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ボクらのキセキ
「僕はもうすぐ君の彼氏になる男……でも僕たちは付き合ってはダメだ。なぜなら僕たちは、いつか人を殺すから……」 それはただのいたずら電話のはずだった。だけど僕らは出会い、そして僕は彼女に一目惚れをして……。 -
長く素晴らしく憂鬱な一日
ある一日の出来事について綴られた異色小説。地下鉄駅に佇む夕子。蛇をポケットにしのばせる詩人。スピーカーを背中にしょって説教する男。孤独や喧噪や疲労をものみ込んでしまう「新宿」という街の物語。 本作用に表紙イラストを椎名誠が描き下ろし。巻末には、「対談 椎名誠×目黒考二」「電子書籍版あとがき」「椎名誠の人生年表」を掲載。 <目次> 三時の夕子とゴケアオミドロ 新宿シルクロードぬめぬめルート クサカ・シノブは何時笑いますか クソして死ぬべき人々 あついあぶらの中のレタスともやし 跳ね犬作太郎は何みて跳ねるか 妻のくれたかつをぶし 犬の夢ゾンビの夢 おれも女も海にむかった 対談 椎名誠×目黒考二 電子書籍版あとがき 椎名誠の人生年表 -
山がわたしを呼んでいる!
草原でくつろぐ羊や馬。暖炉にロッキングチェア。そんな場所を夢見ていた女子大生あきらのバイト先は、想定外のオンボロ山小屋だった! つかみどころのないセクハラ主人をはじめ、口の悪い先輩、マニュアルが手放せない同僚、そしてなぜか正体不明の山伏まで居座っていて大混乱! お風呂は週一!? キジ打ちって何!? 理想の女性になるために来たはずのあきらが巻き込まれていく、標高2000メートルのアルバイト! 第17回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞者・浅葉なつの受賞後第一作! -
元彼の遺言状
第19回『このミステリーがすごい! 』大賞 大賞受賞作 「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」――奇妙な遺言状をめぐる遺産相続ミステリー! シリーズ累計48万部突破! テレビ・新聞・雑誌・WEBニュースほか各メディアで話題 (あらすじ) 「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。元彼の森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、弁護士の剣持麗子は「犯人選考会」に代理人として参加することになった。数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。ところが、件の遺書が保管されていた金庫が盗まれ、さらには栄治の顧問弁護士が何者かによって殺害され……。 -
後宮の弔妃
中津国の後宮で、一人の貴妃が二〇ヶ月ものあいだ身籠り続けていた――。先代帝の呪いと噂されるその怪異を解くため、皇帝はある人物の元へ向かう。それは三〇〇年もの時を生きる不老不死で、「弔妃」と呼ばれる少女だった。 -
私はただの侍女ですので
魔法使いの名門公爵家に生まれながら魔法の才を持たないと虐げられてきたイレイナ。屋敷では侍女扱いだが、その正体は古の女王の前世を持つ最強の魔法使いだった! 前世で国と民に尽くしたものの悲惨な最期を迎えたイレイナは、今世は目立たず自分のために生きようと力を隠していた。しかし、参加させられたパーティーで出会った騎士王・アスノトに婚約者にならないかと迫られて――!? ひっそり生きたい最強令嬢と彼女を手に入れたい騎士王様のチェイスラブロマンス! -
後宮冥府の料理人
処刑寸前で救われた林花が連れてこられたのは、後宮鬼門に建つ漆黒の宮殿・臘月宮(ろうげつきゅう)。そこは死者に、成仏するための「最期の晩餐」を提供する冥府の宮殿だった――。 謎めいた力を持つ女主人・墨蘭のもと、林花は宮殿の料理人として働くことに。死者たちが安らかに旅立てるよう心をこめて食事を作る林花だが、ここへやってくる死者の想いは様々で……。 なぜか、一筋縄ではいかないお客達の願いを叶えることになった林花は、相棒・猛虎(犬)と共に後宮を駆け巡る――! 後宮鬼門の不思議な宮殿で、新米女官が最期のご馳走叶えます。 ◆人物紹介◆ 林花(りんか) 敵国のスパイとして処刑されかけたが、死霊を見る能力を買われ、臘月宮へやってきた。宮廷料理人だった父の腕を継いでいる。 黄辛(こうしん) 武神と呼ばれた父帝の跡を継ぐ、民からも絶大に支持される若く聡明な帝。林花とは、浅からぬ縁があるようで――? 猛虎(もうこ) 黄辛の命を救い、四品の位を賜った、帝の愛犬。人の顔をなめ回す悪癖があり、後宮の女官から恐れられている。 -
皇帝廟の花嫁探し
