戦国時代の人気武将といえば、必ず名前が上がる「上杉謙信」。
この勇猛果敢な“越後の虎”は、実は女だったという説のもと、謙信の生涯を大胆に描いたこの作品。
『海月姫』『東京タラレバ娘』の東村アキコ先生が描く大河ロマンものってどんななんだろう?とワクワクしながら手に取りましたが、読んでみて大正解でした!
主人公の上杉謙信はもちろん、体は弱いけれど心優しい兄・晴景、謙信が慕い続ける兄僧・宗謙、そして今後のキーパーソンとなる永遠の宿敵・武田信玄…
登場人物の誰もが、強く、美しく、そしてかっこよく、激動の戦国時代を生き抜くさまが、実にみずみずしく生き生きと描かれています。
ときにさく裂する東村節が効いたギャグも健在で、今までになかったわかりやすくて読みやすい歴史マンガとなっています。
また個人的にオススメなのは、ページ下部で唐突に始まる「アキコのティータイム」のコーナー!
上杉謙信を語る上で知っておくべき歴史的背景や登場人物を、東村先生自らわかりやすく説明してくれます。
歴史ものでよく出てくるのが「登場人物が多すぎる!」「時代の流れがよくわからない!」という悩みですが、
東村先生の分かりやすくて面白い説明&アドバイス?(「家来が多くて覚えられないなら覚えなくていいよ!」とか最高!)で
気負うことなく読み進めることができます!
歴史に詳しくなくても大丈夫!戦国時代を男武将として強く生き抜いた女の一代記、ぜひ読んでみてください!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2015年10月19日
衝撃的だった
いや、上杉謙信が女性だった、って事じゃない。その説自体はベタだから、日本史が好きで、多少、真面目に学んだなら、一度は目か耳にした事があるだろう
以前、ここで、この『雪花の虎』と同じく、謙信を女性とした四コマ漫画、『軍神ちゃんと呼ばないで』(柳原満月)を紹介したが、正直、レベルが違う。ま...続きを読むぁ、作品形式云々の前に、キャリアが違う訳だから、比較してしまうのは、さすがに酷なんだけど
そう、何が衝撃的だったかって、東村先生の腕力に、だ
私が東村先生の作品を読むのが、この『雪花の虎』が初めてってのも大きいと思う
羽海野チカ先生の作品を、初めて読んだ際の衝撃に匹敵する
寝る前に読んだのだが、失敗した。あまりの衝撃に眠気など吹っ飛んでしまい、おかげで今日一日ずっと、寝不足感に付き纏われてしまった。でも、頭は全力回転して、ずっと、感想をどう書くか、を考えていたので、オチてしまう事はなかった
まさか、こうも、初っ端から、頭をガツンと殴られ、ジワジワと世界観に惹きこまれていくとは思いもよらなかった
力が抜けきっているようで、芯がピッと通っている独特の絵柄に、東村先生の経験値と言うか、熟練に近い漫画家としての嗅覚の鋭さを感じた。確実に、この先生、自分の組み立てるストーリーに合う絵柄を知っている。何と言うのか、エロさがある。エロいって表現が適切じゃないのなら、艶と言い換えようか。ここまで美人な上杉謙信は、東村アキコ先生にしか描けない、きっと
どんな内容か、と説明するのも野暮だが、まぁ、上杉謙信が実は女性で、どのようにして、“甲斐の虎”武田信玄と互角に渡り合い、“魔王”織田信長ですら恐れを抱いた、“越後の竜”と呼ばれる武将に育って行くか、育てられていくか、を描いている
表現として正しいか、微妙な気もするが、説得力がある。読みながら、「確かに、こんな子供時代を送っているのなら、戦国最強になるかも」と納得してしまう
豊富な経験で培った構成力によるストーリーも理由だろうが、第一はやっぱり、東村先生本人が、歴史は苦手、と公言した上で、その目線のままで描いているからだろう。変な見栄がないからこそ、がっしりと読み手の心を鷲、いや、竜掴みできるに違いない
また、虎千代だけを魅力的に描いているのでなく、そんな妹に振り回される姉・綾や、妬みの感情すら抱けずに諦めている兄・晴景も、読み手が共感を抱けるキャラとなっている
作中で使われている、歴史が好きな人用、歴史が不得意な人用の描き分けも見事だ。前者は、どちらも楽しめるので嬉しい
歴史が苦手な読み手でも楽しく感じられるように描かれてはいるが、決して、ギャグ調でない点も高評価だ。資料集めや、取材に手を抜かずに行い、一回、自分の中で整理し、自分なりの解釈をしてから、それを漫画って形式に、全力以上で変えているのが伝わってくる作品だ
今年も半分以上は経過したが、確実に、今からでも人気が高まるだろう。むしろ、東村先生のファン、上杉謙信を尊敬してる、歴史漫画好きとかじゃなく、漫画読みであれば、必ず、目を通しておきたい
