カフェさんのレビュー一覧

このマンガのおもしろさの大部分をヒロインが担っていると言っても過言ではないぐらいヒロインのキャラが飛び抜けて良い。ポジティブで行動力のある天然って最強だな。決してシリアスにめそめそしないコミカルさが読みやすい。

人との出会いは尊いものなんだなぁと、じんわりと染み入る物語だった。島の日差しや風が肌で感じられるようで、ジャンルを越える良作だと思う。

人間は本来生まれもったものと環境の影響で自己を確立していくけれど、身体さえも環境になるという発想がすごい。そのうえ元々の体の所有者と現在の体の所有者の記憶が淡く入り交じっていて自分と他者との境界線があやふやで、「わたし」という輪郭がどんどん曖昧になっていく過程がすごくおもしろかった。

新しい才能に出会った感がすごい。主人公の気持ちが痛いほど伝わってくる。コンプレックスって自分を傷つける凶器みたいだ。

コメディです

高倉くんは今までどうやって生きてきたのってぐらい不器用。想像の域を遥かに超えた不器用。それでも諦めない高倉くん超愛おしい。バカバカしいようでいて、生まれたての雛を見つめるように応援してしまう。超おもしろい。

切なさと美しさが同時に存在していて、もはや二つの言葉は同義語でしたっけと思うほどに切ないことは美しいことだと感じた。この作品の美しさは異常。

なんてかわいいカップル。音楽教師と彫り師という意外な組み合わせなんだけど、そんな二人の距離がどんどん縮まっていく過程を読んでいると幸せな気持ちになる。ほんわかしていて大好きです。

あまり好みの絵柄ではないと思いながら読み進めていたら、そんな感想を根こそぎ吹き飛ばすほど二人の会話がいい。とにかく良い。会話にリアリティがあって、宇郷なんて現実に存在していそう。モデルとなった人物でもいるのだろうか？読み終わった頃には絵柄も好きになっていた。

いくえみ綾作品は、人間のドロドロした感情や嫌な側面もきちんと描かれていて、時々居心地が悪くなる。だけど、この作品では根っこが愛情でつながっている家族を中心に物語が展開するので読んでいて心地良い。いくえみ綾さんの作品で一番好きな作品です。

かわいい

かわっ…可愛い。なんだこれ。もうさっさと付き合ってくれよ。なんだこの愛すべき奴らは。脇役たちまで好きになってしまう。ずっとニコニコしながら読んだ。

新鮮

おもしろいです。ヒロインであるはずの泉の登場が少ない上に遠距離中は表情が全くわからない描き方をされていて、今後の展開が予想できない。そもそも泉がヒロインで確定なのかも一巻の時点では確信を持てない。徹底した男子目線の少女マンガで、ものすごく新鮮に感じます。

今まで影の薄かった事務員久保田さんの人柄や背景が語られ、法律事務所の面々に愛着が増します。そのうえ、赤星くんという新キャラの登場によりラブコメ感が少しだけ出てきて、この３巻でおもしろさが加速します。

このマンガとても面白いのですが、１巻よりも２巻、２巻よりも３巻と面白さが増していきます。「天然素材でいこう。」に続きこの作品で完全に麻生みことさんのファンになりました。

人間の毒が容器から溢れてしまったかのようで怖い。悪意や嫉妬だけではなく、鈍感さや無知、無関心さえも毒の一部で、そんな毒に満ちた容器の中で何事にも無関心な教師のなけなしの良心が浮上するけれど、それで容器をひっくり返せそうにもない。息もできない世界。

アニメ版の「魍魎の匣」しか見たことのない人間でも楽しめました。関連作品を読んでいなくても問題はなさそうですが、この世界観をより楽しむために小説の百鬼夜行シリーズも読んでみたくなりました。

最高

てっきりエッセイマンガかと思い、今まで読んでいなかったのですが、全く違った。最高だった。主人公の目線や感性が豊かで日常が大切に思える。もうこれ以上いらないと思えて、この日々がずっと続きますようにと願えることは幸せだなぁとしみじみした。

君に届けよりも好きです。君に届けの主役二人が優等生過ぎたのに対して、こちらの主役はちょっと毒気があり読みごたえがあります。そして、爽子ちゃんが安定の可愛さを通り越してハイパー可愛くて癒されます。

一話を読んだ時点ではそんなに好きではなかったのですが、レビューの評価が高かったので、それを信じて読んでみたら、二話目でハマりました。一話だけでは面白さが伝わりきれないと思うので、似たように感じた方はぜひ読み進めてほしいです。女性二人の自由な生き方と逞しさ、マキちゃんの寛大でおっとりとした魅力。読み終える頃には三人が大好きになっていました。