第8回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門《特別賞》受賞の成り上がり後宮ロマンス! 家族を養うため田舎から皇帝廟の採用試験を受けに来た雨蘭。しかし、良家の令嬢ばかりを集めた試験の真の目的は皇太子の花嫁探しだった! 何も知らない雨蘭は管理人として雇ってもらうべく、得意な掃除や料理の手伝いを手際よくこなして大奮闘。なぜか毒舌補佐官の明にまで気に入られてしまう。しかし、明こそ素性を隠した皇太子で!? 超ポジティブ思考の雨蘭だが、恋愛は未経験。皇帝廟で起こった毒茶事件の調査を任されてから明の態度はますます甘くなっていき――。 【登場人物】 ・雨蘭(ゆーらん) 田舎で生まれ育ったが、家族を養うため都で仕事を探している。 並外れたポジティブ思考の持ち主で料理が得意。 ・明(みん) 現皇帝の孫で皇太子。 美青年だが女性が苦手で、皇帝廟では身分と容姿を偽っている。 口は悪いが面倒見の良い一面も。 -
いずれ傾国悪女と呼ばれる宮女は、冷帝の愛し妃
不吉の象徴と忌まれる白髪を持つ、林王朝の公女・紅玉。ある日彼女は、反乱で後宮を焼け出され全てを失った。 それから五年――紅林と名乗り、貧しい平民暮らしをしていた彼女は、かつて反乱を起こした現皇帝・関ショウ(※)の後宮に入ることに。公女時代の知識を使い、問題だらけの後宮で頭角を現す紅林は、変わり者の衛兵にまで気に入られてしまう。だが彼の正体こそ、後宮に姿を現さない女嫌いと噂の冷帝・関ショウで……。 互いの正体を知らない二人が紡ぐ、新・後宮シンデレラロマンス! (※関ショウ:「ショウ」は「王へんに召」) 《登場人物紹介》 ◆紅林 前皇帝の娘。正体を隠し、ただの宮女として静かに生きようとするが、 後宮の問題に巻き込まれては解決してしまう。 ◆関ショウ 翠月国の若き現皇帝。冷帝と畏れられるが、実際は情に厚い青年。 とある理由から後宮に立ち入ろうとしない。 -
さよならの仕方を教えて
高校2年の樋口悠は久しぶりに登校した教室で転校生の有馬帆花と出会う。隣の席ということもあり仲も深まってきたある日、有間の席であるはずの隣の席にはなぜか幼馴染の水瀬凛が座っていて――。 -
薔薇姫と氷皇子の波乱なる結婚
〈薔薇姫〉と呼ばれる型破りな姫、アンジェリカは庶子ゆえに冷遇されてスラムに追放された。学者である祖父のもと文武両道に育った彼女に、ある日政略結婚の命令が下る。相手は『母殺し』と畏怖される〈氷皇子〉こと、皇国の第一皇子エイベル。しかし実際の彼は、無愛想だが心優しい美青年で――!? 皇帝が病に伏し国が揺らぐ中、第一皇位継承権を持つエイベルを陥れようと暗躍する貴族たち。孤独な彼の事情を知ったアンジェリカは、力を合わせ華麗なる逆転を狙う! 【登場人物紹介】 ◇アンジェリカ 近年台頭してきた北の強国、ノルグレン王国の亡き前王の娘。 腹違いの姉である女王の命令により、無理やり政略結婚させられた。祖父は高名な政治経済学者。 ◇エイベル 半ば没落した南の大国、マグナフォート皇国の第一皇子。 『母殺し』と恐れられているが、実際は心優しい青年。とある事情で皇子宮に蟄居している。 -
どうも、前世で殺戮の魔道具を作っていた子爵令嬢です。
子爵令嬢クロエには、前世で殺戮の魔道具を作っていた記憶がある。およそ千年後の平和な世に転生した彼女は決心した。「今世では、人々の生活を守る魔道具を作ろう」と。 そうして研究に没頭していたある日、卒業パーティの場で親友の婚約破棄騒動が勃発。しかも断罪内容は嘘まみれ。親友を救うため、クロエが真実を全て遠慮なくぶちまけた結果――命を狙われることに なってしまい、大ピンチ! そんなクロエを救ってくれたのは、親友の兄であり騎士団副団長でもあるオスカーで? 《登場人物》 ■クロエ 国の筆頭魔道具師だった前世の記憶を持つ。 親友を助けた結果命の危険が迫ったため、オスカーの手引きによって隣国へ亡命することに。 ■オスカー 王宮付き第一騎士団の副団長。クロエの親友の兄でもある。 クロエを助けるため亡命の手配をしたが、クロエが王都を離れてしまうことに複雑な心境のようで? -
薬師と魔王
元リケジョ、異世界で運命の恋に落ちる――。 薬の研究者として働く佐藤星奈は、気がつくと異世界に迷い込んでいた――! なんとか薬師「セーナ」としての生活を始めたある日、行き倒れた男性に遭遇する。絶世の美しさと、強い魔力を持ちながら病弱なその人は、魔王デルマティティディス。 漢方医学の知識と経験を見込まれたセーナは、彼の専属薬師となり、忘れ難い特別な時間を共にする。そうしていつしか二人は惹かれ合い……。 元リケジョの天才薬師と美しき魔王が織りなす、運命を変える溺愛ロマンス、開幕! 「魔法のiらんど大賞2021」小説大賞・異世界ファンタジー部門《特別賞》受賞作 -
純黒の執行者
怪死体や猟奇殺人事件を捜査する“奇特捜”に所属の刑事・一之瀬朱理には、一つの噂がある――彼の担当した事件は必ず【被疑者死亡】で終わると。 3年前に起きた一家惨殺事件の唯一の生き残りである朱理。瀕死の重傷の中、突如現れた悪魔を名乗る青年・ベルと契約した朱理は、己の死を回避する代償として、犯罪者の命を捧げていた。 全ては家族を殺した犯人に復讐をするため――謎めいた狡猾な悪魔・ベルと共に、朱理は凶悪犯罪者逹を葬る。 冷静無慈悲な刑事×謎めく狡猾な悪魔が紡ぐ、宿命のバディサスペンス! 【登場人物】 ◆一之瀬朱理 担当する事件の被疑者は必ず死ぬ、と噂される孤高の刑事。妻子を殺された過去を持つ。 ◆ベル 悪魔を自称する、見目麗しい謎の青年。欲望に忠実で奔放な性格。なぜか時代劇が好き。 -
