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Posted by ブクログ
作者の名前に見覚えがあるな、と立ち止まったら『天のシーソー』の方だった。
これも縁なので、購入。
おはなしの遺失物係。
主人公は、生活の中で夢や希望を抱くことを上手に諦めながら生きている女の子。
彼女が落としたはずのおはなしを聞きに、遺失物係を訪れるというストーリー。
遺失物係さんのおはなししている姿を思い浮かべながら、さまざまなおはなしへ飛んでいく。
彼の声は、きっと柔らかくて静かなんだろう。
音と文字は別々の機能を有しながら、同じおはなしを辿ってゆく。
アヤといしこさんのおはなし。
バクの母子。てんとう虫の恋。
病気の少年と暗闇。
どれも、どこかに憂いがあって後が残る。
女の子のように、こうなって欲しい、や、それは切ないな、と思う話もある。
でも、それを作り出した人がいて、語り継ぐ人がいることの不思議を思った。
ゆっくりとした時間を過ごせた。
Posted by ブクログ
中学生の少女が失くしたお話を探しに辿り着いた、ゆめみの駅の中にある遺失物係。
そこは誰かが忘れたお話が世界中から届けられる不思議な場所。
係の人から一日一話ずつ読んでもらい、少女は自分の失くしたお話を探していく。
がっかりすることには慣れているから、と学校にもなかなか馴染めずいつも寂しい思いを抱えていた少女。
自分を小さな籠に閉じ込めていた少女は色々なお話を聴く内に、徐々に自分の世界を広げていく。
子供に限らず大人も日々色々なものを失くしている。
けれど失くしたものはどこかにあるはず、と諦めきれない。
そんな諦めの悪い人達の心の奥深くには、こんな遺失物係が潜んでいるのかも。
私の失くしたお話も遺失物係に届けられていないかな?
失くした分だけ新たに創り生み出していくのもまた人生だ。
そんなメッセージの込められた優しい物語だった。
係の人が読んでくれたお話はどれも素敵。
酒井駒子さんの、優しくてちょっぴり寂しげな表紙の絵に吸い込まれそうになる。
Posted by ブクログ
“がっかりすることには慣れています。それに、立ち直るコツも知っています。かんたんです。それ以上を望まなければいいのです。”
“手にしていたはずのものを、気づいたら失っていたのです。”
“失くしたことだけがわかっていて、なにを失くしたのかを覚えていないだなんて”
小説の始めの方からこんなフレーズが続いて、ひきこまれて読んでいった。
月曜日から日曜日までひとつずつ、誰かに忘れられた物語がゆめみの駅の遺失物係によって、おはなしを失くした「あたし」に読まれていく。
小川未明の童話にも似た少し悲しくて寂しい雰囲気だと感じたけれど、読後感は泣いたあとみたいに少しすっきりしている。
現実の世での喪失感て、そう簡単に拭えるものではないけど、救いのある話でよかった。
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