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まるで神話のようだ。新しい時代の母娘の。梨木香歩氏推薦!標準的見た目の中学生の私と、オカルトマニアで女子力の高い美月ちゃんは幼なじみでママ同士も友人だ。ある日、美月ちゃんとクラスの男子を誘い、幽霊屋敷へ肝だめしに行くことに。幽霊屋敷探検に発端におこる出来事を通じ母娘たちの葛藤と成長が描かれる。"母娘問題"を独特の観察眼で捉えた感動作。椋鳩十賞、小さな童話賞大賞受賞作家、安東みきえ氏、初の長編小説。
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Posted by ブクログ
なんともやるせない。 皆母子の関係に注目しているけど、私はこれは少女たちの友情の話として読んだ。変かな……? 安東みきえさんの作品は、クジラとか魔女とか熊とか遺失物とか亀の絵本とか夜叉川とか読み漁ったけど、全部最高に面白かった。彼女の表現、語彙力は、すべて私に刺さる。超癖。安東さん最高。大好きだ。特...続きを読むにこの本は色んな人に読んでほしい。児童書の傑作のひとつだと思う。青春の懊悩とはまさにこのことだ。
同じ病院で同じ日に産まれ志保と美月。その二人と保育園が一緒だった祥吉。 思春期真っただ中のあのややこしい時期の物語。 親との軋轢。反発。あるね、思春期には。 大人の繭と知り合うが、そこにも母と娘の軋轢があった。 素敵な物語でした。 志保と美月、祥吉はどんな大人になるんだろうなぁ。
最後まで一気に読みたくて時間を忘れてしまった。がみがみうるさい母親に対する気持ち・・・・改めて、まさに同じ年齢の子たちを持つので、親としての関わりについて、色々身に染みるところがあった。明日以降、気を付けていきたい。
子どもたちの友情を感じ、こういう時期って一瞬だったなぁと思い返す。 一緒に冒険することの楽しさもこの時期だけの特別なものだったと。 だけどこの物語は、母娘の関係性をゆっくりと確かめていくようなものであった。 中学一年という微妙に面倒で中途半端な時期。 反抗期真っ只中といっても過言ではない時期。 親を...続きを読むウザいと感じ、親も子どもの気持ちがわからない。 微妙な関係のまま、大人になり親に悪態をついたまま、親に死なれた繭さんの気持ち。 その繭さんを奮い立たせるような美月ちゃんのママの怒鳴り声。 きっとみんながそれぞれに何かを感じたであろう。 わかってもわからなくても、何かを。 親になってわかること、子どもだから思うこと。 だけどみんな最初は子どもだった。
母と娘。 お互いがお互いのことを心配せずにはおれない、でも嫌いなところは絶対ありそうでそれを無視できない。お互い一人の人間だけど、母は母であるがゆえに、娘の嫌いなところを矯正したくなるのかな。娘はそれを、純粋な心配だけではないことを感じ取って、嫌悪感を覚えるのかな…。
ヒグチユウコさんの表紙の絵は、まるで、せめて私たちだけでも共に繋がりあいましょうといった、確実に分かり合える者を得たい気持ちで満たされているような気もする。 いわゆる『親子問題』を扱った、安東みきえさんによるYA小説(2017年)で、梨木香歩さんはとても絶賛されているようだが、私はそこまでの...続きを読む神話的な印象を抱くまでには至らず、寧ろ、とても現実的なものが色濃く漂う物語に、中学1年生の女子とその母親にとって、「分かる」と肯けるものがありながらも耳の痛い話であったりするのだと感じられた、それくらいの生々しさがあった。 その根拠は、皆が生まれたときの事や名前の由来に対して、幼い頃のようにはしゃいだりしない物語の始まり方からして、少女達が既に何か満たされないものを抱えているような雰囲気を漂わせ、それは物語に登場する数々の文章からも感じられた。 例えば『ママはあたしじゃないんだから』や、『あたしの気持ちまでわかっているなんて思わないで』といった、少女の吐き出す言葉には、その時だけのものではなく、それ以前から少しずつカチンと来たことが積み重なった上で爆発したものであることが物語の展開からも分かり、よく反抗期とか言うけれども、それは一般的なものというよりは、ちゃんとした潜在的な理由が潜まれているのではないかと感じてしまう説得力があったのは、さすが安東さんだと思う。 