月華の恋
士族令嬢の月乃は父の死後、義母と義妹に虐げられながら学園生活を送っていた。 そんな彼女の心の拠り所は、学費を援助してくれる謎の支援者・ミスターKの存在。彼に毎月お礼の手紙を送ることが月乃にとって小さな幸せだった。 ある日の夜。外出した月乃は異形のものに襲われ、窮地を麗容な異国の男性に救われる。 ひとたびの出会いだと思っていたが、なんと彼は月乃の学校に教師として再び現れたのだった。 密かに交流を重ね始める二人。しかし、突然ミスターKから支援停止の一報が届き――。 -
神様の絆創膏
東京は浅草に建つ、小さくも美しい日和神社には、ある伝説が残っている。 はるか昔。人間に助けられた猫が恩返しをするために、町が洪水に襲われるのを住民に知らせた、という。 時は現代。隣接する春日野病院に通院する人々が、日和神社を訪れる。乳房を切除することになる女性、うつ病になった高校生、父親が脳梗塞に倒れた役者志望の若者……。 心に悩みを抱えた彼らは、神社と猫がとりもつ不思議な縁によって、心の傷を癒やし、幸せを見つけていく――。 -
幻花の婚礼
吸血鬼であることを隠して生きるクロウ伯爵家の令嬢・フィーネ。ある夜の舞踏会、彼女は美しい神官・クラウスに正体を暴かれてしまう。 「――お前は今夜から、俺の恋人で、婚約者だ」 一族の秘密を守る代償としてクラウスが求めたのは、フィーネを婚約者にすること。吸血鬼を憎む彼は、復讐に彼女を利用するつもりだった。 策略から始まった婚約関係だが、互いの孤独を埋めるように二人は惹かれあい……。禁断の恋はやがて、クロウ家の秘匿された真実に辿り着く。 -
石瓦混淆
大衆文学の巨匠が、戯曲を、人生における師を、名もなき庶民の心を精妙な語り口でつづる、興趣あふれる私家版随筆集。 (※本書は1989/7/1に発売し、2022/5/17に電子化をいたしました) -
さよなら、君のいない海
両親を不幸な事件により亡くしてしまった18歳の少年。現実に立ち向かう気力を失った彼だったが、謎のサーファー・イヌと出会い、人生を変える一発勝負に出ることに。それはイヌがハワイで計画していた、1回限りの大規模なマリファナビジネスだった。裏世界のフィクサーとの駆け引き、マフィアとの抗争、そして仲間の裏切り……。鎌倉からマウイへと舞台をつなぎ描かれる、新感覚のクライムノベル。 -
負ける気しかしない
天然のんびり、お人よしの新人OL・木下彩は今日も同じ部署の御園さんに仕事を押し付けられ、嵐のなか残業中。ところが、ひょんなことから他部署のエリート上司・鈴木さんに仕事を手伝ってもらったうえ、車で送ってもらうことに。しかも、その2週間後、鈴木さんに「おためしでつきあってみましょう」と提案されて!? 先輩から「なかなかいない優良物件」と後押しされた彩は、戸惑いながらも付き合うことに……。 完璧で厳しくって怖くって、意地悪で。でも誰よりも私をわかってくれる。そんな彼に私は翻弄される。今日もまた「負ける気しかしません!」 -
涙の先で君に会いたい
もうすぐ付き合って1年の水穂と蒼。大好きなのに、蒼にワガママばかりの水穂はクラスが分かれたことをキッカケに嫉妬ばかりするようになってしまい……。喧嘩ばかりのハルと亜紀。大学進学を機に、離ればなれになってしまうハルは、大好きな亜紀との“サヨナラの準備”をはじめようと決意する。家に帰りたくない亜矢は、独り暮らしをする七宮の家で過ごすのが日課になっていた。だけどある日突然、七宮がいなくなって――。大学生の環と付き合っている若葉。忙しい環との時間が取れず不安だらけの中、残酷な運命が2人を待っていて……。夏休みに訪れる田舎で大好きな響に会えるのが楽しみな美青。いつまでも続くと思っていた響との関係が、ある夏の日を境に会えなくなってしまい――。 -
最強オオカミくんのとなり。
美鷹高に通う優等生ののどかが恋をしたのは不良男子・徹。恋に奥手なのどかは生徒会が主催する「ワケあり恋愛相談室」で、恋の指南を受けることに――!? はちゃめちゃイケメンヤンキーズとの旅行で、会えない恋人を待つ涼吉と出会ったスーパーセレブお嬢様・ミホ。ラブと妄想で涼吉のために大奮闘! オラオラ系の不良男子に束縛される紫乃。それでも彼を想っていたけど……ある日、目の前に現れた美形男子が家に転がり込んできた!? 20歳目前で失恋した“私”の前に現れたのは、傷だらけのヤンキー王子様!? 名前も知らない年下彼との恋がはじまった! 罰ゲームで学校一怖い不良・礼一に嘘の告白をすることになった湊。断られるはずが……まさかのOKをもらっちゃって――!? 『ワケあり生徒会!』『お女ヤン!!』『桜龍』の人気キャラたちも登場! 人気作家大集結でおくる、キケン度No.1の究極の不良ラブ。 -
夫恋
室町初期の京。咲き誇る桜の下でも、不安定な経済、消えぬ内乱の予感に人々は先の見えぬ日々を過ごしていた。裕福な結婚相手を探しに清水に参籠した宮家の女官・小宰相の君は、野心家の猿楽師・三郎太夫に見初められる。一方、盗賊として町を跳梁しながら生き方に悩む秋春は、父親との不和にもめげず明るく生きる少女・於次に恋をするが……。動乱の時代、それぞれの場所で自分なりの道を模索する男女の人生が交錯して走り出す――。若き日の観阿弥を巡る物語、三部作の完結編。今回は、魅惑的な女性たちが繰り広げる恋模様を、色鮮やかに描いていく。 -