割と、じっくり、子供時代が描かれているので、戦の緊張感や非日常さを求めがちな読み手からするとイライラしてくるかもだが、そんな子供時代の楽しさ、苦しさ、哀しみが青年時の性格を形成するので、ここは気長に東村先生のペースに付き合っていこうと思っている
この台詞を引用に選んだのは、いつの時代も変わらないな、と思ったからだ。男だから出来る事もある、男だからこそ出来ない事もある、女だから成せる事もある、女だからこそ成せない事もある。けど、性別に縛られていては、出来る事も出来なくなる。自分は自分のままで、男に無理な事を女の自分がやってやる、と腹を括ってこそ、人間としての器は大きくなる。謙信が人として成長した一因は、多感な時期に、この名僧・宗謙と出逢えたのが大きい。やっぱ、子供の頃に尊敬できる、多くの人物と知り合うのは大事だ
歴史全然得意じゃないけど、ただただ漫画として面白いです。
寺に出されてお城に戻って家族に会いたいとか、お姉ちゃんの綾姫が嫁いでいっちゃうところとか、泣けてきます。虎ちゃんは家族大好きなんだなー!しかもみんなもそれぞれの立場で家族想いだから、とても暖かい家族に見えます。
歴史好きがどう思うかは知りませんが面白いです。いつもの通りギャグも入って読みやすいし歴史物というよりキャラがすっと入ってきて楽しめる。
タラレバ娘や海月姫で有名な東村アキコ先生の歴史漫画です。
とても分かりやすく描いているので歴史が苦手な人にも勧められます。
この時代の人名前が複数あってわかりずらいですね。
Posted by ブクログ 2016年03月29日
謙信・女性説は知っていました。自分の地元が上杉と縁のある土地だったもので。某大河ではGACKTさんが演じてましたね。違う大河では阿部寛さんでした。どっちも好きでしたねぇ。
何と言いますか、女の子が男として育てられたり、通常男の責務を女がするという設定は実は大好物でございます。そんな意味で自分的に大...続きを読むヒットでした!!(逆パターンも大好きです。)ベルばらなんかもこういう設定ですよね。
さて、東村先生の書かれる虎(謙信)が美少女とも美少年ともとれる顔立ちなのです。男のなりをしているから男の子と見えるのですが、目元はぱっちりと大きく、まつげも長く姫としてもやっていける顔立ちで。最後のページのまつげに縁どられた目を伏せて胸にさらしをまいた少し成長した虎がことのほか美しい!!このページでドキュンと最後の一発を食らいました。
いきなり最後の話をしてしまいましたが、ほかにもツボがいたるところに。虎が林泉寺に預けられ、名僧光育がビシバシと座禅中叩いたりするのが、ツボ。この光育がとってもコミカルな見かけに書かれている分重たくなりそうな修行のシーンも軽く読み飛ばせるのです。「虎頑張れ~。」位な気分で読めます。でも、しっかり〆るところはしめていて虎の行く末を指し示すのです。いいジジイだ…。
虎を教え導く僧の一人に宗謙という人がいるのですが、この人と虎との関係もとってもイイです。虎が逆らって宗謙の腕にかみついた時に殴るでなく抱きしめて頭をポンポンするのです。抱きしめられた腕の中で虎が「城に帰りたい」と泣くのが年相応に子供でかわいらしい。
そして、この宗謙が「男にできないことを女がやればいい 女子のままでいい。女子のままで強くなればいい賢くなればいい」と虎を諭すのです。女子の虎をありのまま受け止めているという証拠でしょう。この二人の関係が本当に気になります。まぁ、僧侶だからうっふんなことにはならないと思いますが。
さて、武田信玄(このときはまだ晴信)ですが、むくつけき男ではなく、目元の涼やかな、言ってしまえばイケメンに書かれています。そして色沙汰もうまくやっている風に。こういう信玄って初めてかも。大河でもどっちかというとがっちりとしてヒゲはやしたイメージが強いのですが、そうではないところもこの漫画の面白いところ。常識を覆す人物設定が楽しいです。
楽しみなマンガに出会いました。
Posted by ブクログ 2016年02月20日
歴史好きでない人にも入りやすく、もちろん歴史好きな人でも楽しめる。
今までの歴史ものとは違った観点(女性目線)なので、男性としては少しとっつきにくいが、さすがキャラクターが立っているので、すぐに入り込める。
Posted by ブクログ 2015年10月18日
謙信の母・お紺は謙信を身篭った晩
夢で毘沙門天が枕元に立ったと言う
『お前は将来この越後をしょって立つ男じゃ!
