戦国時代の人気武将といえば、必ず名前が上がる「上杉謙信」。
この勇猛果敢な“越後の虎”は、実は女だったという説のもと、謙信の生涯を大胆に描いたこの作品。
『海月姫』『東京タラレバ娘』の東村アキコ先生が描く大河ロマンものってどんななんだろう?とワクワクしながら手に取りましたが、読んでみて大正解でした!
主人公の上杉謙信はもちろん、体は弱いけれど心優しい兄・晴景、謙信が慕い続ける兄僧・宗謙、そして今後のキーパーソンとなる永遠の宿敵・武田信玄…
登場人物の誰もが、強く、美しく、そしてかっこよく、激動の戦国時代を生き抜くさまが、実にみずみずしく生き生きと描かれています。
ときにさく裂する東村節が効いたギャグも健在で、今までになかったわかりやすくて読みやすい歴史マンガとなっています。
また個人的にオススメなのは、ページ下部で唐突に始まる「アキコのティータイム」のコーナー!
上杉謙信を語る上で知っておくべき歴史的背景や登場人物を、東村先生自らわかりやすく説明してくれます。
歴史ものでよく出てくるのが「登場人物が多すぎる!」「時代の流れがよくわからない!」という悩みですが、
東村先生の分かりやすくて面白い説明&アドバイス?(「家来が多くて覚えられないなら覚えなくていいよ!」とか最高!)で
気負うことなく読み進めることができます!
歴史に詳しくなくても大丈夫!戦国時代を男武将として強く生き抜いた女の一代記、ぜひ読んでみてください!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2019年07月11日
謙信女性説に史実を上手く組み合わせていて、かなり読ませる内容で満足度高し。結局上京は叶わなかったと思っていたけど、それは最晩年の話か。京都編も楽しそう。
Posted by ブクログ 2022年11月27日
川中島の合戦で、善光寺が出てくるんだけど、ちょうどブラタモリで善光寺やっていたな。
まだ見ていないから話に出てくるか楽しみだ。
で、虎は京へ行く。新たな出会いがあってどうなるやら。
Posted by ブクログ 2023年02月18日
現在の新潟県及び長野県を流れる日本一長い川として知られる信濃川。しかし、実はこのうち信濃川と呼ばれているのは新潟県域のみで、長野県を遡ると千曲川と名前が変わる。 善光寺に「大門堂」 血塗れの股を洗うたら腹の痛みも引いてきた 青苧の公益ルートである海路を使ったことは間違いない 若狭街道。通称「鯖街道」...続きを読むと呼ばれているこの道は、現在の小浜市から熊川宿等を経由して山道に入り京に至る道である。 桔梗の根っこは水に晒して味噌に漬ける 城と寺が「まいばすけっと」並にあるな マジのアカデミック(学究的)取材旅行‼︎
Posted by ブクログ 2019年12月21日
前半は景虎(上杉謙信)と晴信(武田信玄)の第一次川中島の戦いまで、後半は景虎が京に上り、幕府を追われた足利家とコンタクトするまでを描く。
謙信は実は女だったという設定で描かれているから、歴史ものとは言っても歴史ファンタジーになるのかと思っていたら、史実をきちんと押さえてあって、案外骨太の歴史ロマン...続きを読むになってきた。いろんなキャラは出てくるけれど、脚色してある部分も、「謙信が女」説が正しいとしたら、実際にこんなことがあったはずだ、という範囲を大きく逸脱していないように思う。
でも、東村先生のこれまでの読者層がこういう本格的歴史ロマンが好きかって言われると、どうなのかな。先生もその点ずいぶん苦労しているようでございます。特に上京編ではお公家の美男子をこれでもかってくらい投入。
人物像は表情の一つ一つまで丁寧に描きこまれている。こういうところは歴史ロマンだからこそ凄みがでてくるところ。