁戚で音楽評論家の野口による音楽事業の提案や、その甥・明からのレジャーの誘いなどによって、複雑に入り組んだ一族同士の関係に微妙な変化が起こりつつあった。その美貌で男たちの心を捉え、また並外れたピアノの才にも恵まれた紀子。彼女の人生にこれから待ち受けているものとは……。 -
今ひとたびの
あらざらん此の世の外の思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな――。 運命的に出逢い、魅かれ、かりそめでない慕情を胸に秘めつつ、左翼運動に破れ投獄、そのひとの結婚、徴兵……うち続く転変の波にさいなまれながらも、ただひたすらそのひとの面影を抱き続け、ついに再会の街頭に立った『私』の瞳に映じるそのひとの姿は……。 美しくもはかない至高の恋愛小説の決定版。 (※本書は2005/1/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました) -
竜の国の魔導書
結婚式直前、婚約者が駆け落ち。裏切られた上に、それが社交界新聞に載ってしまう屈辱を味わった名門の娘エリカは、ひと目を忍んでひっそりと王立図書館で働いていた。そこへある日、垢抜けない眼鏡男子が「伝説の魔導書」を探しにやって来た。その手助けをしている最中、目当ての本に触れたとたんにエリカは気を失い、気がつくと眼鏡男子の家に! 彼は伝説の美しすぎる魔法使いミルチャ・アントネスクだった。ところが魔導書がらみの「竜化の呪い」にかかってしまったエリカの頭には小さな角が生えてきて……。呪われ令嬢と伝説の魔法使いによる恋と呪いのドラコニック・ファンタジア! -
くらやみガールズトーク
※本書は、角川書店単行本『くらやみガールズトーク』を加筆修正のうえ、文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 なんだろ? この不平等感! そろそろ口に出してもいいんじゃない? 『わたし、定時で帰ります。』の著者が放つ、女子たちの本音満載の物語。例えば――。 女性には”もやもや”がつきものだ。たとえば何回か来る人生の通過儀礼。結婚では夫の名前になり、旧姓は消えてしまう。義理のお母さんから孫を早く生んでと言われる。けれど嫁だから、夫の実家をたてて、自分の本当の気持ちはしまい込む……。最初はちょっとだけのがまんのはずが……。出産、親の痴ほう、失恋、引っ越しなど、人生は常に変わっていく。大小問わず、ふいに訪れる人生の節目で、これまで築いてきた人間関係は変わってしまう。どうして、女性ばかりがそれらを全部背負わなきゃいけないの。普段、人に言えずしまい込んでいる嫌な気持ちを、見つめ、解放してくれる物語の数々。くらやみから聞こえてくるのは――女子たちの本音。私たちはもう一度、生まれ変わる。解放される。自分のために!すべての戦う女性たちのための応援歌! -
夏至のウルフ
必殺「狩りモード」発動! 松山きっての繁華街“北京町”で、デリヘル嬢が絞殺された。愛媛県警本部と松山東署は特別捜査本部を設置。 ウルフの異名を持つ刑事・壬生千代人も応援に駆り出された。捜査線上に浮かんだのは風俗店経営者だった。被害女性と愛人関係にあったらしいが、腑に落ちない。周辺捜査を進めるなか、スイッチを切り替えた。狩りモード――それはスポーツでいうゾーンに近い。五感が研ぎ澄まされ、事件の断片が繋がる。そして見えてきた真犯人とは……(表題作「夏至のウルフ」)。 バツイチ、家なし、39歳の壬生は、ピンク映画館で寝泊まりする絶滅種の邪道刑事である。そんなウルフを尻にしくのが警部補・吾味梨香子だ。職場では些細なことでセクハラを騒ぎ立てるが、いざとなれば、なぎなた名手の腕前を見せる。曲者揃いで「道後動物園」と呼ばれる松山東署で繰り広げられる全5編の事件簿。松山出身にして、「このミス」優秀賞作家発の超ローカル警察小説! -
青年の樹