探偵・日暮旅人の残り物
目に見えない物を“視る”力を持った探偵・日暮旅人の物語、番外編の第2弾。旅人を『アニキ』と慕うユキジ。複雑な雪路家の家族の形を描く――『雪消の隘路』。いつもクールな仕事人間、増子すみれ刑事の意外な休日とは――『花の夕影』。「探し物探偵事務所」に秘められた、秘密の物語――『ひだまりの恋』。本編で語られなかったエピソード3本に加え、花まつりを舞台に起こる事件を、主要人物総出演で描く長編『祭りのあと』を収録。 -
エアリアル
道具としての詩。 プランナーである著者が、仕事の中で書いた「仕事詩」、 父親として書いた「子育て詩」、亡き友人のために書いた「追悼詩」。 コピーのようでそうでもなく、自己表現でもない、 何かのための「道具としての詩」を集めた詩集。 本文より 予 感 予感をデザインしよう それは未来の予行演習 わくわくするもののあるほうへ まだ見ぬ誰かと門をくぐること そのときめき その匂い 予感をデザインしよう それは街の操縦訓練 新しい季節の魔法に人が華やぐ それをあなたが仕組むこと その誘惑 その匂い 予感をデザインしよう それは心の反応検査 階段をかけのぼるうれしさを 指差確認するような朝のひと言 その確かさ その匂い 詩 人 すぐに書ける まねでもいいじゃない 通り過ぎる言葉の 袖口をちょっと引っ張ればいいのさ かどで待ち伏せしてたら うしろから肩をたたかれるよ 怖い言葉たちに そしたら道をあけてやりなさい あふれるように ことばが躍り出て 風景は変わる 詩人は はじめてのおつかいから 帰ってこなかった子だ ネ オ テ ニ ー 全体と部分 その スペクトラム 全体のない部分 は全体 声のない舌 目のない光 言葉のない意味 部分が 完成する 星のように おとなのないこども 雑踏の時間が 素通りしていく まちぼうけのこども -
トリックスターズC PART2
魔術師の青年教授と助手のぼくによる推理小説を象った魔術師の物語、待望の復刊第6弾。『魔術師からの挑戦状』が投じた一石は、次々に複雑怪奇な謎へと波及していく。いよいよ物語は佳境へ! 魔術師が“名探偵”でないのが、魔術師たるゆえん。事件すらも解体・構築してしまう手腕に酔い、鮮やかに騙されることに喝采間違いなし。あっと驚く結末は、もう一度読み直したくなること必至! 真相に到達したとき、魔術師の“最後”の物語が始まる。トリックスターズシリーズ、堂々の完結。 -
アヤンナの美しい鳥
わたしはアヤンナ。醜い娘。 「おまえのような娘を妻にする男はいないよ。年頃になったら、市場で夫を買ってこなきゃなるまいね」 亡き祖母はわたしに向かってよくこういったものだ。 だからいまでもわたしは市場が大嫌い。家畜を買うように夫を買わなければ、だれも愛してくれないほど醜いといわれたことを思い出すから。けれど、魔女のわたしが見つけた美しいひとは、奴隷市場で出会った“彼”だった――神の呪い子として忌み嫌われて、誇り高くも孤独に生きる醜い魔女の娘と、美しい奴隷の王子。瓦解する帝国の辺境で二人は数多(あまた)の物語を紡ぐ。 -
虚像の支配者Y
虚像の支配者Y 初めまして著者のJonyと申します。 作品紹介文です。 序章:鋼鉄の森の呼び声 鋼とガラスで出来た巨大な墓標のように、オフィスビルが空を突き刺す。その窓の一つ一つには、名もなき誰かの人生が、日々の営みが、そして声なき叫びが息づいている。 あなたもまた、そんな窓の向こうで、見えない鎖に繋がれてはいないだろうか。 組織という名の巨大な機械。 それは時として、私たちに安定と秩序をもたらすが、一度歯車が狂えば、容赦なく個人の尊厳を軋ませ、魂をすり潰していく。 正しいことが正しいと認められず、理不尽がまかり通り、声の大きな者、あるいはより狡猾な者が支配する世界。 そんな不条理は、果たして特別な場所だけの物語なのだろうか。 これは、どこにでもいる一人の平凡な男が、巨大な組織の闇に立ち向かい、仲間たちと共に一筋の光を求めて足掻き、 そして未来をその手で掴み取ろうとした、壮大な戦いの記録である。 「このままでいいのか?」「自分に何ができる?」「逃げ出すのか、それとも…戦うのか?」 彼の胸の奥で燻る小さな正義感と、組織の論理との間で揺れ動く魂。 それは、誰もが一度は経験するかもしれない、普遍的な葛藤の姿だ。 物語は、一人の男の絶望から始まる。だが、それは決して、闇に沈んで終わる物語ではない。 絶望の淵で灯った小さな勇気の火花は、やがて仲間たちの心を照らし、大きな炎となっていく。 過去の亡霊「バッファロー事件」の謎。会社ぐるみで行われた不正と隠蔽。 そして社内に潜む見えざる敵との息詰まる攻防。幾度となく訪れる絶体絶命の危機。 続きは本書でご覧ください。 ※本作はJonyの個人誌作品の電子書籍版となります。【99ページ】 -
旦那様、ビジネスライクに行きましょう!