毘沙門天様の生まれ変わりの、神の子じゃ!』
しかし生まれたのは、足が大きく元気な...姫だった
『名は虎千代じゃ!』
『虎千代?そりゃ男の名前じゃないか』
ぜひ読んでほしい、歴史...続きを読むが嫌いな人にも
そしてまず見てほしい
コタツでクリスピークリームドーナツ食べながら
ちゃちゃ入れてくるアキコ先生を
安心するから
学校の歴史の授業で聞いたこともほとんど忘れてしまったため、名前は聞いたことあるよ、レベルのため、女性だった説とか聞いても、「へえ、そんな説があるんだ」という程度でしたが、表紙の謙信さんが素敵でジャケ買いしました。
歴史はあんまり興味ないという人でも読めるようにゆるーい解説もついていて、その解説の肩...続きを読むの力の抜け具合に思わず笑ってしまいました。確かにありそうな話だなとリアリティを感じさせてくれるストーリー。面白かったです(^_^)
日本史に全く興味がなく、確実にアキコのティータイムルートの人間なのですが、これはおもしろい。てっきりifものというか、戦国武将が女だったら面白いんじゃね?的な100%架空の設定だろうと思い込んでいたら、まさかこんなにも根拠が提示されるとは。真実はわからないけれど女性の可能性まじであるなとワクワクしま...続きを読むす。
海月姫や、主に泣いてます、など俊逸なギャグを描かれている東村先生の作品!なので作家買いしました。読んだらなんと歴史物!しかも私の出身地の英雄、上杉謙信様の話ではないですか!
上杉謙信が女性だったらというお話なんですけれど、そういう内容で書かれたお話が新鮮で、主人公を取り巻く歴史背景や人物が面白いで...続きを読むす。
Posted by ブクログ 2017年08月14日
面白かったです。
上杉謙信の女性説、本当なのでは?と思った。
大河ドラマとかやったら案外面白そう。
今は子供なので、大人になったら力強い美しい女性になりそう。逞しさが好き。
Posted by ブクログ 2016年11月03日
ちょっとタラレバで東村アキコ漫画やっぱり合わないのかも‥と思っていたのだけど、これは読みやすくてビックリした!
歴史にさほど詳しくなくても「真田丸」感覚で見ていけるライトな感じが良いです。
上杉謙信の女性説ってまた突拍子もないな~って思ってたけど東村アキコが語る説を聞いてるとあながちでたらめではな...続きを読むさそうで‥さらにビックリ!
Posted by ブクログ 2016年08月07日
上杉謙信、しかも女説採用、しかも東村アキコ。
東村アキコまとめ読み期間を経た今、これだけで読む理由としては充分でした。
物語はまだ大きく動かないけど、続きが楽しみ。
Posted by ブクログ 2016年04月07日
東村作品の歴史漫画
主役は上杉謙信で、彼が女だったら…という説に則って話が進んでいきます。
ちなみに女性説は事実あるそうで。
結構前に買ってましたが、
最近大河ドラマにはまっているので
いまはとっつきやすいだろうということで
ようやく読みました。
うん面白い。
単なる真面目な歴史漫画ではなく
と...続きを読むころどころの東村節が良いです。
Posted by ブクログ 2016年02月21日
NHKのマンベンを見て興味が出て買いました。
女子っぽい作画に抵抗があって触れてこなかったけど、後悔。
面白かったです。
戦国の世とは思えないギャグテイストも面白い。
東村ワールドなのかな?
終盤の別れのシーンは泣いちゃうかも。
Posted by ブクログ 2015年11月03日
初・東村アキコさん。たまたまテレビで作品の紹介を見て、本屋で出合ったので読んでみました。
本当に謙信は女の子でもよかったような…と引き込まれました。これからどんな武将に成長していくのか、楽しみです。
それにしても、アキコのティータイム!? 歴史漫画でこういうコマの使い方する人はなかなかいないんじゃ...続きを読むないかと驚いた。しかしそういえば、司馬遼太郎の小説にも「取材したとき~」というような文があったなぁ。その時代と読者のあいだを作者が仲介するという意味では、それと似たようなものかも。
Posted by ブクログ 2015年10月09日
アキコ先生が歴史モノ!?だいじょぶか~って思ったけど、やっぱだいじょぶでしたね(あっさり)
いつもどおりテンション高くて飛ばし気味だけど、時折ちゃんと史実を感じさせる無常さ儚さがあって飽きさせない。
こうして本棚にアキコ作品が増えていく…
Posted by ブクログ 2015年09月28日
日本史が苦手でも描ける、読める、というコンセプトらしく、オモシロイ!ハードル落とし方がとても上手くて。歴史好きは怒るのかもしらん。
漫勉でこだわっていた花畑の場面も、グッときた。先が楽しみ。
Posted by ブクログ 2015年09月24日
歴史上の人物を題材に、キャラクターの可愛らしさや楽屋オチ的ギャグなど東村アキ子らしさが随所に出ている良作。作者がストーリーをどう展開させるのか、今後が楽しみ。
Posted by ブクログ 2015年09月17日
おもしろかった!