過去を遡っていく構成と語り口が映画のようであった。様々な時代が描かれ、その時代時代の空気が漂ってくる。60年代の煙たそうな喫茶店や騒がしい旅館が色々な映画のワンシーンとリンクして一層映画みを増していく。もう映画化してくれと願うと同時に、これが完成形かもしれないとも思う、素晴らしい作品でした。

ずるい大人たちの物語過ぎて途中で一瞬嫌気が差した。だけど、最後がちょっと良い話で救われた気分になって、すると、ずるいのは大人だからずるくなるのかもしれない、みんな幸せになりたいんだと思えてきたり。それでもあの婚約者は嫌だなと思ったり、一番怖いのはバーテンダーで、得体が知れないって一番怖いなとか、あの最後の話の二人が上手くいくほど甘くはないのかなとか、とにかく色々考えを巡らすことができて、何が言いたいのかと言うと、読んで良かった。

主人公の親友、小百合のキャラが濃くておもしろいです。まさか、この作品にもチョコレートジャンキーの面々が登場するなんて全く予想していなかったので、気付いた瞬間テンションがあがりました。

至福とは、このマンガを読むことではないかと思うほどに、最高。背景も心理描写も全て、最高。レースのハンカチを一枚持つのが夢だったエマ。思い入れのある眼鏡を使い続けるエマ。表情で伝わってくるエマの想い。細部まで美しいマンガです。

凛としたグランマの名言と亜子の素直で瑞々しい気付きで学びが多い。「いいコンビってのは、一人一人がちゃんと歩いてる者同士を言うんだ」とか「嫁と姑が仲良くなる必要なんかないですよ、うまくいってる程度でよしとしなくちゃ」等々。時々読み返したい作品です。

宇多ちゃんにスポット当たりまくりの2巻です。デリカシー無さすぎの宇多ちゃんと、そんな彼女にドン引く男子たちという構図がおもしろかったです。

そこそこ昔の作品だろうと予想はしたものの、1993年だとは驚きました。今読んでもおもしろいです。現在の作品とは絵柄が違い、時代と共に絵柄も進化していく、いくえみ綾さんに感銘を受けました。

SF世界でストーカーや不倫が描かれると、気持ち悪さが緩和される。だって、世界そのものが異常だから。コントラストが薄れ、主人公の切実な想いに感化されて、応援さえしてしまいそうになる。だけど、彼女は本当に先輩が好きなのだろうか？見た目や性格、嗜好さえも変わり、本来の先輩なら彼女を誘うこともなかったはず。主人公を誘う先輩は主人公が欲しかった先輩ではないのでは？確かに人は年月や環境で大きく変わるけれど、人間の本質はどこにあるのだろうか。主人公は何をもって先輩を先輩だとみなすのだろうか。などと色々考えさせられる一冊で、そんな作品になったのもSF設定だったからだと思う。

正直に言うと、1巻の渋谷くんがあんまり好きではなかったんです。でも、作者さんの前作「デジログ恋愛生活」が好きだったので離脱せずに読み進めたら、すごくおもしろかった。2巻以降を読んでから、また1巻を再読すると渋谷くんを大好きになっている自分に驚きます。

この漫画家さんの作品は、突っ込みどころ満載な設定なのにどうしてこんなにおもしろいんだ。表紙の印象からシリアスものかと思っていたらとてもコミカルで、もっと早く読んどけば良かったと思うほどおもしろかったです。

コタローの無表情さの奥に見え隠れする感情に涙腺が崩壊してしまいます。何気ない言動の背景に辛い過去があるものの自己憐憫に陥ることなくたくましく生きていくコタローも周りの優しい住人もみんな大好きです。

渋谷くんがかわいすぎる。もう渋谷くんがヒロインでいいだろって思うほどかわいい。今回は渋谷くんの登場シーン自体は前話に比べれば多くないのですが破壊力がすごいです。

暁也目線で語られる過去に引き込まれます。子供の頃から天真爛漫なさらさですが、生い立ちに複雑な事情がありそうで、さらさと暁也と梨園との関係性などを理解するには重要な話が読めます。

革命

少女マンガに革命が起きた。前作の俺物語も既存のヒーローとは異なるキャラクターデザインで革命的だったけれど、今回は少女マンガの常識をぶっ壊しています。あんな展開になると予想できた人います？別冊マーガレットと作者に敬礼。

読んでいる側の感覚さえ研ぎすまれていくかのようなすごい作品。読後も興奮が冷めやらぬままずっと頭のなかをぐるぐると駆け巡っているのだが、それが何かなのかわからない。とにかく圧倒された。