第9回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛(ラブロマンス)部門《大賞》受賞作! 「これは政略結婚だ。君を愛するつもりはない」 平民生まれ、下町育ちのアナスタシアは、ある事情から若き伯爵家当主・ユージーンと政略結婚をすることに。新婚初夜、愛のない言葉を浴びせられた彼女はうつむ……かなかった。 「ビジネスパートナーになりましょう、旦那様」 公爵家との確執、失踪した両親の謎に領地問題。持ち前の雑草魂でどんな難題にも立ち向かっていくアナスタシアに、なぜかユージーンの態度が甘くなっていき……? 生まれも育ちも異なる二人に絆は生まれるのか!? 痛快! ウェディング・ラブコメディ。 ◆◆◆登場人物◆◆◆ ・アナスタシア 下町育ちの平民だが、ある事情からフェアファンビル公爵家の養女となりユージーンと結婚することに。 非常に真っ直ぐで逞しい性格。 ・ユージーン 国有数の資産家であるハミルトン伯爵家の若き当主。 社交界きっての美貌の持ち主で女性に大人気だが、実は初心な一面も。 -
だって望まれない番ですから
番(つがい)――それは生まれ変わってもなお惹かれ続ける、唯一無二の運命の相手。 パイ屋を営む天涯孤独な娘アデリエーヌは、竜族の第三王子の番に選ばれた前世の記憶を思い出した。長命で崇高な竜族と比べて、弱く卑小な人間が番であることを嫌った第三王子に殺された、あの時の記憶を。再び第三王子の番候補に選ばれたという招待状がアデリエーヌのもとに届いたことで、止まっていた運命が動きはじめ――。やがて、前世の死の真相と、第三王子の一途な愛が明かされていく。 【登場人物】 ・第三王子 とある理由で名を奪われた竜族の王子。前世のアデリエーヌとは関わろうとしなかったが……。 ・アデリエーヌ 第三王子の番として、竜族の王宮で暮らした人間の娘。生まれ変わり、今はパイ屋を一人で営んでいる。 -
あなたたちに捨てられた私は、ようやく幸せになれそうです
アリアンヌは生まれながらに精霊の強い加護を受け、共に育った公爵令息のリオネルと結婚の約束を交わしていた。 しかし突然、生家の伯爵家に第二王子との望まぬ婚約を強いられ、幽閉されてしまう。 リオネルとの再会を信じ孤独に耐え続けるが、精霊の加護も奪われ追いつめられていくアリアンヌ。さらに、彼女を厭う妹の策略によって第二王子との婚約は破棄され、平民の商家に嫁がされることに。 一方、リオネルは愛するアリアンヌを取り戻すため、密かに動き出していて――。 -
辺境領主令嬢の白い結婚
辺境領主令嬢のオルテンシアはある日、王妃から命を狙われている第二王子のトゥライビス殿下を辺境領で匿う為、殿下と契約結婚をすることに。 「夫」となった殿下は辺境領独自の動植物に目を輝かせ、不遇な生い立ちなど感じさせない強さを持った美青年だった。そんな殿下と過ごすうちにオルテンシアは恋心を抱いてしまう。 しかし、オルテンシアには殿下には知られたくないある秘密があって――。 互いにわけありな契約婚夫婦が紡ぐ、波乱と癒しの新婚ラブファンタジー! -
失恋メイドは美形軍人に溺愛される
メイドとしてグラットン家の若旦那に仕えるリリス。若旦那に密かな想いを寄せていたものの――彼の突然の結婚によって新しい妻からクビを言い渡されてしまう。 失意に暮れるリリスだったが、容姿端麗で女たらしの最強軍人・ダンケルクに半年限りのメイド&偽りの婚約者として雇われることに。しかし、彼はリリスに対して心の底から甘やかに接してきて!? その上、リリスの持つ力が幻の最強魔術だと分かり――。失恋から始まる、世界最強の溺愛ラブストーリー! |【登場人物】| ダンケルク・モナード 「なんだ? 主人の命令が聞けないのか?」 若旦那の一番の友人。そして、国一番の軍人でもある。 整った容姿をしており、女性との数々の浮名で知られている。 しかし、リリスを雇った後は女性と過ごすこともないようで……? リリス・フィラデルフィア 「私はただのメイドですので……」 心を寄せていた若旦那の突然の結婚により家を追い出されてしまったメイド。 拾ってもらったダンケルクの家で期間限定のメイドとして働くことに。 更には偽りの婚約者になれと言われ――!? -
迷子宮女は龍の御子のお気に入り
第7回カクヨムWeb小説コンテスト、〈恋愛部門〉特別賞受賞の新・後宮恋愛ファンタジー! 失踪した姉を捜すため、龍華国後宮の宮女となった鈴花。ある日彼女は、銀の光を纏う美貌の青年・コウレン(※)と出会う。官正として働く彼の正体は、皇位継承権――《龍》を喚ぶ力を持つ唯一の皇族だった! そんな事実はつゆ知らず、とある能力を認められた鈴花はコウレンの側仕えに抜擢。後宮を騒がす宮女殺し事件の犯人探しを手伝うことに。後宮一の人気者なのになぜか自分のことばかり可愛がる彼に振り回されつつ、無事に鈴花は後宮の闇を暴けるのか!? ラブロマンス×後宮ファンタジー、開幕! 【登場人物】 ・鈴花(りんか) 人の纏う「色」が視える不思議な目の持ち主。 健気で努力家だが方向音痴が悩みの種。 ・コウレン 皇位継承権を持つ絶世の美青年。しかし現皇帝との関係は微妙なようで……。 心優しい鈴花に次第に惹かれていく。 ※コウレン:「王へんに光」「王へんに連」 -
23時の喫茶店
バイトに明け暮れ、これからの人生に漠然と不安を抱く美大生の伊織は、ある日特別 な条件を満たす客人のみを迎える「真夜中の喫茶店」の噂を耳にする。まるで興味のな い伊織だが、不思議な巡り合わせでその喫茶店を訪れることに。迎えてくれたのは、人形のように美しく聡明な店主・透子だった。 紅茶専門店だというその店で透子が淹れた一杯と、その紅茶にまつわる話を聞いた伊織は次第に心が解きほぐされ――。 深夜23時。今宵も弱った心を癒す喫茶店の扉が開く。 -
ノイズ・キャンセル