謙信の家族や、下女たちや、オボーサンたちがいい味だしてた♪
真面目な解説だけでなく、歴史苦手さん向けのテキトーな解説まであって親切。
早速登場の武田信玄がなんか意外なキャラで、ますますおもしろそうだー。
Posted by ブクログ 2022年11月07日
「毘」の旗を差した女性像 強面 八卦 駿河の今川義元 勇ましく艶やかに ほそおもて細面で柔和な顔立ち 武家諸法度 すみれ菫 標高約180mの春日山
Posted by ブクログ 2017年01月15日
春日城跡には仕事の関係で行ったことがあって、お花畑跡と毘沙門堂に謙信が毎月篭ってたというエピソードは印象に残ってる。上杉謙信が何したかとか全く知らないくらい歴史弱いので、これからの展開が普通に楽しみ。
Posted by ブクログ 2016年02月10日
上杉謙信女性説を題材にした作品。東村さん意外と歴史物もいけるんじゃん!と思うけど、いつものあの過剰なギャグをどのくらいの塩梅で差し込んでくるのか、それによって今後付いていけるかどうかが分かれるような気もする。
Posted by ブクログ 2016年01月13日
東村アキコが歴史モノ…?漫勉で気になっていた1冊です。
読みやすいし分かりやすいしいつも通りのギャグの入れ方とかはさすがやな、と思いますが、何か「ね?謙信ってやっぱ女でしょ?そう思わない?」感がちょ〜っと強すぎるかなという気が…。この作家さんは日常生活の中の何気ないことに対する洞察力に非常に長けて...続きを読むいる人だと私は思うので、やっぱタラレバとかの方が面白く感じてしまうし、つまるところ休刊に追い込まれたヒモザイルが読みたかったという話です。
ただ登場人物の表情はどれも魅力的に描かれていると思っていて、この話に、というか歴史に、表向きはふざけながらも真剣に向き合おうとしている姿勢が感じられてやっぱさすがやな、と感じてしまいます。
Posted by ブクログ 2015年10月16日
解説が随所にあって面白く、読みやすくてページをめくる手が止まりませんでした。小中学生のころ伝記を読みあさったのを思い出しました。
今後戦場に出て戦う場面も描かれるでしょうし、楽しみです。
Posted by ブクログ 2015年10月13日
東村先生の戦国モノですって?!読みやすく、上杉謙信へとどのように育っていくのか気になるお話でした。いつもの東村先生節は少しパワー抑え気味?かもしれませんが…続きが気になる!虎千代が大きくなるにつれ戦のシーンになっていけば毒々しいお話(東村先生節)が見れるでしょうか?(笑)楽しみ!
Posted by ブクログ 2015年09月22日
東村さんが歴史もの漫画…だと…。と帯の裏側通りに思っていましたが、いやあ女謙信おもしろい!謙信女説に信憑性を感じたのが肖像画からだったというのが、著者の絵描き心を感じさせてなんか好きです。
東村さんだし、御付きのお仙とお竹は今にも小芝居始めるんじゃないかという雰囲気ですが、シリアスな部分はきっちりシ...続きを読むリアスで続きが楽しみ。
歴史漫画にありがちな解説パート。ストーリーが気になっちゃうもんだからついつい文字が多くなってくると、分かったような気持ちで読み流してしまうことも多いんだが、そんな歴史嫌いな読者に向けての「アキコのティータイム」も完備!わーい!
まあいささか本編とのギャップがありすぎて、初読時はちょっとスルーしたりもしましたが、これで二周目は一緒にドラマでも見てるような気分で楽しめちゃうぞ☆
Posted by ブクログ 2015年09月19日
上杉謙信女性説が本当な気がしてきてしまうテンションの説得力。
東村アキコの歴史物というジャンルが既に出来上がっていました。すごい筆力…!!
まだ幼少期のお話ですが、これからどんな話の持って行き方になるか未知数。楽しみです。
作者が出しゃばりすぎなんだよ・・・・
最初からこんなおかしなコマ割りで下半分グダグダ作者のウダ話みたいなのやってちゃ読む気も失せるよ・・・