恋だと自覚した後の渋谷くんと1巻の渋谷くんは本当に同一人物なんだろうかと疑わずにはいられないほどの別人ぶりです。巻末にお仕事渋谷くんとして過去に演じた役が見れるのも嬉しい。設定が細かくておもしろいです。

日本史に全く興味がなく、確実にアキコのティータイムルートの人間なのですが、これはおもしろい。てっきりifものというか、戦国武将が女だったら面白いんじゃね？的な100%架空の設定だろうと思い込んでいたら、まさかこんなにも根拠が提示されるとは。真実はわからないけれど女性の可能性まじであるなとワクワクします。

最高かよッ‼

このマンガは常軌を逸しているッ‼本編には大きく関わりのない物語がないと満足できなくなってしまったんだがどうしてくれるッ‼本編とあとがきを同一人物が書いたとは信じられないッ‼読後、このマンガから何らかの影響を受けているはずッ‼

絵柄の印象がドラマ版と違いすぎて読んでいなかったのですが、良かった。むしろこの飄々としている絵がいい。押し付けてくることなく言葉と間が染み込んできます。とても重たいテーマを扱っていますが、安易に是非を問うわけでもなく寄り添う姿勢がいいです。

つぼみ

ぼんちゃんことつぼみは名前の通り今はまだつぼみで何も持っていないようで人として大切なものをたくさん持っている。少しずつ成長していく前向きなつぼみを見ていると自分も頑張ろうと力が湧いてきます。

天才

ミステリアスな男性を描かせたら右に出るものはいないんじゃないだろうかと思うほど、くらもちふさこ作品の男性は魅力的で何を考えているかわからない。わからないからこそ気になって仕方ない。少女マンガと小説が融合したかのような世界の広がりを感じられる作品です。

一心不乱に好きなものに向き合い続ける熱量がすごいです。「間違っていい。絶対ビビるな。」というセリフがとても心に響きます。失敗を恐れず、回りの目を気にしている時間すらないほど練習に没頭する姿に感銘を受けました。とてつもなくすごいマンガを読んだ気分です。

リカ目線で読むと映画アマデウスやグッド・ウィル・ハンティングを思い出します。ある一定以上の能力があるからこそ、自分と天才との間には大きな隔たりがあることに否応なく気づいてしまう。圧倒的な才能を前に、リカをはじめ周囲の人間がどういう道を選択するのかとても気になります。

「着たいからって着ないでしょ、そこはふつう飛び越えないもんだろ…」と呟いた父親のセリフが印象に残る。だれもがふつうに縛られて、ふつうを盲信している。そんなふつうを軽やかに飛び越えていく作品です。

ベスト級に好きかもしない。読み終えた瞬間に出会えて良かったと思えるマンガです。三歩が遭難者にかける「よく頑張ったね」という言葉に色々なものが内包されていて、彼の器の大きさや山の壮大さまでも感じることができます。

哲学マンガらしい前半よりも思索マンガとなる後半の方がよりおもしろく感じました。特に著者の手とヒトデが登場する回がお気に入りです。何度も読み返したくなる作品で著者の他の作品も読んでみたくなりました。

無知とピュアは紙一重なのか、それとも先入観がないから純粋なのかとか、色々考えてしまう程のまさかの設定でとてもおもしろかったです。

前作の微糖ロリポップが大好きだったんですが、この作品もめちゃくちゃ読みごたえがあって本当におもしろいです。ミステリー、恋愛、家族などたくさんの要素をシリアスかつ全体としてはポップに描かれていて、かなりハマります。

通常のマンガ形式と四コマが混ざっていて新鮮でした。冒頭の暮沢の言動から他のマンガのスピンオフなのかと思ったらそうでもなく、最後の「暮沢のちょっとした話。」でちゃんと回収されていてそこも良かったです。

素晴らしい

完全なトライアングルを形成するには、誰かが同姓を好きにならないと完成しないと思っていたら、こんなにも瑞々しい完璧な三角形が存在していることに驚愕しています。恋愛がメインのようだけど、恋愛以上の感情が広がっている素晴らしい作品です。

エアビッチヒロインに振り回される堅物ヒーローの物語かと思いきや、話が進むにつれ慶一郎のポンコツ具合が際立ってきて、むしろユーリの方が振り回されている感じがすごく良いです。とてもおもしろかったです。

整くんの常識に囚われない視点や発想がとても興味深く、何度読んでも飽きることがありません。髪型も含め、整くんというキャラクターが素晴らしくて、こんなマンガが読みたかったと心から思えるおもしろさです。