高校入学を控えた春休み、鰐川草は不思議な美術館に迷い込む。「外してはいけない」という奇妙なルールとともに手渡されたヘッドホン。だが他人のヘッドホンを奪う闖入者の出現で、悪意のゲームに巻き込まれていく。 -
光を受ける者たち
特別支援学校での出会いと葛藤、日常の煌めき。現役早大生が高校在学中に書いた、色鮮やかな短編小説。 早期に進路が決定した女子高生たちが、校外活動としてボランティアにやってきたのは、肢体不自由の生徒が通う特別支援学校だった。登下校の様子や教室の備品、授業など何もかも自分たちが知る学校とは異なり、戸惑う彼女たち。そして、彼女たちを引率する教員や、そこで働く教員たちもそれぞれ葛藤を抱えており――。 「こうして、皆で隣にいられたら、どんなにいいだろう」 暖かな光が、彼・彼女たちを等しく包み、新たな一歩を照らし出す。 第1回ハナショウブ小説賞 短編部門大賞受賞作品。 【著者】 那月珠雨 2004年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学在学中。 -
皇帝陛下の御料理番
険しい山間で猫又妖怪とひっそりと暮らす少女・紫乃は、ある日川から流れてきた美しい男――皇帝・凱嵐を助ける。 「御膳所で働くか、この場で斬って捨てられるか……どちらでも好きな方を選ぶが良い」 紫乃の料理に惚れ込んだ凱嵐に強引に連れ去られた先は、皇帝が住まう豪奢な天栄宮。紫乃は、皇帝の口に合わない食事を作れば首を刎ねられると噂の御膳所の「料理番」に任命されてしまう! 礼儀作法も知らない紫乃に周囲は反発するが、次第に彼女の料理で宮廷は変わっていき――!? 「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」カクヨムプロ作家部門《特別賞》を受賞した、成り上がり宮廷グルメ物語! -
上地王植琉の私訳古典シリーズ5 武器と人 分冊版
1894年4月21日にロンドン・アベニュー劇場で初演され、絶賛されたバーナード・ショー初の商業的成功作。 1886年のセルビア‐ブルガリア戦争を舞台に、街に逃げてきた兵士と名家の令嬢の出会いとロマンスを描きつつ、軍国主義を鋭く批判する。後に英国作家ジョージ・オーウェルが「おそらく、彼が書いた中でもっとも機知に富み、技術的にも完璧で、非常に軽い喜劇であるにも関わらず、後世に渡って語り継がれる劇となった」 と述べて絶賛した本作だが、残念ながら、現在ではほとんど手に入らない状況にある。 そこで、今回、第五弾となる上地王植琉の私訳古典シリーズでは、『武器と人』を新たな訳とともに注釈付きでお送りする。 分冊版全三巻。本作は「導入」と「第一幕」を収録しております。 -
さよなら、誰にも愛されなかった者たちへ
賽の河原株式会社――主な仕事は亡き人々から六文銭をうけとり、三途の川を舟で渡すこと。それが、わけあって不採用通知だらけの至を採用してくれた唯一の会社だった。 ちょっと不思議なこの会社で船頭見習いとしての道を歩み始めた至。しかし、やってくる亡者の中には様々な事情を抱えたものたちがいた。 三途の川を頑なに渡ろうとしない少女に、六文銭を持たない中年男性。奔走する至はやがて、彼らの切なる思いに辿り着く――。人々の生を見つめた、別れと愛の物語。 -
永遠のあなたと、死ぬ私の10の掟
500年を超える悠久の時を生きてきた不死身の床無くん。 平成の終わり頃、髪結いを生業とする彼と出会い、一瞬で恋に落ちた真昼は、奇妙な「十の掟」を交わす。それは二人がうまく付き合っていくための大事な約束だという。第一の掟「掟ヲ守ル事」、第二の掟「姓デ呼バヌ事」……。 煌めくような日々の経過と共に明かされる掟に秘められた真意と、床無くんが古から見送ってきた幾つもの人生。しかし、第九の掟がもたらしたのは残酷な運命だった――。 これは、永遠に残る愛の形。 -
大奥の陰陽師
時は徳川が統べる江戸時代。安倍晴明の血を引く雲雀は、町で噂の陰陽小町。物の記憶を覗ける妖狐の式神、葛忌ととともに、父の仕事を手伝い暮らしていた。そんな平穏な日々が、ある日急転する。 雲雀はその腕を買われ、将軍吉宗お抱えの陰陽師として大奥の隠密の命を賜ることに。 憧れの将軍に仕えることを喜ぶ雲雀。だが、大奥は伏魔殿とも揶揄される女の園。女達の愛憎渦巻く陣中、雲雀と葛忌は「大奥の陰陽師」として、伏魔殿に潜む怪異の正体を暴くため奮闘する。 -
走る凶気が私を殺りにくる
うしろから、あおり運転。 助手席に、認知症の老人。 介護タクシー会社に勤務する芹沢千晶は、ある日、仕事中に後続車からあおり運転を受けた。 黒く巨大な車は獣のように荒々しく、車間を詰めてパッシングを繰り返す。助手席に認知症の老人を乗せる千晶は、次第に不安と恐怖を抱き始める。 何が気に入らないのか、何が目的なのか、ハンドルを握る手に汗がにじむ。やがて単なるあおり運転とは別の悪意を感じ始め……。 悪夢のような一日と、その果てに辿り着く恐るべき結末。 このドライブの結末は、誰も予想できない――。 極限下のドライブホラー! -
おすすめの恋人・他短編集
◆おすすめの恋人 健二の口調は“僕が君を守る”だった。 ある日、海辺で礼子は暴漢達に襲われる。 健二は口癖通りに暴漢達から礼子を守り死ぬ事に……。 ある日、礼子は健二に似た男性を見かける。 ◆幽霊の引っ越し 亜莉沙が引っ越してきた場所では異変がする。 どうやら、若い美青年の男の幽霊二人組がその家には住んでいたみたいだった。 幽霊二人組は気さくで、まるで漫才師みたいな感じで亜莉沙に接してくる。 亜莉沙は幽霊である東次郎と茂一の二人と仲良くなった。 ある日、茂一が引っ越し先を見つけて出ていく事になり、二人きりになった亜莉沙と東次郎は…………。 ◆姿無き編集者 作家志望の里子には、ようやくチャンスが舞い込んでくる。 里子は編集者と会う事になるが、その編集者は事故により亡くなってしまう。 ある夜から里子の元に亡くなった編集者の霊が現れて……。 ◆饅頭屋の女房 吾郎は時計屋をしていた。 ある日、屋上に行くと時計屋の横の饅頭屋の女房が自殺しようとするのを吾郎が止める。 その日から、吾郎はその女と関係を持つが……。 ◆マシム マシムはシンガポールで正人に拾われた犬だった。 ある日、正人の恋人である麻美が現地にやってくる。 正人はマシムに興味を無くし、代わりに麻美がマシムを世話する事になる。 マシムは麻美の事が好きで、ある日、マシムの前に神様が現れる。 マシムはある願い事をする事にした。 ◆ さら・シリウス:あらすじ ◆ 朧塚:文章 -