東大に入学した坂木武馬は、さまざまな人生を背負った友人たちを持った。赤坂の有名な料亭の娘で、母親が汚職事件に巻き込まれている明子。やくざの大親分の長男として、跡目相続を迫られている和久。高校野球のヒーローだったのに、なぜかマウンドを踏もうとしない杉。見えない糸が彼らを結びつけ、青春の地図は苦悩と友情とで、複雑に彩られて行く。「本当の青年になれ、そしていつまでも青年であれ――」という父の希望を、若い樹の養分として、冒険を恐れずに生きる武馬を通して、行動派作家の思想を見事に昇華し、さまざまな苦悩に満ちた人生を歩む若者たちの、友情と恋と冒険を爽やかに描く青春ロマン。東宝で映画化された傑作。 -
蜜の刃
女子大生の今日子が二人の男に誘拐され、監禁された。全裸され、手錠で繋がれた上に、女二人も加わっての乱交状態で凌辱された。解放された彼女は恋人の慎治に事実を打ち明けるが、精神に破綻をきたしていた。 その後、脅迫の電話が今日子の実家にかかってきた。乱交状態を映したビデオテープと引き換えに、資産家である父親から1億円を脅し取ろうという魂胆だった。 自分が悪くもないのに罪悪感を感じていた今日子は、思いもかけない行動に出てしまう。そこから慎治は激しい復讐の炎を燃やし始めた。小さな手掛かりから男女4人を追い詰める。これぞ本物の復讐ハードバイオレンス! -
水の剣と砂漠の海 アルテニア戦記
遙か遠く……。未曾有の戦争により、世界は壊滅的な打撃を受けた。国家は分断され、文明は滅び去り、軍事用の使役動物として生み出した異形の生物たちが野生化し、地に満ちた。衰退した人類は、残された大地の片隅に追いやられ、砂漠化と目から感染する病(虹染病)のはびこる環境に暮らすことを余儀なくされていた。しかし、数百年の時を経て、失われた文明の力を借りた北方の小国が「ゲルミリア帝国」を名乗り、世界の覇権を狙い始めていた。ゲルミリア帝国の辺境都市で神殿の下働きをしている少女シリンは、かつて滅ぼされたジャンスー族の生き残り。特異な見た目のジャンスー族であるがゆえに虐げられながら暮らしている。そんなある日、神殿に奉納されている「水の剣」に触れられることに気づく。「水の剣」は、あらゆる生命を凍らせるという呪いの剣。それなのに、なぜ触れることが出来るのか……。また、時を同じくして、異国の青年エニシテと出会う。魔獣師で機械化された義手を持つエニシテは、ある野望を胸に抱いていた。「水の剣」を扱うことのできるシリンに、「帝国」を脱出しようと誘うのだが……。剣と魔獣と砂の世界で、少女の戦いと冒険が始まる…! -
明日へつながる5つの物語
がんになった父親と結婚を控えた娘の、ある夜の心の交流を描く(「この手で抱きしめて」)。岡山藩の若き城主池田綱政と寵臣津田、御用石工の藤吉とが結んだ歴史の中の友愛物語(「烏上の空」)。熱烈交際中の高校生愛莉は、ある日突然信じられない告白をカレシから受ける(「カレシの卒業」)。東京マラソンを舞台に、男同士の友情と過去の恋心を描く(「フィニッシュ・ゲートから」)。幼い頃、母親から桃畑に置きざりにされた記憶を持つ女性が、優しさと真実を取り戻す物語(「桃の花は」)。人として、家族として、優しく前向きな気持ちになる。明日に向かう5つの人生を描いた、コロナの時代の珠玉の作品集! -
出羽三山殺人事件
大手食品メーカーにかかってきた突然の脅迫電話がかかる。「明日の二時までに十億円を用意しなければ、菓子を食べた人が死ぬ」 現金を輸送するため者として、犯人に指名されたのは、営業部員の三崎だった。 三崎と社長室員の小舟春美は、東京から山形の月山へ現金を車で運ぶことになった。 途中、同行していた小舟春美が姿を消してしまう。彼女の捜索のさなか、地元警察は出羽三山神社裏で男の死体を発見する。 事態は脅迫事件に殺人が加わったことで混沌とし、三崎までもが疑われてしまう。 三崎は自らの潔白を証明しようとするが、彼には後ろめたい過去があった。 東北の霊山で、過去と現在が交錯し、欲と裏切りが入り組む。息詰まる展開がつづく長編山岳ミステリー。
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