やがて、それと同時に少女達も母について様々な一面を持つことを知っていき、そこには大人と子どもという、はっきりとした種別の異なるものとしての見方というよりは、『親が子どもをよその子と比べてはいけないように、子どももよその親と比べてはいけない』、『うつむくママは自信なさげで、いつもより小さく見えた』のように、それぞれの痛みを知ることの大切さも唱えていたのだと思われた、そこには憎しみとは対照的な愛しさも精いっぱい込められていた、多感な時期の少女の移ろいゆく様も繊細に描いていたのだと感じられた。 そんな中で最後まで関わってくるのが、幽霊屋敷と噂される建物に住んでいた、母娘の奇妙な物語であり、そこで起こることに関して、非現実的と思われるものを含ませながらも現実的な親子愛へと至らせる展開には、母と娘との関係性の執着心と慈愛心との境目が曖昧であるような錯覚を抱かせて、一歩間違えれば、どちらにも転ぶような怖さもひしひしと感じられた、そこには愛情というものの様々な形のあり方を知りながらも、それがお互いにとって幸せなのかどうかは、また別なのだということも痛感させられた、親子問題の難しさなのかもしれない。
中学校1年生の志保は、親友の美月と美月の想い人日比野と3人で近所の空き家に肝試しに行ったところ警察に捕まってしまった。家主である繭に謝罪に行ったところ、幼なじみで同級生の祥吉と出くわし、彼が、ミニチュア作家である繭のファンでよく手伝っていることを知る。自由人の繭に興味を持った彼女は、それからも繭の家...続きを読むを訪ね親しくなっていく。あの空き家は繭の実家で、最低限の修理をして移り住むつもりだという。次第に実家へのこだわりを強めていく繭に志保たちは不安を感じていく。 *******ここからはネタバレ******* 母親に「何もかも足りない」と思われていると感じる志保。 娘は自分のキャリアと引き換えだったと思われている美月。 大家族で仲がいいけど、父親は失踪中の祥吉。 自分の自由を束縛されたのが嫌で吐いた暴言が、母に言った最後の言葉になり、亡母が悲しみのあまり空き家に留まっていると感じている繭。 思春期の親との葛藤を空き家を巡るエピソードを中心に描いていく。 親の愛が重い、ウザいと感じる年ごろの娘たちの言動に、母としては傷つきますが、身に覚えもあるので、文句も言えません。 この心理の掘り返しはとっても見事ですが、さりとてそう簡単に解決もしないので、この物語も空き家の崩壊で幕を閉じてしまいます。 きっとこの先にもいろんな葛藤があって大人になっていくんでしょうね。 空き家の幽霊の存在が、ちょっとこの物語をファンタジーにしていますが、かえって歯切れが悪くも感じました。 特に繭はもう大人なのに、母親の呪縛から逃れられていず、それが中学生たちの不安感を増大させる役割になったのではないかと思うからです。 児童書ですから、なんとか彼女だけでも、何となくではない親からの自立を希望として持たせてほしかったと感じます。 ウザい母親へのきつい切り替えしの言葉が載っているので、子どもには薦めたくないですね(笑)。←冗談です。
会話が多くて軽快で、文章も分かりやすくワンセンテンスが短いので、たいへん読みやすい。あまり本を読まない子どもでも読める。 テーマは母と娘の絆だが、いさかい、行き違いがあってもそれほど重くないし、あまりドロドロにもならず、後味も良い。娘たちの友情が爽やかなので、安心して読める。 中学生の主人公の志保と...続きを読む友人の美月、大人の繭さん、三組の母娘が描かれるが、最終的には母の愛が感じられるように描かれている。 思春期になり、娘が母を批判的に見るようになるのは、子どもが成長したからで、ある意味喜ばしいことなのだな、と思った。 金井美恵子の『小春日和』を思い出したりもした。小説としては金井美恵子の方が上手いが、中学生に読ませるならこれくらいが分かりやすく、毒が少なくて良い。
中学生の娘と母親。 娘は自分の目から見えている母親のことしか知らない。 母も同じく。この時期、こじらせちゃうと大変だからね。 ちょっとホラーで友達と助け合っちゃう、いいお話でした。
大好きな安東みきえさん。相変わらず、きらきらしてちょっと意地悪にもなれる異質な感性が嫌い好きどっちも。友達同士の毒混じりのポップな会話が楽しい。阿吽の呼吸でやり取りしていいるところなんかは、ばしっとハマっていてそりゃあカッコいいのだ。 母と娘の関係。母になり、しかし未だ娘でもある立場の私は両方の気持...続きを読むちが分かる気がしたものの、そういうのっておトク?のようで結局中途半端にしか分かっていないのかも。 老いや衰えを子どもに実感されちゃったら、いよいよ労られる立場へと変わって行くのかな…なんて、ちょっと身震いした。 イカ軟骨。食べてみたい、
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