中卒の指揮者
家田鉄平は子供の頃にテレビで見たオーケストラの指揮者に憧れた。とはいえ家は貧乏で、中学を卒業すると同時に工場に働きに出ることになった。 居酒屋で働く美しい里美と出会い、テレビ番組の企画でドイツへの指揮留学が実現する。 教育者アトマンの家にホームステイしながら、同世代の天才スティーブとともに指揮の練習に励む。青春の情熱を指揮の向上させることに使い、最後には見事オーケストラを指揮して、ラベルの「ボレロ」を振り切った。 しかし日本に帰ってくると、音楽とは無縁の貧乏生活に戻ってしまった。 アルバイト生活しながらもオーケストラの雑用係になると、指揮者のアシスタントになった。時にオーケストラから意地悪されたりしながらも、鉄平は成長していく自分を感じていた。 指揮者の田中巧が引退する際、鉄平は後継指名を受けがその条件は、巧の娘と結婚することだった。巧の娘の面倒を見る代わりにオーケストラを譲るというのだ。そしてそのことを知らないはずの里美が失踪してしまう。見つからない里美を諦め、鉄平はクミとの事実婚関係になる。 テレビで自分を切り売りしてオーケストラのチケットを売ろうとする鉄平だったが、世コンサートマスターに端本恵美子を招聘し、人気は落ち、アトマンの死や、クミとの関係解消が重なることでうつ状態に陥る。 数年後、鉄平は路上生活者となるが再び運命のドアが開く。旧友や里美との再会、鉄平はもう一度指揮台に立つ。 さら・シリウス:あらすじ 春日 寛:文章 -
赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。分冊版
日本の昔話をミステリで読み解き好評を博した『むかしむかしあるところに、死体がありました。』に続き、西洋童話をベースにした連作短編ミステリが誕生しました。今作の主人公は赤ずきん! ――クッキーとワインを持って旅に出た赤ずきんがその途中で事件に遭遇。「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」を下敷きに、小道具を使ったトリック満載! こんなミステリがあったのか、と興奮すること間違いなし。全編を通して『大きな謎』も隠されていて、わくわく・ドキドキが止まりません! 本作をもっと気軽に読者へと届ける為に、エピソードごとの分冊版を作成しました。分冊版1は、第1章『ガラスの靴の共犯者』。 魔女に魔法をかけてもらった赤ずきん。シンデレラとカボチャの馬車でお城の舞踏会に向かいますが、途中で男を轢き殺してしまったのです……。 ※興味を持ったエピソードだけ読むのでも面白いですが、第1章から順に読み進めますとよりお楽しみいただけます。 -
さくらさくら
彼は青い月光を含んだ冷たい夜の空気で胸を満たしたかった。けだるい足を運んで、彼がその開けはなった高窓の鉄枠に身をもたせかけた、その時だった。青い桜の下に、ふいに白い影が浮かび上がった。ぎくりと身を起こして凝らした目に淡く儚げな少年の姿が一瞬映り、瞬きする間もなく青い闇の中に溶け入って消えた。(本文より) 精神科医である安達実彦は、赴任先である郊外の病院を訪れた。中庭の中央には、明らかに古木と知れる、なんともいえない妖しい息づかいを感じさせるような桜があった。やがてその桜にまつわる不吉な伝説を聞かされて……。本格耽美サスペンス。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。 -
ニッポニアニッポン
21世紀の始まりを告げる、戦慄のテロ文学!地元を追い出され東京でひとり暮らしする17歳の少年・鴇谷春生(とうやはるお)は、日夜インターネットを渉猟し、トキに関する情報を集めていた。種の保存のために管理されるトキを解放することが自分の使命だと信じるようになった彼は、スタンガンと催涙スプレーを購入し、佐渡島を訪れることを決意するのだった。中学時代の同級生・本木桜への春生の思いと、地元を追い出される原因となった罪、明かされていく「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」の全貌……すべての妄執に囚われたまま、運命の時は近づいていく。 著者は、渋谷を舞台としたプルトニウムをめぐる攻防を刺激的に描いた『インディヴィジュアル・プロジェクション』で注目を集めた「J文学」の旗手。第125回芥川賞候補作となった本書は、国の天然記念物「トキ」をテーマに、日本という「国家」の抱える矛盾をあぶりだした中編小説だ。 17歳の鴇谷(とうや)春生は、自らの名に「鴇(とき)」の文字があることからトキへのシンパシーを感じている引きこもり少年。日本産のトキの絶滅が決定的であるにもかかわらず、中国産のトキによる保護増殖計画に嬉々とする「欺瞞」に違和感を抱いていた春生は、故郷を追われたことをきっかけに「トキの解放」を夢想しはじめる。その選択肢は「飼育、解放、密殺」のいずれか。「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」という自らが描いたシナリオを手に、スタンガン、手錠、催涙スプレーで武装した春生は、やがて佐渡トキ保護センターを目指す…。 「俺を一人にしたことを、この国の連中すべてに後悔させてやる」と決意する春生は、拠るべき場所もなく孤独にさいなまれながら生きる現代人の「いらだち」を増幅させた人物。現実と虚構との境界が崩れてしまった若者だ。本書がきわめてスリリングなのは、その虚構への扉が読み手にも開かれている点だ。春生が情報収集するサイトは、ほとんどが現実に存在する。「虚構」の象徴とされるインターネットが、本書では読み手と春生をリアルにつなぐ重要な接点となっている。読み手をたえず挑発し、いつしか作品世界へと巻き込んでしまう快作だ。(中島正敏) -
