自動起床装置

自動起床装置

379円 (税込)

1pt

3.7

聡とぼくは仮眠室の「起こし屋」。昼間の毒気を吐きながら、養分を貪るように眠るモーレツ社員たちを、うまく目覚めへと導くのが仕事だ。ところがある日、自動起床装置が導入された…。眠りという前人未到の領域から、現代文明の衰弱を衝いた芥川賞受賞作。カンボジアの戦場への旅を描く「迷い旅」を併録。
解説・村田喜代子

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自動起床装置 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2013年10月19日

    私の原点とも言っていい作品。ひそやかで細やかな描写の影に潜む闇は作者の視点の広さを感じさせる。起こし屋、という稼業と眠り、そして自動起床装置を用いて語られる世界が美しい。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    最近お気に入りの古本やで、タイトルにひかれて購入。
    安部公房にもにたぬるっとした感触のする小説。

    眠りについて一考してしまいますね。
    なぜ、眠るときは気持ちいいのに、起きる時は気持ちよう起きれないのか?
    目覚まし時計に起こされるのもイヤやけど、親にどなられておこされるのもイヤです。
    ○○...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月07日

    「自動起床装置」、日常生活には珍しいように感じるが、私も毎日起こしてもらっているスマホのアラームも似たようなものなのかもしれない。そういえば何十年も人に起こしてもらっていない。
    一日のかなりの時間眠っているけど、人から見たら私の眠りはどんな風だろう。自分の眠っているとき、自分の意思が及ばない(むしろ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年09月17日

    ◯◯。さーん。◯◯。さーん。
    起こしの達人に1度起こされてみたい。

    人と機械の関係性が睡眠をテーマに多様な角度から描かれている。時に神が現れ、時に樹木の図鑑を旅しながら眠りの世界に導いてくれる。

    辺見庸さんの文章は、いつも日常では遠ざけている人間の根幹を描くというより語る。語る。語る。

    読者を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年02月27日

    睡眠にも人間性が現れるものですな。起こされると殴る人とか勘弁してほしい。起こし屋の聡が囁くように呼びかけるシーンは何か異常な世界を垣間見てしまったような背徳感があった。聡の彼女が入眠を誘う側だったり、いかにも芥川賞らしい作品だった。私はもう長い事iPhoneのアラーム音で起きているが問題なし。

    0

    Posted by ブクログ 2016年11月27日

    人を起こすバイトという着眼点が面白い。そしてその役を装置に取って代わられたら?つきつめて考えると、これって最近世間を賑わせてる「AIが進化したら人間の出番は?」の問題と同じではないか?なんとも著者は20年以上も前に問題を予言していたというのか?っという深さを考えながら読むとなお面白い。

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    Posted by ブクログ 2015年11月05日

    よく、小説では、人間的根源の要素をテーマにする、といった事が多いが、その大概は、性欲であったり、広大な煩悩に対する欲望に焦点が当てられており、他が蔑ろにされている気がしていた。その点では、表題作は、人間の三大欲求に分類される、「睡眠」という分野の荒野をただ突き詰めた、という斬新さを得た。まだ未読だが...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年12月20日

    併録されている「迷い旅」という作品に心を動かされた。
    味気ないスルメが結論めいた味という表現。
    グッドスメル。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2013年05月25日

    通信社で『起こし屋』として働く主人公と、聡。
    仕事柄ある時間に起きなくてはいけない人々を、眠りを妨げることなく快適な目覚めと共に覚醒の世界に呼び戻すアルバイトに従事する2人。
    眠りということに並々ならぬ哲学を持つ聡。その哲学に頷きながらも、どこか適当で迎合的なところがある主人公。
    聡の並々ならぬ起こ...続きを読む

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