サクラクエスト エピソードゼロ
短大に入学し、憧れの東京生活をスタートさせた由乃。胸に抱いた思いは「特別な“何者か”になりたい」。由乃には小学生の頃から、コンプレックスがあった。それは、自分があまりにも「普通」であること。いたって普通の両親の間に生まれ、金持ちでも貧乏でもない家庭に育ち、他人と比べて特に秀でたところも、目立つこともない。そういう自分が嫌だ。「普通」は嫌。「みんなと同じ」は嫌。具体的な夢やビジョンはまだない。でも、田舎を飛び出して、キラキラした東京で暮せば、普通でない何かにきっと出会えるはず……。だが、短大では「普通」に友達ができ、カフェやハンバーガーショップにも「普通」に通い、合コンにも「普通」に参加する。東京の女子大生として、ごく当たり前の日々が過ぎていく――そんな矢先、由乃はティッシュ配りのアルバイトを通じて、「有名になりたい」と夢を語る可愛い女の子・櫻子と仲良くなり、二人揃って芸能事務所のスカウトマンから声をかけられる。“何者か”になれるチャンス到来!? ただし、仕事は露出度かなり高め。櫻子は乗り気。由乃はどうする……? -
銀輪に花束を
ライディングはいくつもの対話で成り立っている……フリーホイールの金属音、コントロールレバーの操作感、景色や風切り音との対話。何よりも、自分との対話。そして自転車で出会う景色は、いつもどこか懐かしい。故郷の町で、旅先の自然の中で、巡り合う風景と小さな物語。人間に最も近い乗り物である自転車の上では、出会いも別れも、呼吸や鼓動と同じテンポで通り過ぎていく。早足で通り過ぎる時間の中から切り出された、いくつかの対話や物語を集めた、ショート・ストーリーの花束。その静かな片隅には、つねに一台の自転車がある。 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。 -
文字禍の館
文字禍の館……それは、ある大金持ちの変人が建てたという、一般非公開のテーマパークである。噂では入館したまま消息を絶った者もいるという。オカルト雑誌『グノーシス』編集部の髀塚たち三人は、招待を受けて謎の館を訪れるが……。 ホラー小説に独自の境地を拓く気鋭が、奇抜な手法を駆使して、“文字そのものの恐怖”に挑戦した驚天動地の奇想小説。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。 -
探偵見習と化け猫
この世に 山田 海という男がいるが、身体の中には守護霊の男がいる。その守護霊は、生前の時の仲間である、天猫という千年以上も生きている化け猫に助けを求めるのだった。海という男は、生前に父から渡された遺言書というタイトルが書かれた本の内容の通りにしか生きられない人だった。それだけではなく、人から命令をされなければ行動することも食事を摂ることも出来なかった。乳を与えるにも、母親が手元まで抱きしめ口元まで導かないと飲めない。いや、プログラムが設定されていないロボットのような状態のために、口の開き具合から、含み加減まで言ってから、さあ吸って飲みなさい。そう言う命令をしなければ乳も飲めない赤子だった。二親は、歳を取れば普通の子になる。そう思いながら七歳が過ぎても治らなかった。父は、悲しみ、息子のことが心配になり。遺言書という本を書くのだ。それは、ロボットを動かす計算式のような内容であり。全ての事柄を思案しなくても良い。辞書のような物であり。父は生涯で十万冊以上も書き残した。そして、海と同じ?・・奇病であるロボット病が蔓延し・・・守護霊の鏡・・・化け猫の天猫・・・幼馴染の田中 沙那子・・・静・・・猫の天国・・・宇宙を航行できる都市型の船・・・箱舟・・・人類の誕生地・・・気付くのだ。全ての原因は竜なのだと・・・いや、違う。全ては・・・月人・・左手の小指の赤い感覚器官が導く世界・・・恋・・・誰の運命の導きの時の流れなのか・・・皆の幸せとは・・ -
true tears 小説版
それは「真実の涙」の物語――。 富山県の門前町で代々続く酒蔵の一人息子・仲上眞一郎は、絵本作家になることを夢見る高校生。仕事熱心で寡黙な父、家族思いだが過干渉気味の母、そして幼なじみの湯浅比呂美と共に暮らしている。 突然の不幸で両親を失ってしまった比呂美が、親の縁で仲上家に引き取られたのは1年ほど前のこと。学業成績優秀、バスケット部では1年生ながら主力選手を務め、校内では抜群の人気を集めて笑顔を絶やさない比呂美が、家に戻ると息を詰めるように過ごしていることに、眞一郎は心を痛めている。眞一郎の母・しをりは、身寄りのない比呂美を家に迎えながらも、なぜか彼女に冷たい目を向けているのだった。 小学生のころから比呂美の笑顔に惹かれている眞一郎は、母の態度に反発し、母をいまひとつ強く咎めようとしない父の姿勢にも不審を抱く。彼女を守りたい、あの笑顔を取り戻せるのは自分だけだと思うが、しかしながら彼女との心の距離にも気づいて、眞一郎はもう一歩を踏み出せずにいた。 そんな矢先、眞一郎は学校の裏庭で、木に登って降りられなくなっていた別のクラスの女子生徒・石動乃絵と出会う。ある出来事から「涙を流せなくなった」と語る乃絵の不可解な言動に戸惑いつつも、眞一郎は、比呂美とは異なる魅力を放つ乃絵と急速に親密になっていった――すると、眞一郎に久しぶりの笑顔を向けた比呂美が、どういうわけか「石動乃絵を紹介してほしい」と言い出して……。
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